スキルベース採用とは、求職者の総合的なスキルを重視して選考する採用手法で、一般的な採用手法とは選考方法が異なります。
スキルベース採用を導入すると、優秀な人材を確保できたり、自社の多様性が向上したりするメリットがあるため、即戦力や企業の発展につながるような人材を確保したい企業は導入を検討するといいでしょう。
スキルベース採用の意味やメリット・デメリット、成功させるポイントを解説します。
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目次 |
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1│ スキルベース採用とは? |
スキルベース採用とは、求職者のスキルや能力を重視して選考する採用手法です。適性検査やスキルテストを行い、求職者のスキルが自社の求める要件に合致しているかを見極めます。
エンジニア採用の場合、エンジニアのスキルを見極めるためにコーディングテストを実施するなどして、スキルベース採用を取り入れている企業が多いです。
ほかの採用手法でポテンシャル採用がありますが、ポテンシャル採用は求職者の潜在能力を重視した採用手法であり、スキルの保有が必ず求められるわけではありません。
スキルベース採用は、求職者の総合的なスキルを基に選考するため、育児や介護などでキャリアの継続が難しかった方や、新たな業界へチャレンジする方などからの募集も集められる可能性があります。
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1-1 一般的な採用との違い |
一般的な採用では、まず「スクリーンアウト」という書類選考を行います。求職者の職務経験や学歴などを職務経歴書で確認し、自社の定めた要件を満たした求職者のみ次の選考に進みます。スクリーンアウトの段階で候補から外すのは、例えば職務経験がなかったり、必要な学位をとっていなかったりする求職者です。
一方のスキルベース採用では、「スクリーンイン」という書類選考を実施します。スクリーンインで確認するのは、日本国内で働く資格がある人材かなど、ハードルの低い要件のため、多くの求職者が次の選考であるスキルテストや評価の段階に進みます。多様な求職者にスキルテストを受けてもらい、求職者のコミュニケーション能力や問題解決力、エンジニアとしてのスキルを総合的に判断します。
2│ スキルベース採用が増えている背景 |
スキルベース採用が増えている背景には、人手不足の深刻化があります。日本は現在、少子化の影響で労働人口が減少の一途を辿っている状態です。また、IT業界では、デジタル技術がめざましい発展を遂げており、デジタル人材の不足も叫ばれています。
エンジニアなどのデジタル人材の採用が難しい状況で、学歴や職歴にこだわって採用を行なっていても、優秀な人材を採用できるとは限りません。なぜなら、学歴の高さや職歴の有無はITスキルの高さに関わりがなく、独学でスキルを得たり趣味で開発したりしている方のほうが高度なITスキルを持っていることもあるからです。
そのため、特にIT業界では、学歴や職歴に縛られないスキルベース採用に注目が集まっています。
3│ スキルベース採用のメリットとデメリット |
スキルベース採用には、メリットとデメリットがあります。
それぞれ解説します。
3-1 スキルベース採用のメリット |
スキルベース採用を導入すると、次のようなメリットがあります。
・優秀な人材を獲得できる |
スキルベース採用は、求職者のスキルを総合的かつ客観的に評価するため、優秀な人材を獲得できるメリットがあります。
大学院まで出ているから、エンジニア経験が3年あるから、など、学歴や職歴で判断すると、いざ入社したあとに思っていたスキルを持っていなかった、自社に合う適性ではなかったといったミスマッチが生じるかもしれません。
スキルベース採用でスキルテストや適性検査などを行い、スキルを可視化できると、自社で活躍する人材を適切に選別できるでしょう。
求職者のスキルを評価したうえで採用するスキルベース採用は、即戦力人材の見極めが可能です。選考段階で求職者の実力や適性を把握できるため、入社後に能力を発揮しやすいポジションに配置するなど、即戦力としての活躍が期待できます。
また、すでに求職者がスキルを保有していることから、業務遂行に必要な研修やフォローの期間を短くでき、コスト削減にもつながります。
スキルベース採用を導入すると、学歴や職歴のほか、国籍や性別、バックグラウンドを問わずに求職者を選考するため、多様な人材を採用でき、企業の多様性が向上するメリットがあります。
企業の多様性が高まると、偏りのない、さまざまな意見やアイデアによって問題解決できたり、斬新なアイデアでイノベーションを起こせたりするでしょう。また、時代の変化にも柔軟に対応でき、企業を継続的に発展させられます。
3-2 スキルベース採用のデメリット |
スキルベース採用にはデメリットもあります。下記2つのデメリットを確認しておきましょう。
・必要なスキルの洗い出しが重要になる |
スキルベース採用はスキル基準で採用を判断するため、求職者に求めるスキルを明確に定義できていないと、ミスマッチにつながる恐れがあります。
スキルといっても、業務に関する専門知識やリーダーシップ、柔軟な対応力など、さまざまあり、また、企業の募集ポジションによっても必要なスキルが異なります。
採用活動の工数が増えて手間に感じるかもしれませんが、自社に必要なスキルは何か、どの程度のスキルを求めるかなど、詳細に洗い出すことが重要です。
いままで学歴や職歴重視の採用を行なっていた企業は、スキルベース採用を社内に浸透させる必要があります。
急に採用手法を変更すると、「高学歴のほうがいい」「職務経験は大事だ」などの考えがある社員に不満を生じさせ、理解や協力を得られない可能性が高いです。
