介護採用が難しい理由には、介護業界の現状や課題などが関係しています。
あらかじめ理由を把握しておくと、「難しい」ままにしておかない工夫を施せて、採用成功につなげられるでしょう。
この記事では、介護採用が難しい理由と応募を集める3つのポイント、効果的な採用手法をまとめています。採用事例もご紹介しているため、ぜひご参考にしてください。
この記事でわかる事 |
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CONTENTS |
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1|なぜ介護採用は「難しい」のか?現状と課題 |
介護採用を成功させたい企業は、介護を取り巻く現状や課題についてまず把握しましょう。
介護採用が難しい理由を次の3つの観点から解説します。
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1-1.介護業界における人材不足の深刻な現状 |
厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、介護関係職種の有効求人倍率は全職種よりも高く、3倍を上回る状況が長年続いており、近年では4倍を超えるほどになっています。
また、同資料によると、2040年度には約272万人の介護職員が必要と見込まれ、2022年度の約215万人の介護職員数から考えると約57万人の増加が必要な状況です。
1-2.賃金・労働環境・イメージの課題 |
厚生労働省の「福祉・介護に関する意識調査結果とイメージの変化」によると、介護サービス業には次のようなネガティブなイメージがあります。
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「社会的に意義の大きい仕事だと思う」などのポジティブイメージもありますが、ネガティブイメージのほうが割合が大きいです。実際に、利用者の体を起こしたりする体力的な負担や、利用者の生活を支える中で様々な感情や状況に対応する必要があるため、精神的なの負担がかかるシーンも多い職種のため、ネガティブなイメージが勝ってしまうのでしょう。
また、給与に関しては、同省の「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」より全産業の平均年収を計算したところ415万円である一方で、「job tag」で施設介護員の年収を見ると376万円でした。施設介護員の年収は全国平均よりも低く、求人の月額賃金も全国平均21万円のため、「仕事内容がきつい割に給与が低い」と感じやすいでしょう。
介護業界は離職率が高いと思われていますが、介護職員の離職率は低下傾向であり、産業計を下回っているときもあります。
参考:厚生労働省「介護人材確保の現状について」
1-3.中途採用におけるミスマッチの実態 |
厚生労働省の「介護人材確保の現状について」によると、介護サービス事業所において「人手不足」の理由の最も多い割合(86.8%)を占めたのが「採用が困難である」でした。
自社の職場環境や待遇をよくしないと求職者に魅力に思ってもらえず、応募が集まらないため、人手不足に悩まされ続けるでしょう。
介護人材が介護関係の仕事を辞めた理由を高い順に5つ、下表にまとめてみました。
介護関係の仕事を辞めた理由 | 回答割合(複数回答) |
職場の人間関係に問題があったため | 34.3% |
法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため | 26.3% |
他に良い仕事・職場があったため | 19.9% |
収入が少なかったため | 16.6% |
自分の将来の見込みが立たなかったため | 13.2% |
採用を成功させるには、離職理由を把握し、「自社では理想の働き方ができる」旨をアピールすることが大切です。
2|介護職員を集めるための3つのポイント |
介護職員は採用が難しいため、採用活動を工夫することが求められます。
次の3つのポイントを取り入れると、介護職員を集めやすくなるでしょう。
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それぞれを具体的にご紹介します。
2-1.ターゲット人材を明確化する |
介護職員を採用したい場合、ターゲット人材を明確化し、人材に刺さるポイントを適切に訴求することが重要です。
ターゲット人材の明確化には、ペルソナ設計が求められます。ペルソナ設計をすることで、採用関係者間の評価基準の統一や、自社にマッチする人材の具体的なイメージにつながります。
人材が明確化したら、人材が興味・関心を抱いたり魅力に感じたりする内容を訴求しましょう。例として、ターゲットが経験者の場合に人材が抱く不満と提示すべき情報を下表にまとめました。
ターゲットの不満 | 提示すべき情報 |
現職が流れ作業となっており、一人ひとりに合った介護サービスを提供できず、自分の理想の介護ができない |
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現職は残業が多く休みも取れない。また、職場の人間関係がギスギスしていて働きづらい |
・シフトや休暇制度等の待遇を詳細に示し、働きやすさを訴求 |
