そこで今回の記事では、type制作マンがこれまでの取材を通して分析した、業界とエンジニア転職者の志向性を掛け合わせたさまざまな人物像のタイプについて考察を書いていきたいと思います。
一点注意していただきたいのが、この記事についてはあくまでtype制作マンの考察であり、エンジニア転職者が必ずしもこの志向パターンのいずれかに当てはまるわけではありません。
たとえば、ペルソナ設計におけるターゲット像の設定に参考にしていただいたり、近しいターゲット像を狙うにあたって、求人原稿でどのような点を打ち出すと良いのかを検討される際に参考にしていただけますと幸いです。
目次 |
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はじめに|今回の考察を企画した背景について |
今回typeにて、「エンジニア転職者の業界別×志向性別の人物タイプ」の考察を行おうと思い立ったきっかけとしては、以下のような2つの背景があります。
(1)エンジニアの応募獲得に苦戦される企業様からの相談が多く、改めてターゲット設定の重要さとより深いエンジニアのペルソナについて考察を示唆したいと考えた
エンジニア採用を担当されている方の誰しもが実感されているかと思うのですが、エンジニア採用は年々難しくなっており、特に「ターゲットからの応募獲得」に苦戦される企業様が多いです。
過去のブログでもお伝えしてきたように、現在の採用市況では、エンジニア募集の求人数に対してエンジニア転職者の絶対数が足りておらず、今後はさらにその傾向が強まっていくと想定されます。
ただし、typeでは『適切なターゲット設定(ペルソナ設定)』と『ターゲットに刺さる適切な訴求』を行うことで、ほとんどの企業様はしっかりと応募獲得できると考えています。「うちは給与が低いから…」「最先端の技術扱っているわけでもないし、イケイケな自社サービスを開発しているわけでもないし…」というお声をいただくことも多いのですが、すべてのエンジニアが高年収・自社サービス開発に携わりたいと思っているわけではありません。ただし、そのような企業様は自社の強みと狙うターゲット、また訴求ポイントがズレているケースが多いように思われます。
過去の記事にてペルソナ設計の手順やポイントについてご紹介しました(記事はこちら⇒エンジニア採用には「ペルソナ」設計が必須!6つの設計手順とそのポイントを解説)ので、今回の記事ではtypeが考える『エンジニア転職者の人物タイプ』についていくつかのパターンをご紹介し、ペルソナ設計と訴求ポイントの検討に参考にしていただければと思っております。
(2)これまでは「仕事に対する志向性」にフォーカスしていたが、IT業界の中でも業態の多様化が進む中で多様な要素を掛け合わせたペルソナの考察が必要なのではと考えた
typeではこれまで、エンジニア転職者の『仕事に対する志向性』にフォーカスして求人原稿づくりに取り組むことが多かったのですが、近年はIT業界の中でも業態が多様化(SES、SI、Web、XTech…など)、新しい言語スキルの新出、AI・DX・IoTの成長などが進み、一括りに仕事に対する志向性だけでエンジニア転職者をカテゴライズできないのではと考えました。ITのビジネス・テクノロジーの多様化に伴い、エンジニアの志向性も多様化していくためです。
そのため今回の記事では、まず『エンジニアがどこの業界にいるのかor目指しているのか』という点を仕事に対する志向性と掛け合わせて、より深く・多様なエンジニア転職者の人物像について考えていきたいと思います。
ただし、冒頭で述べたようにあくまでこの考察はtypeの経験・知見上から生み出したものであり、またカテゴリ化できないくらいエンジニア転職者の志向性はさまざまです(というより、転職者一人ひとり違うのが当然かと思います)。あくまで求人広告業者の制作担当の一考察として、参考までにお読みになっていただけますと幸いです。
1|エンジニア転職者の4つの志向性とは |
typeでは、エンジニア転職者の志向性は大きく4つのパターンに分けられると考えております。
技術志向のエンジニア転職者は、ずばり『モノづくりにこだわりたいTHE技術者』です。
・技術をいかに実現できるかのこだわりが強く、サービスそのものよりも技術を重視します。
・新しい技術や技術の追求に情熱を傾けたいタイプが多く、最新技術を駆使して難しいシステム構築を実現したりOSSにして公開したり、テックブログを更新してPV数を追いかけたりなど自ら技術力向上と情報発信をするエンジニアの方もいます。
・業務外にも勉強し、技術力向上のセミナーへ参加することも。保有する技術の陳腐化=エンジニアとしての価値の低下だと考えるため、常に新技術へのアンテナを張り巡らせています。
