女性活躍推進法の改正によって、新たに101人以上300人以下の労働者を雇用する事業主については、令和4年4月1日(2022年4月1日)から一般事業主行動計画の策定が義務化されました。企業が取り組むべきことや策定ステップについては、「一般事業主行動計画とは?策定のメリット・届出方法について解説!」をご覧ください。
今回の記事では、従業員の職業生活と家庭生活の両立支援や女性の活躍推進に取り組む企業様に関係する助成金制度をまとめました。優秀な人材を確保、定着させるために是非この制度をご活用ください。助成金を利用する際は、各種条件を満たす必要がありますので本記事を参考にしていただき、社内規定の確認などを進めてみてください。
CONTENTS |
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1|両立支援等助成金について |

1-1.「両立支援等助成金」とは? |
少子化が進む中、厚生労働省は、従業員の働きやすさが向上する制度を導入したり、女性の活躍推進のための取り組みを行なったりする企業に対し、金銭的な支援をする助成金を設けています。この助成金制度を「両立支援等助成金」と呼びます。
この両立支援等助成金を活用すれば、従業員が育児・介護などでお休みを取得しやすい環境の整備などによって、国から助成金を受け取れるようになります。両立支援等助成金は、目的に応じて6つのコースに分けられています。
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 育休中等業務代替支援コース
- 柔軟な働き方選択制度等支援コース
- 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
なお、 両立支援等助成金のひとつとして設けられていた、自社の女性の活躍推進に関する行動計画の策定および目標達成をした事業主に助成金が給付される制度の「女性活躍加速化コース」は、令和3年度で廃止されました。
(※2025年6月現在更新)
1-2.「両立支援等助成金」の助成対象 |
まず、「両立支援等助成金」の対象を確認してみましょう。
各コースで区分される「中小企業」とは、以下の表で、「資本金または出資の総額」または「常時雇用する労働者の数」のいずれかを満たす企業が対象になります。
業種 | A)資本金の額または出資の総額 | B)常時雇用する労働者の数 |
小売業(飲食業を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
個人事業主や一部の医療法人・学校法人等で資本金等のない事業主については、常時雇用する労働者の数で判定します。出向者(在籍出向者)については、出向元で労働者数に算入されます。派遣労働者については、派遣元のみの労働者数に算入されます。
また、複数の業種に該当する事業活動を行っている場合には、主たる事業活動によって業種を判断します。この場合、収入額・販売額・労働者数・設備の多寡等によって実態に応じて判断することになります。
参考:厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き(2025(令和7)年度版)」
2|両立支援等助成金の種類 |

両立支援等助成金の各コースの支給額や支給要件についてご紹介していきます。
なお、各項目にはそれぞれ規定がありますので、申請手続きや必要書類等と併せて、詳細は厚生労働省が出している支給要領を「両立支援等助成金支給申請の手引き(2025(令和7)年度版)」ご確認ください。
2-1.出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) |
出生時両立支援コースは、男性労働者が育児休業を取得しやすい職場環境に整備し、男性労働者が実際に子の出生後8週間以内に育児休業を利用した事業者に対して助成を行うコースです。
育児休業に関する研修や相談体制の整備など、男女ともを対象にした雇用環境整備措置を実施する必要があります。
出生時両立支援コースは第1種と第2種に分かれており、一事業主につき第1種は3人目まで、第2種は1回限りの支給です。第2種は、育児休業取得率の上昇率の達成年数によって支給額が変わります。
※支給対象となるのは中小企業のみです。
| 支給額
要件 | 支給額 | |
第1種 |
育児休業取得 |
1人目:20万円 ※雇用環境整備措置を4つ以上行なった場合は30万円 2人目・3人目:10万円 |
第2種 |
男性の育児休業取得率の上昇等 |
次のいずれかに該当した場合:60万円 ※プラチナくるみん認定事業主は15万円加算 |
共通 |
育児休業等に関する情報公表加算:2万円 |
| 支給要件
第1種 | 第2種 | |
① |
育児休業対象者の雇用期間中かつ育児休業開始日の前日までに次の措置を必要な数実施していること※1 ・育児休業に関する研修 |
