なでしこ銘柄とは?認定基準やメリット、選定方法などをわかりやすく解説

Topics: 16_女性活躍推進, 15_国の施策・法律, 14_働く制度・環境

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女性活躍推進に取り組んでいる企業が選定される「なでしこ銘柄」は、平成24年度から実施されており、選定されるとさまざまなメリットを得られます。

女性活躍推進に取り組んでいる企業や、女性活躍推進を促進したいと考えている企業は、なでしこ銘柄へ応募し、積極的に女性活躍推進に向けて取り組んでいくと、選定されて企業のさらなる成長につなげられるかもしれません。

この記事では、なでしこ銘柄の認定基準や選定方法、選定されるメリットをまとめているため、ぜひご参考にしてください。

 

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 CONTENTS

  1. なでしこ銘柄とは
  2. なでしこ銘柄の認定を受けるメリット
  3. なでしこ銘柄の認定基準
  4. なでしこ銘柄の申請の流れ
  5. なでしこ銘柄の選定方法
  6. なでしこ銘柄企業の公表について

 

 

 

1|なでしこ銘柄とは

経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している「なでしこ銘柄」について、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」とともに内容を解説します。

 

 

1-1.なでしこ銘柄とは

なでしこ銘柄

「なでしこ銘柄ロゴマーク」

なでしこ銘柄とは、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家に魅力ある銘柄として紹介する取り組みのことです。女性活躍のために「採用から登用までの一貫したキャリア形成支援」と「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」の2つを進めることが重要とされています。

なでしこ銘柄は、投資家の企業への投資を促進し、各社の女性活躍推進に関する取り組みを加速化していくことを狙いとして、経済産業省と東京証券取引所が平成24年度(2012年度)より共同で実施しています。

なでしこ銘柄に選定されるには、定められた調査への回答や、社内外問わず、女性取締役が1名以上いるなどの基準をクリアすることが求められます。なでしこ銘柄に選定される企業数は、業種ごとに1~2枠ほど、最大30社程度です。

【令和5年度の調査内容】
①女性活躍推進に関する数値などの定量情報に係る調査
②共働き・共育て(両立支援)推進に関する数値などの定量情報に係る調査
③共働き・共育て(両立支援)推進に関する経営戦略と紐づいた取り組みの定性情報に係る調査
④女性活躍推進に関する取組と経営戦略とのつながりやその成果といった定性的な情報に係る調査

 

なでしこ銘柄の由来は、サッカー日本女子代表の「なでしこジャパン」です。なでしこ銘柄のロゴマークは、一つ一つの丸を人材とみなし、多様な人材を活用することで企業が右肩上がりに成長していくというイメージで、「新しい価値を生み出し、創造する企業」のシンボルとして作成されました。吹き出しは、新たな意見が生まれることを表しています。

 

参考:女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」-経済産業省- 
参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料- 

 

 

 

1-2.Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業とは

 

Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業は、「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」の取り組みが特に優れた企業のことで、なでしこ銘柄とは別に20社程度が選定されます。

Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業の選定のポイントとしては、共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援を行なっているか、すべての従業員が働きやすい環境を作っているかなどが評価されます。

なでしこ銘柄とNextなでしこ 共働き・共育て支援企業への応募は、両方もしくはいずれか一方でも可能です。なでしこ銘柄に選定されるとNextなでしこ 共働き・共育て支援企業には選定されません。また、なでしこ銘柄のみに応募し、選定されなかった場合にも、Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業の選定対象とならない点に注意が必要です。

 

 

 

2|なでしこ銘柄の認定を受けるメリット

なでしこ銘柄の認定を受けた企業は、さまざまなメリットを得られます。なでしこ銘柄認定のメリットをご紹介します。

 

 

2-1.市場からの評価が上がる

なでしこ銘柄の選定を受けると、市場からの評価が上がる可能性があります。

経済産業省が発表した「令和4年度「なでしこ銘柄」レポート」によると、なでしこ銘柄の選定企業50社の株価指数とTOPIXとの比較を見てみると、TOPIXよりもなでしこ銘柄のほうが高いことが分かります。

