
採用した人材が「リスク人材」だった場合、自社にネガティブな影響を及ぼします。状況によっては、採用できなかった場合よりも深刻な事態を招きかねないため、リスク人材の採用を回避することが大切です。
この記事では、リスク人材の種類や企業への影響、採用を回避するための面接質問、選考プロセスについて解説しています。
ネガティブな人材の採用リスクを軽減したい企業は、ぜひご参考にしてください。
| この記事でわかる事 |
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目次
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1-1 採用活動におけるリスク人材の主な種類
1-2 リスク人材の採用が組織に与える悪影響 -
2-1 経歴の詐称や前職でのトラブル傾向
2-2 コミュニケーション能力の高さに隠れた協調性の欠如
2-3 価値観の不一致による早期離職のリスク -
3-1 具体的な行動事実を引き出すSTAR手法の活用
3-2 ストレス耐性や倫理性を見極める質問項目
3-3 回答の矛盾点や一貫性を確認するポイント -
4-1 リファレンスチェックの実施
4-2 適性検査結果の多角的な分析
4-3 複数人による面接評価の標準化 -
5-1 自社独自のミスマッチ要因を言語化する
5-2 スキル偏重の採用からマインドセット重視への転換
5-3 継続的な選考フローの改善と基準の見直し
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1.リスク人材とは?定義と組織に与える影響 |
リスク人材とは、組織にさまざまな悪影響を与える危険性のある人材のことです。「リスク(risk)」は、「危険」「危険性」「好ましくない出来事が起こる可能性」などを意味します。
少子高齢化の影響で人手不足に悩まされている企業も少なくありません。しかし、「自社で働いてくれるなら」と誰でも採用していると、大きなトラブルや損失につながる可能性があるため、リスク人材の採用を避けることが重要です。
(1)採用活動におけるリスク人材の主な種類
採用活動におけるリスク人材には、次のような種類があります。
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コミュニケーション能力が低い
コミュニケーション能力が低い人材は、業務を円滑に進めるうえで重要な「報連相」ができない傾向があります。例えば、相談もせずに単独で仕事を進める、もしくは相談できなくて問題を抱えてしまい、大きなトラブルに発展するなどが考えられるでしょう。
社内での協調性に欠け、取引先や顧客からの信頼・信用も失う可能性が高いです。
主体性がない指示待ち人間
自ら考え、必要なアクションを起こせない「指示待ち人間」は、リスク人材として挙げられます。指示があるまで動かない人材は、業務の停滞や同僚のいら立ちを招きやすいでしょう。
仕事をしない理由を「指示がないから」と周りのせいにして、指示を受けた仕事でも言われたことをするだけのため、ミスがあっても「そう指示されたから」と自分の非を認めない傾向もあります。
「何をすべきかわからなければ聞く」というコミュニケーションを取らないのが特徴といえます。
他責思考で不誠実
仕事でトラブルや問題が発生したときに、周りに責任を転嫁するタイプもリスク人材です。自分が当事者でも「〇〇さんがちゃんとチェックしなかったから」「きちんと指示してくれなかったから」と言い訳をして、責任を逃れようとします。
「ネガティブな事態へ真摯に向き合わない」「関係者に謝罪しない」「開き直る」などの不誠実な態度は、さらなるトラブルや周りの反感につながるでしょう。
勤務態度不良
勤務態度が悪い人材は、社内の不和や生産性の低下を招くリスク人材のため、注意が必要です。例えば、勤務態度不良として、本人の娯楽や自己管理不足を理由とした遅刻・早退や欠勤、納期の遅延、アポの失念などが挙げられます。
勤務態度に問題がある人材がいると、同僚への負担増加や取引先からの信頼低下などにつながるため、自社にとって大きなマイナスになります。
(2)リスク人材の採用が組織に与える悪影響
リスク人材を採用すると、組織に次のような悪影響があります。
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周りの人材の負担増加と生産性低下
リスク人材がいると、周りの社員が多くの業務を担ったりトラブル解決に奔走したりするため、負担が増加します。自分の業務以外に費やす時間が増え、本来であれば円滑に進められた業務も停滞しやすくなるでしょう。
また、精神的な面でもストレスが溜まり、集中力が低下しかねません。圧迫的な業務と疲労から生産性が下がり、企業の成長も阻害されます。
モチベーションの低下による優秀な人材の流出
協調性がなく、周りを振り回すリスク人材を採用すると、周囲のストレスや負担が増加します。上層部がリスク人材を放置する姿勢を見せた場合、多くの社員は自社に対して不信感を抱き、モチベーションが低下するでしょう。結果として、優秀な人材が流出する恐れがあります。
一人が離職すると連鎖的に離職が続き、最終的に問題のある社員しか残らなかったという事態になれば、今後の採用や企業の存続も難しくなると考えられます。
早期離職による採用コストの追加発生