左記を行うこと※3 |
② |
育児休業対象者の育児休業開始日の前日までに、育児休業取得者の業務代替者の業務見直しに係る規定等を策定し、業務体制の整備をしていること |
左記を行うこと |
③ | 男性労働者の育児休業が子の出生後8週間以内に開始され、4日以上が所定労働日となる連続5日以上の育児休業を取得したこと(助成金の対象人数が1人目の場合)※2 |
次のいずれかに該当した場合 ・男性労働者の育児休業取得率が、前事業年度から30ポイント以上上昇し、50%以上となっていること ・男性労働者の育児休業取得率が、2年連続して70%以上となること |
④ | 育児休業の開始前に育児休業制度などを労働協約または就業規則に定めていること | |
⑤ | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること | |
⑥ |
対象の男性労働者を育児休業取得日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として継続して雇用していること
|
|
⑦ |
【育児休業等に関する情報公表加算について】 ・男性労働者の育児休業等の取得割合 |
※1 必要な数は助成金の対象労働者が何人目であるかや、産後パパ育休の申出期限によって異なる
※2 助成金の対象人数によって必要な育児休業日数と期間中の所定労働日数は異なる
※3 産後パパ育休の申出期限を2週間前より長いものとして設定していた事業主は、3つ以上行う必要がある
【あわせて読みたいおすすめの記事】 【2022年10月から育児・介護休業法改正】就業規則の見直しポイントをわかりやすく解説! |
2-2.介護離職防止支援コース |
介護離職防止支援コースでは、以下の3つの場合に助成金が支給されます。
・介護休業取得時 :介護支援プラン※を作成し、プランに基づき介護休業を連続5日以上取得させた場合
※介護支援プラン・・・労働者の介護休業取得・職場復帰を円滑にするため、労働者ごとに事業主が作成する実施計画。介護休業取得者の業務の整理や引継ぎの実施方法などを盛り込む
・介護両立支援制度:介護支援プランを作成し、プランに基づき介護のための短時間勤務制度や介護休暇制度などの介護と仕事の両立ができる制度を利用させた場合
・業務代替支援 :介護休業取得者及び短時間勤務制度利用者について、代替要員の新規雇用(派遣を含む)又は業務代替者への手当支給等を行った場合
※支給対象となるのは中小企業のみです。
| 支給額
支給額 | 支給人数/回数 | |
介護休業取得時 |
40万円 |
1事業主5人まで |
介護両立支援制度※1 |
制度を1つ導入し、対象労働者が制度を利用 |
1事業主5人まで |
業務代替支援 |
新規雇用:20万円(30万円) |
1事業主5人まで |
環境整備加算:10万円 ※1事業主あたり1回限り加算 |
※1 同一労働者について同一の介護両立支援制度による支給は1回限り、同一の対象家族についての異なる介護両立支援制度に係る支給は2回まで
| 支給要件
介護休業取得時 | 介護両立支援制度 | |||
① |
介護支援プランにより労働者の介護休業等取得・職場復帰を支援するという方針を周知していること |
介護支援プランにより労働者の仕事と介護の両立を支援するという方針を周知していること | ||
② |
対象労働者と面談等を行い、「面談シート兼介護支援プラン」に記録した上で、介護支援プランを作成すること |
対象労働者と面談等を行い、「面談シート兼介護支援プラン」に記録した上で、介護支援プランを作成すること | ||
③ | 介護支援プランに基づき、業務の整理、引継ぎを実施していること |
対象労働者の制度利用開始前に介護両立支援制度などを労働協約または就業規則に定めていること |
||
④ | 対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得したこと |
対象労働者が次の介護両立支援制度を利用したこと 【利用開始後6か月間に10時間以上の利用】 【利用開始後6か月の間に労働者の負担額の5割に相当する額以上か10万円以上の額を補助したこと】 |
||
⑤ | 対象労働者の休業等開始前に介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること |
対象労働者を介護両立支援制度開始日から支給申請日まで雇用し、制度利用終了後も1か月以上継続雇用していること |
||
⑥ |
職場復帰後に介護休業取得者とフォロー面談を行い、「面談シート兼介護支援プラン」に記録すること |
― | ||
⑦ |
介護休業取得者の職場復帰までに、介護休業取得者を原職等に復帰させる旨を労働協約または就業規則に規定していること |
|||
⑧ |
介護休業終了後、対象労働者を原則として原職等に復帰させ、3か月以上継続雇用していること |
