人材紹介会社からの紹介がない企業は、エージェントとの情報共有が不足している可能性があります。
エージェントから人材を紹介してもらえないと、いつまで経っても採用ができず、業務の停滞や新規事業への取り組み遅延などのネガティブな状況を招いてしまいます。
人材紹介会社が人材を紹介してくれないのには理由があるため、自社に該当する項目がないか確認しましょう。
紹介がない理由と紹介数を増やすポイント、最大化させるステップ、併用にオススメの採用手法を解説します。
この記事でわかる事 |
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目次
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1-1 求人内容が転職市場とズレている
1-2 競争が激しい職種で自社の提示条件が弱い
1-3 エージェントとの情報共有不足
1-4 選考スピードが遅く候補者を逃している
1-5 供給が少ない人材を求めている -
2-1 エージェントのKPIを理解して面接確約率を共有する
2-2 スケジュール即調整の運用を整える
2-3 フィードバックは“翌営業日・具体例付き”で送る
2-4 求人魅力度をデータで提示する
2-5 経営層も交えてミーティングを行う -
3-1 現状分析とKPI設定
3-2 求人票・要件定義の刷新
3-3 エージェント選定&キックオフミーティング
3-4 フィードバックサイクルを高速化する
3-5 週次レポートで数値モニタリング&PDCA -
4-1 求人媒体(転職サイト)
4-2 ダイレクトリクルーティング
4-3 リファラル採用
4-4 SNS採用
1.人材紹介会社からの紹介がない理由 |
人材紹介会社のエージェント(リクルーティングアドバイザー)は、営業担当として成約件数や紹介数などの目標数字を持っています。目標を達成するために、「紹介しやすい企業」や「成約につながりやすい企業」の優先度が高くなることは、意図的でなくてもありえることです。
エージェントが優先する企業を踏まえたうえで、人材紹介会社からの紹介がない理由を5つご紹介します。
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紹介がないことに悩んでいる場合は、まず原因を特定しましょう。
(1)求人内容が転職市場とズレている
近年は有効求人倍率が高く、求職者が企業を選ぶ市場になっています。また、求職者の働き方に対する価値観も変化しており、従来の「高収入」「有名企業」のようなポイントだけでは応募を集めにくい状況です。
転職市場や求職者の心理を理解していないと、高スペック人材を求めたり訴求ポイントが弱かったりなど、求人内容や要件が市場とズレてしまい、エージェントにとって「紹介できる人材がいない企業」になります。エージェントは人材を紹介できる企業を優先するため、ズレを解消しないといつまでも紹介されない可能性が高いです。
(2)競争が激しい職種で自社の提示条件が弱い
競争が激しい職種で、自社の提示条件が競合と比較して弱いと、人材紹介が受けられない恐れがあります。例えば、急速なIT化やDX推進に対応するため、IT人材を求める企業は多いですが、競合よりも給与が低い、働き方に柔軟性がない、キャリアアップできない環境などの場合は、選ばれにくいでしょう。
競合に勝る強みや、求職者に刺さる魅力の有無が、人材紹介での採用成功を左右する一因です。
(3)エージェントとの情報共有不足
エージェントに候補者の要件や不採用理由などの共有・フィードバックができていない場合、エージェントが人選に難しさを感じている可能性が高いです。
企業が提供する情報が少ないと、エージェントはスムーズに候補者を絞り込めず、やりにくさから「自社の優先度」が下がっていく恐れがあります。
エージェントから人材を紹介してもらうには、任せきりになるのではなく連携することが大切です。
(4)選考スピードが遅く候補者を逃している
企業の選考スピードが遅いことも、人材紹介からの紹介がない理由のひとつです。エージェントがスピードを意識しても、候補者への通知や質問への回答などに企業側が時間を要していると、候補者のなかで自社に対する興味が薄れ、ほかの案件に流れてしまうでしょう。
選考スピードの遅さは、候補者にとっても、エージェントにとっても、自社の優先度を下げてしまうため、紹介されない状況を招きやすいです。
(5)供給が少ない人材を求めている
人材紹介会社からの供給が少ない人材を求めていると、エージェントは人材を紹介できないでしょう。例えば、管理職クラスの人材やニッチな業界で活躍する人材、高難度または希少な資格保有者などは、人材紹介会社に登録していない可能性が高いです。
人材紹介会社がどのような人材を紹介しているのかを事前に確認しておき、供給が少ない人材の場合はほかの採用手法を検討しましょう。
2.人材紹介会社からの紹介数を増やすポイント |
人材紹介会社からの紹介数を増やすには、次の5つのポイントを意識しましょう。
