
政府は女性管理職の増加などの目標を掲げており、女性活躍を推進しています。女性管理職を増やそうと取り組んでいる企業がある一方で、メリットや取り組み方がわからず、男性管理職ばかりという企業も少なくありません。
この記事では、女性管理職を増やすメリットと日本における女性管理職比率の現状、企業に求められる施策と企業事例をご紹介しています。自社の女性管理職の増加にぜひお役立てください。
| この記事でわかる事 |
|
![]() |
\ 「管理職になりたくない」は本当? /
データで判明した、働く女性の意外な本音。 女性比率を高めるために、今企業が取り組むべきことをご紹介! |
1|なぜ今、女性管理職が求められているのか? |

政府は女性の社会進出を進めるため「2020年代の早期に指導的地位に占める女性の割合を30%程度とする」ことや、プライム市場上場企業を対象に「2030年までに女性役員の比率を30%以上とする」ことを目標に掲げています。
また、2026年4月に女性活躍推進法が改正され、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が従業員数101人以上の企業に義務付けられました。政府主導で女性管理職の登用や活躍が推進されていることがわかります。
参考:内閣府「第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(骨子案)」
参考:厚生労働省「女性活躍推進法が改正されました!」
| 💡女性活躍推進法について詳しくまとめた記事はこちら |
1-2.日本と世界の女性管理職比率の現状 |
日本社会において、まだまだ女性管理職登用が進んでいないという現状があります。
男女共同参画局によると、世界各国のうち、管理的職業従事者に占める女性の割合が最も高いのがフィリピンで48.6%、次いでスウェーデン43.7%、米国42.9%です。ほかの国もおおむね30%以上となっている一方で、日本は16.3%のため、世界的に見ると日本の数値が著しく低いことがわかります。

参考:男女共同参画局「諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合」
1-3.管理職に時短勤務の措置は義務?実務上の判断基準 |
労働時間の規制の対象外である管理職に対して、企業は時短勤務の措置を講じる義務がありません。 一方で、女性にとって管理職になることは、仕事と育児の両立が難しくなると考えられます。そのため、管理職であっても時短勤務の措置を講じることが、女性管理職の増加に必要といえるでしょう。
厚生労働省も「改正育児・介護休業法に関するQ&A(平成22年2月26日版)」のなかで、管理職に対して時短勤務に準じた制度を導入することは可能であり、仕事と育児の両立を図る観点から望ましいことだと示しています。
(1)時短勤務時の給与の扱い
管理職は労働時間の規制の対象外という観点から、時短勤務にすることで給与を下げる対応は矛盾してしまいます。そのため、例えば女性管理職が時短勤務を申し出た場合は、管理職としての役割を引き続き求めたうえで、給与も変えないまま労働時間だけ短縮する対応が考えられるでしょう。
もし女性管理職自身が、時短勤務になることで管理職としての役割を全うできないと感じるのであれば、管理職から外し、時短勤務ができる職位にすることも必要です。
| 💡時短勤務の制度内容と導入の注意点についてまとめた記事はこちら |
2|女性管理職を増やす企業側の7つのメリット |

