国による「女性活躍推進法」推進の影響も相まって、女性の積極採用を行う企業が増加する一方で「女性を採用するにあたって、社内の制度や環境をどんなことから見直せばいいのだろう」「まだまだ男性のイメージが強い業界だが、女性を採用するためにはどうしたらいいのだろう」というご相談も、弊社女の転職typeにいただくことがございます。
そこで、今回の記事では女性採用による企業への9つのメリットをわかりやすく解説し、女性を積極採用したいという企業様向けに、女性採用を成功させるポイント・具体的な採用事例をご紹介します。
この記事でわかる事 |
・女性を積極採用することで得られる企業のメリット ・女性を増やすために企業が取り組むべきことと採用成功させるためのポイント ・女性採用が注目されている背景と課題 |
女の転職typeは、日本最大級の女性の正社員・契約社員採用に強みをもった転職サイトです。(サービスサイト:https://woman-type.jp/keisai/)
|
1.女性を採用するメリット9つ |
女性採用のメリットについては、採用活動へのプラスな影響や、企業成長、また行政などから支援を受けられるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは女性採用が企業にもたらす9つのメリットをご紹介します。
|
(1)意欲的な人材を確保できる
弊社「女の転職type」にて実施したアンケートにて、働く女性向けに「何歳まで働きたい?」という質問を行ったところ、最も多かったのは「60~65歳」で46.1%が回答しました。一般的な定年である60歳以上(一生涯を含む)の回答は77.7%もおり、長く働きたいと考える人が多い様子が見て取れます。
このように、女性の中でも「長く活躍し続けたい」という志向の方も多く、女性を採用ターゲットとして採用活動することは、意欲的な人材確保への近道になるでしょう。
(2)企業のイメージアップにつながる
「女性が活躍している会社=働く環境や制度がしっかりしている」というイメージを持たれやすく、企業のイメージアップにも繋がります。実際に、女性が長く働くことができる会社の環境を作るためには、産育休の取得制度や、産育休から抵抗なく復帰できる環境を整えるなど、さまざまな環境・待遇整備を行う必要があります。
厚生労働省ホームページでは、女性の活躍により企業イメージがアップし会社の収入アップや組織活性化につながった事例が紹介されています。
参考記事:女性編集長の誕生・活躍で、企業のイメージアップに貢献、また売上げ目標達成率はトップ!- 厚生労働省
(3)多様性が生まれ、企業の成長につながる
政府が抱える「働き方改革」の中で注目されている「ダイバーシティ」。言葉の意味としては「多様性、相違点」などがあり、会社の組織においても性別・国籍・働き方・ライフスタイルなどさまざまな属性をもった人材の活用を促進しようという動きが活発になっています。女性活躍推進法も、ダイバーシティ推進の一環です。
女性という属性だけにとどまりませんが、意思決定層に男性が多い組織の中で女性の意見を取り入れていくことで、これまで生まれなかった多様なニーズに応えた商品企画や経営戦略が作り出されるなど、企業の成長にもプラスな影響を与えた事例は多くあります。
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
- 参考記事:
女性役員、女性管理職はなぜ重要? 今さら聞けない“ダイバーシティの重要性”を3つのポイントで解説 - 働く女のワーク&ライフマガジン「Woman type」
男女比率だけではないはず。イノベーション起こすダイバーシティとは何か? 日本CTO協会理事に問う - エンジニアtype
(4)先々の採用活動に派生効果が生まれる
女性が長く働ける会社は、顧客だけでなく求職者へも良いイメージを与え、採用の効果にプラスに作用します。"女性が活躍している会社=働きやすい環境が整っている会社=待遇面などの整備にも積極的でいい会社" といった具合に、男女問わずいいイメージをもたれやすいのです。
(5)女性社員のロールモデル増加
弊社が以前女性ユーザー向けに実施したアンケート「第29回管理職ってどう?管理職について聞いてみました。- 女の転職type 女の転職アカデミア」によると、「尊敬できる女性管理職の有無は、管理職になりたい気持ちに影響する?」という質問に対して、「とても影響がある 25.1%」「やや影響がある 31.4%」と影響すると回答した方が過半数を占めました。女性採用を強化し、活躍する女性が増えていくことで、既存の女性社員のキャリアアップへの意欲増進につながる可能性があります。
