フェミニン・リーダーシップとは?女性活躍推進を成功させる具体策

フェミニン・リーダーシップとは?女性活躍推進を成功させる具体策3-13-20260417

ビジネス環境の変化によって、従来の「権限」や「力」を重視したリーダーシップ像では、組織の発展や存続が難しくなってきているのが現状です。

フェミニン・リーダーシップは、柔軟な対応や組織力の強化につながる新たなリーダーシップ像として、現在注目を集めています。

この記事では、フェミニン・リーダーシップの意味と従来のリーダーシップ像との違い、メリット、組織に定着させるポイントについて解説します。

 

この記事でわかる事

・フェミニン・リーダーシップと従来のリーダーシップ像との違い
・フェミニン・リーダーシップを推進するメリット
・フェミニン・リーダーシップの主な特徴
・フェミニン・リーダーシップ育成と定着のポイント

 

 CONTENTS

  1. フェミニン・リーダーシップとは?定義と注目される背景

    1-1 フェミニン・リーダーシップとは?
    1-2 なぜ今、注目されているのか?
    1-3 従来のリーダーシップ像との違い
  2. フェミニン・リーダーシップを推進するメリット

    2-1 女性社員のエンゲージメントと定着率の向上
    2-2 企業ブランディングの向上と採用力強化
    2-3 イノベーションの推進による経営・採用戦略の改善
    2-4 男性社員や組織全体へのポジティブな影響
  3. フェミニン・リーダーシップの主な特徴

    3-1 【共感力】心理的安全性の向上による結束力の強化
    3-2 【柔軟性】変化に強い組織づくりと男性管理職の負担軽減
    3-3 【多様性】異なる視点を活かしてイノベーションを加速させる
  4. フェミニン・リーダーシップ育成のポイント

    4-1 心理的バイアスを払拭する
    4-2 メンター制度・スポンサー制度などキャリア形成支援を行う
    4-3 失敗を許容してレジリエンスを養うフィードバックをする
  5. フェミニン・リーダーシップを組織に定着させるための環境づくり

    5-1 柔軟な働き方の標準化
    5-2 ライフイベントとキャリアを両立させる評価制度の整備
    5-3 組織全体でのアンコンシャス・バイアス研修の実施
  6. まとめ

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1|フェミニン・リーダーシップとは?定義と注目される背景

フェミニン・リーダーシップは、従来とは異なるリーダーシップ像です。

定義や注目されている背景、従来のリーダーシップ像との違いをご紹介します。

 

 

 

 

1-1.フェミニン・リーダーシップとは?

フェミニン・リーダーシップとは、女性性の資質を活かしつつ、女性性と男性性をバランスよく発揮したリーダーシップのことです。女性性の資質とは、例えば「共感力」や「柔軟性」などが挙げられます。

「女性がリーダーになる」ことを指すのではなく、性別に関わらず、協調や共感を大切にしながら、メンバーの能力や主体的な行動を引き出すのがフェミニン・リーダーシップです。

 

 

 

 

1-2.なぜ今、注目されているのか?

フェミニン・リーダーシップは、持続可能な組織運営を実現できるリーダーシップ像として現在注目されています。VUCA時代と呼ばれる不確実な環境下において、リーダーの一存ですべてを決める、報酬で部下をつなぎとめるという従来のやり方では、事業の失敗や部下離れを引き起こしかねません。

一方、フェミニン・リーダーシップを発揮すると、女性的な視点など多様な視点で物事を考えられ、イノベーションを起こせる可能性があります。また、共感や気遣いで信頼関係を築き、チームの結びつきも強められるでしょう。

事業面、人材面ともに組織を強化できるフェミニン・リーダーシップは、新しいリーダーシップ像として求められています。

 

 

 

 

1-3.従来のリーダーシップ像との違い

従来のリーダーシップ像は、「権力」「競争」「命令」など、権限を使って部下をコントロールする男性的な取り組みが一般的でした。

一方のフェミニン・リーダーシップは、「共感」「調和」「尊重」など、相手に寄り添いながら意識に影響を与える女性的な取り組みであるのが特徴です。女性性だけを活用するのではなく、「冷静な判断力」などの男性性の資質もバランスよく統合することが、フェミニン・リーダーシップの発揮につながります。

 

  フェミニン・リーダーシップ(共感型) 従来のリーダーシップ(権限型)
重視するもの
  • ・共感
    ・調和
    ・尊重
    ・柔軟性
    ・受容
    ・影響力