なでしこ銘柄選定企業とTOPIXの株価指数比較

内閣府が機関投資家等を対象にしたアンケートによると、半数以上が投資判断において女性活躍情報を活用しているため、なでしこ銘柄に認定されれば市場からの評価が上がり、投資先として選ばれやすくなるでしょう。

投資判断に女性活躍情報を活用している割合

参考:令和4年度「なでしこ銘柄」レポート -経済産業省資料-
参考:女性の力を活かす企業を応援します!なでしこ銘柄

 

 

2-2.業績パフォーマンスが向上する

なでしこ銘柄の選定を受けることで、業績パフォーマンスの向上が期待できるでしょう。

なでしこ銘柄の令和4年度の選定企業17社と、東証一部銘柄の平均値を比較すると、令和3年度通期の売上高営業利益率(営業マージン)は、なでしこ銘柄が2.6ポイント上回りました。

なでしこ銘柄の売上高営業利益率

 

また、配当利回りも、なでしこ銘柄のほうが東証一部平均値よりも2.8ポイント上回っています。

なでしこ銘柄の配当利回り

 

なでしこ銘柄は、なでしこ銘柄が開始された平成24年度から毎年、東証一部平均値よりも高い売上高営業利益率を出しています。

なでしこ銘柄と東証一部における平均売上高営業利益率の差

そのため、なでしこ銘柄に選定されるほどの女性活躍推進への取り組みは、業績パフォーマンスの向上にもつながると考えられます。

 

参考:令和4年度「なでしこ銘柄」レポート -経済産業省資料-
参考:令和3年度なでしこ銘柄 -経済産業省資料-

 

 

2-3.企業ブランディングの効果がある

なでしこ銘柄に選定されるほどの女性活躍推進に関する取り組みを行うことは、社員が働きやすい職場環境として企業ブランディングの効果があります。

特にライフイベントによって働き方が変わりやすい女性が働きやすい環境を整えるためには、柔軟な働き方ができるリモートワーク制度や時短勤務制度の導入、継続的な雇用環境の整備を行っていくことが重要となります。そのため、女性活躍推進に積極的に取り組む企業は就業希望者からの印象も良く、採用効果が高まったり、顧客からの印象が良くなるといったプラスな影響が期待できるでしょう

 

 

2-4.働く環境の改善による従業員満足度の向上

女性活躍推進への取り組みは、女性だけでなく、男性の働きやすさ向上にもつながる可能性があります。女性が働きやすい職場環境を整備するにあたり、現状の職場環境や制度の見直しを行うため、社員がより働きやすい環境の整備や制度の導入が実現するでしょう。

育児休業が取得しやすい、残業がないなど、社員の働きやすさが向上すれば従業員満足度も上がるため、モチベーションアップや離職率の低下につながることが期待できます。

 

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3|なでしこ銘柄の認定基準

なでしこ銘柄には認定基準があるため、認定を受けたい企業は事前に確認しておきましょう。

なでしこ銘柄の認定基準について解説します。

 

 

3-1.対象企業の基準

令和5年度におけるなでしこ銘柄の対象企業や応募書類は、次のとおりです。

項目 令和5年度なでしこ銘柄事業
対象企業 令和5年(2023年)9月27日時点で東京証券取引所のプライム市場・スタンダード市場・グロース市場に上場しているすべての企業(外国株を含む)
銘柄選定企業数 30社程度(18業種1~2枠程度)※「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」は20社程度、1業種の上限は2社
応募書類
(「女性活躍度調査」調査票)
①共通調査票
②なでしこ銘柄調査票
(※「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」のみの応募の場合は共通調査票のみ)

 

また、なでしこ銘柄選定に用いられた業種分類は、次の18業種です。

食品 鋼鉄・非鉄 運輸・物流
エネルギー資源 機械 商社・卸売
建設・資材  電機・精密  小売
素材・化学  情報通信 銀行
医薬品 サービスその他 金融(除く銀行)
自動車・輸送機 電気・ガス 不動産