「女性管理職を増やす」のは、単に政府が掲げている目標達成を目指しているわけではなく、企業にも下記のようなメリットがあるためです。
女性管理職を増やす7つのメリットについてご紹介します。
|
・意思決定の質向上によるイノベーションの創出 |
2-1.意思決定の質向上によるイノベーションの創出 |
女性管理職の増加は、企業のダイバーシティの促進につながります。ダイバーシティとは、英語で「多様性」を意味する言葉で、ビジネスにおいては、国籍や性別、経歴などが多種多様な人材を受け入れることを指します。
自社で活躍する女性管理職を増やしていくことで、意思決定に多様なスキルや視点を取り入れられるため、判断の質が向上し、イノベーションを創出できる可能性があります。VUCA時代と呼ばれる不確実な現代において、市場に合った革新的な事業を生み出すことは、自社が競争優位に立つために重要です。
| 💡ダイバーシティを採用に活用する概念についてまとめた記事はこちら |
2-2.優秀な人材の確保と若手社員の離職防止 |
女性管理職比率の向上に取り組む企業や、「えるぼし認定」を受けている企業などは、求職者から「女性が活躍できる企業」というイメージを持たれるでしょう。求人への応募増加につながり、優秀な人材を獲得しやすくなります。
また、経済産業省の「令和6年度中小企業実態調査事業調査報告書」によると、中小企業の離職率の平均が約17%であるのに対し、ダイバーシティ経営に取り組む企業の離職率の平均は6.4%であることがわかりました。性別に関係なく個人の能力を活かせる組織のほうが、人材が流出しづらいといえるでしょう。
| 💡えるぼし認定基準やメリットについて詳しくまとめた記事はこちら |
![]() |
\ 「管理職になりたくない」は本当? /
データで判明した、働く女性の意外な本音。 女性比率を高めるために、今企業が取り組むべきことをご紹介! |
2-3.多様な視点による市場ニーズの深掘り |
女性は、男性よりも細かいところに気付きやすく、信頼関係を築くコミュニケーション能力にも長けている傾向があります。そのため、女性ならではの視点で市場ニーズを捉えられ、求められている商品やサービスを生み出せるでしょう。
高いコミュニケーション能力も、取引先や顧客から真意や要望を引き出すのに役立ちます。良好な関係を築きつつ、時代や状況に合ったものを提供できるため、市場競争で優位に立ちやすいです。
2-4.ESG投資の呼び込みと企業ブランドの向上 |
資本市場では、非財務情報であるESG情報(環境:Environment・社会:Social・ガバナンス:Governance)を投資判断に組み込み、長期的な投資リターンの向上を目指すESG投資が拡大しています。
男女共同参画局によると、取締役会における女性割合が高い企業ほど株価パフォーマンスが高いという調査結果もあり、女性の活躍に積極的な企業が評価されているといえるでしょう。

参考:男女共同参画局「女性役員登用の現状等について」
また、厚生労働省の「女性活躍推進に関する施策及び現状」では、投資を判断する際に女性活躍情報を活用する理由について、約8割の投資家が「企業の業績に長期的には影響がある情報と考えるため」と回答しています。女性管理職を増やすことは、投資先に選ばれるためにも必要であることがうかがえます。

2-5.働き方改革の加速と生産性の向上 |
女性が管理職にキャリアアップしても長く働けるようにするには、現在の働き方や企業制度の見直し・改善、多様な働き方ができる制度の導入などを行う必要があります。例えば、リモートワークの導入や業務効率化できるツールの活用などが挙げられるでしょう。
働きやすい環境の構築に取り組むことで、女性に限らず社員全体の長期的な活躍が期待できます。また、モチベーションアップや無駄な業務の削減により、生産性も向上するでしょう。
2-6.心理的安全性の高いチームビルディングが可能になる |
女性管理職は、同性という話しやすさによって、チーム内の女性から人間関係やプライベートの悩みなどを相談されるケースが多くなるでしょう。女性は共感力や受容力が高い傾向があるため、相談しやすい雰囲気を作り出せることで部下の現状を把握しやすくなり、メンタル面などのケアも含むマネジメントが可能になります。
「なんでも相談できる」「意見を言っても否定されない」というチーム内の心理的安全性が高まると、結束力のあるチームを作れます。また、能動的な部下の育成にもつながるため、目標も達成しやすいです。
2-7.属人的なマネジメントからの脱却 |
女性管理職を増やそうと、経営層等が女性社員に研修を行なったとしても、実際に女性管理職が身近にいないと働き方のイメージがしづらいです。いたとしても女性社員自身の働き方と異なる女性管理職の場合、「自分も管理職になれる」と強く思えないでしょう。
多くの女性管理職がいれば、女性社員が自身に近いロールモデルを目標にでき、キャリアプランを描きながらモチベーション高く働けます。ロールモデルの存在が自然と女性リーダーの育成につながる状況は、自社の女性管理職増加を促進するでしょう。
|
【あわせて読みたいおすすめの記事】 |
💡 女性採用・活躍推進を検討する際に役立つ参考データをまとめた資料を無料公開中
3|日本における女性管理職の比率や割合 |