(6)女性社員が相談しやすい環境ができる
女性社員が増えることで、ライフイベントを迎えた際の働き方についてや、日常的な女性ならではの相談事など、男性の上司よりも同性の上司や先輩社員の方が相談しやすいという場面もあるかと思います。それが従業員のエンゲージメント向上につながり、離職の防止や仕事やキャリアへのモチベーションアップにつながる可能性も高まります。
(7)業務の改善・効率アップの効果が見込める
女性採用をすることで、男性目線では気づきにくい業務の課題や改善点に気づかされ、業務改善や効率化につながるケースもあります。たとえば子育てをしている女性社員は、時間内にしっかり業務を終わらせるために、できる限り無駄無く成果を上げようと工夫される方が多いように思われます。働き方への価値観や、ライフスタイルが異なる人材が入ることで、組織の生産性が上がり企業の成長につながることもあるのです。
(8)職場での交流の活性化
女性は細かい気遣いや共感力が高いと言われています。相手の立場に配慮しながら意見を伝えたり、周りと協力し合い業務の取り組むなど、さまざまな立場の人と良好な関係性を築くことが得意な傾向にあります。
実際にお手伝いしたIT企業様で、女性採用が職場にプラスな効果をもたらした事例があります。その企業様は技術部門に女性が一人もいなかったのですが、女の転職type経由で女性エンジニアを2名採用されました。
もともと「周りと協力して何かを進めるというよりは、一人でもくもくと仕事をしたい」というエンジニアの方が多かったそうなのですが、中途入社された女性エンジニアの方が、休憩時間に周りを巻き込んで会話をしたり、難しい業務が発生した際に周りの人を巻き込んで解決策を考えたりと、コミュニケーションが活性化したそうです。
結果、既存社員においても、技術のノウハウや今やっている自身の担当業務の共有など情報交換の機会が増え、職場が活気づいて雰囲気が全然変わった、と後日人事担当者様からお話をお伺いしました。
もちろん人柄は多様ですので、女性だったからプラスな影響が生まれたとは言い切れないかもしれないですが、組織に新たな人材がアサインされてこれまでになった習慣や仕事の進め方が導入されたことで、会社にプラスな影響をもたらしたという点では、やはり女性の雇用は良い点が多いと言えます。
(9)助成金や支援を受けることができる
① 行政からの評価:えるぼし・くるみん認定
女性活躍やその前提となるワークライフバランス等を推進する企業が行政から受けられる認定です。基準を満たした企業のうち、厚生労働省が認めた企業だけが受け取ることができ、認定を受けた企業は公共調達や低金利融資などを得ることが可能です。
えるぼし:女性活躍を推進している企業を認定
くるみん:子育て支援に積極的な支援を認定
【あわせて読みたいおすすめの記事】 えるぼしとは?認定基準や申請方法、メリットや取り組み事例を徹底解説 くるみんとは?認定基準や申請の流れ、助成金などの認定メリットを解説 |
② 行政からの支援:両立支援等助成金制度
両立支援等助成金とは、仕事と家庭の両立支援や女性採用の促進・活躍推進に取り込みを行う企業に対して国から支払われる助成金です。両立支援等助成金制度が支給される企業の条件も決まっています。詳細については、下記記事を参考にしてください。
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
③ 資本市場からの評価:なでしこ銘柄・ESG投資
女性活躍推進に優れた企業は、優良銘柄として投資家も注目しています。
なでしこ銘柄:経済産業省と東京証券取引所が共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を選定し発表しています
参考:女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」- 経済産業省
ESG投資:GPIF(年金積立年金管理運用独立行政法人)が女性活躍に注目した「MSC日本下部女性活躍指数(WIN)」に連動したESG投資を開始する等、ESG投資において企業の女性活躍状況を考慮する動きを広がっています
2.女性の応募を増やし、採用成功するポイント |
