優秀なエンジニアを採用するために必要となるのが、自社の求める人物像を明確化させる「ペルソナ」の設計です。
「採用したいと思う人材からの応募が集まらない」というお悩みを抱えている企業様の中には、実はこのペルソナ設計のステップをふまずに採用活動を進めている場合がございます。
そこで今回の記事では、そもそも採用ペルソナとはなんなのか、ペルソナの設計方法、設定するメリットやポイントなどをご紹介いたします。ぜひご参考いただけますと幸いです。
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目次(1)ペルソナとは
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1|採用活動におけるペルソナとは? |
ペルソナとは、マーケティング関連において使われる概念で、企業や商品のターゲットとなる顧客像のことです。
「20代後半のSE職を勤める男性」など幅をもたせた『層』を表すのではなく、
年齢、性別、居住地、職業、役職、年収、趣味、特技、価値観、生い立ち、ライフスタイルなど
ある特定の『人物』を表すように、詳細な情報が設定された像のことを指します。
この架空の人材像を作り上げることを「ペルソナ設計」といい、採用においてもこの「ペルソナ設計」を用いることが採用成功のための肝と言えます。
採用後にミスマッチが生じた場合、採用者の早期離職につながる恐れがあります。万が一退職に繋がった場合は、もう一度新たな求人をかける必要が発生するなど、大幅な採用コストがかかるかもしれません。
そういったミスマッチや早期離職を防ぐため、ペルソナを設定することが必要となります。
よく、「採用における『ペルソナ』と『ターゲット』は違うのか」というご質問をいただくことがあります。
ペルソナとターゲットの違いとしては、「一人の人材」を「作り上げる」のか、「特定のグループ」を「絞りこむ」のかという違いです。
ターゲット設定については、求職者の母集団から「30代、開発経験がある、首都圏在住」のように、特定の条件にあてはまる人々のグループを絞り込むことを指します。
一方で、ペルソナ設計は年齢・性別・家庭環境・性格や志向性・転職で実現したいこと・現職で不満に思っていることなど、実在する一人の人物を想像して創り上げることを指します。
2|ペルソナを設定するメリット |
採用活動においてペルソナを設定するメリットは設計が必要となる理由は以下の2点です。
中途採用を行う企業、特にIT系企業でもたれている課題として多いのは、「現場のIT部門と人事の意向と合わない」ケースです。
いざ採用活動をスタートしたものの、採用基準などの方向性がIT部門の考えと合わず、書類が通らない、面接を多数実施しても内定に至らないということがあります。
そのような事態を防ぐためにも、採用をスタートする前に採用に関わるメンバー間で、採用する人材像をすり合わせておくことが必要となります。
ペルソナについては、「年齢」「学歴」「経験」などのデジタルな属性だけではなく、「行動特徴」「現職の悩み」、「転職をすることでどのようなことを叶えたいのか」などまで設計します。
そうすることで、自社が求職者へ提供できるメリットなどアピールすべきポイントが明確になり、かつ応募誘導の効果も上がってきます。
逆にペルソナが設計できておらず、自社が欲しい人材のスキルや年代などしか考慮せずに求人情報などを作ってしまうと、ただ自社がアピールしたいポイントだけが散りばめられたものになってしまい応募を集めることが難しくなってしまいます。
自社が求める人物像を的確に把握して採用活動を行うことで、ミスマッチによる早期離職を防止し、長期的に活躍する人物を採用できる可能性が高まります。
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3|ペルソナ設計に重要な項目例とエンジニアのペルソナ設定例 |
ペルソナ設計する項目例としては以下のようなものがあります。
年齢、学歴、経験、現職、業務、年収、性格・志向性、行動特徴、家族構成、現職で不満に思っていること、転職で叶えたいこと 等
<ITエンジニアの場合>
年齢 ⇒ 25~34歳
学歴 ⇒ 大学卒
経験 ⇒ システムエンジニア3年以上
現職 ⇒ 10~20名の中小企業