ここでは、日本企業における女性管理職比率の具体的なデータを次の4つにわけて見ていきましょう。
|
3-1.女性管理職の平均比率は11.1% |
帝国データバンクの「女性登用に対する企業の意識調査(2025年)」によると、管理職に占める女性の割合の平均値は11.1%で過去最高となりました。
また、女性管理職の割合が30%以上の企業の割合も11.9%で過去最高となりましたが、政府の掲げる「2020年代の可能な限り早期に30%程度となる」という目標にはまだ遠い数値といえるでしょう。
| 女性管理職の割合 | 回答企業割合 |
| 30%以上 | 11.9% |
| 20%以上30%未満 | 6.4% |
| 10%以上20%未満 | 9.9% |
| 10%未満 | 25.4% |
| 0%(全員男性) | 42.3% |
| 分からない | 4.1% |
3-2.女性管理職の企業規模別比率 |
帝国データバンクの同調査によると、企業規模別の女性管理職の比率は、「小規模企業」が平均14.3%で最も高い結果となりました。一方で「中小企業」は11.6%、「大企業」は8.3%で、規模が小さい企業ほど女性管理職比率の平均が高いことがわかります。
| 企業規模 | 女性管理職割合の平均 |
| 大企業 | 8.3% |
| 中小企業 | 11.6% |
| 小規模企業 | 14.3% |
3-3.女性管理職の業界別比率 |
帝国データバンクの同調査では、業界別の女性管理職の比率で最も高かったのが「小売」20.1%で、全体(11.1%)を9.0ポイントも上回りました。「小売」の数値の高さは、女性社員が比較的多い業界であることが一因であると考えられます。次いで、「不動産」16.7%、「サービス」15.4%、「金融」12.8%が上位に並びました。
一方で、現場での作業が多いことなどを背景に女性社員が比較的少ない「運輸・倉庫」「製造」「建設」は、低水準にとどまった結果となりました。
| 業界 | 女性管理職割合の平均 |
| 小売 | 20.1% |
| 不動産 | 16.7% |
| サービス | 15.4% |
| 金融 | 12.8% |
| 農・林・水産 | 11.5% |
| 卸売 | 9.7% |
| 運輸・倉庫 | 9.0% |
| 製造 | 8.1% |
| 建設 | 6.4% |
3-4.女性管理職比率の推移 |
内閣府によると、民間企業の女性役職者は2001年から2024年にかけて、「部長級」職は1.8%から9.8%へ、「課長級」職は3.6%から15.9%へ、「係長級」職は8.3%から24.4%へとそれぞれ増加していることがわかります。
2025年には第5次男女共同参画基本計画における成果目標を掲げています。

参考:内閣府「令和7年版男女共同参画白書」
![]() |
\ 「管理職になりたくない」は本当? /
データで判明した、働く女性の意外な本音。 女性比率を高めるために、今企業が取り組むべきことをご紹介! |
4|女性管理職が少ない理由とは? |

日本において女性管理職が少ない理由として、下記6つが挙げられます。
|
それぞれの理由を解説します。
4-1.管理職のアンコンシャス・バイアス |
現在、管理職の多くを男性が占めている企業は多いです。
男女共同参画局の「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によると、「同程度の実力なら、まず男性から昇進させたり管理職に登用するものだ」に対して「そう思う(どちらかといえばそう思う)」と答えた割合は、一般社員よりも管理職のほうが高い傾向があります。
男性管理職にアンコンシャス・バイアスがあると、女性社員が管理職に登用されづらく、女性管理職の推進を阻害してしまいます。
| 年代 | 社内でのクラス | 割合 |
| 20~40代 | 役員・部長(代理)クラス | 22% (そう思う:6.1%・どちらかといえばそう思う:15.9%) |
| 課長(代理)・係長クラス | 20.4% (そう思う:3.2%・どちらかといえばそう思う:17.2%) |
|
| 一般社員・その他 | 16.5% (そう思う:2.7%・どちらかといえばそう思う:13.8%) |
|
| 50~60代 | 役員・部長(代理)クラス | 17.9% (そう思う:2.0%・どちらかといえばそう思う:15.9%) |
| 課長(代理)・係長クラス | 16.6% (そう思う:1.3%・どちらかといえばそう思う:15.3%) |
|
| 一般社員・その他 | 12.7% (そう思う:1.2%・どちらかといえばそう思う:11.5%) |
4-2.根強い男女の役割意識 |
日本の社会システムが性別役割分担を前提にしていることが、女性の活躍がなかなか進まない要因のひとつです。
大規模な機械・設備によって製品の大量生産が中心となっていた工業化社会においては、男性は雇われて働き、女性は家にいるという性別役割分業が確立されました。そこから経済のサービス化が進んだポスト工業社会においては、女性の労働市場への参画が広まり、共働き世帯が増えていきました。
各国が個人の自立を支える社会システム制度の整備に取り組むなか、日本は男女雇用機会均等法の施行で女性の自立も支援しながらも、配偶者控除制度といった専業主婦を保護するような施策を維持。税制や社会保険制度と雇用慣行が連動し、既婚女性の労働参加が抑制され、パート就労に誘導されているような状態になっています。
参考:女性活躍社会に必要なこと(2) 日本は性別役割分業が前提-日本女子大学名誉教授 大沢真知子 - 日本経済新聞
※有料会員記事のため閲覧制限あり
4-3.女性が長く働ける環境がまだ整っていない |
妊娠・出産・育児というライフイベントは、産育休制度や柔軟な働き方ができる環境が整っていないと、仕事との両立が難しいです。また、勤続年数で評価する企業の場合、出産などで休むことが多い女性にとっては、昇進へのハードルが高くモチベーションも下がるでしょう。
帝国データバンクの「女性登用に対する企業の意識調査(2025年)」によると、女性の活躍推進のために行なっていることについて、「性別に関わらず成果で評価」が61.9%でトップな一方で、「時短勤務の対応」27.7%、「就業時間の柔軟化」27.6%と、家庭と仕事の両立を支援する対応策に取り組んでいる企業はおよそ4社に1社でした。
女性が長く働ける制度や働き方、環境の整備を進めていくことが、女性管理職を増やすための課題といえます。
| 女性の活躍推進のために行なっていること(上位5項目) | 割合 |
| 性別に関わらず成果で評価 | 61.9% |
| 性別に関わらず配置・配属 | 51.5% |
| 女性の育児・介護休業の取り組み促進 | 34.1% |
| 時短勤務の対応 | 27.7% |
| 就業時間の柔軟化 | 27.6% |
4-4.「管理職になりたくない」女性が多い |
管理職になりたくないと感じる女性の心理について、「女の転職type」が独自で実施したアンケート調査(「管理職ってどう?管理職について聞いてみました。」)をもとに見ていきます。
管理職(リーダー職)の経験は?

