「女性採用したくない」と思っている企業は、今後の経営に支障が出る恐れがあるため、女性採用への積極的な取り組みが求められます。
なぜ女性採用が必要とされているのか、女性採用が企業にどのようなメリットをもたらすのかを知り、女性採用に対する意識を変えていきましょう。
企業が「女性採用したくない」と思う理由や女性採用が必要な背景、メリットと採用を増やすポイントを解説します。
この記事でわかる事 |
・「女性採用したくない」と企業が思う理由 ・女性採用に関する現状と採用が必要な理由 ・女性採用のメリットと取り組みのポイント |
1|「女性採用したくない」と企業が思う理由 |
「女性採用したくない」と企業が思ってしまう理由の例として、次の3つが挙げられます。
・女性は働き方の変化が大きいというイメージがある |
それぞれ具体的に解説します。
1-1.女性は働き方の変化が大きいというイメージがある |
女性は妊娠、出産という男性にはないライフイベントがあるため、働き方の変化が大きいというイメージから採用したくないと考える企業もまだまだ存在している可能性があります。
例えば、「妊娠や出産をきっかけに辞めてしまう」「復帰しても子供の急病などで休みが多くなる」「短時間勤務では生産性が落ちてしまう」などのマイナスなイメージをもってしまい、女性採用を避けてしまうでしょう。
1-2.固定的な性別役割分担意識が残っている |
企業によっては、昔からの慣習から固定的な性別役割分担意識が根強く残っていて、女性採用をしようと思わないケースもあります。
例えば、「女性は家庭を守るべきだ」「女性は男性よりも能力が劣る」「女性は営業職に向いていない」などの思い込みや偏見で女性の立ち位置や能力を決めつけているなどです。
性別役割分担意識は、採用に限らず女性の働き方にも影響を与えます。「女性は管理職になれない」「お茶出しは女性の仕事」「女性は男性のサポート業務に就くべき」などの考えは、女性の活躍が阻害される要因です。
1-3.女性が働く環境を整備できていない |
女性がワークライフバランスを保って働ける、産前産後休暇や育児休暇、短時間勤務などの制度が整っておらず、採用した女性に辞められたり社内が混乱したりすることを防ぐために「女性採用したくない」という企業も多いでしょう。
長時間労働が常態化しており、女性社員に育児などで早退や急な休みをとられると、ほかの社員や業務進捗にマイナスに響くといった働き方に課題がある場合も、女性採用を避けたくなる理由として挙げられます。
2|女性採用に関する現状 |
日本の女性採用に関する状況と、女性活躍が進まない理由を解説します。
2-1.日本の女性採用に関する状況 |
日本の女性採用に関する状況を、就業者数や男女の年収の差、管理職割合から見てみましょう。
厚生労働省の資料によると、女性の就業者数は年々増加傾向にあることがわかります。
参考:厚生労働省「働く女性の状況」
一方で、雇用者のうち、非正規の職員・従業員の割合は、女性雇用者の50%以上が非正規の職員・従業員であり、正規の職員・従業員数を上回っていることがわかります。男性よりも女性のほうが非正規の職員・従業員の割合が高いことも読み取れるでしょう。
参考:厚生労働省「働く女性の状況」
就業する女性は増えていますが、育児との両立を考えたり、ライフイベントでキャリアを積めず、正規で雇用されるのが難しかったりして、非正規雇用で働いている方が多いと考えられます。
国税庁の調査によると、令和4年度における女性の平均年収は313.7万円で、男性の平均年収563.3万円と比較すると、250万円以上の差があることがわかります。
参考:国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」
男性と比べて女性の年収が低い理由としては、前述のように女性のほうが非正規雇用の割合が高いことが挙げられるでしょう。
💡女性の平均年収や給与欄の工夫点についてまとめた記事はこちら |
内閣府の資料によると、女性の管理職割合は、2021年において部長級が7.7%、課長級が12.4%、係長級が20.7%で、1989年から徐々に増加していることがわかります。
参考:内閣府「1-17図 民間企業の雇用者の各役職段階に占める女性の割合の推移」