  • ・権力
    ・競争
    ・勝利
    ・支配
    ・力
    ・命令
リーダーシップ例
  • ・相手を尊重し、多様な意見を受容する
    ・部下へビジョンの提示と働きかけによって、主体的な行動を促す
    ・固定観念にとらわれない柔軟な思考と行動力で影響を与える

  • ・報酬や罰で部下を支配する
    ・トップダウンで部下に指示や命令を出す
    ・ノルマや目標を与えて達成を促す

リーダーシップの効果例
  • ・信頼関係を構築できる
    ・部下が能動的に行動できる
    ・イノベーションの創出や課題解決につながる

  • ・部下の反発や不満を生む
    ・部下が受動的になる
    ・意見やアイデアに多様性がなく、時代が求めるニーズに合わない恐れがある

 

 

 

2|フェミニン・リーダーシップを推進するメリット

 

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企業が女性リーダーを登用し、フェミニン・リーダーシップを推進した場合、次の4つのメリットを得られる可能性があります。

  • ・女性社員のエンゲージメントと定着率の向上
    ・企業ブランディングの向上と採用力強化
    ・イノベーションの推進による経営・採用戦略の改善
    ・男性社員や組織全体へのポジティブな影響

各メリットを解説します。

 

 

 

 

2-1.女性社員のエンゲージメントと定着率の向上

フェミニン・リーダーシップが発揮されると、女性社員の悩みへの共感・課題解決へのアドバイスなどによって、女性社員のエンゲージメントを高められます。「話を聞いてもらえる」という心理的安全性が生まれ、相談へのハードルが下がるため、精神的な負担軽減や働きやすい職場環境を実現でき、定着率が向上するでしょう。

また、女性リーダーがロールモデルになることで、女性社員のキャリアが明確になり、リーダーへの昇進意欲も醸成されます。自社で活躍しようと思えるため、優秀な人材の流出も防止できるでしょう。

 

 

 

 

2-2.企業ブランディングの向上と採用力強化

女性リーダーを増やすことは、企業ブランディングを向上させる効果があります。例えば、内閣府の「女性活躍情報がESG投資にますます活用されています」によると、半数以上の機関投資家が女性活躍情報(女性管理職比率等)を投資判断に活用していると回答しています。女性リーダーを登用するほど、企業価値が高まるといえるでしょう。

多様な人材を採用・登用する企業は、採用市場でも求職者から選ばれやすい傾向があります。旧態依然とした体制の企業よりも、変化を柔軟に受け入れられる企業のほうが持続可能性があるとして魅力的に映りやすいため、採用力強化も期待できます。

 

 💡採用力の意味と高める方法について詳しくまとめた記事はこちら 

 採用力とは?自社に適した人材を採用・定着させるノウハウを解説! 

 

 

 

 

2-3.イノベーションの推進による経営・採用戦略の改善

従来のリーダーシップ像は、リーダーが意思決定して指示を出すため、メンバー間でのコミュニケーションが乏しい傾向があります。もし意見交換などがあっても、パワーバランスからリーダーの意見に同調するなどして、課題解決や新たなアイデアの創出につながらない可能性が高いです。

女性リーダーがフェミニン・リーダーシップを発揮した場合、女性ならではの視点や、メンバーとのコミュニケーションの活性化によって、多様な視点で物事を思考・決定できるでしょう。イノベーションも推進でき、経営や採用戦略に活かすことで改善も図れます。

 

 

 

 

2-4.男性社員や組織全体へのポジティブな影響

フェミニン・リーダーシップの浸透は、女性社員だけでなく男性社員や組織全体にもポジティブな影響をもたらします。

例えば、次のような望ましい影響があります。

  • リーダーの負担軽減:一人が抱え込まず「チームで成果を出す」スタイルで、管理職の燃え尽きを防ぐ
    男性の私生活も尊重:共感と柔軟性の文化が、男性の育休取得やワークライフバランスを後押しする
    若手の自律を促進:対話重視の関わりにより、指示待ちではない「自走するチーム」へと進化する

 

フェミニン・リーダーシップを推進すると、従来のリーダーシップのように「リーダーが引っ張らなければならない」というリーダーへのプレッシャーが軽減されます。多様な意見も傾聴・受容されるようになるため、制度や職場環境の改善などにつながり、健全な働き方を実現できるでしょう。