入社したリスク人材が、自分と企業の価値観や働き方にギャップを感じた場合、早期離職するかもしれません。早期離職によって今後発生しうるネガティブな事態は回避できたかもしれませんが、新たな人材の採用コストが余計に発生するデメリットは大きいです。
中途一人当たりの平均採用コストは、約100万円します。早期離職によって100万円の採用コストが無駄になり、新たに100万円がかかるため、そもそも早期離職とならない採用を実現することが大切です。
| 💡採用コストの算出方法や平均相場について詳しくまとめた記事はこちら |
2.中途採用で見抜くべきリスク人材の共通点 |

面接ではまったく問題がなかったのに、採用後に「リスク人材だった」と判明するケースも少なくありません。
虚偽や秘匿、能力の高さによって、表面上はリスク人材だとわかりづらい場合もあるため、リスク人材の共通点として次の3点をおさえておきましょう。
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(1)経歴の詐称や前職でのトラブル傾向
経歴をごまかしている方や前職のトラブルを隠している方は、リスク人材といえます。
例えば、次のようなケースです。
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いずれの場合も、採用後に「思ったより成果を上げてくれない」「予期せぬトラブルが発生した」などのネガティブな事態を引き起こす恐れがあるため、見極めることが重要です。
(2)コミュニケーション能力の高さに隠れた協調性の欠如
面接時の質疑応答では適切なコミュニケーションを取れていても、実際に現場で働いてみると協調性が欠如していたというケースがあります。例えば、単独で業務を進めてしまう、必要な情報を周りに共有しないなどが挙げられるでしょう。チームワークが求められる業務の場合は、人間関係の不和や非効率な業務につながりかねません。
コミュニケーション能力が高くても「自社での働き方への適性」があるとは限らないため、人柄や価値観まで慎重にチェックすることが求められます。
(3)価値観の不一致による早期離職のリスク
リスク人材には、自社との価値観の不一致による早期離職の懸念があります。例えば、自社がチームで仕事を行う場合、「単独行動のほうがラク」という人材は合わないでしょう。
仕事や働き方に対する価値観が相違していると、人材が早期離職し、採用コストが余分にかかります。トラブルとミスマッチ防止の観点から、適切に人材を見抜くことが大切です。
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3.面接でリスク人材を検知するための質問手法 |
前述のように、リスク人材を面接で見抜くことは重要です。
リスク人材を検知するための具体的な質問手法を3つご紹介します。
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(1)具体的な行動事実を引き出すSTAR手法の活用
STAR(スター)手法とは、人材が過去に行なった具体的な行動について把握するための質問方法です。
「STAR」のそれぞれの項目で質問を重ね、必要に応じて深掘りしながら人材のスキルや能力、価値観を浮き彫りにしていきます。
| STARの各項目 | 質問例 |
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Situation(状況) |
・そのプロジェクトにおけるあなたの役割はなんでしたか? |
| Task(課題) |
・過去の仕事で起きたトラブルは、どのようなものでしたか? |
| Action(行動) |
・トラブルが起きたとき、最初にどのような行動を起こしましたか? |
| Result(結果) |
・あなたが起こした行動について、反省点や改善点はありますか? |
なお、STAR手法を用いると人材の「実体験」を引き出せるため、本音を話してもらいやすくなります。スキルや価値観のマッチ度をより精度高く見極められるようになるため、リスク人材の回避が可能です。
(2)ストレス耐性や倫理性を見極める質問項目
リスク人材を検知するには、適切な質問によってストレス耐性や倫理性を見極める必要があります。具体的には、次の順序で質問をしましょう。
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ポイントは、人材が「自分がストレスを感じるもの」と「自分なりのストレス解消法」を知っているかを把握することです。どちらも知っていれば、ストレス耐性が高く、ストレスを感じる出来事に直面しても上手に乗り越えられると考えられます。
ストレス解消法が健全なものであれば、倫理性も問題ないといえるでしょう。
(3)回答の矛盾点や一貫性を確認するポイント
人材のなかには、採用されたい一心で事実や本音を隠す方もいます。そのため、質問に対する回答の矛盾点や一貫性を確認し、虚偽や本心を見抜くことが重要です。
ポイントとしては、「仮定の考え」のあとに「過去の経験」を聞くことです。「仮定の考え」とは、例えば「トラブルが起きたらどのように対処しますか?」などです。あくまで仮定の話のため、人材も「自分だったらこうするだろう」という理想のアクションを答えます。