一方で諸外国と比較すると、日本の管理的職業従事者に占める女性割合が13.2%に対し、諸外国は30%以上のところが多いため、日本の数値の低さが目立ちます。
参考:内閣府「1-18図 諸外国の就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合」
働く女性は増えていても、管理職になる女性は少ないことがわかります。
2-2.女性活躍が進まない理由 |
前述のように、企業に性別役割分担意識が根強く残っていたり、職場環境が整備されていなかったりすることが、女性活躍が進まない理由として挙げられます。
ほかにも、女性自身が「管理職は自分に向いていない」などと思い込んでいることも理由のひとつです。
弊社が「女の転職type」会員に対して行なった「管理職ってどう?管理職について聞いてみました。」という調査で、管理職経験がない方に「管理職になりたくない理由」を聞いたところ、1位「責任が重くなる」68.6%、2位「残業時間が増えそう」50.8%、そして3位に「自分にできる自信がない」50.3%が入りました。
また、性別による無意識の思い込みに関する内閣府の調査によると、女性がもつ性別役割意識の上位10項目に「組織のリーダーは男性の方が向いている」「大きな商談や大事な交渉事は男性がやる方がいい」などの項目が入っています。
順位 | 項目 | 割合(%) |
1 | 男性は仕事をして家計を⽀えるべきだ | 44.9 |
2 | ⼥性には⼥性らしい感性があるものだ | 43.1 |
3 | ⼥性は感情的になりやすい | 37.0 |
4 | 育児期間中の⼥性は重要な仕事を担当すべきでない | 33.2 |
5 | ⼥性は結婚によって、経済的に安定を得る⽅が良い | 27.2 |
6 | ⼥性はか弱い存在なので、守られなければならない | 23.4 |
7 | 共働きでも男性は家庭よりも仕事を優先するべきだ | 21.6 |
8 | デートや⾷事のお⾦は男性が負担すべきだ | 21.5 |
9 | 組織のリーダーは男性の⽅が向いている | 20.9 |
9 | ⼤きな商談や⼤事な交渉事は男性がやる⽅がいい | 20.9 |
参考:内閣府「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」
女性採用を増やしたり女性が活躍したりするには、企業の経営層や男性だけでなく、女性の意識改革も必要といえるでしょう。
3|女性採用が必要な理由 |
女性採用は、次の3つの理由から必要とされています。
・少子高齢化による労働力不足 |
女性採用が必要な理由を確認しましょう。
3-1.少子高齢化による労働力不足 |
日本は現在、少子高齢化が進行しており、15~64歳の労働力人口が減少の一途を辿っています。
参考:厚生労働省「我が国の人口について」
今後も人口は減り続け、労働力不足が深刻化していくと予測されるため、労働力の確保に向け、就業者数が増加傾向にある女性の採用も積極的に行なっていくことが求められます。
3-2.女性管理職が増えない |
女性管理職の有無は、女性社員の「管理職になりたい」という思いに影響があります。弊社が行なった前述の調査で、「尊敬できる女性管理職の有無は、管理職になりたい気持ちに影響する?」かを問うたところ、「とても影響がある」25.1%、「やや影響がある」31.4%で、「影響がある」が過半数を超える結果となりました。
女性を採用しないと、社員はもちろん女性管理職も増えず、今後女性採用を強化したい、女性管理職を増やしたいと思ったときに不利な状況からのスタートとなる可能性が高いです。
採用難を乗り越えたり、組織力を高めたりするためにも、女性採用が必要とされています。
3-3.誰もが働きやすい職場環境の構築につながる |
働き方改革や新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、働く方の仕事に関する価値観が多様化しています。ワークライフバランスを重視し、給与の高さよりも働きやすさを求める方も多いでしょう。
企業が採用活動を成功させたり、優秀な人材の流出を防いだりするには、誰もが働きやすい職場環境の構築が求められます。