また、意見交換などの生産的なコミュニケーションが増えることで、思考力の向上や相互理解の深化も可能です。メンバーの自律性が育まれ、能動的なチームになれると考えられます。

 

 

 

3|フェミニン・リーダーシップの主な特徴

 

フェミニン・リーダーシップとは?女性活躍推進を成功させる具体策2-13-20260417

フェミニン・リーダーシップの主な特徴は、次の3つです。

  • ・【共感力】心理的安全性の向上による結束力の強化
    ・【柔軟性】変化に強い組織づくりと男性管理職の負担軽減
    ・【多様性】異なる視点を活かしてイノベーションを加速させる

組織によい影響を与える、フェミニン・リーダーシップの特徴についてご紹介します。

 

 

 

 

3-1.【共感力】心理的安全性の向上による結束力の強化

女性は、男性よりも共感力が高く、信頼関係を築くコミュニケーションも得意だといわれています。そのため、女性社員がフェミニン・リーダーシップを発揮すると、メンバーの感情や状況に寄り添いながら意見を聞くなど、チームの信頼関係を深めながら適切な対処ができます。

メンバーは、自身を尊重し、必要な場面で助けてくれる女性リーダーに対して心理的安全性が向上するでしょう。協調や協力体制が整ったチームは、結束力も強いです。

 

 

 

 

3-2.【柔軟性】変化に強い組織づくりと男性管理職の負担軽減

VUCA時代を生き抜くには、変化に対応できる柔軟性が欠かせません。女性性の特徴として「しなやかさ」や「柔らかさ」があり、状況に応じて方向性や業務を調整できるため、変化に強い組織をつくれます。

一方で、メンバーが変化を受け入れるには、リーダーへの信頼や納得できる説明が必要です。女性は、細かい気遣いをしながらコミュニケーションを取れるという特徴があります。そのため、男性管理職では難しい対応をカバーして負担を軽減しつつ、別の角度からメンバーを導けるでしょう。

 

 

 

 

3-3.【多様性】異なる視点を活かしてイノベーションを加速させる

「包容力」や「受容力」も、女性性の特徴です。女性は、性別、国籍、年代など、多様な人材の価値観や能力、バックグラウンドを受け入れる力が男性よりも高い傾向があるため、メンバーの異なる視点を活かして、イノベーションを加速させられます。

属性などに関係なく能力を発揮しやすい環境は、メンバーのモチベーションを高め、潜在能力も引き出しやすいです。また、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の企業文化も醸成され、ビジネスにおける競争力の強化にもつながります。

 

 💡DE&Iの意味や推進メリットについて詳しくまとめた記事はこちら 

 DE&I採用とは?メリットや成功ポイントと実現ステップを解説 

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4|フェミニン・リーダーシップ育成のポイント

フェミニン・リーダーシップを育成する際には、次の3つのポイントを押さえることが大切です。

  • ・心理的バイアスを払拭する
    ・メンター制度・スポンサー制度などキャリア形成支援を行う
    ・失敗を許容してレジリエンスを養うフィードバックをする

ぜひフェミニン・リーダーシップの育成に各ポイントを取り入れてください。


 

 

 

4-1.心理的バイアスを払拭する

女性社員のなかには、「私には管理職なんて無理」と思っている方も多いです。弊社「女の転職type」が女の転職type会員に対して行ったアンケート「管理職ってどう?管理職について聞いてみました。」によると、今後、「管理職になりたい派」の割合は39.1%、「なりたくない派」は54.9% で、「なりたくない」が過半数を超えました。

 

今後、管理職になりたい女性の割合

 

「管理職になりたくない理由」としては、「責任が重くなる」が68.6%で最も高い割合でしたが、「自分にできる自信がない」50.3%、「部下の教育が向いていないと思う」42.7%など、心理的なバイアスも強いことがわかります。

 

女性が管理職になりたくない理由

 

そのため、女性管理職を誕生させ、フェミニン・リーダーシップを発揮してもらうには、女性社員のバイアスを払拭して意識改革を促すことが求められます。

 

 

 

 

4-2.メンター制度・スポンサー制度などキャリア形成支援を行う

女性社員が理想のキャリアを形成できるように、メンター制度やスポンサーシップ制度などを導入してサポートを行いましょう。

ジェンダー平等が推進されている一方で、家事や育児の負担はまだまだ女性に偏っているのが現状です。総務省の「我が国における家事関連時間の男女の差」の調査によると、6歳未満の子供を持つ夫・妻の家事関連時間(週全体平均)は、夫が1.54時間なのに対し、妻は7.28時間と、約5倍の差があります。