管理職経験について聞いたところ、25.3%(219人)が「管理職経験がある」と回答しました。
年齢別で見てみると、20代では管理職経験があると答えた人が約1割しかいない結果となりました。30代では28.9%、40代では32.0%と3割近くの人が管理職経験があると答えており、年代が上がるにつれて管理職経験がある人が増えています。
今後、管理職になりたいと思う?※複数回答あり

「管理職経験がない」と回答した人に、今後管理職になりたいかを聞いたところ、最も回答が多かったのは「あまりなりたくない」42.9%でした。「なりたい派」と「なりたくない派」にわけると、割合は次のようになりました。
-
・管理職になりたい派:39.1%(「頑張ってなりたい」「機会があればなりたい」の回答計)
・管理職になりたくない派:54.9%(「あまりなりたくない」「絶対なりたくない」の回答計) -
「なりたくない派」が「なりたい派」を上回る結果となり、「管理職になりたくない」と思っている女性が多いことがわかります。
-
一方で、「頑張ってなりたい」「機会があればなりたい」と回答した人になりたい理由を聞いたところ、1位は「自身の成長に繋がる」78.7%でした。次いで2位が「キャリアの幅が広がる」72.2%という結果で、成長意欲の高さがうかがえます。
4-5.スキルアップ機会やロールモデルが少ない |
上記設問で管理職に「あまりなりたくない」「絶対になりたくない」と答えた人になりたくない理由を聞いたところ、1位は「責任が重くなる」68.6%、2位は「残業時間が増えそう」50.8%、3位は「自分にできる自信がない」50.3%という結果になりました。
また「その他」の回答では「家庭との両立が不安」などの家庭との両立を気にかける声も多くありました。

「自信のなさ」や「向いていない」という意識は、企業の社風や環境で醸成されたアンコンシャス・バイアスかもしれません。例えば、男性を優先して昇進させる企業は、マネジメント経験を積める業務など、スキルアップする機会を女性社員に与えないケースがあります。
また、女性管理職のロールモデルが少ないと、「私が管理職になったら」のイメージが湧かないため、ネガティブな予想から昇進意欲が減退するでしょう。
![]() |
\ 「管理職になりたくない」は本当? /
データで判明した、働く女性の意外な本音。 女性比率を高めるために、今企業が取り組むべきことをご紹介! |
4-6.管理職の待遇がよくない |
女性社員が「管理職になりたくない」と思う理由として、管理職の待遇がよくないケースも考えられます。
管理職になってよくなかった点は?※複数回答あり