採用活動をスムーズに行うためにも、経営者などの上層部からスキルベース採用のメリットや必要性を社員に伝え、理解を求めることが大切です。
4│ スキルベース採用を導入するステップ |
スキルベース採用は、次の6ステップで導入します。
・必要な人材要件の洗い出し |
スキルベース採用の導入手順を解説します。
4-1 必要な人材要件の洗い出し |
まずは、自社に必要な人材要件の洗い出しを行います。
採用戦略を明確にし、採用の目的や募集ポジション、掲げるビジョンなどから、自社の成長につながる適性や志向性などの人材要件を定めていきましょう。
4-2 スキルの定義と評価基準の設計 |
評価するスキルの定義と、評価基準を設計します。
スキルや評価基準を明確に設計した場合、求職者を公平に評価できたり、採用担当者間の評価のブレを防げたりするでしょう。
曖昧な評価によって優秀な人材を逃す、ミスマッチ人材を採用するといったことが起こらないように、注意が必要です。
4-3 評価方法の策定 |
スキルベース採用の評価方法を策定します。
スキルベース採用には適性検査やスキルテストの導入が求められるため、必要な検査やテストを検討し、自社でスキルテストを開発したり、スキルテストを提供しているサービスを利用したりしましょう。
4-4 既存の選考プロセスの見直し |
スキルベース採用の導入にあたって、既存の面接方法の見直しが必要です。
面接の質問が学歴や職歴、ポテンシャルを問うものの場合、求職者のスキルの把握や深掘りが難しく、スキル重視の採用活動を行えない可能性が高いです。
そのため、求職者のスキルを的確に把握できるような質問に変更したり、スキルを見極められるように面接官のトレーニングを行なったりしましょう。
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4-5 社内への浸透 |
スキルベース採用を社内へ浸透させ、理解を得ましょう。
「学歴不問」などの採用要件に変わることで不公平感を抱く社員がいるかもしれないため、採用担当者のみでなく、全社的にスキルベース採用について周知します。
4-6 導入後のPDCA |
スキルベース採用を導入したあとは、PDCAを回し、結果の分析や改善をしていきます。
より正確に分析や改善を行うには、スキルテストの結果を重視しすぎないことが大切です。面接では求職者の人柄やコミュニケーション能力、柔軟性などを評価できるため、スキルテストの結果と面接の評価を総合的に見て、採用可否を判断します。
適切な採用活動によって、PDCAの精度も高まるでしょう。
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5│ スキルベース採用の導入を成功させるポイント |
スキルベース採用は、ポイントを踏まえて導入すると成功できる可能性があります。
・人材要件やスキル定義は具体的に設定する |
ご紹介するポイントを、スキルベース採用の導入成功にぜひご活用ください。
5-1 人材要件やスキル定義は具体的に設定する |
人材要件やスキル定義は、具体的に設定することが望ましいです。
設定する項目としては、「行動特性」「知識」「ソフトスキル」「ハードスキル」「利用可能なツール」などが挙げられます。ハードスキルとは、客観的に評価しやすい資格などの専門スキルのことです。ソフトスキルは、客観的に評価しにくい、コミュニケーション能力や問題解決力などの定性的なスキルを指します。
項目ごとに自社が必要とする要件を定義しますが、「MUST(必須要件)」と「WANT(あると望ましい要件)」に区別しておくと、より正確に判断できるようになります。
5-2 適切なスキルテストを行う |
自社や求職者にとって適切なスキルテストを実施しましょう。
例えば、求職者の専門スキルを評価したい場合、自社に評価できる人材がいないのであれば、専門スキルを適切に評価できるサービスを利用するといいかもしれません。
また、実施するスキルテストは、実務的な問題が設計されていたり採用担当者が理解しやすいように結果が表示されたりするものだと、評価がしやすくなります。
求職者の負担にならないような所要時間であることも大切で、必要に応じて求職者をサポートできるように体制を整えておくことも求められます。
5-3 小規模からの導入も検討する |
スキルベース採用を社内に浸透させるために、小規模から導入することも検討しましょう。
例えば、一部の部署の採用活動で導入したり、既存の採用プロセスにスキルテストを組み入れたりします。小規模な導入で効果を得られた場合、社員の理解も得やすくなると考えられるため、全社的な浸透や導入もスムーズに進む可能性があります。
5-4 サポート体制を整備する |
スキルベース採用で採用する人材は、すでに実務で活躍できるスキルを持っていると考えられますが、企業によって仕事の進め方やルール、使用ツールなどが異なるため、早期に慣れるようにサポート体制を整備することが大切です。
入社者向けに研修を行なったりメンターをつけたりして、業務面をサポートするほか、相談しやすい環境をつくり精神面でもフォローしましょう。入社者に足りないスキルがある場合は、スキル習得を目指した体制を整えます。
6│ まとめ |
スキルベース採用とは、職歴や学歴などを重視して選考を行う一般的な採用と違い、求職者の総合的なスキルを重視した採用手法です。特に、エンジニア採用ではコーディングテストなどのスキルテストを実施して、求職者のスキルを見極めています。
スキルベース採用の導入を成功させるには、人材要件やスキル定義を具体的に設定することや、社内に浸透させるために小規模から実施することがポイントです。
スキルベース採用を自社に導入して、優秀な人材の確保や多様性の向上につなげ、企業を発展させていきましょう。
ブログ編集部
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