(1)女性求職者の心理を理解する
後述するペルソナ設計や求人作成をするにあたって、そもそも女性求職者の心理を理解していないと適切な施策を打つことができません。Web上で公開されている情報や、業者から情報提供を受け女性求職者の心理への理解を深めましょう。
また、女性の応募を増やすための施策として、「良いことも悪いことも、身近な女性社員の意見を聞く」という策が厚生労働省から推奨されています。
参考記事:女性の応募者を増やすためには、 どのような採用活動を行うと効果的か。(厚生労働省)
関連記事:【アンケート調査結果】自分には「手に職がない」と感じている女性が6割。(女の転職type)
(2)ペルソナ設計をしっかり行う
女性採用に問わず必要となる「ペルソナ設計」ですが、女性をターゲットにする際には「現在置かれている状況」や「女性ならではの志向性」などを踏まえた上で、しっかりとペルソナ設計を行っていきましょう。
そもそもペルソナとは…
ペルソナとは、マーケティング関連において使われる概念で、企業や商品のターゲットとなる顧客像のことです。「20代後半の営業職に勤める女性」など、幅をもたせた『層』を表すのではなく年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、生い立ち、ライフスタイルなどある特定の『人物』を表すように、細かく設定されたターゲット像のことを指します。
<営業職ペルソナの例> |
(3)訴求ポイントを選定する
(2)でペルソナを設定したら、求人原稿やスカウトメールなどでペルソナにピンポイントで刺さるメッセージを打ち出しましょう。下記は、女の転職typeで介護職を募集された企業様の事例です。設定したペルソナが抱いている現職の不満に対して、転職して今の現状を変えませんか?というまさにその人物に問いかけるメッセージを求人原稿において打ち出し、ほぼペルソナに近い人物を採用できた事例です。
【A社様】募集職種:介護職 ペルソナ |
(4)女性目線にたった求人情報を作成する
男性と女性とでは、求人情報で見るポイントも変わります。たとえば女性は男性よりも、ビジュアルでとらえた情報が判断に影響するという傾向があると言われており、求人に掲載する画像を工夫することで応募効果が上がることがあります。
また、女性が活躍している会社なのか(管理職における女性の割合、ワーキングママとして活躍する女性の事例など)を記載することもポイントです。このような女性ならではの注目ポイントを把握しておくことで、応募効果が変わってくるのです。
💡 女性向け求人ならではの求人広告・求人票作成ポイント |
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
(5)女性が少ない企業でも女性を採用する方法
① 複数名採用を検討する
販売サービス業などでオープニングスタッフの募集が応募が集まりやすいように、女性は同じタイミングで入社する同期がいると安心します。そのため、1名だけの採用ではなく、複数名の募集を検討するのも良いでしょう。求人広告などでは、目立つポイントに「●名募集」「同期入社で安心」などを記載することがオススメです。
② 働きやすい環境を整えることが大切
弊社の女性営業社員を対象に「女性が1人もいない営業チームの募集があった場合、どんな条件があれば興味が湧きますか?」というアンケートを実施したところ、下記の回答結果が得られました。
1位 オフィスが清潔(分煙、化粧室・お手洗いなど)
2位 産育休制度がある
3位 土日祝日休み/時短制度がある
やはり、女性が働きやすい環境を整えることが重要なようです。また、職種によっても女性が求めるものはさまざまです。たとえば実際にお手伝いした企業様の事例になるのですが、女性営業職募集をする際、契約が決まることに女性にとって嬉しいインセンティブ(例:百貨店の商品券、バースデー特典 など)をつくり社員が頑張りながら楽しく働ける制度を設けたところ、女性社員が一人もいない中でも採用成功に結びつけることができました。
③ 採用ターゲットのハードルを下げ、まずは女性社員を増やす
女性採用の実績を作ることも大切です。理想としては募集ポジションの即戦力を採用したい場合でも、まずは採用しやすい「ポテンシャル層」をターゲットにすることを検討してみましょう。