|||
⑨ | 対象労働者を介護休業の開始日から申請日において、雇用保険被保険者として継続雇用していること |
業務代替支援(手当支給等:介護休業) | 業務代替支援(手当支給等:短時間勤務) | |||
① |
対象労働者の業務を、事業主が雇用する労働者に代替させていること |
|||
② |
業務の見直し・効率化のための下記取組を、いずれも対象労働者の制度利用開始日の前日までに実施すること ①下記いずれかを実施し、結果を実施結果書で確認できること ②対象労働者の担当業務について分担を明確にし、業務代替者の上司や人事労務担当者が代替業務の内容、賃金について業務代替者に面談で説明していること |
|||
③ |
代替業務に対応した賃金制度を労働協約または就業規則に定め、制度に基づき業務代替期間における業務代替者の賃金が増額されていること※1 |
|||
④ |
対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得したこと |
対象労働者が合計15日以上の介護のための短時間勤務制度を利用したこと |
||
⑤ | 対象労働者を制度利用開始日から支給申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用していること | |||
⑥ |
介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること |
業務代替支援(新規雇用) | 環境整備加算 | |||
① |
介護休業取得者の代替要員を、新たな雇い入れまたは新たな派遣受入れにより確保したこと |
仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備の取組として、下記すべてを実施すること ①雇用労働者に対する介護休業及び介護両立支援制度に係る研修の実施 |
||
② |
対象労働者に連続5日以上の介護休業を取得させたこと |
|||
③ |
対象労働者を介護休業開始日から支給申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用していること |
|||
④ |
対象労働者の介護休業開始前に介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること |
※1
介護休業の場合:業務代替期間(介護休業期間のうち連続5日以上)における賃金が、1人につき1日当たり500円以上または1月当たり1万円以上のうち、いずれか低い方の額以上増額されていることが必要
短時間勤務の場合:業務代替期間(短時間勤務期間のうち合計15日以上)における賃金が、1人につき1日当たり150円以上または1月当たり3千円以上のうち、いずれか低い方の額以上増額されていることが必要
2-3.育児休業等支援コース |
育児休業等支援コースでは、以下の2つの場合に助成金を支給します。
・育休取得時:育休復帰支援プラン※を作成し、プランに基づき育児休業を取得させた場合
※育休復帰支援プラン・・・労働者の育児休業の取得・職場復帰を円滑にするため、育児休業者ごとに事業主が作成する実施計画。休業に入る前の業務棚卸しや引継ぎの実施方法、休業中の職場情報の提供の実施などを盛り込む。
・職場復帰時:育休取得時の対象労働者の同一育児休業について職場復帰させた場合
※支給対象となるのは中小企業のみです。
| 支給額
支給額 | 支給人数/回数 | |||
①育休取得時 | 30万円 | 1事業主2回まで (無期雇用者・有期雇用者各1回) |
||
②職場復帰時 | 30万円 | 1事業主2回まで (無期雇用者・有期雇用者各1回) |
||
育児休業等に関する情報公表加算 | 2万円 | 1事業主1回まで ①②のいずれかに加算して支給 |
| 支給要件
育休取得時 | 職場復帰時 | |||
① |
育休復帰支援プランに基づき、労働者の育児休業の取得・職場復帰を支援するという方針を周知していること |
育休復帰支援プランに基づき、対象の労働者の復帰までに職務や業務内容に関する情報及び資料の提供を行ったこと | ||
② |
育児休業取得予定者と面談等を行い、「面談シート」に記録した上で、育休復帰支援プランを作成すること |
職場復帰前に育児休業取得者と面談等を行い、「面談シート」に記録すること | ||
③ | 育休復帰支援プランに基づき、業務の引継ぎを実施していること | 育児休業取得者が職場復帰後、原則として、休業前に就いていた職務(原職等)に復帰させること | ||
④ | 対象の労働者が連続3か月以上の育児休業を取得したこと |
対象労働者を職場復帰した日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として6か月以上継続雇用していること |