参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料-

 

 

3-2.令和5年度におけるなでしこ銘柄の選定ポイント

令和5年度におけるなでしこ銘柄の選定ポイントは、女性活躍の取り組みの多寡や経営戦略との連動、共働き・共育て支援を評価することでした。

具体的には、企業の経営戦略において、女性活躍推進が必要な理由や実現したいこと、取り組み方や出したい結果、課題やアクションなどを、一貫性を持たせたストーリーとして見える化することや、国内外への効果的な情報発信を行なっていることが評価ポイントとして挙げられました。

また、共働き・共育て支援の推進状況として、共働き・共育てを男女問わず可能にする両立支援の取り組みを進めたり、すべての従業員が働きやすい環境づくりや、自律的にキャリアを形成しやすい職場づくりを行なったりしていることが評価対象とされました。

参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料-

 

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4|なでしこ銘柄の申請の流れ

なでしこ銘柄の申請の流れを解説します。(※記載内容は、令和5年度の応募方法です)

参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料-

 

 

4-1.定量調査表をダウンロード

まずは、経済産業省のホームページにアクセスし、①共通調査票(Excel)②なでしこ銘柄調査票(Word)をダウンロードします。

令和5年度の応募期間は、令和5年9月27日の10時から令和5年11月9日の16時まででした。

経済産業省から依頼状の発送はありませんが、上場企業宛に東京証券取引所より調査開始時に通知が送られます。

 

 

4-2.回答

ダウンロードした①共通調査票(Excel)②なでしこ銘柄調査票(Word)に回答します。

共通調査票となでしこ銘柄調査票の両方に回答した企業がなでしこ銘柄の選定対象となるため、選定対象となりたい場合は必ず両方提出しましょう。

 

 

4-3.メールで提出

回答が完了したら、なでしこ銘柄の事務局あてに共通調査票となでしこ銘柄調査票をメールで提出します。受付はメールのみのため、誤って郵送しないように気を付けてください。

原則として、土・日・祝日を除く1営業日以内に、受領の連絡がきます。

 

 

4-4.審査・選定

なでしこ銘柄の審査対象となるには、2つの段階をクリアする必要があります。

まず、応募の段階では、次の項目をクリアします。

■ 応募段階

下記回答必須項目への回答
・応募対象
・企業名等
・回答内容の公表への同意
・女性活躍推進法に基づく行動計画の策定
・「女性の活躍推進企業データベース」における女性管理職比率の開示
・上場企業単体ベースの女性取締役数
・法令遵守状況
・反社会的勢力とのつながりがないこと

 

上記をクリアし、応募した場合は、多くの応募企業の中からスクリーニングされます。スクリーニングの段階では、次の項目のクリアが求められます。

■ スクリーニング段階

・直近3年間平均ROEがマイナスではない(※ROE:自己資本利益率)
・回答内容の公表に同意する
・女性活躍推進法に基づく行動計画の策定(従業員数101人以上の企業)
・「女性の活躍推進企業データベース」で女性管理職比率を開示している
・上場企業単体ベースにおいて、社内外問わず、女性取締役が1名以上いる
・法令が遵守されていること
・反社会的勢力とのつながりがないこと

スクリーニングによって審査対象となった企業が、なでしこ銘柄の選定企業として審査されます。

■ 審査段階

①共通調査票:調査票に〇印を記載している項目についてスコアリングを実施
②なでしこ銘柄調査票:女性活躍の状況に関する定性的な情報について、ストーリーの一貫性等、全体をとおして審査を実施

 

 

4-5.「なでしこ銘柄」ロゴマーク送付

なでしこ銘柄の審査期間は、令和5年11月から令和6年2月で、令和6年2月下旬から3月上旬に選定企業が決定します。

令和6年3月下旬には、企業の担当者へメールでの連絡とともに、「なでしこ銘柄」、「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」ロゴマークが企業に送付されます。

 

 