たとえば、Webデザイナーなどのクリエイティブ職は技術職のため、経験者採用を望む企業が多いのですが、今若手層の女性において「手に職をつけたい」という志向の方が増えており、WebデザイナーやITエンジニアなどの仕事に興味を持つ若手の女性が多くいらっしゃいます。そのため、未経験者も応募OKで募集を出すと応募が多く集まる傾向にあり、女の転職typeにおいても若手女性の技術職の採用事例が増えています。
もし女性の技術職採用にお困りの場合は、どうしたらよいかポイントを確認しながら解決していきましょう。まず阻害要因は何か、必要な技術の“質と量”を明確にし、採用の方向性を打ち出していきます。ポイントは厚生労働省の記事から確認できます。
3.女性採用が注目されている背景と課題 |
(1)人口減少による労働力不足
現代日本における深刻な問題のひとつに、「少子(高齢)化社会」があります。厚生労働省のデータによると、平成28年の出生率は過去最小、平成17年には死亡率が出生率を上回り、日本社会は人口減少化の局面に入りました。また、少子化が進む一方、高齢化も急速に進んでいます。参考:令和2年版 厚生労働白書 - 厚生労働省
そのような現代において、労働力の確保していかなければならない企業は、これまでの雇用ターゲットのすその幅を広げていく必要があります。たとえば外国籍の労働者、シニア、そして女性です。厚生労働省が発表したデータによると、令和3年の女性の労働力人口は 3,057万人と前年から13万人増加しました。一方で、男性は3,803万人と20万人減少しています。労働人口における女性の割合は増加傾向にあり、今後も継続していくと予想されます。今後ますます女性の労働力が増加すると予測されるからこそ、企業は女性採用の強化が求められています。
出典:06 Ⅰ令和3年の働く女性の状況【修正】 - 厚生労働省
(2)ワークライフバランスの実現
働く女性にとって、結婚や出産、育児について考えた場合に仕事との両立をどのように図るかは避けては通れない問題です。一人一人、理想のキャリアは異なるため、それぞれの人が離職せずに働き続けられる環境を企業が整えていく必要があります。
(3)女性管理職が増えにくい
弊社が管理職経験の無い女性に「今後、管理職になりたいと思うかどうか」を聞いたところ、最も回答が多かったのは「あまりなりたくない」で42.9%でした。
なりたくない理由として、「責任が重くなる」「自分にできる自信がない」という回答が挙がっており、不安な気持ちが影響していることが伺えます。いかに不安を取り除き、安心して働ける環境づくりを行えるかが鍵となりそうです。
4.女性活躍推進法とは |
(1)女性活躍推進法とは
女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 )は、女性が職場において活躍できる社会を実現させるために定めた法律で、2016年4月に施行されました。近年では少子高齢化社会での労働力人口不足も深刻であるため、ますます女性の活躍が求められています。この現状を変えるため、女性の社会進出に注力するために作られた法律です。
参考:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の概要 - 厚生労働省
(2)企業は女性雇用・活躍促進を進める必要がある
2019年6月に、「改正女性活躍推進法」が公布されました。この改正では、これまで努力義務とされてきた「従業員数が101人以上300人以下」の事業所についても、策定・届出の義務化が定められました。改正の主な内容は、次の3つです。
1. 行動計画・情報公開の義務の対象が拡大(2022年4月1日施行) |
(3)企業が取り組むべきこと
企業が取り組むべきこととして以下の5つをご紹介します。
1. 女性が活躍できる環境を整える |
1.女性が活躍できる環境を整える
女性採用を増やすために、企業が取り組むべきこととして挙げられるのが「女性が活躍できる環境づくり」です。女性を採用したは良いものの、「女性が働きやすい環境が整っていない」「女性がキャリアアップできる制度・風土がない」といった状態だと早期退職につながってしまうリスクもあります。
女性採用をスタートする前に、
・そもそも、女性が長く活躍できる会社とはどのような職場環境・制度がある会社なのか
・その理想像に近づくために、現時点での自社の課題と、解決するためにやるべきタスクは何なのか
を整理して実行に移していく必要があります。
関連記事:女性採用のために企業が取り組むべきことは「女性が活躍できる環境づくり」そのポイントとは?