||
⑤ | 育児休業開始前に育児休業制度などを労働協約または就業規則に定めていること | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること | ||
⑥ | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること | ー | ||
⑦ |
対象労働者を育児休業の開始日において、雇用保険被保険者として雇用していること |
育児休業等に関する情報公表加算 |
||||
① |
厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画公表サイト」において、支給申請日までに次の情報を公表していること |
ー |
2-4.育休中等業務代替支援コース
|
育休中等業務代替支援コースは、育児休業取得者や育児のための短時間勤務制度利用者の業務を代替する労働者に対し手当支給等の取組や、代替要員の新規雇用を行なった事業者に対して助成を行うコースです。
育休中等業務代替支援コースでは、以下の3つの場合に助成金を支給します。
・手当支給等(育児休業):育児休業取得者の業務を代替する労働者に対し、手当支給等の取組を行った場合※労働者数が300人以下の事業主のみ対象
・手当支給等(短時間勤務):育児のための短時間勤務制度を利用する労働者の業務を代替する労働者に対し、手当支給等の取組を行った場合※労働者数が300人以下の事業主のみ対象
・新規雇用(育児休業):育児休業取得者の業務を代替する労働者を新規雇用(派遣受入れ含む)により確保した場合※中小企業のみ対象
このほか、「有期雇用労働者加算」や「育児休業等に関する情報公表加算」があり、要件を満たした場合、上記の助成金に加算されて支給されます。
※本コースが対象となるのは、令和6年1月1日以降に対象労働者の育児休業や短時間勤務が開始されている場合です。令和5年12月31日までに対象労働者の育児休業が開始されている場合は、2023年度まで設けられていた出生時両立支援コース第1種の「代替要員加算※1」または、育児休業等支援コースの「業務代替支援※2」制度が適用されます。
※1 支給額は20万円、3人以上代替要員を確保した場合は45万円
※2 支給額はA新規雇用:50万円、B手当支給等:10万円、有期雇用労働者加算:10万円。A・B合わせて1年度延べ10人、5年間(くるみん認定を受けた事業主は令和9年度まで延べ50人を限度に支給)
参考:厚生労働省「両立支援等助成金支給申請の手引き パンフレット(2023年度)」
| 支給額
支給額 | 支給人数/回数 | |
①手当支給等 (育児休業) |
以下の合計額を支給 |
・1事業主1年度につ ・初回の対象者が出てから5年間 ※くるみん認定を受けた事業主は令和11年度まで延べ50人を限度に支給 |
②手当支給等 |
以下の合計額を支給 |
|
③新規雇用 (育児休業) |
「育児休業期間中に業務代替した期間」に応じて支給 |
|
有期雇用労働者加算 ※5 |
10万円 |
ー |
育児休業等に関する 情報公表加算 |
2万円 |
1事業主1回まで |
※1 育児休業期間が1か月未満の場合は2万円。労務コンサルを外部の専門事業者に委託した場合は20万円
※2 プラチナくるみん認定事業主は4/5。月10万円が上限。代替期間は12か月分まで対象
※3 労務コンサルを外部の専門事業者に委託した場合は20万円
※4 月3万円が上限。子が3歳になるまでの期間が対象(支給申請は1年ごと)
※5 育児休業取得者/短時間勤務制度利用者が有期雇用労働者の場合に加算して支給。業務代替期間が1か月以上の場合のみ対象
| 支給要件
手当支給等(育児休業) ※育児休業期間が1か月以上である場合は ⑦~⑨の取組も必要 |
手当支給等(短時間勤務) | |||
① |
育児休業取得者の業務を、事業主が雇用する労働者に代替させていること |
3歳未満の子を養育する労働者が、育児のための短時間勤務制度を1か月以上利用したこと |
||
② |
業務の見直し・効率化のための以下の取組をすべて実施していること ①次のいずれかを実施し、結果を実施結果書で確認できること ②育児休業取得者の担当業務について、代替者に対し代替者の上司や人事労務担当者が業務内容、賃金について面談で説明していること ③代替者が業務を代替する期間の開始日までに実施していること |
育児のための短時間勤務制度利用者の業務を、事業主が雇用する労働者に代替させていること | ||
③ |
代替者が業務を代替する期間の開始日までに、代替業務に対応した賃金制度を労働協約または就業規則に定め、制度に基づき業務代替期間における代替者の賃金が増額されていること※1 |
業務の見直し・効率化のための以下の取組をすべて実施していること |
||
④ | 対象労働者が所定労働日3日以上を含む、7日以上の育児休業を取得したこと |