業務 ⇒ 2次3次受け開発プロジェクト
年収 ⇒ 500万
不満 ⇒ スキルアップできる環境が無い、横のつながりが無く社員同士の関係が希薄、社長と話す機会が無く会社の方向性が見えない
希望 ⇒ エンドユーザーが見えるプロジェクトに携わりたい、横同士で情報交換や勉強会などスキルアップできる環境、社員も上司も近い関係で働きたい
行動特徴 ⇒ 即断即決、積極的に提案、提言できるタイプ
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4|ペルソナの設計方法・作り方を6つのステップでご紹介 |
では、ペルソナ設計はどのような手順で行っていくのでしょうか。ペルソナについては、以下の6つの手順を踏んで作成していきます。
まず、「なぜ今回のポジションを採用するのか」という採用背景を踏まえた上で
その募集するポジションがどのような資質が必要とされるのか、どのような人材が適正なのかを考えていく必要があります。
たとえば案件増加による増員でエンジニアを採用すると決まった場合でも、「具体的にどの分野の案件が増えているのか」「今いるエンジニアの組織構成をふまえて、どのポジションやスキルをもったエンジニアを採用する必要があるのか」などを把握した上で、ターゲットを考えていきます。
次に考えるのは、自社の「働く環境」についての整理です。
たとえば、今現時点では人手が足りておらず、か残業時間も少ないとは言えないといった場合、残業の少なさ、お休みの取りやすさなど働きやすい環境が整っていることを企業選びの軸としているエンジニアをターゲットにしてもマッチングするのはなかなか難しいです。
現状の職場環境・働くスケジュールなどを悪い部分を含めて明確にし、その企業風土や雰囲気に合う人を設定するようにしましょう。
次に、求める採用要件を洗い出しします。ここで注意しなければならないこととしては、「どんな人がいいか」ではなく、「どんな人が自社で活躍しているか」という視点で設定することです。
実際に採用するポジションで働いており、活躍している社員をピックアップし、「どんな人物なのか」を言語化してみましょう。
(3)で洗い出した採用要件を、優先順位をつけていきます。ここではオーバースペックになっていないかをチェックすることが重要です。
どうしても採用要件を決める際には理想が高くなりがちですので、「MUST条件(なくてはならない必須の条件)」「WANT条件(なくても良いが、あると望ましい条件)」「NEGATIVE条件(不要な条件)」を整理していきましょう。
また、ここでは採用担当の方一人ではなく、採用に携わるメンバー複数人で整理していくことがオススメです。
できれば、実際に配属される現場の責任者の方なども交えて打ち合わせを行うのが望ましいでしょう。
採用担当側の視点だけで整理すると、現場で実際に必要となるスキル項目に漏れが生じたり、また現場の意向を組まずにペルソナを設計してしまうと
現場側の面接官が実施する選考の通過率が低くなったり、実際に入社してもミスマッチが生じてしまうなどのリスクが生じる可能性があります。
優先順位をつけて絞った採用要件をみたした人材が、現在のエンジニア採用市況をふまえて「自社が採用できる人物なのか」を見直します。
ペルソナ設計において重要とされるのが、この「採用できる人物の見極め」です。
「人材紹介に依頼を出しても案件が来ない」「スカウトメールを送っているが応募が集まらない」などといったお悩みを持つ企業様で多いのが、「採用したい」だけを採用要件としてしまっているケースです。
現在の中途採用市場において、エンジニア採用は競合性が高く、難易度が高くなっています。エンジニア求職者一人を、複数の企業が取り合っている状態です。
そのため、「採用したい」だけではなくて、「採用できる」人物なのかを見極める必要があるのです。
また、ここで重要となるポイントとして挙げられるのが、「採用活動において競合となる企業(以降「採用競合」)」のとらえ方です。
自社の競合となる企業を思い浮かべるとき、多くの企業様が「業態」「事業内容」「扱うサービス」などを軸に考えることが多いのではないでしょうか。
商品・サービス戦略などを考えるときは上記の軸で考えるかもしれませんが、中途採用においては「会社規模(従業員数)」「応募資格」「給与」「勤務地」の4つが類似している企業を「競合他社」と定義します(以降「採用競合」とします)。