2.女性社員の多様なキャリアを考えられるようなサポート体制を整備する
社員ひとりひとりに対して、長く働くことを見据えたキャリアプランの策定を会社がバックアップする体制を作ることが必要です。
具体的な取り組み例 |
3.女性社員の状況や想いを理解し、能力を伸ばすための取り組み
ライフイベントの変化に合わせて、女性のキャリアに対する不安も少しずつ変わっていきます。
女性は、結婚・出産以前から両立に不安を抱えていることが多く、ライフステージに合わせてもその不安が多岐に分かれていきます。
具体的な取り組み例 |
4.出産・育児中の方を含む全社員へのサポート環境づくり
女性活躍推進法の基本原則では、「男女の職場と家庭の両立を図りやすくするための環境整備」「女性が職業生活と家庭生活との両立するために、本人の意思を尊重する」といった内容が明記されています。
具体的な取り組み例 |
参考記事:【金井芽衣×秋元里奈】“女性に優しい会社”って何? 時短ママ活躍、福利厚生充実だけじゃない真実 - 働く女のワーク&ライフマガジン「Woman type」
5.女性の管理職を増やしていく
女性社員が自身のキャリアパスを描く際に、職場で活躍している先輩社員や上司の存在は、自身が長く働くイメージを持てるきっかけとなります。とはいえ、まだ管理職における女性のイメージは浸透しているわけではありません。管理職へキャリアアップすることに対して、不安を覚える女性も多いでしょう。
女性の管理職登用を進めるにあたっては、管理職になるにあたって、社内・社外研修など会社としてサポートする体制づくり、管理職でもライフイベントを迎えた際には柔軟な働き方ができる環境づくりを行うことが重要です。
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
5.女性採用にはデメリット・リスクが伴う? |
(1)企業が「女性採用はリスクがある」と考えてしまう理由
女性活躍推進が進められる一方で、女性採用になかなか踏み込めない企業様も一定数いらっしゃいます。理由として「女性は男性と比べ、結婚・出産などのライフイベントによる働き方の変化が大きい」というイメージがあるように思われます。
また、そのイメージをもたれているのは、企業だけではなく求職者も同様で、「女性はすぐに辞めてしまうのでは」というマイナスなイメージが社会にまだ根付いているということを理解しているため、面接などで産育休や時短制度に関する質問を出しづらい、といったお悩みを持つ方もいらっしゃいます。
(2)働き方が変わっても、活躍する女性もいる
女性を採用し、社員が「産休育休制度」や、出産後に育児と仕事を両立させるために働く時間を調整する「時短勤務」を取り入れた場合、「人手が不足してしまう」「勤務時間が短縮された中で、生産性を上げるのは難しい」「マネジメントが行き届かないのではないか」など、企業にとってリスクと捉えられる可能性もあるでしょう。ただし、女性採用が企業にもたらす影響は、デメリットだけというわけではなく、むしろメリットが上回ることが多いのではないかと考えています。
弊社の話になりますが、出産を機に産育休を取る女性社員が多く、ほとんどの社員が職場復帰をします。会社としても職場復帰がしやすい雰囲気づくりに取り組んでいます。なぜなら、そういった取り組みの結果、実際に復職した社員が非常に高いパフォーマンスを出しているからです。「家事・育児との両立という時間が限られた中で、いかに成果を出すか」ということを考えて業務を遂行するため、仕事に無駄がなく、時短で働いているにも関わらず他の社員よりも高い成績を残している女性社員が多くいます。
過去の事例がないと、マイナスなイメージが先行し消極的になってしまいがちですが、そういった柔軟な働き方を取り入れて女性が活躍している企業の事例などの情報収集をし、「女性採用を積極化したときに、自社にどのような影響があるのか」ということをさまざまな角度から考えてみると良いかもしれません。
(1)Web求人サイト
求人サイトに求人広告を掲載し、サイト登録者からの応募を集めることで母集団を形成する手法です。求人サイトにも、「総合媒体」「特化型媒体」の2つがあります。
たとえば、リクナビNEXT、エン転職、typeは総合媒体にあたり、女の転職type、とらばーゆなどは女性に特化した媒体です。また、総合媒体においても強みとしている職種などがあるため、自社の採用ポジションにあわせて選ぶ必要があります。