代替者が業務を代替する期間の開始日までに、代替業務に対応した賃金制度(「業務代替手当」「応援手当」など)を労働協約または就業規則に定め、制度に基づき業務代替期間における代替者の賃金が増額されていること※2 |
||
⑤ | 対象労働者の休業開始前に育児休業制度などを労働協約または就業規則に定めていること |
対象制度利用者を短時間勤務制度の利用開始日及び支給申請日において、雇用保険被保険者として雇用していること |
||
⑥ | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること(※プラチナくるみん認定事業主を除く) |
対象労働者の短時間勤務制度開始前に育児休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること |
||
⑦ |
育児休業取得者を原職等に復帰させる旨を労働協約または就業規則に定めていること |
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること(※プラチナくるみん認定事業主を除く) |
||
⑧ |
育児休業終了後、対象労働者を原則として原職等に復帰させたこと |
ー | ||
⑨ |
対象労働者を原職等に復帰した日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として3か月以上継続雇用していること |
新規雇用(育児休業) ※育児休業期間が1か月以上である場合は ⑥~⑧の取組も必要 |
育児休業等に関する 情報公表加算 |
|||
① |
対象労働者(育児休業取得者)の代替要員を、新たな雇い入れまたは新たな派遣の受入れにより確保したこと 【要件】 |
厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画公表サイト」において、支給申請日までに次の情報を公表していること ・男性労働者の育児休業等の取得割合 ・女性労働者の育児休業の取得割合 ・労働者(男女別)の育児休業の平均取得日数 |
||
② | 対象労働者に7日以上の育児休業を取得させたこと | ー | ||
③ | 対象労働者を育児休業の開始日及び職場復帰後、支給申請日まで雇用保険被保険者として雇用していたこと | |||
④ |
対象労働者の休業開始前に育児休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること |
|||
⑤ | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること(※プラチナくるみん認定事業主を除く) | |||
⑥ |
育児休業取得者を原職等に復帰させる旨を労働協約または就業規則に定めていること |
|||
⑦ |
育児休業終了後、対象労働者を原則として原職等に復帰させたこと |
|||
⑧ |
対象労働者を原職等に復帰した日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として3か月以上継続雇用していること |
※1 代替者全員に支払われた総額で1万円(代替期間が1か月に満たない場合は代替期間1日につき500円と比較して、いずれか低い方)以上増額されていることが必要
※2 代替者全員に支払われた総額で3千円(代替期間が1か月に満たない場合は代替期間1日につき150円と比較して、いずれか低い方)以上増額されていることが必要
2-5.柔軟な働き方選択制度等支援コース
|
柔軟な働き方選択制度等支援コースは、育児を行う労働者の柔軟な働き方を可能とする制度を2つ以上導入し、労働者がそのうちの1つの制度を利用した場合に助成金が支給されます。
育児休業等に関する情報公表加算も設けられており、要件を満たすと2万円加算です。
※支給対象となるのは中小企業のみです。
※令和6年4月1日以降に対象労働者が制度を利用開始した場合に対象となります。
| 支給額
※1年度とは4月1日から翌年3月31日の期間を指します。
支給額 | 支給人数/回数 |
複数の制度を導入し、対象労働者が制度を利用した場合に支給 |
1事業主1年度につき5人まで |
育児休業等に関する情報公表加算額:上記に2万円加算 |
1事業主1回まで |
| 支給要件
柔軟な働き方選択制度等支援コース | ||
① |
下記の柔軟な働き方選択制度等のうち2つ以上を導入しており、内容及び利用の手続について労働協約または就業規則に規定していること 【柔軟な働き方選択制度等】 ※ABの2つ、CDの2つを導入した場合は、1つの制度を導入した扱いとなります |
|
② |
「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」により、育児を行う労働者の柔軟な働き方に関する制度の利用及び制度利用後のキャリア形成を円滑にすることを支援する方針を全労働者へ文書によって周知していること |