同アンケート調査にて、管理職になってよくなかった点を聞いたところ、「責任が重くなった」が55.7%で1位となりました。2位は「面倒な仕事が増えた」47.0%、3位は「残業時間が増えた」35.2%でした。気持ちの面だけでなく業務量の面も、管理職になってよくなかったと感じるポイントになっていることがわかります。
アンケート結果から、「管理職になると残業が増える」「仕事量は増えるのに給与は上がらない」という企業体制では、管理職の働き方を見ている女性社員が「管理職になろう」と思えないでしょう。
一方で、管理職の経験をプラスに捉えている女性もいます。
管理職になってよかった点は?

管理職経験があると回答した人に、管理職になってよかった点を伺ったところ、1位は「自身の成長に繋がった」68.0%、2位は「自分の裁量でできる仕事が増えた」46.6%、3位は「給与が上がった」43.8%という結果になりました。
そのほかにも、「管理職になってよかった」エピソードをご紹介します。
-
・自分の裁量で仕事ができるようになり、自分の責任で決めた仕様が製品に組み込まれた。その製品が社会の中で利用されることで、社会に貢献できる喜びを知った(30代/エンジニア系/東京)
・部署全体の方向性や会議にも参加できて、仕事のやりがいが増えた(30代/事務・経理・人事系/東京)
| 💡働く女性の仕事に対する独自アンケート調査結果はこちら |
![]() |
\ 「管理職になりたくない」は本当? /
データで判明した、働く女性の意外な本音。 女性比率を高めるために、今企業が取り組むべきことをご紹介! |
5|管理職に向いている女性の共通点と必要なスキル |

管理職に向いている女性には、次の3つの特徴があります。
|
それぞれの特徴を解説します。
5-1.冷静な判断力と高い向上心 |
管理職になると、部下、顧客、上司、取引先などとの関わりが深くなり、意思決定の場面も増えます。いつでも冷静に対処できると、不測の事態の迅速な解決や、部下が相談しやすい環境の実現につながるため、冷静な判断力は管理職にとって重要な素質です。
また、管理職に、メンバーと一緒に目標を達成しようという気持ちや、自分を高めようとする向上心がある場合は、メンバーも触発されてよりモチベーション高く業務に取り組めると考えられます。
5-2.周囲を信頼しサポートする姿勢 |
管理職は、部下を一人前になるように育てあげることも仕事のひとつです。部下を育てるには、信頼して仕事を任せることが求められます。また、ただ仕事を任せるのではなく、部下が困っているときにはサポートやフォローをして、仕事の完遂まで導くことも大切な役割です。
そのため、仕事の能率を重視し、自分が進めたほうが早いからと仕事を抱えてしまう女性より、部下の成長を考えて信頼して仕事を任せ、適宜サポートできる女性のほうが管理職に向いているでしょう。
5-3.マネジメントに不可欠な実務能力 |
管理職には、次の3つの実務能力が不可欠です。
|
ご紹介する3つの能力を持っている女性は、管理職として活躍できると考えられます。
(1)統率力
チーム全員が主体的に動きながら目標を達成するには、リーダーとしてチームを引っ張る統率力が大切です。ビジョンを示してメンバーの意識を高め、状況の変化に柔軟に対応しながら業務を進めていきます。
また、挑戦意欲もメンバーのやる気を引き出します。「保守的」「事なかれ主義」という管理職よりも、新しいことにチャレンジするポジティブな管理職のほうが、部下もついていきたいと思うでしょう。
(2)意思決定力
管理職には、目先の利益や業務に左右されるのではなく、長期的な視点で物事を捉え、情報収集やデータ分析をしながら論理的に適切な判断を下す戦略的な意思決定力も重要です。
論理的な判断には、感情のコントロールが求められます。ストレスやネガティブな感情を抱いても、セルフマネジメントをしてすぐに気持ちを切り替えられる女性は、誤った判断をしづらいでしょう。
(3)コミュニケーション能力
管理職は、チームメンバーや取引先など、さまざまな方と接するため、高いコミュニケーション能力が必要です。相手に合わせて声のトーンや話の進め方を変えるなど、相手の理解と柔軟性が求められます。また、信頼関係を築けるように、相手を尊重する気持ちや、すぐに否定せず共感する能力も大切な素質です。
適切なコミュニケーション能力を発揮できると、仕事の継続や新規獲得、メンバーとのスムーズな報連相など、社内外問わずよい影響をもたらします。
6|女性管理職を増やすために企業がやるべきこと |

