Topics: 10_採用市場・市況, 17_エンジニア採用, 11_転職者動向, 12_アンケート調査結果
新型コロナウイルス感染症拡大の長期化によって、ここ1年間で中途採用市場は大きく変化しました。
企業様においても、採用計画の見直しや、リモートワーク下におけるWeb面接の整備など、諸々対応を余儀なくされたことかと思います。
今回の記事では、最新のトレンド情報として、2020年12月時点でのエンジニア採用市場の動向、主には各企業の中途採用状況・ITエンジニアの新規有効求人倍率の推移、転職サイト内での求人数推移とエンジニア転職者の応募数推移・応募者属性についてご紹介します。
2021年以降のご採用計画にお役立ていただけたらと思います。
目次 |
アンケート実施期間:2020年12月2日(水)~12月8日(火)
有効回答数:91社
調査方法:中途採用担当者を対象にWeb上で調査
<業種内訳>
<従業員規模>
「現在中途採用を行っていますか」という問いに対して、81%の企業で「採用している」との回答が得られました。
2020年8月に89社に同様のアンケートを実施した際は「採用している」と回答した企業が57%でしたので、4ヶ月の間に24%増加しており、採用活動を復活させている企業が増えてきていることがわかります。
採用している職種において、1番回答が多かったのは「エンジニア経験者」で60.8%と半数を超える結果に。
次いで「営業経験者」が36.5%、3番目が「エンジニア未経験者」で20.3%でした。
全体的に経験者採用を行っている企業の回答が目立ちました。
採用中のポジションでは「メンバークラス(中堅)」が73%、「メンバークラス(若手)」も68.9%とそれぞれ約70%を占めており、メンバー層の採用を行う企業が多いことが分かります。
コロナ前後での採用状況については「変化なし」が53%なのに対し、「採用しやすくなった」と回答した企業と「採用が難しいと感じている」と回答した企業がそれぞれ27%と20%と約半々の結果に。
それぞれ、その様に感じている理由についての回答では、どちらも「応募」に関する記述が圧倒的に多い傾向にありました。
「採用がしやすくなった」と感じている企業ではこれまでよりも「若手や経験者からの応募が増えた」と感じているのに対し、「採用が難しい」と感じている企業では「未経験者や年齢が高い人からの応募が増えた」と感じているといった両極端な回答が目立ちました。
■中途採用におけるオンライン面接について教えて下さい(単一選択)
前回8月の調査で80%の企業が導入していると回答したのに対し、6%程下がる結果です。
応募から内定だしの平均期間においては、3週間以内の企業が70%を占めていることが分かりました。
よく、中途採用市場においては「選考期間は短いほうがいい」と言われることが多いですが、実際に以前弊社が転職者に行ったアンケート調査でも「一番最初に内定をもらった会社に入社を決意した」という転職者が50%程度というデータもございましたので、面接の日程調整からなるべく早く行っていただき、選考を早く終わらた分、内定者のフォローに時間を割いていただくとよいかと思います。
■2021年以降の採用計画について教えて下さい(現在採用していると回答した企業)(単一選択)
現在採用をしている企業の回答結果では、2021年以降も約80%の企業が採用活動を行うと回答しています。
その内35%が採用拡大の予定ですので、2020年に一気に求人数は減少しましたが、2021年以降、徐々に復活していくことが予測されます。
■今後の中途採用再開見込みについて教えて下さい(現在採用していないと回答した企業)(単一選択)
現在採用していないと回答した企業の回答では、今後の採用活動見込みにおいて、上半期に再開予定と回答した企業が約30%、下半期と回答した企業が6%でした。
約50%の企業で採用の見通しが立っていない状況です。
■今後の採用手法について教えてください(採用している・していない企業合算の回答)(複数選択)
採用手法については、求人サイト(掲載型)を活用する予定と回答した企業が約70%を占めました。
求人サイト(掲載型)を活用すると回答した企業のうち、併用して活用すると回答している採用手法については以下の通り自社HPが60%、次いで人材紹介とリファラル採用が35%ずつの回答結果が得られました。
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▼2020年12月の調査結果レポート結果はこちら
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また、過去実施時のレポートは以下よりダウンロードいただけます!