「採用競合のとらえ方」「競合理解にためにチェックすること」については、下記記事にて詳しく解説しております。
関連記事:中小IT企業がエンジニア採用を始める前に準備すべきこと(2)「自社・競合他社の理解」
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最後に、キャラクター部分の設定を行います。ここでは、要件を裏付ける人を背景や、人であれば当然もっているストーリー設定まで細かく設定することがポイントです。
たとえば、「市場価値を身につけられる環境にいきたい向上心がある人」という設定なのであれば、「現在の会社では商流が浅く、チャレンジもできず漠然と焦っている友人が華やかな仕事をしており、焦っている」といった、志向性の裏づけとなる人生のストーリー設定まで考えます。
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5|ペルソナ設計の3つのポイント |
エンジニア採用に苦戦するケースでよく見受けられるのが、「選考に携わるメンバー間で採用ターゲットの基準にズレがあり、選考通過率が低くなっていた」というケースです。
このような課題を持つ場合、社内で採用ターゲットのすり合わせを行っていなかったという企業様が多いように思われます。
ペルソナ設計をする際には、MTGにIT部門の技術責任者も参加してもらうようにしましょう。現場側に参加してもらったほうが、技術スキル面やチームメンバーとの相性を踏まえた意見をもらうことができます。
またできれば選考に関わる経営層にも参加してもらうこともオススメです。最終面接は経営層が行うことが多いですし、経営的な視点から意見をもらうことができるでしょう。
ペルソナを設計したら、設計時に参加したメンバーだけでなく、面接にアサインする社員などにも共有します。
また、リファラル採用(社員の知人を紹介してもらい、採用を行うこと)に注力している場合は、全社員にペルソナを共有することも大切です。
ペルソナを設計したら、採用活動に活かしていきましょう。
たとえば、求人広告や求人票作成にもペルソナを活かすことができます。
設計したペルソナの転職軸が「柔軟な働き方ができる職場で働きたい」とした場合、リモートワークやフレックス制度を導入していることを訴求することでターゲットに刺さりやすくなります。
また若手層をターゲットにし、最新情報へのアンテナが高く、普段は情報収集のツールとしてSNSをよく活用しているというペルソナを設計したのであれば、採用手法としてTwitterなどSNSを取り入れてみるといったように、採用手法にもペルソナを活かせるケースもあります。
6|ペルソナ活用の注意点 |
定期的に、当初設計したペルソナが適切であったか見直すようにしましょう。
会社の状況によってスキルレベルを調整する必要が出てくる場合もありますし、設計したターゲットをなかなか採用できなかったというケースも多くあります。また、採用はできたけれども入社後にミスマッチが生じてしまった、というケースもあるでしょう。
定期的に採用活動における応募数や選考通過率などのデータを分析すること、また数字だけでなく、選考に携わったメンバーや配属された現場メンバーにヒアリングを行い、見直しを行っていくことが大切です。
7|Withコロナ、アフターコロナで活躍する人材の定義が変化している |
新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけに、リモートワークなどオンライン環境で業務を行う企業が増加する中で
「企業で活躍する人材」の行動特徴の定義が変化していく傾向にあります。
社会経済の変化などに合わせて、今後自社で活躍するのはどのような人材なのかを考えペルソナを設計することが重要になります。
リモートワークなどのオンライン環境での仕事が増えることで、業務の進め方も「速い」「端的・わかりやすい」「自立して動く」等が求められます。
そのため、これまで「仕事ができる人」として定義づけされていた行動特徴も変化していく傾向にあります。
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