・コミュニケーションとしては淡泊な方もいますが、技術を通じて価値に貢献することへのモチベーションが高く、相性の良い顧客やビジネス・サービスに対しては非常に高いパフォーマンスを発揮する方が多いです。ストイックな姿勢が周囲からリスペクトされることも多くあります。
・技術志向主義
新しい技術を取り入れたい欲求が強い方が多いです。「技術系のカンファレンスで登壇したい」「プログラミング言語を開発してみたい」など自分の技術を高め、それを周囲に認められることがモチベーションにつなげています。
・マネジメントよりもプレイヤー
チームの取りまとめ、顧客折衝よりも「コードを書くことが自分の仕事」と決め込むなど、職人気質な方が多い傾向にあります。
・出世よりもやりたいことを貫きたい
自分の好きな仕事ができれば、出世をそこまで求めていないのがこのタイプの傾向。もちろん仕事の成果を評価されたいという欲求はありますが、出世をして上のポジションにつくということを重視しているわけではありません。
キャリア志向のエンジニア転職者は、「上流・裁量・マネジメント」「プロジェクトのキーマンとして重要なポジションを担えるか」を重視するタイプです。
・メンバーではなく、プロジェクト全体を統括するようなポジションや技術でリードしたい気持ちが強い方が多いです。システム開発において影響力の強い役職への昇進・昇格を重視します。
・最新技術への感度は高いものの、あくまで技術は自身が対応できる領域の幅を広げるためのもの。また技術だけでなく、対人コミュニケーションやシステムにおける課題抽出、結果をもとにした提案などにも意識を向けており、技術だけでなくビジネスの上でどのような立ち位置が評価を得るのか︖という考えを持つ傾向にあります。
・プロジェクトの選択軸としては「トレンドを追いかける」よりも、このプロジェクトでの経験が自分の目指すビジョン(マネジメント・プロフェッショナル)に近づけるモノなのか︖という点に注目する傾向にあります。
・対人コミュニケーションに長けており、IT コンサルタントやCTO、起業して社長になりたいとい
うことを最終的な目標としている方もいます。
・上の役職・ポジションにキャリアアップしたい
必要なスキルという位置づけで技術を習得するなど、マネジメントや折衝経験を積んでステップアップを望む傾向があります。
・統括ポジションになりたい
スケールの大きな仕事に興味・関心が強いです。そのため多くはマネジメントとしてのキャリアを目指しますが、中には技術でリードするというポジションを目指す人もいます。
・ロジカル志向が強い
ロジカルな方は多いですが、中でもキャリア志向の場合は自身のキャリア設計などのPDCA を日頃から意識していることもあり、端的に話し「エビデンス」を重要視する方が多いです。
・成果・実力主義
若くして役職を目指したい人が多く、年功序列の組織は避ける傾向にあります。また評価制度・体系があいまいな組織を嫌煙する傾向も。実力・実績をもとにした明瞭な評価制度を求めるタイプが多いです。
サービス志向のエンジニア転職者は、『社会・顧客の課題解決を重視し、自身で企画ができること』を重視するタイプです。
・プログラミングは手段であって目的ではなく、あくまで技術はサービスを作るための一つの手段でしかないと考える傾向にあります。
・「世の中にない新しいサービスを作りたい」「自分が作ったサービスで誰かを幸せにしたい」という思いが強いです。技術を突き詰めることに興味が強いというよりは、スピーディにサービスをリリースするために新しい技術を学び、効率的に開発に取り入れていくスタンスの方が多いです。
・技術とアイデア・マーケティングスキル・デザインスキルなどを掛け合わせて新しいものを作りだすことに興味を持つ方もいます。他のスキルと掛け合わせて課題を解決していくことで、やりがいに繋げています。
・コミュニケーションスキルの高さが特徴。相手の要望・意見から本質を捉える能力に長けており、社外はもちろん社内他部署との連携もスムーズに行うことが多いです。
・エンドユーザー視点
「自分の成果物をユーザーに届けて、反応や手応えを得ながら開発をしたい」と考える方が多いです。エンドユーザーの反応を今後のサービスの改善に役立てています。
・スキルのバランス感覚が良い
開発スキルに特化しているということはなく、スケジュールの調整やものごとの優先順位づけ、コミュニケーション、タスク管理など多彩なスキルをバランス良く身につけています。
・技術のこだわりはあまりない
開発環境や言語にはあまりこだわらない一方で、課題解決のために新技術を取り入れることもあり、結果的に新言語や環境に触れる機会が多い傾向にあります。