💡採用ペルソナの作り方と活用方法についてまとめた記事はこちら |
2-2.施設環境について詳細に記載する |
求職者が働きやすさや自分とのマッチ度をより正確にはかれるように、施設環境について詳細に記載することが望ましいです。
例えば施設設備(入浴用リフト、見守りセンサー、電動ケアベッドの有無等)、教育制度、資格取得支援制度、イベント、一日の仕事の流れ、ペーパーレス(アプリ導入等)などを載せると、働くイメージがより鮮明になります。
理念や運営方針への不満から離職に至る方もいるため、理念等も明確に示すことで、共感した求職者からの応募増加とミスマッチ防止につながるでしょう。
2-3.給与や休日などの待遇を見直す |
厚生労働省の「介護人材確保の現状について」では、介護人材の「採用がうまくいっている」理由の上位3つに下記が挙げられています。
採用がうまくいっている理由 | 回答割合(複数回答) |
職場の人間関係がよいこと | 62.7% |
残業が少ない、有給休暇をとりやすい、シフトがきつくないこと | 57.3% |
仕事と家庭(育児・介護)の両立の支援を充実させていること | 47.9% |
給与の少なさは不満になりやすく、また、現在ワークライフバランスを重視している企業が多いという点で、休暇の取りづらさ、少なさもネガティブなイメージを与え、応募を遠ざけてしまいます。
そのため、給与や休日などの待遇を見直し、「自社で働くこと」で得られる満足度を他社よりも高めることが必要です。
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3|介護採用に効果的な採用手法 |
介護採用に効果的な採用手法には、次の3つが挙げられます。
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それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめているため、ご参考にしてください。
3-1.求人媒体(総合・特化型) |
求人媒体は、求人サイトに自社の求人情報を掲載し、求職者からの応募を集める手法です。求人媒体には、多種多様な業種・職種が載っている総合型と、特定の職種や性別、地域等に特化している特化型があります。
介護関係の特化型求人媒体は多数あるため、登録者数や予算などから自社に合ったものを選びましょう。また、介護職員は女性の割合が多いという点で、女性採用に特化した求人媒体も効果的です。
メリット |
・転職に意欲的な求職者が多く、母集団形成しやすい |
デメリット |
・掲載数が多く、他社の求人に埋もれる恐れがある |
💡女性採用に強い求人媒体についてまとめた記事はこちら |
3-2.求人検索エンジン |
求人検索エンジンとは、Web上で掲載されている求人情報を検索できるツールのことです。代表的なサービスとして、「Indeed」「求人ボックス」などがあります。
求人検索エンジンは利用者数が多いため、掲載すると幅広い層へアプローチできます。無料サービスが多いですが、採用が難しい介護人材の獲得を目指す場合は、有料オプションを利用して露出度を高めることがオススメです。
オプションは主にクリック課金型のため、コストを抑えて運用できます。有料の求人媒体と併用するとより効果的でしょう。
メリット |
・採用コストを抑えられる |
デメリット |
・他社の求人に埋もれやすい |
💡求人検索エンジン4選と効果を出す方法についてまとめた記事はこちら |
3-3.人材派遣 |
人材派遣は、派遣会社から必要な人材を派遣してもらう採用手法です。即戦力人材を期間限定で活用できるため、離職や育休等による欠員が生じた際や、採用状況が芳しくないときなどに柔軟に人員を調整可能です。
人材派遣会社のなかには、介護業界に特化しているサービスもあります。介護人材のスムーズな確保には、介護関係に強みのあるサービスの活用が向いているでしょう。
メリット |
・即戦力人材を確保できる |
デメリット |
・派遣される人材を選べない |
4|【採用事例】ケアスタッフ5名の採用に成功! |
弊社の転職サービス「女の転職type」を活用し、介護人材の採用に成功された企業様の事例をご紹介します。
介護採用が難しいと感じている場合は、事例を確認して採用成功のヒントを得ましょう。
4-1.採用結果 |
30代の介護福祉職種経験者、販売サービス職種経験者など、5名の採用に成功。
4-2.運用の工夫点 |
中途採用をするにあたり、社内制度を見直して週休3日を実現。資格取得支援も拡充し、働きやすい環境の整備や新しい社内制度の設置を行いました。
また、採用活動中はスカウトメールを再送、再々送まで活用。面接も応募があれば即時対応し、カジュアル面談・施設見学に参加した候補者ともなるべくタッチポイントを増やせるように意識しました。
━ 採用事例の詳細はこちら ━ |
5|まとめ |
介護採用は、人材不足やネガティブなイメージ、ミスマッチの発生などで難しい状況といえます。マッチした人材からの応募を集めるには、ターゲット人材の明確化や待遇の見直しが大切です。
介護人材が抱く不満や世間のイメージを把握し、改善・払拭していくことが応募につながるため、自社の職場環境や制度を「働きやすい」と感じられるものに整えていきましょう。
#介護採用
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