女性社員にとって仕事と家庭の両立が根強い課題のため、上司や管理職は女性社員と信頼関係を構築し、幅広い悩みを共有・解決しながら、フェミニン・リーダーシップを取れるポジションへ導くことが大切です。

 

 

 

 

4-3.失敗を許容してレジリエンスを養うフィードバックをする

ビジネスにおけるレジリエンスとは、「困難を乗り越えて回復する力」を意味します。例えば、課題への解決力や、失敗してもすぐに立ち直る精神力などが挙げられます。変化が激しい現代においては、トライアンドエラーを繰り返し、社会のニーズに応えていくことが自社の存続につながるため、レジリエンスを高めることが重要です。

失敗を許容する文化を醸成し、適切なフィードバックをすると、女性社員は「失敗は成長の糧」としてポジティブに受け止められ、挑戦や成長意欲を維持できます。レジリエンスが高ければ、フェミニン・リーダーシップにおける柔軟な対応力やメンバーを引っ張る力もより発揮されて、目標達成もしやすくなるでしょう。

 

 

 

5|フェミニン・リーダーシップを組織に定着させるための環境づくり

女性社員をリーダーに登用し、フェミニン・リーダーシップを組織に定着させるには、女性社員が働きやすい環境づくりが必要です。

環境づくりに活かせる、次の3つの施策について解説します。

  • ・柔軟な働き方の標準化
    ・ライフイベントとキャリアを両立させる評価制度の整備
    ・組織全体でのアンコンシャス・バイアス研修の実施

 

 

 

 

5-1.柔軟な働き方の標準化

女性社員が仕事と家庭を両立できるように、柔軟な働き方を「当たり前」のものとして自社に浸透させましょう。例えば、リモートワークやフレックスタイム制度、時短勤務などを導入し、女性社員が選択できるようにすると、ワークライフバランスを保ちやすくなります。社内保育所の設置や保育サービス費用の補助なども効果的です。

柔軟な働き方によって女性社員がキャリアを継続できるようになれば、女性リーダーも多く誕生し、フェミニン・リーダーシップで組織力の強化にもつながるでしょう。

 

 💡時短勤務の対象者やメリットについて詳しくまとめた記事はこちら 

 【企業向け】時短勤務はいつまで?適用期間や給与計算方法を解説! 


 

 

 

5-2.ライフイベントとキャリアを両立させる評価制度の整備

女性リーダーを増やし、フェミニン・リーダーシップを社内に浸透させるには、ライフイベントとキャリアを両立させる評価制度の整備も重要です。例えば「残業する人は頑張っている」などと長時間労働を称賛するような社風・制度では、妊娠・育児などで長時間労働ができない女性社員の評価は下がり、モチベーションも低下します。

そのため、個々の事情や働き方を踏まえたうえで、成果を公正に評価する制度を整備することが求められます。納得感のある透明性の高い評価制度を整えて社内に周知すると、業務意欲やキャリアアップ意欲を高められるでしょう。

 

 

 

 

5-3.組織全体でのアンコンシャス・バイアス研修の実施

フェミニン・リーダーシップを育成するには、女性の心理的バイアスを払拭することが大切だと前述しました。しかし、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は誰にでもあります。

内閣府の「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によると、「組織のリーダーは男性の⽅が向いている」「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない」などが、男性が抱く性別役割意識の上位に挙げられています。

そのため、女性だけでなく男性社員や管理職も含め、組織全体で研修を行い、意識の偏りを整えることが大切です。「女性(男性)は〇〇であるべき」という意識がなくなれば、性別ではなく能力や志向性で評価でき、女性リーダーの登用も進むと考えられます。

 

 

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6|まとめ

フェミニン・リーダーシップを推進すると、女性社員のエンゲージメントや定着率の向上が期待できます。また、女性性の柔軟さや受容力の高さによって、イノベーション創出にもつながり、組織の持続可能性も高められます。

女性社員のリーダー登用を進めていくには、全社的に意識改革をして、「女性であること」がキャリアアップの妨げにならない文化の醸成が重要です。

柔軟な働き方や公正な評価制度も整備して、フェミニン・リーダーシップの定着を図っていきましょう。

 

#フェミニン・リーダーシップ 

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