・チームプレイヤー
サービスのリリースには様々な立場の人と協力していくことが必要不可欠。そのため、シャッフルランチなど、プロジェクト以外の場でコミュニケーションを大事にする方が多いです。
安定志向のエンジニア転職者は、『自分の生活を大切にし、無理せず腰を据えて自分のペースで働きたい』と考えるタイプです。
・仕事だけでなくプライベートも大切にし、自分のペースで長く働きたい方が多いのがこのタイプ。給与の高さはそこまで気にしない方も多いように思われます。会社自体の安定性やプライベートの安定性を求める傾向にあります。
・雇用の安定性を気にしており、就業先の規模や利益率にも注目する傾向にあります。
・スキルアップに意欲がないわけではなく、「市況の変化に左右されないよう、大手に転職したい「求められ続けるエンジニアになりたい」という欲求を持ったエンジニアも多数います。ただし、最先端技術に常に携わり、スキルをどんどん上げたいという「技術志向」エンジニアまでスキルアップ欲は強くない方が多いのがこのタイプです。
・休暇制度・待遇重視
月平均残業時間や年間休日などの休日休暇面と、賞与や各種手当等の福利厚生を気にする傾向があります。現状よりも待遇面が改善されることを重視します。
・最先端技術よりも汎用的技術を好む傾向
技術には流行り廃りがあるため、最先端の開発を手掛ける=安定とはならないのがIT業界。安定を求めるこのタイプは、どの業界・分野でも用いられる技術に価値を感じ、習得しようとする傾向にあります。
・役職・マネジメントスキルを得ることにも興味あり
安定的なキャリアを築くためにも、キャリアアップやマネジメントスキルにも関心がある方もいます。
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2|志向性に掛け合わせる4つの業界について |
2の「キャリア志向」に加えて、「業界(エンジニア転職者がいる業界or目指している業界)」も掛け合わせて志向タイプを考察しますが、今回は業界をざっくりと4つに分けています。
ここでは、自社でサービスやソリューション、パッケージを持つ業界を指します。大手企業でいうとメルカリや楽天があります。最先端技術を研究開発し、収益化する企業も増えています。
情報システムの企画・構築・運用を請け負い、統合・一括して担うSystem Integratorを指します。
ソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対してエンジニアの労働を提供する業態です。
特定の企業団体に所属せず、技術提供を行う業態です。個人事業主、または1名での個人企業法人を含みます。エージェントや人脈を通じ、仕事を得る仕組みが多いです。
※フリー業界の事例はまだ多くなく、今回の記事では志向性との掛け合わせはしておりません
3|Web業界×志向別 |
・自分が手掛けるサービスがトレンドに乗っているか、世の中に必要とされており、今後需要が続いていくかを重視する傾向にあります。
・テクノロジーをベースにして革新的・斬新なビジネスを生み出せる組織なのかを重視。技術者指導な組織をより好む傾向にあります。
・一工程を手掛けるのではなく、技術選定、サービス企画、要件定義・設計、開発運用まで手掛けたい方や、新規開発をやりたい方、フルスタック志向でマネタイズやインフラををやりたいという方が多くいます。
会社 |
●ビジョンの内容とサービスの内容の整合性 ●サービスの成長性、テクノロジーへのこだわりがあるか ●先進性のある事業ドメインか(AI、IoT など) ●有名エンジニアの有無、勉強会の有無、社員定着率 |
仕事 |
●サービス開発に適した最先端の環境、使用技術、品質管理体制か ●スピーディな開発が可能な体制、開発スタイル、業務分担ルール ●コミュニケーションツール、使用ツール ●スペシャリストが活躍できるキャリアパスや評価制度 |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●勤務体系の柔軟さ(残業、フレックス、リモート、有休消化率) ●出世スピード、経営ポジションへの抜擢の実績(裁量) |
・自分が描くキャリアの実現のためのステップとなりうるかを重視。サービスの規模・知名度・需要やニーズの高さ、また人脈を広げることができるかという点に注目します。
・エンジニアの功績が評価される制度があるか気にする傾向にあります。技術力を図る評価軸やプロジェクト管理・マネジメントが評価対象になるのか、また技術畑出身者が経営層にいるのか、 CTOなどのポジションがあるのかなど役職を目指せる点も注目します。