料金体系については、掲載前に料金が発生する媒体がメインですが、入社または内定が決まったときに料金が発生する「成果課金型」もあります。
-
女の転職type
サイトURL:https://woman-type.jp/
サービスサイトURL:https://woman-type.jp/keisai/
運営会社:株式会社キャリアデザインセンター
特長:
採用手法カテゴリ | 掲載型求人媒体(メディアに求人掲載して応募を集める求人媒体) |
料金体系 | イニシャル型(求人掲載前に料金発生、採用できても料金はかからない) |
特長 |
・会員の99.9%が女性の日本最大級の女性採用に強みを持った転職サイト
・「正社員・契約社員で長く働きたい女性のための転職サイト」というコンセプトを掲げているように、正社員・契約社員の採用に強みを持つ ・登録者属性 正社員:74.6%、契約社員:17.6%、アルバイト・パート:1.8%、派遣社員:5.5%、業務委託:0.6% ・営業・販売・事務・エンジニアなど幅広い職種に強い ・女性特化型転職イベント「女性の転職イベント」や、Webマガジン「Woman type[ウーマンタイプ] 」など独自の女性向け集客プロモーションを実施している |
オススメの企業 |
・正社員・契約社員で採用を行いたい
・集客力のある大手求人サイトで露出したい ・営業・販売・事務・エンジニアの採用を行いたい |
(2)エージェント(人材紹介)
人材紹介会社に対して採用したい人材像を伝え、人材紹介会社が持つ登録者のなかから近しい人材を紹介してもらう手法です。料金体系については「成果報酬型」で、候補者が内定承諾したときに初めて料金が発生します。フィーは人材紹介会社によりますが、平均は年収の約35%といわれています。人材紹介も転職サイト同様「総合型」と「特化型」が存在します。
type 女性の転職エージェント
サイトURL:https://type.woman-agent.jp/
運営会社:株式会社キャリアデザインセンター
特長:
採用手法カテゴリ | 総合型転職エージェント |
料金体系 | 成果報酬型 |
特長 |
・「女の転職type」を運営する弊社キャリアデザインセンターのエージェントサービス。女性採用に特化したコンサルタントがサポート
・1都3県を中心に求人を多く保有しており、エリアは限定されているもののその分エリア内では強い繋がりをもつ |
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
(3)ダイレクトリクルーティング
スカウトメールという求職者に直接企業からメールを送るツールを使って、サービス提供会社が集めた登録者に直接アプローチする手法です。これまでの「転職サイトへ求人掲載し、サイト登録者が応募してくれるのを待つ」という形式とは異なり、企業が登録者のデータベースを検索し、スカウトメールを送って直接アプローチする攻めの手法といえます。求職者よりも募集企業の数が増えたことで、自発的な応募だけで母集団形成ができなくなったという背景から現在このような手法が主流となっています。(4)転職イベント
イベント会場などで行われる、合同の企業説明会です。企業がブースを出展し、来場者と直接会って話すことで応募への動機付けをする手法です。新卒の転職イベントのような企業説明会と異なり、中途採用の転職イベントは1人1人と面談をする形式がメインです。転職イベントについても「総合型」「特化型」があり、弊社の『type エンジニア転職フェア』『女性の転職フェア』についても「特化型」に分類されます。開催しているエリアなども運営会社によって異なることも特徴のひとつです。
女性の転職イベント(女の転職type運営)
サイトURL:https://woman-type.jp/s/event/
サービスサイトURL:https://woman-type.jp/keisai/event/
運営会社:株式会社キャリアデザインセンター
特長:
採用手法カテゴリ | 転職イベント |
料金体系 | イニシャル型(出展に費用が発生、採用ができても料金は発生しない) |
特長 | 弊社女の転職typeが運営する、過去40回以上の開催実績のある日本最大級の女性特化型転職イベント。2020年以降オンライン型イベントで開催。リアル型イベントについては1日平均1500名の女性求職者が来場。また企業規模問わず、平均着席数60名と1日にまとまった数の女性求職者と直接会うことができるイベント。リアル型イベントについては東京都のみでの開催。 |