次に転職者動向を踏まえたデータを見ていきたいと思います。
■エンジニア(情報処理技術者)新規求人倍率推移(※図:弊社作成)
厚生労働省のデータによると、情報処理技術者の新規有効求人倍率は、新型コロナウイルス感染拡大長期化の影響を受け、2019年12月の4.74倍をピークに2020年4月に2.38倍まで下がり、そこからは、ほぼ横ばい状態が続き2020年10月時点で2.49倍を記録しています。
全体の新規求人倍率と比較すると、2019年12月時点の全体の新規求人倍率は2.21倍だったのに対しITエンジニアは4.74倍でしたので、およそ2倍の差がありました。
一方、2020年10月の全体の新規求人倍率を見てみると1.74倍なのに対し、ITエンジニアは2.49倍とその差はおよそ1.5倍に。
約0.5倍ほど、差が縮まっている状況です。
(2)総合求人サイト5媒体におけるITエンジニアの求人数推移と職種別で占める割合
次に、直近半年の総合求人媒体の求人数の変化を見ていきましょう。
■IT・通信・Webエンジニア求人数推移(図:弊社作成)
各社、新型コロナウイルス感染症を機に求人数が低下しましたが、5月を1として8月・11月の求人数推移を比較したところ、全求人サイトで徐々に増加している傾向がみられます。
■求人サイト5社合算 職種別求人数割合(図:弊社作成)
職種別で11月時点の求人数割合を見てみると、IT・通信・Webエンジニアの求人数は土木設計、建築・設備設計系の求人に次いで2番目に多く、採用活動を行っている企業は多い傾向にあることが分かります。
(3)typeサイト内ITエンジニア求人への応募属性から見る転職者動向
次に、typeサイト内のITエンジニア求人への応募者の属性から、転職者の動きを見ていきます。
冒頭の人事担当者様に行ったアンケートで、採用されている企業が多かった「エンジニア経験者」かつ、若手~中堅層の応募データを昨年と今年で比較してみました。
■ 【type】IT・通信・Webエンジニア求人への20~30代ITエンジニア経験者応募数推移(図:弊社作成)
例年、年末にかけて応募者の動きは鈍化傾向にありますが、1月を1とした場合に今年は11月時点では鈍化することなく右肩上がりで応募数が増加しており、ITエンジニアの経験者が今年はより活発に転職活動を行っていることが分かります。
では、求人数はどのような推移となっているでしょうか。
■IT・通信・Webエンジニア求人数推移(1月を1とした場合)
1月を1とした場合に、2020年は6月にかけて右肩下がりで低下しましたが、そこから11月にかけて求人数が増加し、昨年と同水準まで求人数が復活しています。
2つの図を元に、求人数に対する応募数の推移を前年と比べて見た場合に、11月の求人数はあまり変化が無いのに対し、応募数が今年は昨年と比べておよそ2倍増加しているため、1求人当たりの応募数が増加していることがわかります。
■(前年比)IT・通信・Web求人1求人あたりの20~30代ITエンジニア経験者応募数割合(図:弊社作成)
実際にエンジニア求人への経験者の応募に関して、1求人あたりの数値を見ると、昨年と比較して2.14倍に増加しており、企業にとっては昨年よりも経験者の母集団の形成がしやすい状況となっています。
(4)typeサイト内ITエンジニア会員属性から見る転職者動向
最後に、実際に転職活動を行っているエンジニアの方の中でも、具体的にどのような層の方が動いているのか、6月から新規登録した会員データを元に見ていきましょう。
▼調査概要
登録期間:2020年6月1日~2020年11月30日間の新規会員登録者
経験職種:IT・通信・Webエンジニア / プロジェクトマネージャー・ITコンサル
■学歴
短大卒業以上:68%
■年齢
20代~30代:78%
■就業状況
就業中の方:68%
■経験職種
偏り無く幅広い経験者層
20代30代の方が約8割と、若手の経験者の方が中心となって転職活動を行っていることがわかります。
また就業中の方も約7割いらっしゃることがわかりました。
20~30代の経験者の方はどの企業の方も採用したい層として挙げることが多く、かつ、就業中の方は平均10社応募される傾向にありますので他社とのバッティングが多くなります。
母集団形成の参考ブログや、面接の動機づけ方法のブログなど、過去の記事や無料e-bookも是非ご参考ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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ブログ編集部
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