女性管理職を増やすために企業がやるべきこととして、次の6つが挙げられます。
|
それぞれを詳しく解説します。
6-1.成果で評価する人事制度の刷新 |
自社が労働時間で社員を評価している場合、成果で評価する人事制度に刷新しましょう。労働時間での評価は、産育休制度を取得する女性社員の昇進・昇格への道のりを遠のかせてしまいます。女性が不利な制度は、キャリアアップへの意欲を落としてしまう可能性があるため、成果で評価する性別に左右されない制度の設計が必要です。
併せて、給与制度を見直すことも重要です。管理職としての業務量や内容に見合った給与でないと、離職や昇進意欲の低下につながるでしょう。過去に管理職社員が給与を理由に離職した場合や、相場と比較すると管理職の給与が低い場合は、設計し直すことをオススメします。
6-2.スポンサーシップ制度の導入 |
スポンサーシップ制度とは、役員クラスが女性社員のスポンサーとなり、マンツーマンで指導して昇進させる取り組みです。すでに管理職として活躍している人物が、女性社員の昇進を目的に必要なサポートを行うため、女性社員の育成を加速させられます。
ただし、女性社員を指導するスポンサー自身に社内外への影響力がないと、周りからの理解を得られずスムーズに昇進させられないかもしれません。スポンサーになる人物も重要といえます。
| 💡スポンサーシップ制度について詳しくまとめた記事はこちら |
6-3.柔軟な働き方の標準化 |
女性管理職を増やすには、柔軟な働き方を「当たり前」にして、女性が働きやすい環境を構築することが重要です。
例えば、リモートワークや時短勤務を取り入れると、育児や家事をする女性も仕事との両立がしやすくなり、管理職への昇進意欲も上がる可能性があります。特に女性管理職がワークライフバランスの実現に向けて行動することで、全社的に働きやすい環境を構築できるでしょう。
なお、管理職の業務内容の見直しなどを行い、残業削減や負担軽減を図ることも女性管理職を増やすために大切です。
6-4.2026年4月の法改正に合わせた情報公表と目標設定 |
女性管理職を増やすには、上司や経営層の強い意志に加えて、さまざまな工夫に富んだ制度設計や運用が欠かせません。なかでも「目標を設定し、目標達成までの期間は女性を優遇した登用を行う」などの措置は、経営幹部や男性社員の理解を得やすいです。
前述のように、2026年4月の法改正によって「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が義務付けられたため、法改正に合わせた目標を設定すると、義務を果たしながら女性管理職の増加も目指せるでしょう。
💡「女性採用・活躍推進をこれから進めようと思っているが、何から始めたら良いか分からない」というご担当者様にオススメな資料はこちら
管理職が女性社員の管理職登用に対して積極的になれるように、アンコンシャス・バイアスを払拭する研修を実施しましょう。研修を行うことで、管理職の社員自身が抱く無自覚の偏見や思い込みに気付くきっかけになり、性別によらない適切な判断を下せるようになります。
なお、管理職に対するほか、一般の男性社員や女性社員へ研修を実施することも大切です。全社的に意識改革ができると、偏見なく誰もが活躍できる組織文化の醸成につながります。
6-6.キャリアのパイプライン構築 |
社内の女性リーダー候補者を集め、幹部社員として必要な知識を教育していきましょう。
具体的には、候補者に対してリーダーシップやマネジメントに関する外部講習への参加促進や、女性社員に対する階層別、職種別、課題別の研修プログラムと個別の育成計画の作成・継続的な実行などが挙げられます。ジョブローテーションを行い、多様な経験を積ませることも大切です。
キャリアのパイプラインの構築は、女性社員の昇進への能動的な意思を確立するでしょう。なお、目標を設定する際には、過度な配慮をせず男性と同様にすることで、女性社員のモチベーションを維持できます。
7|女性管理職を増やす取り組みの企業事例 |
以下、女性管理職の登用推進に向けた企業の取り組み事例をご紹介します。
-
7-1.事例1 製造業(医薬品) 社員数:100名以下
女性社員の士気を向上させ、能力を充分に活かし活躍してもらうために、以下の取り組みを実施。
-
- ●人事考課を、社員の能力・勤務態度・実績などによる定性評価と目標管理制度を導入して、社長目標と社員目標の達成度による定量評価による透明性の高い制度に改定
●製造現場にグループ制(1グループ3~4名)を導入し、8名のリーダーの内7名を女性社員とした