|
③ | 対象制度利用者と面談を実施し「面談シート」に記録した上で、面談結果を踏まえて「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」を作成すること | |
④ |
対象制度利用者が柔軟な働き方選択制度等のうちの1つを、利用開始から6か月間で一定の基準以上(下記参照)利用したこと 【所定労働日ベースで計20日間以上】 【保育サービスの手配及び費用補助】 【利用実績が20時間以上】 |
|
⑤ | 対象労働者を制度利用期間中及び支給申請日において、雇用保険被保険者として雇用していること | |
⑥ | 育児休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること | |
⑦ |
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること(※プラチナくるみん認定事業主を除く) |
|
算 ・男性労働者の育児休業等の取得割合 |
2-6.不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
|
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースでは、以下の3つの場合に助成金が支給されます。
・不妊治療 :不妊治療と仕事との両立支援制度を導入し、労働者が5日(回)以上利用した場合
・女性の健康課題対応(月経):月経に起因する症状への対応を図るための制度を導入し、労働者が5日(回)以上利用した場合
・女性の健康課題対応(更年期) :更年期における心身の不調への対応を図るための制度を導入し、労働者が5日(回)以上利用した場合
※支給対象となるのは中小企業のみです。
※制度の利用対象者は雇用形態問わず、利用できるものであることが必要です。月経に関する制度は女性が利用できるもの、不妊治療と更年期に関する制度は男女問わず利用できるものとします。
※支給対象労働者は雇用保険被保険者のみです。
| 支給額
項目 | 支給額 | 支給人数/回数 | ||
不妊治療 |
30万円 |
各制度1回限り支給 | ||
女性の健康課題対応(月経) | 30万円 | |||
女性の健康課題対応(更年期) |
30万円 |
| 支給要件
支給要件 | ||
① |
不妊治療、月経に起因する症状、更年期における心身の不調への対応のための支援制度について、各制度及び制度利用の手続きや賃金の取扱い等を労働協約又は就業規則に規定し、労働者への周知や運用をしていること 【支援制度の種類】※1つ以上の制度導入が必要 |
|
② |
労働者からの相談に対応する両立支援担当者を選任していること |
|
③ |
対象労働者について、不妊治療、月経に起因する症状、更年期における心身の不調への対応のための支援制度のうち、いずれかの制度又は各制度を組み合わせて、制度利用開始日から1年以内に合計5日(回)以上利用させたこと |
|
④ | 対象労働者について、制度利用開始日から申請日において、雇用保険被保険者として雇用していること |
3|【東京都】働くパパママ育業取得応援事業の助成金について |
3-1.働くパパママ育業取得応援事業とは |
働くパパママ育業取得応援事業とは、育児中の従業員の就業継続や、男性従業員の育児休業取得を応援する企業に対して奨励金を支給する取り組みで、東京都と(公財)東京しごと財団が連携して実施しています。予算上の名称は「働くパパママ育休取得応援事業」で、平成30年度(2018年度)に新規事業として開始されました。
働くパパママ育業取得応援事業には「働くママコースNEXT」「働くパパコースNEXT」「パパと協力!ママコース」「もっとパパコース」の4つのコースがあり、一事業主につき各コース1回のみ申請が可能です。
申請方法は、いずれも郵送(記録の残る簡易書留等)か電子申請で、来所受付は行なっていないため注意しましょう。また、電子申請の場合、個人情報保護の観点から一部の書類は郵送が必要です。申請様式は、(公財)東京しごと財団のホームページからダウンロードできます。
参考:東京都「働くパパママ育業取得応援 」
参考:(公財)東京しごと財団「働くパパママ育休取得応援奨励金」
3-2.助成金(奨励金)の内容について |
働くパパママ育業取得応援事業の申請によって得られる助成金(奨励金)の内容について、各コースごとに解説します。
※記載されている「都内中小企業等」とは、都内に本社または事業所を置き、かつ常時雇用する従業員が2人以上300人以下の中小企業等のことを指します
参考:(公財)東京しごと財団「働くパパママ育業応援奨励金(概要)」
参考:東京都「働くパパママ育業取得応援 」
1)働くママコースNEXT
