女性活躍への取り組みが大事といわれていても、効果的な取り組みや具体的な進め方がわからず、アクションを起こしづらいと感じている企業も多いかもしれません。
この記事では、女性活躍の取り組み成功例や女性が活躍している企業の特徴、成功に導くステップとポイントをまとめているため、参考にしていただくと女性社員の活躍や定着率向上につながるでしょう。
女性活躍を推進したい、具体的な取り組みを知りたい企業は、ぜひご覧ください。
この記事でわかる事 |
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1|なぜ今「女性活躍」が企業成長に不可欠なのか? |
2020年5月に女性活躍推進法が改正され、女性の積極採用・活躍促進に向けた行動計画提出、情報公表の義務化の対象企業の幅が広げられたり、管理職における女性の割合を上げる取り組みがなされていたりと日本社会全体で女性活躍推進が強化されています。
なぜ今、女性の活躍推進が注目されているのでしょうか。
💡女性活躍推進法の内容と求められる取り組みについてまとめた記事はこちら |
1-1.少子高齢化による働き手不足の深刻化 |
現代の日本社会は、少子高齢化社会による働き手不足の深刻化が問題となっています。厚生労働省の「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、平成28年から出生数が減少傾向にあり、令和6年には出生数が約68万人で過去最少となりました。
一方で高齢化も急速に進んでおり、同省の「令和6年版高齢社会白書」によると、令和4年における平均寿命は男性81.05年、女性87.09年で、令和52年には男性85.89年、女性91.94年になると見込まれています。
働き手不足は企業の生産性を下げ、停滞を招くため、女性採用へ取り組み人手不足へ対処することが求められています。
1-2.女性の労働力が十分に活用されていない |
出産や育児、介護などを理由に、働きたくても働けていない女性は多いです。以下の図は、「男女共同参画白書」の2021年における年齢別での女性の労働力率と、女性就業希望者の折れ線グラフです。
労働力率(青の折れ線)は、子育てする女性が増える傾向にある30代前半~40代前半にかけて落ち込む一方、就業希望者(赤の折れ線)を見ると30代~40代で特に落ち込んでいるわけではありません。
就業希望者は171万人に上り、求職していない理由として「出産・育児のため」が25%、「介護・看護のため」が6%と、多くの女性が家庭の事情で就業したくてもできていないことがわかります。
1-3.ダイバーシティへの取り組みが強化されている |
ダイバーシティとは、一般的に「多様性」と訳され、企業の経営におけるダイバーシティの推進については「多様な属性を持つ人材の活用促進」のことを指します。
属性とは、性別、年齢、人種、人柄、価値観、能力など、さまざまな要素を意味し、一人ひとりの能力や考え方などの個性を活かして、社会を豊かにしていこうという考え方です。
女性の活躍促進はダイバーシティ推進施策の中のひとつと言えます。
💡ダイバーシティの意味とメリットについてまとめた記事はこちら |
2|成功事例から学ぶ!女性活躍の取り組み例 |
女性活躍の成功事例について、次の3点から取り組み例をご紹介します。
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2-1.女性社員の成長を後押しする研修・教育体制の工夫 |
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・1ヵ月の製品研修、2日間の接遇研修、試用期間3ヶ月間のフォロー研修、その後も先輩のフォローサポート体制を徹底している。(10年以上/女性/人材サービス/11~100名)
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・先輩の案件に入ったり、アポイントへの同行を増やしたり、業務理解の時間を濃くしている。(~5年/女性/企業サービス/11~100名)
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・女性に限らないが、就業前の研修、就業後のアフターフォローを行っている。(~10年/男性/人材サービス/101~500名)
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・現場の色んな人と関わりながら研修を行う。現場の上司が週一で1on1mtgを行っている。年の近い先輩が教育担当としてつくブラザー制度を導入している。(~5年/女性/人材サービス/501~1,000名)
2-2.コミュニケーションを活性化し、一体感を醸成する施策事例 |
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・支店によっては、男性ばかりなので女性一人で委縮しないような雰囲気づくりや対応をして、本社等の他部署の女性との電話だけでも関りを増やしている。(~10年/男性/住宅・不動産、建築・土木/10名以下)
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・業務をまたいだ繋がりができるように2ヵ月に一度の親睦会、半月に一度の全社懇親会(~10年/男性/IT、通信、インターネット/11~100名)
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・極力女性同士のつながりも作りようにしている。(~10年/男性/その他業種/501~1,000名)
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・初日の夜は食事会を実施しており、中途でも同期の繋がりを作ってもらっている。(~10年/女性/ファッション、ジュエリー/1,001~5,000名)
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・女性管理職も多く輩出している。(~5年/男性/IT、通信、インターネット/1,001~5,000名)