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それぞれのポイントについて詳しく解説します。
(1)エージェントのKPIを理解して面接確約率を共有する
人材紹介会社のエージェントも営業担当であり、目標を達成する必要があるため、エージェントの立場やKPIを理解すると、紹介されやすくなる対応も明確になります。
例えば、採用決定率や面接確約率を共有すると、エージェントは「候補者を採用してくれる可能性が高い」「紹介した候補者と必ず面接してくれる」と思えて、積極的に人材を紹介してくれます。信頼関係を大切にしているエージェントは、面接確約率が高いからといって適当に人選しないため、質の高い多くの候補者と出会えるでしょう。
(2)スケジュールを即時調整できる運用を整える
選考スピードの遅さは候補者を逃がすリスクが高いため、選考リードタイムは48時間以内を意識し、面接やエージェントからの質問に答える場のスケジュールを即時調整できるように運用を整備することが大切です。
エージェントのなかには、企業側のスケジュール調整の遅れで候補者が逃げたり、質問への回答を得られなかったりすることに不満を抱く方もいます。
エージェントと信頼関係を築き、紹介数を増やすためには、協力的であることが求められます。
(3)フィードバックは“翌営業日・具体例付き”で送る
面接実施後に行うエージェントへのフィードバックは、翌営業日かつ具体例付きで送るルールを徹底しましょう。選考スピードが早ければエージェントの紹介スピードも上がります。また、フィードバックを具体的にすることで、エージェントは次に紹介する人材を選定しやすくなります。
例えば、候補者の不採用理由が「なんとなく暗かったから」と「実務経験の程度が要件を満たさなかったから」の場合であれば、後者のほうが納得感があり、人選の参考にしやすいです。
自社のフィードバックが次の候補者の質や紹介までのスピードに関わることを念頭に置いておきましょう。
(4)求人魅力度をデータで提示する
年収レンジや成長機会、福利厚生などの求人魅力度をデータで提示し、エージェントに自社理解を深めてもらうことが大切です。エージェントに自社の魅力を理解してもらえなければ、適切な候補者探しに時間を要したり他社に魅力で負けたりする恐れがあります。
マイナスとなる情報も、エージェントに伝えることでプラスに働くかもしれません。例えば、「業績が悪い」場合、「業績を立て直す」ことに意欲的な候補者を紹介してもらえる可能性があります。
候補者を紹介してもらい、採用につなげるには、自社の魅力・状況などの情報を良いことも悪いことも伝えることが重要です。
(5)経営層も交えてミーティングを行う
エージェントは、共同キックオフなどのミーティングの際に経営層がいると、「採用に意欲的な企業」と認識し、人材を優先的に紹介してくれる傾向があります。経営層の参加によって、企業の状況や候補者の理想などを適切に伝えられるメリットもあるでしょう。
エージェントの温度感や候補者の質を上げる観点から、経営層も交えたミーティングを行うことが望ましいです。
3.人材紹介会社からの紹介数を最大化させるステップ |
人材紹介会社からの紹介数を最大化させる5つのステップは、下記のとおりです。
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前述の紹介数を増やすポイントと併せて、ぜひ取り組みましょう。
(1)現状分析とKPI設定
まずは、現状分析とKPI設定を行います。人材紹介会社からの紹介率、選考通過率、内定承諾率などの主要KPIを定義して、現状値を可視化しましょう。
(2)求人票・要件定義の刷新
転職市場とズレた要件を定義してしまわないように、市場調査を行い、ペルソナを再設計します。ペルソナが明確であるほど、エージェントはマッチ度の高い候補者を見極めやすくなるため、質の高い候補者の紹介数増加が期待できます。
ペルソナを再設計したら、自社の魅力を言語化していきましょう。ペルソナに刺さる魅力を適切に訴求すると、自社が求める人材からの関心を集められるため、競合より選ばれやすくなります。
💡採用ペルソナの作成方法と注意点についてまとめた記事はこちら |
(3)エージェント選定&キックオフミーティング
信頼できるエージェントを選定し、キックオフミーティングを行います。
人材紹介会社のなかには「エンジニア採用」「女性採用」「ハイクラス採用」など、職種や属性に特化しているサービスもあります。そのため、重要な職種を採用する際には特化型エージェントを利用すると、人材を紹介してもらいやすいでしょう。規模の異なる複数の人材紹介会社を利用することも、紹介数の増加に効果的です。
キックオフミーティング時には、経営層も同席させると採用への意欲を伝えられます。
(4)フィードバックサイクルを高速化する
フィードバックサイクルを高速化して、自社の優先度を上げていきましょう。具体的には、面接結果は営業日換算で24時間以内に、採用可否理由を明確にして連絡します。