4-6.選定企業公表

令和6年3月下旬には、選定企業の公表が行われます。

公表される項目は次のとおりです。

■ 公表項目

・事業概要・結果報告レポート
・「なでしこ銘柄」選定企業事例集
・「共働き・共育て支援企業」選定企業事例集
・共通調査票回答企業定量データ一覧

 

なでしこ銘柄の選定後に、企業が提出した情報が虚偽であったことが判明した場合や、法令遵守状況などでふさわしくないと判断される事実が生じた場合は、選定を取り消されることがあります。

 

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5|なでしこ銘柄の選定方法

なでしこ銘柄が選定されるにあたり、スクリーニング項目やスコアリング項目があります。

令和5年度における、なでしこ銘柄の選定ポイントとともに解説します。

参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料-

 

 

5-1.令和5年度におけるなでしこ銘柄の選定ポイント

前述したように、令和5年度におけるなでしこ銘柄の選定ポイントは、経営戦略と結びついた女性活躍推進体制・施策となっているか、共働き・共育て支援の取り組みが進められているかが重視されました。

企業価値向上につながる女性活躍のためには、「採用から登用までの一貫したキャリア支援」と「共働き・共育てを可能にする男女問わない両立支援」を両輪で進めることが求められています。

両立支援については、女性向けの制度となっている場合、出産、育児などのライフイベントや家事と仕事の両立の負担が女性に偏る恐れがあるでしょう。

そのため、性別の偏りなく、男女ともに利用しやすい支援制度を設計することが女性活躍につながるとして、「男女問わない両立支援」についても評価対象となりました。

 

 

 

5-2.8つのスクリーニング項目

なでしこ銘柄におけるスクリーニング項目は、次の8つです。

■ スクリーニング項目

・共通調査票となでしこ銘柄調査票を提出していること
・直近3年間平均ROEがマイナスではない(※ROE:自己資本利益率)
・回答内容の公表に同意する
・女性活躍推進法に基づく行動計画の策定(従業員数101人以上の企業)
・「女性の活躍推進企業データベース」で女性管理職比率を開示している
・上場企業単体ベースにおいて、社内外問わず、女性取締役が1名以上いる
・法令が遵守されていること
・反社会的勢力とのつながりがないこと

 

 

5-3.26のスコアリング項目

共通調査票のスコアリング項目は、「①キャリア形成支援の推進状況に関する項目」で11項目、「②共働き・共育て(両立支援)推進状況に関する項目」で15項目あります。

それぞれのスコアリング項目は、資本市場、労働市場のニーズを反映する項目が設定されています。

 

①キャリア形成支援の推進状況に関する項目
役員等における女性の活躍状況 役員に占める女性の割合
取締役に占める女性の割合
社内取締役に占める女性の割合
執行役員に占める女性の割合
会社全体における女性の活躍状況 管理職に占める女性の割合
係長相当職に占める女性の割合
正社員採用に占める女性の割合
正社員に占める女性の割合
係長相当職のうち、課長相当職に昇進した比率の男女差異
管理職のうち、執行役員に昇進した比率の男女差異
正規雇用の男女の賃金の差異
②共働き・共育て(両立支援)推進状況に関する項目
全ての従業員を対象とする柔軟な働き方の推進状況 正社員の一か月あたりの平均法定外労働時間
正社員の年次有給休暇取得率
共働き・共育て(両立支援)の推進状況 女性正社員の育児休業からの復帰率
男性正社員の育児休業取得率
男性正社員の育児休業の平均取得日数
正社員の平均勤続年数の男女差異
共働き・共育てを可能にする取組の導入・実施状況 育児・介護以外でも理由を問わず従業員の希望に応じ
て働く時間を選べる制度
育児・介護以外でも理由を問わず従業員の希望に応じ
て働く場所を選べる制度
働く時間を削減するための制度・取組
全ての従業員の自律的なキャリア形成支援
共働き・共育ての実現に向けた支援
意識改革・風土醸成
共働き・共育ての実現に向けた制度・取組の推進状況 全ての従業員のエンゲージメント向上の推進
共働き・共育てを可能にする全ての従業員の働きやすさ実現の推進
共働き・共育てを可能にする全ての従業員の自律的なキャリア形成支援の推進 