2-3.ライフスタイルに合わせた多様な働き方を支援する制度 |
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・その方のライフスタイルに合わせた働き方の提案(それ以上/男性/医療・福祉/1,001~5,000名)
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・先産休・育休の取得と復帰実績多数で、シフトのある勤務体制ですが、子育て中の方に関しては、時間固定や時短勤務といった多様な働き方があり、女性職員が働きやすい環境です。(~5年/女性/医療・福祉/11~100名)
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・「女性の長期就業」という観点は常に意識しており、制度設計には力を入れています。また、性別関係なく制度作りをしている点も女性が活躍できる環境づくりに繋がっていると思います。(~5年/女性/人材サービス/501~1,000名)
また厚生労働省は、女性活躍を推進しようとする中小企業が取り組み方を具体的にイメージできるように、女性活躍推進に取り組んでいる企業の事例を業種・地域別などで分類して紹介しています。
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3|独自アンケートから見る!女性が「本当に活躍している」と感じる企業の特徴 |
弊社「女の転職type」は、女性ユーザー向けに「女性の活躍」についてアンケート(「女性の活躍って?どんな姿なら活躍していると言えるのか。女性たち自身の考えを聞いてみました。」)を実施しました。
アンケート結果をもとに、女性視点で女性が活躍している企業の特徴を以下にまとめます。
3-1.約8割の女性が語る「自社での女性活躍」のリアル |
女性が活躍している状態として最も多かったのは、「結婚・出産後も長く働く」で約7割でした。その他回答の中でも、「出産子育ての際に、業務を安心して引き継ぐことができ、戻ってこれること」という回答もありました。
次いで「責任のある仕事を任される」が6割、「高い収入を得る」が約5割。また4位には、「女性の管理職が多い」が入っています。
ただし、40代以上だけに絞ってみると最も多かったのは「責任のある仕事を任される」で約6割。20代30代の回答と比べてポイントが高い項目は「高い年収を得る」で約5割。年齢が上がると仕事の成果や得られる評価に対してシビアな視点で「女性活躍」を捉えていることが分かりました。
3-3.女性の活躍を阻害する要因と企業が改善すべきポイント |
「女性の活躍を阻害している原因は何だと思いますか?」という質問をしたところ、7割以上の女性が、パートナーの協力不足による「家事・育児の負担が重い」と回答。さらに、「男性優位の会社が多い」「時短勤務・在宅勤務など自由な働き方ができない」など、会社やパートナーの協力体制が十分ではないと考えている女性が多いことが分かりました。
また、以降の順位でも「産休・育休が取りにくい」という回答や、「産休・育休復帰後は責任のある仕事を任されない」という回答も多くの割合を占めました。「産休・育休復帰後は責任のある仕事を任されない」については30代の回答が多く、実際に産育休復帰後に感じた意見もあるのではないでしょうか。
上記の回答から、女性が思う「女性が活躍している企業の特徴」とは、特に女性において働き方の変化が起こりやすい「結婚」や「出産」などのライフイベントなどを迎えても、長く働ける環境があることが一つ挙げられるでしょう。
ここでの「長く働ける」というのは、時短勤務や在宅勤務など家庭と両立できるような柔軟な働き方ができることに加え、産育休復帰後も仕事で活躍できるチャンスがあるなど、キャリアの面でも長く働けるという意味合いも含まれているかと思います。
また、日本社会ではまだまだ管理職における女性比率の低さが指摘されていますが、性別によって仕事内容やポジションなどに差がなく、責任のある仕事を任されることや管理職になれることも女性が活躍している企業の特徴の一つと言えるでしょう。
4|女性活躍推進を成功に導く導入ステップと実践ポイント |
女性活躍のために企業が取り組むべき導入ステップとポイントとして、以下の5つが挙げられます。
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それぞれについて、詳細を解説していきます。
4-1.自社の現状分析と課題把握 |
女性活躍推進法の基本原則では、「男女の職場と家庭の両立を図りやすくするための環境整備」「女性が職業生活と家庭生活を両立するために、本人の意思を尊重する」という内容が明記されています。
そのため、男女問わず、全社員が職場と家庭を両立できるようにサポート体制を整えていくことが重要です。
4-2.社内意識改革の推進 |
女性が活躍できる環境づくりのために実施すべきことは、社内の意識改革です。
社内の意識改革は、「会社全体の意識改革」「女性自身の意識改革」「男性管理職の意識改革」の3つの軸で進めていく必要があります。
(1)会社全体の意識改革
プレジデント社が運営する「PRESIDENT WOMAN」では、男女1000人に対して「管理職になりたいですか?」というアンケートを実施したところ、女性一般社員の82%が「なりたくない・興味がない」と回答しました。
理由としては、「キャリアパスに管理職がなかった」「女性の管理職がいないから」「女性は管理職になれない職場に勤めているから」という、会社自体に女性がキャリアアップできる環境が整っていないことが原因と考えられる回答がありました。
また、「家庭と両立できない」「拘束時間が長くなる」など、社員の働き方を改善する必要性を気づかされる回答も得られました。
参考:女性は本当に管理職になりたくないのか【前編】- PRESIDENT WOMAN
つまり、女性がキャリアアップをしたいという希望を持てるように、女性管理職を増やしてくこと、社員が働きやすい環境を整備していくことの必要性を会社全体で意識し、取り組んでいくことが大切です。