ライフイベントによって働き方が変化しやすい女性が働きやすい環境を整備できると、男性にとっても「ずっと働いていたい」環境になる可能性があります。例えば、リモートワークやフレックスタイム制度を導入する、キャリアアップにつながる研修を取り入れるなど、従業員の働きやすさを高めたりキャリアップを支援したりする取り組みは従業員の満足度を向上させるでしょう。
女性採用が働きやすい職場環境を構築するきっかけになり、企業の存続・発展にもつながっていきます。
4|女性採用をするメリット |
女性採用をすると、次の8つのメリットを得られます。
・仕事に意欲的な人材を採用できる |
企業にとって大きなメリットのため、積極的に女性採用を行なっていきましょう。
4-1.仕事に意欲的な人材を採用できる |
女性のなかには、「長く働きたい」という仕事に意欲的な方も多いです。
弊社が「女の転職type」会員に実施したアンケート「いつまで働く?仕事の辞め時や定年後について聞いてみました。」によると、「何歳くらいまで働きたい?」の回答割合が最も高かったのは「60~65歳」で46.1%でした。「一生涯」を含め、60歳以上まで働きたいという回答は77.7%もあり、女性の仕事に対する高い意欲が見て取れます。
今後、労働力人口が減少し続けていくことが懸念されるため、女性採用に力を入れることで、自社に貢献してくれる意欲的な人材を確保できる可能性があります。
4-2.企業のイメージアップと成長につながる |
女性採用を積極的に行うと、企業のイメージアップと成長につながるメリットがあります。女性採用が多い企業は、女性が働きやすい環境が整っている、女性が活躍しやすいというポジティブなイメージを持たれやすいため、社会的な評価が上がったり、求職者から選ばれやすくなったりします。
また、事業に女性の意見が反映されることで、男性では気付かなかった改善点を見出せたり、女性目線の商品が生まれ女性顧客のニーズに応えられたりなどの効果が期待できるでしょう。顧客からさらに選ばれる商品やサービスを提供できれば、競争市場で優位に立ち、益々の成長につながります。
4-3.採用活動が有利になる |
女性採用に力を入れると、「女性が働きやすい職場」として女性求職者から選ばれやすくなる可能性があります。
女性求職者に限らず、男性からも「制度や職場環境が整っている企業」として見られるため、人材採用が難しい市況感でも応募が集まりやすいでしょう。
4-4.女性のキャリアアップ意欲が高まる |
女性採用を強化し、女性の管理職が生まれた場合、女性社員のキャリアアップ意欲が高まるメリットがあります。前述のように、尊敬できる女性管理職の有無は女性の管理職に対する意欲に影響があるため、女性社員のロールモデルとなる方がいると管理職を目指そうとする女性社員が増えると考えられます。
意欲的な女性社員の増加は、事業の発展や採用活動でのアピールポイント、社内の活性化につながるでしょう。
4-5.業務の効率化が期待できる |
子育て中などで残業が難しい女性は、限られた時間のなかで自分の仕事をそつなくこなすために、仕事のやり方を工夫している傾向があります。
ライフイベントの仕事への影響が男性とは異なる女性を採用することで、働き方や仕事への向き合い方の違いから業務の工夫点や改善点を見出し、効率化につなげられる可能性が高いです。
業務効率化できると生産性や従業員の働きやすさが向上するため、企業の発展が期待できます。
4-6.悩みを相談しやすくなる |
女性採用を強化し、女性社員が増えると、男性には話しにくいという相談事もしやすくなります。業務での悩みや女性ならではの困りごとは、男性よりも同性である女性のほうが話しやすい、解決できるというケースもあるため、相談できる女性が増えると女性社員の働きやすさや満足度の向上につながる可能性があるでしょう。
また、女性社員はストレスや悩みを溜めずに済み、働き続ける安心感も得られ、離職防止にも効果的かもしれません。
4-7.コミュニケーションが活発化する |
女性採用をすることで、社内のコミュニケーションが活発化する可能性があります。個々人の性格や人柄の違いはもちろんありますが、女性は共感力が高かったり、細かな気遣いができたりするといわれているため、社内の人間関係が良好になるかもしれません。
女性社員が人と人をつないで信頼関係を育み、仕事の相談などがしやすい雰囲気になると、仕事の悩みをひとりで抱える方がいなくなり、チーム全体で課題解決に取り組めるでしょう。