 

共通調査票において、スコアリング項目には〇印が付されています。

スコアリング項目の中で、回答を控えたい場合は非回答(空欄)とすることができますが、スコアリングに影響があったり、公表時には非回答であることが分かるような形で公表されたりするため、注意が必要です。

 

 

5-4.定性情報資産に関する4つの評価項目

なでしこ銘柄調査票の評価項目は、「戦略性」「取組」「成果」「開示」の大きく4つに分けられます。

それぞれの評価ポイントについて解説します。

 

(1)戦略性

「戦略性」は、「トップマネジメントのコミットメント」と「経営戦略と人材戦略(女性活躍推進)の関連付け」の2項目ごとに評価ポイントがあります。

項目 評価ポイント
トップマネジメントのコミットメント ・女性活躍推進について、明瞭かつロジカルに説明している
・経営トップが経営戦略として女性活躍推進をとらえ、例えばKPI・ロードマップを策定し、自らの責任で全社的な取組としてリードしている
・自ら自社の企業理念、存在意義、企業文化を明確に発信し、管理職、現場社員まで浸透させている
・自社にとっての社内の女性活躍推進の必要性を、経営戦略と絡めてストーリー性をもって具体的に説明している
経営戦略と人材戦略(女性活躍推進)の関連付け ・企業価値向上につながるように、自社の経営戦略と、人材戦略(女性活躍推進)の方針を明確に位置付けている
・ 女性活躍推進について、目指すべき姿の設定と現在の姿とのギャップの把握を定量的に行なっている
・そのギャップを踏まえた人材戦略(女性活躍推進)が適切なものになっている(例:経営層・中核人材に関する方針、人材育成方針、動的なポートフォリオ計画、人的資本に関する社内環境整備方針等を立てている)
・取締役、経営層レベルで密な議論を行い、モニタリング体制を構築している

 

(2)取組 

「取組」においては、「自社の経営戦略を踏まえた、適切な指標・目標値の設定」と「自社の状況・課題に即した取組の実施」の2項目ごとに評価ポイントがあります。

項目 評価ポイント
自社の経営戦略を踏まえた、適切な指標・目標値の設定 ・ビジネス状況、経営課題、女性活躍状況、比較可能性等を踏まえた、指標設定の理由を明確に説明している
・指標の定義等を明確に説明している
・企業価値向上を見据えて、意欲的な目標値を設定している
・企業の課題とそれらを解決するための独自指標を設定し、現状の課題分析・目標に対する今後のアクション・行動計画と関連付けて考えている
自社の状況・課題に即した取組の実施 ・現在の取組の状況と達成状況をしっかりと捉えている
・現状分析を踏まえ、具体的な今後の取組を説明できている
・成果を出し続けるためのPDCAサイクルを具体的に説明している
・自社従業員に向けた取組を評価対象とし、自社サービスの内容および自社サービスを提供していること自体については評価対象に含まない。なお、サービス提供を行う中で女性活躍に関する理念等が社内で浸透し、その結果社内の女性活躍推進につながっていることがわかる場合は、評価の対象となり得る

 

(3)成果

「成果」で評価される項目は、「企業価値向上への寄与」です。

項目 評価ポイント
企業価値向上への寄与 ・ビジネス上の成果を記載している
・特に、社員の意識改革等にとどまらず、イノベーションの創出を通じた企業の中長期的な企業価値向上を具体的に説明している

 

(4)開示

「開示」での評価項目は、「情報開示の考え方と状況」です。

項目 評価ポイント
情報開示の考え方と状況 ・情報開示を積極的に行う必要性を認識し、行なっていく姿勢が具体的に示されている
・女性活躍推進についての情報が下記のような適切な媒体にて公表されており、労働市場や資本市場等ステークホルダーとの対話に活用されている。特に有価証券報告書での主な開示項目は調査票回答に含めるよう明記する
(考えられる適切な媒体の例:有価証券報告書、中期経営計画公表資料、アニュアルレポート・統合報告書、コーポレート・ガバナンス報告書、サステナビリティレポート等)