併せて、事実である過去の行動や思考も質問することで、人材の志向やスキル・能力の有無がわかり、回答に一貫性があるかを判断できます。「過去の経験」についての質問は、前述のSTAR手法をご参考にしてください。
4.リスク人材の採用を回避する選考プロセス |

リスク人材の採用を防ぐには、面接の質問以外に選考プロセスの工夫も求められます。
具体的には、下記3つを取り入れることが大切です。
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各施策についてご紹介します。
(1)リファレンスチェックの実施
リファレンスチェックとは、応募してきた人材の勤務態度、スキル、人柄などを把握するために、人材の元上司や同僚に対して行う調査のことです。人材に対する第三者の評価を得ることで、自社とマッチしているか、ヒアリングした内容に矛盾点はないかなどを確認できます。
ただし、人材から同意を得ずに行うと違法となる恐れがある点に注意が必要です。
| 💡リファレンスチェックについて詳しくまとめた記事はこちら |
(2)適性検査結果の多角的な分析
選考プロセスに適性検査を取り入れ、検査結果を多角的に分析しましょう。適性検査とは、人材の価値観やスキル、性格などを測定するテストのことです。選考書類や面接では把握しづらい部分を可視化できるため、ミスマッチ防止につながります。
適性検査の結果から人材の懸念点がわかることで、リスク人材の採用を避けられるでしょう。検査結果のみで判断がつかない場合は、面接で結果の内容を深掘りして見極めを行います。
(3)複数人による面接評価の標準化
複数人で面接を行う場合、評価基準を統一しておくことが重要です。評価基準が曖昧だと、各面接官の主観や経験に左右され、優秀な人材を逃してリスク人材を採用してしまう事態になりかねません。
例えば、人材の採用要件について、次の5項目を設定しておくといいでしょう。
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評価基準を設定したら、採用メンバー間で共有し、理解を深めることが求められます。
面接評価シートは、認識の統一や面接の記録・共有に活用できるツールです。ぜひ作成して、リスク人材ではなく自社にマッチした人材を採用しましょう。
| 💡面接評価シートのポイントについて詳しくまとめた記事はこちら |
5.健全な組織運営を実現するための採用基準 |
リスク人材を回避し、組織を健全な状態で運営していくには、採用基準も整備する必要があります。
次の3つのポイントを活用して、採用基準や採用活動の質を高めていきましょう。
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(1)自社独自のミスマッチ要因を言語化する
自社の採用活動におけるミスマッチ要因を分析し言語化すると、改善すべきフローが見えてきます。例えば、「求人票に業務内容が具体的に書かれていない」「面接官ごとに評価基準がバラバラ」などがわかれば、求人票の工夫や評価基準の統一といった改善に取り組めるでしょう。
求める人物像が曖昧であれば、採用ペルソナの設計が効果的です。「自社が採用したい人物」が明確になると、人材に対して違和感を抱いたときにそのままスルーせず、「本当にマッチしているか」を疑えるようになります。
| 💡採用ペルソナの活用方法について詳しくまとめた記事はこちら |
(2)スキル偏重の採用からマインドセット重視への転換
変化が激しい現代において、時代のニーズに応えるためや自社の成長のためにスキル重視の採用を行う企業も多いでしょう。しかし、スキルに偏重した採用は、人材の人柄や価値観のチェックがおざなりになり、「勤務態度が悪い」「自分の非を認めない」などのリスク人材を採用する恐れがあります。
大切なのは、人材のマインドセット(思考の癖)を重視して評価することです。マインドセットは、経験や価値観などで構成されており、仕事への取り組み方や同僚との接し方などを把握できます。引いては業務スキルやコミュニケーション能力などもわかるため、人材をバランスよく見極められるでしょう。
(3)継続的な選考フローの改善と基準の見直し
採用市場、転職者の志向・価値観、採用手法などは、時代や状況によって変化します。一度上手くいった選考フローや採用基準が、次の採用でも成功するとは限りません。
そのため、採用に成功し続けるには、継続的に選考フローの改善や採用基準の見直しを行い、状況に適用させることが重要です。効果的な改善を適宜実施していけば、リスク人材を遠ざけ、自社にマッチする人材の採用の確度を高められるでしょう。
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6.まとめ |
リスク人材には、低いコミュニケーション能力や受動的な姿勢、他責思考などの特徴があります。もし採用してしまうと、生産性の低下や優秀な人材の流出など、大きな悪影響があるため回避することが望ましいです。
面接では「過去の経験」について質問する、選考プロセスではリファレンスチェックを取り入れるなど、リスク人材を採用しないように工夫を施しましょう。スキルに偏重している企業は、マインドセット重視へ切り替えることも大切です。
ご紹介したポイントを、自社や自社の社員を守るためにぜひお役立てください。
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