(2)女性社員の意識改革
(1)のアンケート結果のように、現状「管理職になりたくない」と考える女性が多いという課題があります。
理由としては、「負担が増えるだけでメリットがない」「責任を持ちたくない」「能力がない」などがあるため、女性社員自身が持っている「管理職へのイメージ」や「自身の能力に対する評価」に対して働きかけていく必要があると考えられます。
【具体的な取り組み例】
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(3)男性管理職の意識改革
(1)で紹介したアンケートにおいて、「女性管理職を増やすために企業が行う施策のうち、効果があると感じるのは?」という質問では、「女性管理職を育てるための男性向け研修等を行う」の回答で男女で大きく差がつき、女性は3割以上選んでいる一方で、男性は12ポイントも低いという結果でした。
また、効果を感じる施策のうち、「ワークライフバランスのための制度を設ける」「仕事と家庭の両立支援のための福利厚生制度の充実」は女性に非常に支持されていたものの(女性管理職62%、女性一般社員58.4%)、男性管理職では46.2%と差がつきました。
女性に対する施策の実施に注力するだけではなく、男性管理職自身が意識を変えるための施策を打つことが重要と言えるでしょう。
【具体的な取り組み例】
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4-3.女性社員のキャリア形成支援 |
仕事を通して活躍する女性を増やしていくには、多様なキャリアを選択できる環境を整えていく必要があります。
そのため、まずは社員一人ひとりの現時点で考えているキャリアを把握し、それぞれにあったキャリアプランを会社が社員と一緒に考えていく・実現できるようなサポートを行っていきましょう。
【具体的な取り組み例】
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4-4.ワークライフバランスの実現 |
男女問わず、全社員が職場と家庭を両立できるようにサポート体制を整えていくことが女性活躍推進に重要なため、相談窓口の設置や定期的なストレスチェックの実施、男女ともに使える制度の導入などに取り組みましょう。
より効果を高めるには、男女の違いを理解することが大切です。例えば、女性は結婚・出産以前から仕事と家庭との両立に不安を抱えていることが多く、ライフイベントの変化に合わせてキャリアに対する不安も少しずつ変わっていきます。また、女性と男性では抱えるストレスが異なり、女性のほうが家庭との両立や体力的な問題、人間関係など、男性よりもストレスの種類が多様と言われています。
不安やストレスなど、男女の違いを理解しておくと、より適切な制度や必要な支援策を見出しやすくなるでしょう。
【具体的な取り組み例】
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💡時短勤務の注意点やメリット・デメリットについてまとめた記事はこちら |
4-5.ロールモデルの創出と活用 |
以前弊社「女の転職type」が実施したアンケート調査(「管理職ってどう?管理職について聞いてみました。」)によると、「尊敬できる女性管理職の有無は、管理職になりたい気持ちに影響する?」に対する回答割合は「とても影響がある」25.1%、「やや影響がある」31.4%でした。
ロールモデルとなる女性の管理職がいることが、管理職就任への前向きな後押しになるといえるため、女性社員向けの育成研修を行い、「女性管理職」というロールモデルを創出し、活躍の機会を与えていくことが重要です。
また、職場で活躍している女性社員の存在は、女性社員が自身のキャリアパスを描く際に自身が長く働くイメージを湧かせるため、定着率の向上などのプラスの影響も与えます。
【具体的な取り組み例】
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5|まとめ |
働き手不足のカバーやダイバーシティへの取り組みの観点から、現在労働力として十分に活用されていない女性採用・活躍を推進することが求められています。
女性活躍推進にあたり、社員の意識改革や仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備、ロールモデルの創出などへの取り組みが必要です。
ご紹介した取り組み例や女性活躍に関する事例集を参考にして、自社の女性が活躍できる環境を整えていきましょう。
💡女性採用を成功させる求人作成ポイントや採用手法についてまとめた記事はこちら |
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監修者プロフィール
小林 佳代子
新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。働く20代向けオウンドメディアの立ち上げ、女性向けwebマガジン『woman type』の編集長を経て2018年『女の転職type』編集長に就任。
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#女性活躍 #女性の就業希望者 #女性活躍ポイント
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著者プロフィール

ブログ編集部
「エンジニア採用情報お届けブログ」「女性採用情報お届けブログ」「中途採用情報お届けブログ」は、株式会社キャリアデザインセンター メディア情報事業部「type」「女の転職type」が運営する採用担当者様向けのブログです。構成メンバーは、長年「type」「女の転職type」を通して様々な業界の企業様の中途採用をご支援してきたメンバーになります。本ブログを通して、多くの企業様の中途採用にお役立てできるよう情報発信してまいります。
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