コミュニケーションの活発化は、風通しのよい職場になるだけでなく、生産性や社員の定着率の向上も招きます。
4-8.行政から認定や助成金を得られる |
行政は、女性活躍推進に関する状況などが優良な企業に対し、「えるぼし認定」を設けています。「えるぼし認定」を受けると、社会からの企業イメージが向上したり、低利融資を受けられたりするメリットがあります。認定基準の項目のひとつに「採用」があるため、「えるぼし認定」を受けるには女性採用が必要です。
また、東京都と(公財)東京しごと財団は、女性の新規採用を目指す企業に対し、女性専用設備等の整備費用を助成しています。助成金の上限額は最大500万円で、例えばトイレや洗面所、ロッカーなどの設備が助成対象です。
参考:(公財)東京しごと財団「女性の活躍推進助成金(ジョカツ!)」
💡えるぼし認定の基準やメリットについてまとめた記事はこちら |
5|女性採用を増やす際のポイント |
女性採用を増やす際には、下記3つのポイントを意識しましょう。
・女性が活躍できる環境を整える |
各ポイントを解説します。
5-1.女性が活躍できる環境を整える |
女性採用を増やしたい企業は、女性が活躍できる環境を整えることが大切です。清潔なオフィスや化粧室、女性用の更衣室、汗を流す仕事の場合は女性専用のシャワールームが用意されているなど、女性が働きやすい環境は女性求職者の興味を引ける可能性があります。
キャリアを継続できる環境も重要で、産休・育休制度や時短勤務制度が整っていたり、社内に託児所を設けたりすると、出産や育児で退職を余儀なくされる女性社員が減少し、定着率の向上につながるでしょう。
女性がリーダーや管理職として活躍できるように、研修制度も充実させることをオススメします。例えば、いままで男性にしか管理職研修を受けさせていなかった場合は、女性にも積極的に受けさせましょう。スキルアップ研修も男女ともに実施することで、女性の意識が変化し、管理職を目指そうとする方が増えるかもしれません。
5-2.女性のロールモデルを作る |
女性のロールモデルを作ると、女性が活躍していることを求職者に訴求できたり、女性社員の管理職への意欲が向上したりする可能性があります。
せっかくロールモデルがいても求職者に認識してもらえないと効果がないため、求人票に女性ロールモデルの紹介やインタビューを載せるなど、積極的なアピールが重要です。
女性社員が少なかったり、ロールモデルになり得る社員がいなかったりする場合は、まずは女性社員を増やすことを考えましょう。中途採用では即戦力人材を望みやすいですが、未経験でもポテンシャルの高い女性求職者は多くいるため、ポテンシャル採用を行い、女性採用のノウハウ構築と女性社員の増加を目指していきましょう。
💡女性が応募したくなる求人票の書き方についてまとめた記事はこちら |
5-3.女性採用に強いサービスを利用する |
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6|まとめ |
「女性採用したくない」と企業が思う理由としては、女性の働き方の変化が大きいことや、固定的な性別役割分担意識が残っていることなどが挙げられます。
しかし、少子高齢化が進行し、今後さらに人手不足が深刻化すると予測されるため、企業が存続、発展していくには積極的な女性採用が必要です。
女性が活躍できる環境を整えたり、女性のロールモデルを作ったりして、女性採用の成功を目指していきましょう。女性採用に強いサービスを使うと採用の成功率を高められます。
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ブログ編集部
「エンジニア採用情報お届けブログ」「女性採用情報お届けブログ」「中途採用情報お届けブログ」は、株式会社キャリアデザインセンター メディア情報事業部「type」「女の転職type」が運営する採用担当者様向けのブログです。構成メンバーは、長年「type」「女の転職type」を通して様々な業界の企業様の中途採用をご支援してきたメンバーになります。本ブログを通して、多くの企業様の中途採用にお役立てできるよう情報発信してまいります。
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