 

 

 

6|なでしこ銘柄企業の公表について

なでしこ銘柄企業に選定されると、調査結果が公表されます。

なでしこ銘柄の選定にあたり、公表される項目と注目企業について解説します。(※記載内容は令和5年度におけるなでしこ銘柄選定についてです)

参考:令和5年度「なでしこ銘柄」募集要領 -経済産業省資料-

 

 

6-1.なでしこ銘柄認定の公表項目

なでしこ銘柄として認定されると、なでしこ銘柄の選定結果とともに「女性活躍度調査」として下記の4点が公表されます。

公表項目 公表内容
①定量データ一覧( a.共通調査票より) ・公表に同意した企業については女性活躍推進に積極的な企業として公表
・「なでしこ銘柄」および「共働き・共育て支援企業」選定企業は公表必須
・「役員に占める女性の割合」など具体的な内容が公表される(※)
②「なでしこ銘柄」選定企業事例集(b.なでしこ銘柄調査票より) ・「なでしこ銘柄」選定企業について、基本的に応募資料をそのまま公表
(選定企業は企業ロゴマークを提出※予定)
③「共働き・共育て支援企業」選定企業事例集 ・「共働き・共育て支援企業」選定企業の取組内容の詳細をベストプラクティスとして公表
(選定企業は後日、スライド1枚程度に取組内容をまとめて提出※予定)
④「なでしこ銘柄」レポート(a・bより) ・「なでしこ銘柄」選定企業について、委員の評価ポイントを公表
・「なでしこ銘柄」選定企業以外の回答企業についても傾向等を公表

 

(※)①定量データ一覧( a.共通調査票より)で公表されるデータは、具体的には次のとおりです。

公表項目
基本情報 企業名、業種、証券コード等
キャリア形成支援の推進状況 役員に占める女性の割合
取締役に占める女性の割合
社内取締役に占める女性の割合
執行役員に占める女性の割合
管理職に占める女性の割合
係長相当職に占める女性の割合
正社員採用に占める女性の割合
正社員に占める女性の割合
階層ごとの昇進・昇格した比率の男女差異(①課長相当職②執行役員)
男女の管理職比率の差異(男性管理職/男性従業員を
100%とした場合の女性の数値)
正規雇用・非正規雇用の男女の賃金の差異、差異についての説明
女性管理職比率の経年変化(5期間・10期間の変化率)、数値の説明
共働き・共育て(両立支援)の推進状況 正社員の1か月あたりの平均法定外労働時間
男女の平均法定外労働時間の差異
法定外労働時間が一ヶ月あたり45時間以上の正社員の割合
正社員の年次有給休暇取得率
女性正社員の育児休暇からの復帰率
男性正社員の育児休業取得率
男性正社員の育児休業の平均取得日数
正社員の平均勤続年数の男女差異
その他 えるぼし・くるみん取得状況

 

 

■ えるぼし・くるみんについては下記で詳しく解説しています

えるぼしとは?認定基準や申請方法、メリットや取り組み事例を徹底解説

くるみんとは?認定基準や助成金などのメリット、申請の流れをわかりやすく解説

 

 

6-2.なでしこ銘柄認定の注目企業について

令和5年度においては、「なでしこ銘柄」および「Nextなでしこ 共働き・共育て支援企業」公表時に、女性活躍推進に戦略的に取り組む事例を「優れている手法」として共有する目的で、調査に回答した企業のなかから選定に関わらず「注目企業」として事例を紹介する予定があります。

取組事例の回答は共通調査票内にあり、令和5年度は文字数無制限で下記の回答が求められました。

■ 令和5年度の設問

・女性従業員特有の健康課題を解決し、より女性が活躍しやすい環境作りを行うためフェムテックの活用等の取組をしていますか
・男性従業員の育児休業取得を促進するために、貴社においてどのような取組を行っていますか

 

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