フィードバックに時間を要すると、候補者を逃すほか、人材を紹介してもらうスピードも下がってしまうため、迅速に対応することが望ましいです。また、明確な理由は企業の本気度が伝わったり、エージェントにとって候補者の選定基準がわかりやすくなったりします。
(5)週次レポートで数値モニタリング&PDCA
スプレッドシートなどで週次レポートを作成し、KPIと実際の数値をモニタリング・管理します。人材紹介会社からの紹介率が悪い場合は、「情報提供に注力する」「コミュニケーションを増やす」などの改善アクションも記載しましょう。
実施した施策の効果を検証し、必要に応じて月次で施策を更新するなど、PDCAを回していくことが、人材紹介数を最大化させるうえで大切です。
4.人材紹介との併用にオススメの採用手法 |
取り入れる採用手法を人材紹介のみにしてしまうと、紹介がない状況が続くなどして、円滑な採用成功を実現できない恐れがあります。
そのため、人材紹介会社と下記の採用手法の併用をオススメします。
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各採用手法の特徴と使い分け方をご確認ください。
(1)求人媒体(転職サイト)
求人媒体(転職サイト)は、自社の求人情報を掲載し、求職者からの応募を待つ採用手法です。
求人媒体には転職意欲の高い多くの求職者が登録しており、一度の掲載で幅広いターゲットにアプローチできます。最短での母集団形成につながるため、複数名採用したい場合に向いているでしょう。
一方の人材紹介は、成功報酬型が一般的で、自社が求める人材が複数名登録しているとも限らないため、複数名採用には向いていません。しかし、マッチ度の高い経験者や中堅層の人材を紹介してもらえる可能性が高いです。
複数名採用と経験者ポジションの採用をしたい場合などには、求人媒体(転職サイト)と人材紹介の併用が効果的といえます。
💡求人媒体「type」について特徴をまとめた記事はこちら |
(2)ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、スカウトメールなどを使って、自社が求める人材へピンポイントで直接アプローチできる採用手法です。
ダイレクトリクルーティングは、スカウトを送る人材の選定や文面作成、再送などの運用をすべて自社で行うため、迅速なアプローチや採用ノウハウの蓄積ができます。一方、運用コストがかかる点がデメリットです。
人材紹介は、エージェントからの紹介を待つ手法のため、ダイレクトリクルーティングのように「攻めの採用」ができません。しかし、スクリーニングや候補者対応を任せられ、運用コストを抑えられるという特徴があります。
ダイレクトリクルーティングと人材紹介を併用すれば、「攻め」と「待ち」の両方のスタンスで理想の人材を獲得することが可能でしょう。
💡ダイレクトリクルーティングについてまとめた記事はこちら |
(3)リファラル採用
リファラル採用は、自社の社員に友人や知人を紹介してもらい、通常の選考を実施して採用可否を判断する採用手法です。
推薦された人材は、すでに社員から自社の業務やカルチャーを聞いており、理解が深い状態のため、ミスマッチが起こりにくく定着率向上が期待できます。ただし、社員からの紹介がないとそもそも採用できないというデメリットもあります。
人材紹介は、エージェントに人材の理想像や要件をきちんと伝えれば、早期に紹介してもらえる可能性が高いです。
人材紹介で自社にマッチする人材を迅速に確保しつつ、リファラル採用も活用してカルチャーフィット率を最大化しましょう。
💡リファラル採用に向いている企業についてまとめた記事はこちら |
(4)SNS採用
SNS採用とは、XやFacebookなどのSNSを活用して、求職者に直接アプローチしたり自社情報を発信して認知度向上を図ったりする手法です。
ソーシャルリクルーティングとも呼ばれるSNS採用は、転職潜在層へアプローチできる、定期的な情報発信で自社のファンを作れる、コストを削減できるといったメリットがあります。
人材紹介は転職顕在層をターゲットとした採用手法のため、潜在層にも自社理解を深めてもらえるSNS採用も併用すると、潜在層が顕在層に変わった際に自社へ応募してくれる可能性が高まり、将来的な人材獲得にもつながります。ブランドへの共感も醸成されているため、定着率の向上も期待できるでしょう。
💡SNS採用のメリット・デメリットについてまとめた記事はこちら |
5.まとめ |
人材紹介会社から紹介がない企業は、エージェントとのコミュニケーションが不足している、連絡が遅いなどに該当しているかもしれません。
エージェントから人材を紹介してもらうには、エージェントをパートナーとみなして、協力することが大切です。レスポンスを早くしたり情報開示を行なったりして信頼関係を築けると、エージェントに好印象を抱いてもらえ、人材紹介数の増加と採用成功につながるでしょう。
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