働くママコースNEXTは、就業継続しやすい職場環境を整備し、女性従業員に育児休業を取得させた都内の中小企業等を対象とした支援事業です。
対象企業 |
合計1年以上の育児休業(産後休業期間と連続する場合、産後休業期間を含めて1年以上)を取得してから原職に復帰し、3か月以上継続雇用されている、都内在勤の女性従業員が在籍する都内中小企業等 |
||
職場環境整備用件 |
以下の1及び2の取り組みを実施すること 1.復帰するまでの間に復帰支援として面談を1回以上かつ復帰に向けた社内情報・資料提供を定期的に行なったこと ①育児休業期間の延長 |
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奨励金 |
125万円(一事業者1回のみ)※加算により最大175万円 【下記項目に取り組んだ場合、1項目ごとに30万円加算(どちらも実施した場合は50万円加算)】 |
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申請期間 |
育児休業から復帰後3か月経過した翌日から2か月以内(※企業ごとに申請期限が異なる「申請期限日一覧」) |
2)働くパパコースNEXT
働くパパコースNEXTは、育児休業を取得しやすい職場環境を整備し、男性従業員に育児休業を取得させた都内企業等を対象にした支援事業です。
対象企業 |
合計15日以上の育児休業を取得し、原職に復帰後、3か月以上継続雇用されている、都内在勤の男性従業員が在籍する都内企業等 |
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職場環境整備用件 |
以下のいずれかの取り組みを実施していること 1.育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施 |
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奨励金 |
育児休業の取得日数によって異なる 合計15日以上取得:25万円 以降15日取得ごとに27.5万円加算で最大330万円(一事業者1回のみ) 【下記に取り組んだ場合、①②は各20万円加算、③④は各30万円(どちらも実施した場合は50万円)加算】 |
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申請期間 |
育児休業から復帰後3か月経過した翌日から2か月以内(※企業ごとに申請期限が異なる「申請期限日一覧」) |
3)パパと協力!ママコース
パパと協力!ママコースは、女性従業員に合計6か月以上1年未満の育児休業を取得させ、育児休業取得促進等に関する取組計画を作成した都内中小企業等を対象とした支援事業です。
対象企業 |
以下の要件を満たす都内中小企業等 ①合計6か月以上1年未満の育児休業を取得(※)し、原職に復帰後、3か月以上継続雇用されている都内在勤の女性従業員がいる ※ 産後休業期間と連続する場合、産後休業期間を含めて6か月以上1年未満 |
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奨励金 |
100万円(一事業者1回のみ) |
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申請期間 |
育児休業から復帰後3か月経過した翌日から2か月以内(※企業ごとに申請期限が異なる「申請期限日一覧」) |
4)もっとパパコース
もっとパパコースは、令和7年4月1日以降に育児休業を取得しやすい職場環境を複数整備し、2人以上の男性従業員に育児休業を取得させた都内企業等を対象にした支援事業です。
対象企業 |
複数の従業員がそれぞれ合計30日以上の育児休業をしたあと、原職に復帰し、3か月以上継続雇用されている都内在勤の2人以上の男性従業員が在籍する都内企業等 |
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職場環境整備用件 |
以下のいずれかの取り組みを令和7年4月1日以降に複数実施し、うち1つ以上は令和6年度に未実施であること 1.育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施 |
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奨励金 |
対象の従業員は2人以上最大5人まで |
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申請期間 |
最も遅い育児休業から復帰後3か月経過した翌日から2か月以内(※企業ごとに申請期限が異なる「申請期限日一覧」) |
4|【東京都】女性活躍推進を目的とした新規設備設置への助成金 |