オススメの企業 |
・求人を出しても応募が集まらない
・面接のドタキャンが多く、選考ができていない ・人物重視をしており、多くの人に面接で会って選考をしたい ・ある程度面接での動機づけ・クロージングに自信がある |
(5)ソーシャルリクルーティング(SNS採用)
女性採用においては、SNSの活用もオススメです。現代においては、GoogleやYahooなどのWeb検索エンジンよりも若手層中心に情報検索の手法としてSNSが主流となっており、特に女性が利用者の割合を多く占めています。女性はテキストよりもビジュアル情報に影響を受けやすく、弊社女の転職typeにおいても広告の画像を変えるだけで応募効果が大きく変わることもあります。写真などを使った情報発信をすることで、会社の働く社員やオフィスの雰囲気などを伝えられ動機付けをすることも可能です。
(6)リファラル採用
リファラル採用とは、自社で働く社員の友人や知人を紹介してもらい、採用を行う手法のことです。自身のコミュニティ内の人材に会社を薦めるということは、ある程度自分の会社に対する満足度が高くないとできません。そのため、リファラル採用を実施する場合は、社員の会社への満足度を高めるために働く環境の改善などをする必要があり、会社全体にとって良い取り組みになります。各手法の特徴や、導入のメリット・デメリットの詳細をまとめたお役立ち資料も提供しております。是非参考にしてください。
7.女性採用の成功事例 |
(1)営業職の採用事例
■ 従業員数 |
💡 その他女性の営業職採用事例一覧はこちら:https://woman-type.jp/keisai/success/sales/
■ 従業員数 |
💡 その他女性の事務職採用事例一覧はこちら:https://woman-type.jp/keisai/success/office/
(3)エンジニア職の採用事例
■ 従業員数 |
💡 その他女性のエンジニア採用事例一覧はこちら:https://woman-type.jp/keisai/success/engineer/
💡【無料e-book配布中】女性エンジニア採用事例集5選 ・システムエンジニア・プログラマ・PMO・デザイナーなど職種別のエンジニア採用成功事例
・各事例の採用課題、採用成功につながった施策やポイント、採用できたエンジニアの詳細 |
「女性採用の実績も多くないし、取り組んで上手くいくイメージが沸かない…」という企業様も、実は女性採用に向いているかもしれません。下記の記事で女性採用に向いている企業の特徴についてまとめていますので、参考にしてみてください。
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
8.まとめ |
企業が女性を採用すると、企業イメージや女性社員のキャリアアップ意欲の向上、職場の活性化などのメリットがあります。また、行政は、女性活躍を推進している企業に対し助成金制度も設けています。
企業が女性採用のメリットを得るには、女性が働きやすい職場環境を構築したり、女性の管理職を増やしたりして、まずは女性転職者に自社が魅力的に映るようにすることが大切です。
女性採用を目指す企業様は、採用成功する方法や女性採用の成功事例をご参考にしていただき、ぜひ自社の採用活動にお役立てください。
監修者プロフィール小林 佳代子 新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。働く20代向けオウンドメディアの立ち上げ、女性向けwebマガジン『woman type』の編集長を経て2018年『女の転職type』編集長に就任。
|
#女性採用 #女性採用メリット
著者プロフィール
ブログ編集部
「エンジニア採用情報お届けブログ」「女性採用情報お届けブログ」「中途採用情報お届けブログ」は、株式会社キャリアデザインセンター メディア情報事業部「type」「女の転職type」が運営する採用担当者様向けのブログです。構成メンバーは、長年「type」「女の転職type」を通して様々な業界の企業様の中途採用をご支援してきたメンバーになります。本ブログを通して、多くの企業様の中途採用にお役立てできるよう情報発信してまいります。
■運営会社:株式会社キャリアデザインセンター https://cdc.type.jp/
■企業様向け公式SNS: