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現代に日本において深刻な問題となっている「人手不足」。
この記事では、なぜ今人手不足が進んでいるのか、人手不足に悩む企業がどのような対策を行うべきなのか、また今注目されている「女性労働力の活用」について解説いたします。
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CONTENTS |
1.日本企業において人手不足が深刻化する背景 |
現代日本において人手不足が深刻化する背景のひとつとして、「少子化問題」があります。
厚生労働省のデータによると、平成28年の出生率は過去最小、平成17年には死亡率が出生率を上回り、日本社会は人口減少化の局面に入りました。
2021年4月の人口動態統計(概数)によると、2020年の出生数は84万832人で1899年の調査開始以来最小、また5年連続で過去最低を更新。1人の女性が生涯に産む子供の推計人数を示す「合計特殊出生率」も1・34と5年連続で低下しています。未婚化や晩婚化が進行し、少子化の歯止めがかからなくなっています。
それに伴い急速に進行するのが「高齢化」。令和2年10月1日時点の高齢化率(総人口における65歳以上の人口の割合)は28.4%、2040年には35.3%まで上昇することが予想されており、働き手不足が深刻化しています。
参考:令和元年度少子化の状況及び少子化への対処施策の概況(令和2年版少子化社会対策白書)
人手不足が加速する背景として、人材獲得における競争が激しくなっていることが挙げられます。
新型コロナウイルス感染症の流行により企業の求人数は減少し、2021年1月に厚生労働省から発表された2020年平均の有効求人倍率は1.18倍で前年と比べると0.42ポイント低下したものの、以前として人材獲得に苦戦する企業が多くいらっしゃいます。
というのも、新型コロナの影響で採用活動を完全にストップしたわけではなく、即戦力となる人材にターゲットを絞った企業が増えたためです。
実際に、弊社「type・女の転職type」が2021年5月に実施した法人企業向けのコロナ禍の中途採用活動状況調査によると、コロナ禍で採用活動を行っていた企業は約8割を占め、かつ経験者をターゲットにしている企業が全体を大きく占めました。
もともと転職市場に母数が少ない経験者層を多くの企業がオファーを出す状況になっているため、採用難易度が高くなっているのです。
また、ワクチンの普及も進んでいることもあり、景気回復を見込み採用活動を再開する企業も増えています。今後は新型コロナ流行前の有効求人倍率に戻っていくことが予想されます。
💡 アンケート調査結果レポートは下記よりダウンロードいただけます
【type&女の転職type】コロナ禍での中途採用活動状況に関するアンケート調査結果報告(2021.05)
人材獲得が難しくなっている背景として、働き方の多様化も挙げられます。
これまでは「正社員として企業に属する」ということが当たり前とされてきましたが、近年ではフリーランスなど企業に属さない働き方、副業という手法でやりたい仕事を企業に属しながら行う働き方、ジョブ型雇用といった勤務時間ではなく成果物で対価を支払われる新しい働き方が広まっています。
仕事に対して賃金や労働条件だけを重視するのではなく、「やりがいを感じたい」「スキルを伸ばしたい」という価値観が広まっていることから、企業は雇用の形や働く環境を柔軟に変化させていく必要があります。
2.新型コロナによる人手不足問題への影響 |
新型コロナウイルスは採用市場に大きな影響を与えました。
景気悪化により企業の採用活動が縮小し求人数が減少した一方、働き方の価値観が変化し転職活動を始めた求職者や、業種によってやむを得ず転職活動を始めた求職者が増えたことなどから採用市場全体の求人倍率が下がりました。しかし、業種によっては引き続き人材獲得の競争が激しいところもあるようです。
下記は、帝国データバンクが行った人手不足に対する企業の動向調査のデータです。
2020年7月時点で従業員不足と感じている企業は正社員で30.4%(前年同月比-18.4%)となっており、人手不足と感じる割合が大幅に減少していることが分かります。
一方で業種別にみてみると、「不足」計の値が建設業界は51.9%と最も高く、さらにメンテナンス・警備・検査業界、教育サービス、農・水・水産をはじめとする7業種が40%台を記録しています。
また、全体的に2019年度と比較した場合に、人手不足の割合は減少していますが、「教育サービス」「各種商品小売」の2つの業種は増加していました。
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2020年7月)- 帝国データバンク
2021年4月頃から、新型コロナウイルスのワクチン接種が医療従事者以外の民間人にも広まり、7月現在では企業における職域接種も進んでいます。首相官邸ホームページの新型コロナワクチン供給スケジュールでは、「希望する全ての対象者への接種を本年10月から11月にかけて終えることを目指す」と記載があります。
参考:新型コロナワクチンの供給スケジュール等について - 首相官邸ホームページ
それに伴い、採用に動き出す企業も増えています。
人材業界に関する最新ニュースや求人市場の動向などの情報を発信するメディアHRogの「2021年7月第4週 正社員系媒体 求人掲載件数レポート」によると、「doda」「type」「エン転職」「マイナビ転職」「リクナビNEXT」の中途採用向け主要総合転職サイトにおける求人数は12.4万件、2021年6月末から大幅に伸びています。
参考:【2021年7月第4週 正社員系媒体 求人掲載件数レポート】リクナビNEXTで前週比+8.3%、求人数124,043件
また、景気回復を見込んでいる経営者も多いようです。日本経済新聞が国内主要企業の社長(会長などを含む)を対象に3ヶ月に1度実施している「社長100人アンケート」によると、半年後に景気拡大を見込む経営者が9割超に達しています。
また、景気拡大の要因(複数回答可)として最も回答が多かったのは「ワクチン接種の広がり」で82.2%となっていました。
参考:景気、半年後「拡大」9割超 社長100人アンケート|2021年6月29日更新 - 日本経済新聞
3.人手不足が深刻化する業種・業界 |
新型コロナウイルス流行以前から、慢性的な人手不足が深刻となっている代表的な業種を紹介します。
建設・建築業界は人手不足が問題とされている代表的な業界の一つです。
国土交通省が平成28年に発表した「最近の建設産業と技能労働者をめぐる状況について」によると、建設業者数は平成26年度末で約47万人、ピーク時の11年度末から約21%減少しています。また建設業就業者数は27年度において平均500万人で9年度平均から約27%減少しています。
原因として挙げられるのは「若者離れ」にあります。体力的にハードな現場や、危険を伴う作業が伴う仕事ということもあり、若年層の求職者が少ないかつ離職率が高い傾向にあります。
国土交通省の同データによると、平成27年建設就業者の55歳以上の割合が約34%、29歳以下が約11%と高齢化が進行しており、次世代への技術継承が大きな課題となっているということでした。
参考:最近の建設産業と技能労働者をめぐる状況について - 国土交通省
昔に比べて仕事の種類が多様になっていることや、経済の発展などから人気の職種が変化していることなども影響していると考えられます。
IT業界も人材不足が問題となっている業界です。業界としての成長率やニーズの高まりなどから人気業界ではあるものの、
・業界経験者を求める企業の数に対して求職者の母数が少ない
・未経験者の求職者は増えているものの教育体制が整っていないなどの理由で受けいれられる企業が少ない
というのが大きな原因です。
経済産業省が発表したデータによると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足していると試算されています。
参考:経済産業省 - IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書(2019年3月)
この問題解決のために政府の取り組みも盛んになっており、企業に対するDX推進指標の創設や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の運営費の交付、IT人材育成事業の推進などを行っています。また東京都ではコロナ禍で離職した35歳以下の方を職業訓練を無料で行う「デジタル人材育成事業」を創設したりと、各自治体でも対策を盛んに行っています。
参考:【公式】東京都 デジタル人材育成支援事業 -「デジタル人材育成支援事業」運営事務局
医療・介護業界も慢性的な人手不足が続く業界です。高齢化が進み高齢者の人口が増加している中で医療・介護業界のニーズが高まる一方で、建設業界と同じように就労する若者が少ないため人材獲得が難しくなっています。
医療業界については、看護師不足が問題視されています。原因は就労者数に対して人材需要が急激に増加していること、また離職率の高さにあります。
介護業界についても同様です。介護労働安定センターが令和2年8月に発表した「令和元年度『介護労働実態調査』」によると、介護保険サービス事業を実施する事業所18,000のうち、「介護サービスに従事する従業員の不足感(「大いに不足」+「不足」+「やや不足」)は全体で65.3%を占めています。また経済産業省によると、2035年には約79万人介護人材が不足すると発表されており、今後も介護業界の人手不足は続いていくと考えられます。
参考:令和元年度介護労働実態調査結果について - 公益財団法人介護労働安定センター
4.人手不足に悩む企業が取り組むべき5つの施策 |
それでは、人手不足に悩む企業はどのような施策を行うべきなのでしょうか。ここでは5つの施策について解説していきます。
人手不足対策としてまず挙げられるのが、「活用しきれていない労働力の活用」です。そこで現在注目されているのが、「女性」「シニア」「外国籍」の3つのマーケットです。
① 女性
女性の労働力活用については、国としても注力している施策の一つです。
以下の図は内閣府ホームページに掲載された、2019年における年齢別での女性の労働力率と、女性就業希望者の折れ線グラフです。労働力率(青の折れ線)だけでみると、子育てする女性が増える傾向にある30代前半~40代前半にかけて落ち込む一方、働くことを希望しているが求職していない「就業希望者(赤の折れ線)」をみると30代~40代で特に落ち込んでいるわけではありません。この就業希望者は231万人に昇ります。就労を希望しているにも関わらず働くことができていない女性が多く存在するということが分かります。
※参考:男女共同参画白書 令和2年版 - 女性の就業希望者の内訳(令和元(2019)年)- 内閣府ホームページ
国としても、「女性活躍推進法」という法律にて企業に対して女性の雇用・活躍推進の計画立て・情報公表などが定めていたりと、企業に積極的な女性労働力の活用を促しています(詳細については後述します)。
② シニア
上述したように、日本社会は今後若手層よりも高齢者層の人口割合が大きくなっていきます。その中で注目されているのがシニアの労働力です。
若手社員と比べてシニア社員は、熟練したスキルやノウハウ、人脈などの強みがあります。企業の中には積極的に定年を60歳から65歳に引き上げたり、再雇用を進めている企業もあります。
また国の取り組みとして、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」の改正も行っています。
たとえば平成16年6月に施行された改正法では、60歳未満の定年を廃止、また65歳までの雇用確保措置として、定年を65歳未満に定めている事業主は「①65歳までの定年引上げ」「②定年制の廃止」「③65歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入」のいずれかの導入を義務付けられました。
さらに令和3年4月に改正され、65歳までの雇用確保に加えて、65歳から70歳までの就業機会を確保するために「①70歳までの定年引上げ」「②定年制の廃止」「③70歳までの継続雇用制度の導入」「④70歳までに継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」「⑤70歳までに継続的に『a 事業主が自ら実施する社会貢献事業』『b 事業主が委託・出費(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業』の導入」が努力義務とされています。
参考:高年齢者雇用安定法の改正について(平成16年6月内容)- 大阪労働局
参考:高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~ - 厚生労働省
③ 外国籍
女性とシニアに加えて注目されているのが、「外国籍」の方の労働力活用です。
上述したように、現時点では女性とシニアの労働力活用がポイントになるのですが、労働人口の減少よりもさらに大きく、現在課題として浮かんでいるのが「日本国内の人口減少」です。
そこで活用が注目されているマーケットが「外国籍」の方の労働力です。
女性とシニアの方の場合、体力的に負荷がかかる仕事は不向きな方が多いかもしれませんが、外国籍の方で若年層でしたり男性の方を雇用することで解決できる場合もあります。
採用ターゲットを見直してみるのも一つの手です。
現在行っている採用活動の目的や背景を整理し、理想の姿を実現するためにどのような人材を採用する必要があるのかを見直します。
そこで大切なのがMUST(最低限必要な)条件とWANT(できれば欲しい)条件を整理することです。採用要件を決める際に求める条件を挙げていくと、どうしてもあれもこれもとプラスアルファの条件が増えていきがちです。最低限必須となるMUST条件だけをまずは洗い出し、採用市況を踏まえた上で「自社で採用できる人材なのか」を見極め、可能であれば追加条件など増やしていくことをオススメします。
整理した上で、「もう少し求める要件レベルを下げることができそう」「求めていたスキルのこの部分は既存社員内で補えるのでは」、など案が出てくるかもしれません。
💡 下記の記事にて採用ターゲット(ペルソナ)の設計について詳しくまとめています
今活用している採用手法で人材獲得ができていないのであれば、自社の採用活動と採用手法があっていない場合もあります。
たとえばハイレベルな経験者を採用したい場合に、ただ無料掲載型の求人媒体に掲載をしているだけではなかなか採用は決まりません。というのも、ハイレベルな経験者は採用したいと考える企業がそもそも多いため、スカウトメールも数多く届きますし、求職者の動きとして自ら求人を探して応募をするより、オファーがあった企業の中から選んで応募をする方が多いです。
大手企業やサービスの知名度が高い企業の場合には、そもそもその会社の選考を受けたいと考えている方がWeb検索から求人に辿り着き、応募をするケースもあります。しかし、そうでない場合には、ただ求人を載せている状態=待ちの姿勢でハイレベルな人材の応募を集めるのは難しいです。
その他、採用スケジュールに対して採用手法があっていないというケースもあります。
今の採用計画・採用ターゲットに対して適した採用手法・採用活動ができているか見直してみるのも一つの手でしょう。
💡 下記資料にて、採用課題別に適した採用手法についておまとめしています
もし現在離職率が高く、常に人材獲得しなければならない状態の場合は、まずは従業員の満足度を高め離職率を下げる対策を行うべきです。
離職率を下げる施策として挙げられるのは、
① 賃金・待遇・労働時間の見直し
② メンタルヘルスケアの導入
③ 教育体制の見直し
④ 働き方の条件の見直し(テレワーク・フレックス制度など)
⑤ 評価制度の見直し
⑥ 福利厚生制度の充実
⑦ 職場環境の見直し
などが挙げられます。
💡 下記の記事にて「早期退職防止」のノウハウについて詳しくまとめています
早期退職に繋がる3つのギャップとは?|入社後の定着率を高める職場環境の整備について解説!
人員補充により人手不足に対策を打つこと以外にも、今現在の業務を効率化し既存社員で業務を回していく手もあります。今どの業務に工数がかかっているのかを洗い出し、工数がかかっている業務については改善ができないかを検討してみましょう。
また、RPA(Robotic Process Automation)といったロボットが人の業務を代替してくれるサービスを導入する企業も増えています。高額なイメージもありますが、サービスも多様化しており、低価格なものもあります。
ルーチンワークや、大量のデータを扱うがために時間がかかる作業等、RPAに向いている業務については導入を検討するのも良いかと思います。
参考:RPA | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI) - 株式会社野村総合研究所
参考:RPAに向いている業務と向いてない業務。具体例と選別のポイント。- NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社
参考:【2021最新比較表】RPAツール価格・特徴を徹底比較!選び方も解説 - ITトレンド - 株式会社Innovation & Co.
5.女性の雇用・活躍推進に関する社会の動き |
本記事では、4で紹介した施策のうち「女性の労働力の活用」にフォーカスしていきます。まずは、女性の雇用・活躍促進に関する社会の動きについて解説いたします。
弊社「type・女の転職type」が2021年4月に行った、人事向けの中途採用活動状況アンケートにおいて、「今後社員の女性比率を上げる取り組みを行う予定はありますか?」という質問を行ったところ、
・社員の女性比率を上げる予定がある - 29.3%
・管理職の女性比率を上げる予定がある - 12.0%
という回答が得られました。
また、その他(21.3%)と回答した企業のうち13.0%の企業が
・すでに組織における女性比率が高い
と回答しており、女性採用の強化を意識している企業が多いことが分かります。
さらに、女性比率を上げる背景としてもっとも多かったのが「企業イメージ向上に向けて(45.8%)」でした。
「ポジティブ・アクションのため」「女性活躍推進法を意識して」「ダイバーシティのため」と回答した企業も多く、雇用における性差の改善に取り組み動きが見られました。
💡 資料のダウンロードはこちらから
コロナ禍での中途採用活動状況に関するアンケート調査結果報告(2021.05) |type・女の転職type - 弊社株式会社キャリアデザインセンター
女性活躍推進法とは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の略称で、女性が職場において活躍できる社会を実現させるために定められた法律です。2016年4月1日に施行され、10年間の時限立法(有効期間が定められた法令のこと)として施行されました。
この法律の特徴としては、国が企業に対して、女性が働きやすい環境を整えられているのかの現状把握や、女性活躍を促すための目標や計画の報告を義務づけているという点にあります。
その女性活躍推進法が、2019年6月に改正されました。
改正前では、行動計画の報告を義務づけられているのは従業員(正社員だけでなく、1年以上継続雇用されている契約社員やパートを含む)規模が301名以上の中堅~大手企業でしたが、改正によってこれまで努力義務とされてきた「従業員数が101人以上300人以下」の事業所についても、策定・届出の義務化が定められました。
改正の主な内容は、次の3つです。
① 行動計画・情報公開の義務の対象が拡大(2022年4月1日施行) ② 女性活躍に関する情報公表の強化 ③ 「プラチナえるぼし」の創設(2020年6月1日施行) |
参考:改正の概要 - 厚生労働省|女性活躍推進法の改正
法律の定める一般事業主行動計画の策定・届出義務が生じる事業主の要件が、現行の「従業員数301人以上」の事業主から、「従業員数101人以上」の事業主に拡大されます。
従業員数301人以上の事業主に対して、「職業生活に関する機会の提供に関する実績」、または、「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の項目のうち、それぞれ1項目ずつ公表することが、新たに義務付けられました(これまでは、任意の1項目以上を公表すれば足りるとされていた)。
現行の「えるぼし認定」よりも水準の高い、「プラチナえるぼし認定」が創設されます。「プラチナえるぼし認定」は、えるぼし認定企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が得に優良であるなど、一定の要件を満たした場合に認定され、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されます。
参考:「えるぼし」認定の基準とは? - 厚生労働省
引用:『「プラチナえるぼし」のデザインを決定しました』- 厚生労働省
引用:『女性活躍推進法特集ページ』- 厚生労働省
💡 改正女性活躍推進法に関する詳しい情報については、下記ページにておまとめしています
女性活躍推進法とは?企業がやるべきこと、取り組むメリットとは(2021年2月版)
女性活躍やその前提となるワークライフバランス等を推進する企業が行政から受けられる認定です。
基準を満たした企業のうち、厚生労働省が認めた企業だけが受け取ることができ、認定を受けた企業は公共調達や低金利融資などを得ることが可能です。
両立支援等助成金とは、仕事と家庭の両立支援や女性採用の促進・活躍推進に取り込みを行う企業に対して国から支払われる助成金です。
助成金には5つのコースがあり、そのうちの1つが中小企業向けの女性の活躍推進に取り組むことで受給できる「女性活躍加速化コース」になります。(常時雇用する労働者が300人以下の事業主)
目標区分 | 支給額 | 支給条件 |
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参考:両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)について - 厚生労働省
参考:『両立支援等助成金ページ』- 厚生労働省
そのほかにも東京都の施策として、『女性の活躍推進コース』というものがあります。
女性の職域拡大等を目的として、女性が少ない職種に積極的に女性を採用・配置する計画をしている都内中小企業等に対し職場環境の整備に係る費用を助成してくれます。
参考:女性の活躍推進コースとは? - 厚生労働省
女性活躍推進に優れた企業は、優良銘柄として投資家も注目しています。
・なでしこ銘柄:
経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し発表しています。
参考:女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」- 経済産業省
GPIF(年金積立年金管理運用独立行政法人)が女性活躍に注目した「MSC日本下部女性活躍指数(WIN)」に連動したESG投資を開始する等、ESG投資において企業の女性活躍状況を考慮する動きが広がっています。
💡 女性採用・活躍推進を検討する際に役立つ参考データをまとめた資料を無料公開中
6.女性の雇用促進を進めるために企業がやるべきこと |
では、女性の雇用促進を進めるために企業はどのようなことに取り組むべきなのでしょうか。
まずは、現時点での自社における女性の雇用・活躍推進に対する取り組み状況を把握しましょう。
とはいえ評価する指標と数値に対して良いのか悪いかの判断がつきづらいと思いますので、厚生労働省が公開している「一般事業主行動計画策定支援ツール」の活用をオススメします。
一般事業主行動計画策定支援ツールとは 一般事業主が行動計画を策定するにあたり、法律に基づき企業が実施する状況把握、課題分析について、支援するための厚生労働省が推奨しているツールです。 状況把握や課題分析の方法・手順を示した「策定支援マニュアル」と、マニュアルで示された手法により課題分析を行うために必要なデータの入力を支援する「入力支援ツール」から構成されています。 |
参考:「一般事業主行動計画策定支援ツール」をご活用下さい! - 厚生労働省
※ツールのダウンロードは厚生労働省ホームページから:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)
現状分析の次は、具体的にどう改善していくかを計画していきましょう。
この女性活躍推進に向けた行動計画立ては、女性活躍推進法にて「一般事業主行動計画の策定・届出」として企業に推奨されています(上述のように、2022年4月1日から「従業員数101人以上」の事業主に対しては義務付けされます)。
行動計画に定める項目としては以下の4つです。
行動計画の例については、厚生労働省のホームページにて参考例が掲載されています。参考いただければ幸いです。
参考:一般事業主行動計画の策定例 - 厚生労働省ホームページ
女性を採用するにあたって、企業が取り組むべきこととして「女性が活躍できる環境づくり」も大切です。
というのも早期退職に繋がるケースとして、採用したのちに「女性が働きやすい環境が整っていない」「女性がキャリアアップできる制度・風土がない」といった状態によって離職に繋がることがあります。
そのため女性採用をスタートする前に、
を整理して実行に移していく必要があります。
仕事を通して活躍する女性を増やしていくためには、多様なキャリアを選択できる環境を整えていく必要があります。そのためには、まずは社員ひとりひとりの今現時点で考えているキャリアを把握し、それぞれにあったキャリアプランを会社が社員と一緒に考えていく・実現できるようなサポートを行っていきましょう。
ライフイベントの変化に合わせて、女性のキャリアに対する不安も少しずつ変わっていきます。
女性は、結婚・出産以前から両立に不安を抱えていることが多く、ライフステージに合わせてもその不安が多岐に分かれていきます。
日頃から女性社員が悩みなどを気軽に相談できるような環境づくりや、メンタルヘルス面や家庭との両立などに関する相談ができるサポート制度を設けることが大切です。
女性活躍推進法の基本原則では、「男女の職場と家庭の両立を図りやすくするための環境整備」「女性が職業生活と家庭生活との両立するために、本人の意思を尊重する」といった内容が明記されています。ここでは、女性だけではなく、男女問わす全社員が職場と家庭を両立できるようにサポート体制を整えていくことが重要です。
女性社員が自身のキャリアパスを描く際に、職場で活躍している女性の上司がいると、自身も長く働くイメージが湧きやすくなり、プラスな影響を与えます。
日本企業の管理職における女性の割合は国際的にみても最低基準となっており、国としても女性の管理職登用の強化を促進しています。女性の管理職登用を進めるには、管理職になる社員への社内・社外研修などサポート体制をつくること、管理職でもライフイベントを迎えた際に柔軟な働き方ができる環境づくりを行うことが重要です。
関連記事:【女性採用応援レポート】女性管理職が採用しやすくなっています
💡 下記の記事にてより詳しくまとめています
女性採用のために企業が取り組むべきことは「女性が活躍できる環境づくり」そのポイントとは?
(4)にて、女性雇用を促進するための環境整備としてやるべきことを挙げさせていただきましたが、「いきなり全て取り組むのは難しい・・・」という企業様もいらっしゃるかと思います。そういった企業様は、まずは他社の取り組みを参考に、真似ができるところから始めてみましょう。
厚生労働省では、「女性の活躍推進」を取り組む企業の好事例集を公開しています。また、企業アンケートをもとに、企業の女性の雇用・活躍推進における特長や課題でタイプを分け、各タイプ別に企業がどのような取り組みを行っているかを知ることができます。
参考:業種の特性に応じた仕事と生活の調和推進プラン - 厚生労働省
下記は、厚生労働省のホームページで取り上げられていた、IT企業で女性活躍推進に取り組まれている企業様の事例です。IT業界という、いまだに男性のイメージが強い業界ながら、会社ホームページのリニューアルや募集要項の見直し、教育体制の刷新などに取り組まれ、実際に技術職の女性採用に成功されています。
事業内容:ITコンサルタント(ネットワーク構築・ソフトウェア開発・技術支援)
現状と課題
・女性の応募人数および採用人数が少ない・技術職での女性の割合が低い目標
・全労働者に占める女性の割合を5%以上増加させる・技術職での女性の占める割合を5%以上増加させる取り組み内容
・女性が活躍できる職場であることをアピールできるよう、会社案内や募集要項の見直しを行い、会社の公式HPもコーポレートカラーともよく調和する白を基調にした明るく清潔感があるデザインにリニューアルした
・技術的な研修プログラムの充実を図る等により、技術職としてのキャリアパスを確立する取り組みの効果
・確実に応募者が増え、技術職で2名の女性を採用した・客観的な数値目標を掲げて取組を進めることで、社員も刺激を受け、新しい情報もキャッチしや
すくなってきているようだ
出典:~中小企業の優秀な人材確保のために~女性活躍推進の取組好事例集 - 厚生労働省
※文章は上記ページを引用
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