4-1.女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)とは |
女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)とは、女性の新規採用や職域拡大を目的とした女性専用設備等の職場環境の整備費用に対し、最大500万円(助成率2/3)の助成を行う取り組みです。東京都と(公財)東京しごと財団が連携して令和3年度から実施しています。
申請方法は、来所しての持参提出(要事前予約)で、電話によって申請予約を行います。申請様式は、(公財)東京しごと財団のホームページからダウンロードできます。
参考:(公財)東京しごと財団「女性の活躍推進助成金【概要】」
4-2.女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)の助成要件 |
女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)の助成要件をまとめました。
ほかの助成金を受給していたり、受給予定であったりする企業は申請対象外となるケースもあるため、ご注意ください。
対象企業 |
下記のいずれかに該当する都内中小企業等(※) 【申請対象外の企業】 ・女性の活躍推進助成金(※令和3年度~令和6年度実施) |
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助成条件 |
新規で採用する女性のために、支給決定日以後に新たに※1都内事業所において女性専用設備の整備(新設または改修工事)を行うこと 【女性専用設備例】 ※1 支給決定日前に発注・契約・購入等しているものは申請不可 |
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助成金 |
最大500万円(助成率2/3)※助成対象経費(税抜き)に助成率を乗じて算出 |
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申請期間 |
申請受付期間:令和7年5月8日~令和7年12月22日 |
参考:(公財)東京しごと財団「女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)」
参考:(公財)東京しごと財団「令和7年度 女性の活躍推進助成金 募集要項」
5|【東京都】男女間の賃金格差改善へ取り組む企業への奨励金 |
5-1.男女間賃金格差改善促進奨励金とは |
男女間賃金格差改善促進奨励金とは、女性従業員の処遇向上や賃金の引上げを目的とした男女間の賃金格差改善に取り組む企業に対し、最大100万円の奨励金を支給する取り組みです。東京都と(公財)東京しごと財団が連携して実施しています。
申請は、(公財)東京しごと財団のホームページのマイページにて書類をアップロードして行います。
参考:(公財)東京しごと財団「男女間賃金格差改善促進奨励金」
5-2.男女間賃金格差改善促進奨励金の対象要件 |
男女間賃金格差改善促進奨励金の対象となる要件をまとめました。
対象条件となるセミナーへの参加は、年の開催日程や各定員数が定められており、先着順のため注意が必要です。
対象企業 |
①本社または主たる事業所が東京都内にあり、常時雇用する労働者数が300人以下 |
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対象条件 |
①オンラインセミナーを受講し、支援申込を行い、専門家派遣を2回受けていること 【3つの取り組み】 2.①で実施した取り組みを記載した行動計画の策定・届出と、行動計画及び男女間賃金差異を「女性の活躍推進企業データベース」で公表すること |
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奨励金 |
最大100万円 ※対象条件の3つの取り組み「1.」のア・イ・ウ:各30万円、エ:10万円 |
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申請期間 |
申請受付期間:セミナーの申請回によって異なる |
参考:(公財)東京しごと財団「男女間賃金格差改善促進奨励金」
監修者プロフィール![]() 小林 佳代子 新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。働く20代向けオウンドメディアの立ち上げ、女性向けwebマガジン『woman type』の編集長を経て2018年『女の転職type』編集長に就任。
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著者プロフィール

ブログ編集部
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