●グループ制の導入と同時に、社長主催の月1回の定例会を開き、リーダー育成にあたることにした - ●経営層と直接話し合う機会では、業務についてのほか、社内制度、職場環境、機械設備等幅広い問題を討議。参加者は真剣に問題意識を持ち、解決策や方向性を検討する姿勢が求められ、リーダーとしての意識改革につなげている
- ●人事考課を、社員の能力・勤務態度・実績などによる定性評価と目標管理制度を導入して、社長目標と社員目標の達成度による定量評価による透明性の高い制度に改定
-
7-2.事例2 小売業(食品) 社員数:100名以下
社外のリーダー養成講座に参加させるなど、女性管理職候補を育成。具体的な取り組みは下記。
-
- ●社長のメッセージで「ポジティブ・アクション宣言」を発表し、女性の管理職登用を大きな目標に掲げた→管理職候補生というべき管理職の一歩手前の役職である監督職(係長、主任職)への登用に取り組む
- ●商工会議所の財務管理講座などへの受講を会社が全額費用負担し奨励→女性の監督職が7年間で2倍に増加
- ●今後の管理職への早期登用を目指し、管理職候補の女性社員を中小企業の女性リーダー養成講座に毎年1名を参加させている
- ●ファシリテーション技術等を学びチーム活性化につなげるチームリーダー養成の研修には、参加者7名中4名を女性社員とし、全社的にチーム力を高め組織の活性化に貢献
-
7-3.事例3 サービス業(自動車管理、保育事業) 社員数:100名以下
短時間勤務体制のまま課長さらに部長へと昇進した女性社員。女性管理職を増やした取り組みは以下。
-
- ●妊娠し退職する意向だった社歴の比較的長い女性に対し、有能な女性を辞めさせてはいけないと社長自らが判断→仕事を継続できる支援を行なったことをきっかけに、ポジティブ・アクションへの取り組みを開始
- ●育休から復帰した女性社員が、短時間勤務でも責任ある仕事をやり遂げ、後輩指導にも力を注いでいた→短時間勤務のまま課長さらに部長へと昇進
- ●保育園園長等の女性管理職を増やした結果、前年比(当時)で女性の管理職比率が25%から36.4%に上昇
- ●女性管理職が女性社員の相談に乗り、出産や育児の悩みなども含めコミュニケーションをとることで、女性社員の定着率向上、事業拡大、業績も伸びて課長級の女性管理職比率も上昇した
8|まとめ |
日本企業に女性管理職が少ない理由として、男女の役割意識が根強く残っていることや、女性が長く働ける環境が整っていないことが挙げられます。
女性管理職を増やすには、人事制度の見直しや柔軟な働き方の導入、アンコンシャス・バイアスの払拭などが必要です。スポンサーシップ制度を取り入れ、役員クラスと女性社員がマンツーマンで昇進を目指すのも効果的でしょう。
ご紹介した施策や企業事例を、ぜひ今後の取り組みのご参考にしてください。
| 💡女性採用のメリットと効果的な採用手法について詳しくまとめた記事はこちら |
監修者プロフィール
小林 佳代子 新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。働く20代向けオウンドメディアの立ち上げ、女性向けwebマガジン『woman type』の編集長を経て2018年『女の転職type』編集長に就任。
|
著者プロフィール
ブログ編集部
「エンジニア採用情報お届けブログ」「女性採用情報お届けブログ」「中途採用情報お届けブログ」は、株式会社キャリアデザインセンター メディア情報事業部「type」「女の転職type」が運営する採用担当者様向けのブログです。構成メンバーは、長年「type」「女の転職type」を通して様々な業界の企業様の中途採用をご支援してきたメンバーになります。本ブログを通して、多くの企業様の中途採用にお役立てできるよう情報発信してまいります。
■運営会社:株式会社キャリアデザインセンター https://cdc.type.jp/
■企業様向け公式SNS:








-02-202409.png?width=275&height=144&name=%E3%80%90uki%E3%80%91%E8%B3%87%E6%96%99DL_%E5%A5%B3%E6%80%A7%E6%8E%A1%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF(%E4%BA%8B%E5%89%8D%E6%BA%96%E5%82%99%E7%B7%A8)-02-202409.png)