・裁量あるポジションに早期に就くために現場開発の段階から、企画・立案のチャンスがあるのかを重視する傾向にあります。
会社 |
●サービスの成長性・将来性 ●エンジニアが評価される体制・風土・理念・価値観 ●経営層に技術畑出身がいるか・CTO などの役職の有無 |
仕事 |
●ポジションが明確に切り分けられている(管理者・実装者等) ●技術力だけでも評価される制度(プロフェッショナル) ●現場のメンバーが新サービス等の企画立案ができる |
待遇 |
●技術力・プロジェクト管理が評価される制度 ●早期の出世が可能か。CTO や経営層へのキャリアがあるか |
・扱うサービスの影響度の大きさを重視する傾向にあります。サービスを通して、世の中やお客様にどのように貢献しているのか。さらには、どのような課題が解決され、どのような未来を描くことができるのかなどを大切にしているためです。
・開発体制は効率的か、いかにより良いサービスをスピーディに提供できるか。無駄をなくし、効率的に業務を進めたいと考えています。リリースの障壁になりそうなことは排除し、自動化ツールやコミュニケーションツールは積極的に導入する傾向にあります。
・サービスの企画、要件定義、設計など、上流から関わりたいと考える傾向があります。企画会議やチーム内での打ち合わせ、振り返りミーティングを定期的に行い、チーム全体で良いサービスを手掛けられるのかを注目する方が多いです。
会社 |
●ビジョン・ミッション・バリュー、サービスの目的や機能 ●サービスの将来性・世の中への貢献度 ●サービスの実績および規模感、シェア率 |
仕事 |
●スピーディで効率的な開発が可能な環境 ●開発スタイルや開発手法、メンバーの裁量、情報共有の方法 |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、昇給、手当、インセンティブ ●柔軟な勤務体系(残業、フレックス、リモート、有給消化率) |
・サービスとして「安定期」のフェーズでサービスを動かせることを好む方が多い傾向にあります。
・やりたいことにチャレンジできているモチベーションの「安定」を求める傾向にあります。やりたい技術・開発スタイルがあるかに注目します。
・流行り廃りの激しいWeb 業界では、自社のサービスの需要がいつまでも続くとは限りません。会社として長く安定していけるのかという点で、サービスが複数あるのか・自社サービス以外も手掛けているのかと多様な事業展開をしているかもこのタイプが気にするポイントの一つです。
会社 |
●一つのサービスによらず幅広い事業展開をしているか ●開発環境に柔軟性があるか ●出資母体や前身企業など、安定したバックボーンがあるか |
仕事 |
●競合はいるか(ブルーオーシャンであるかどうか) ●特定の開発スタイルではなくエンジニア主導で技術を選べるか ●社員やチーム内に勤続年数の長い社員はいるか |
待遇 |
●退職金・財形貯蓄・確定拠出などある程度充実した待遇があるか ●ユニークな資格取得支援制度 ●他事業部への異動の可能性 |
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4|SIer業界×志向性別 |
・エンドユーザーと直接やり取りできるかを重視。Slerが大規模なシステム開発プロジェクトに上流が関われることを利点に感じこの業界に転職を希望する傾向にあります。
・上流工程から最先端技術に携われるかが重要なポイント。顧客がチャレンジしていない新たな技術を提案し、品質向上・コストカットに取り組めることにやりがいを感じる方が多いです。
・大手クライアント案件に携わりたい、求められる開発技術・DB・インフラにおいてより広い視野を求められ、スキルアップできる環境に身をおきたいと考える方が多いです。
会社 |
●エンド直比率、受託比率、課題へコミットできるかどうか ●得意な事業領域、事業のリスク分散など経営の安定性 ●社内におけるエンジニア部門の存在感(技術者ファーストか) ●帰属意識を求めない会社であるかどうか(帰社日、勉強会) |
仕事 |
●多様な業界業種に関われるか、あるいは特定業種特化か ●参画体制、アサインの明確さ・納得性、営業担当との距離 ●開発スタイル、業務分担のルール ●スペシャリストが活躍できるキャリアパスや評価制度 |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●勤務体系の柔軟さ(残業、フレックス、リモート、有休消化率) ●プロフェッショナル向けのキャリアが確立されているかどうか |
・ステップアップするためのスキル習得・技術習得ができる環境であるかを重視。そのため、既存社員のPMは業界内での評価が高いかにも注目します。
・得意分野や特化している事業領域はあるかを重視。ただ上流から取り組めるだけではなく、どのような付加価値が身に着けられるかを気にする傾向にあります。
・PMから入れるプロジェクト件数は豊富かを重視。ステップアップする可能性を高めるため、また自身の案件の幅を広げるためにも、案件の数が豊富、また多彩であるかに注目する方が多いです。
会社 |
●SIer として他社に秀でている数字、領域、分野 ●取引先実績(大手有名企業との直請等の有無) ●上流工程案件の豊富さ(案件総数に対する上流比率) |
仕事 |
●プライム案件を上流から手がけられるかどうか(下流もやるか) ●100 ~ 1000 人単位の大規模プロジェクト開発 ●望むキャリアに向けて案件を自身で選択できる |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●マネジメント職へのステップアップに向けた研修 ●PMBOK などの客観的知見に基づいた評価制度が整っているか |
・Slerとして市場から高く評価されているのかを重視。どのようなサービス開発の実績を持つのか、自身も手掛ける可能性があるのかを気にするのがこのタイプの特徴です。
・エンドユーザーはどこかを気にする傾向にあります。どんな業界か、どのくらいの規模の会社か。単なる技術提供ではなく、サービス改善・売上向上にまで踏み込んだ仕事ができるかどうか。上流から関わるというだけでなく、どこまで深くコミットできるかも気にする点の一つです。
・顧客が求めるサービスへと昇華させるために、どれほど試行回数を増やせるか、納得のいく過程を歩めるのか。それらを経ることで質の高いアウトプットにつながると考える傾向にあります。
会社 |
●すべての案件で最上流から取り組めるか ●獲得する案件の質・幅にこだわりを持っているか ●アウトプットの質を高める施策(勉強会など)を行っているか |
仕事 |
●顧客と時間をかけて開発に取り組める環境か ●品質を担保するための適切な工程(テストなど)があるか ●エンドユーザーのことも意識した開発環境であるか |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●勤務体系の柔軟さ(残業を減らすではなく時間をかけられるか) |
・上流比率、先んじてプライム案件を獲得できる理由などを気にする傾向にあります。技術力の高さや業界内の人脈・評判、そして会社のバックボーンも気にするポイントです。
・経験が浅くても要件定義できるかを気にする傾向にあります。SIer にいる以上、花形のポジションはやはり上流フェーズ。早期に、かつ割が良くこのポジションに入りこめるかどうかは安定志向のエンジニアにとって大きなポイントです。
・スケジュールは融通が利くかを重視。特にエンドユーザー直が多いSIerはスケジュールが調整が利くことが多いことから、この業界に目指す安定志向型のエンジニアはこの点を気にします。
会社 |
●ロースキルなうちから上流に入り込める仕組みがあるか ●経営の安定が見込めるエビデンス(取引数、資本金、所有不動産) ●業界内での評価はどうか、実はSES メインだったりしないか ●実績を収入にダイレクトに反映する仕組みはあるか |
仕事 |
●(たとえニッチであっても)業界内での存在感があるかどうか ●トレンドまたはここでしか得られない専門性・業務知識はあるか ●大手エンドユーザー・上位SIer とのパイプが作れるか ●指示する側かどうか(1 次請けとしてのベンダーコントロール) |
待遇 |
●年次で給与が安定的に上がるかどうか(年功序列が望ましい) ●自分の裁量でスケジューリングできるか ●マネジメントスキルを学べる研修が充実しているか |
5|SES業界×志向性別 |
・できるだけ上流工程を手掛けている企業を求める傾向にあります。顧客の課題や求められるポイントを把握して開発に反映させたいという思いが強い方が多いです。
・自社内への持ち帰り、受託開発は魅力的に感じる方が多いのもこのタイプ。客先常駐は精神的負荷を感じるエンジニアも多く、またプロジェクトの情報伝達が早い・業務効率が良いなどから自社内案件を求める方が多いことが考えられます。
・これまで培ってきた技術力を活かせる環境かを重視する傾向にあります。開発技術や業務知識が「商品力」となるSES エンジニアにとって、次の職場が自分の経験・スキルと符合しているかどうかは大きなポイントとなるようです。
会社 |
●受託比率、2次/3 次/4 次/5 次どの商流での受注が多いか ●案件獲得の手法、どの領域に強い会社か、自社で働けるか ●現場の希望をくみ取るか(給与還元、案件、手当待遇、キャリア) ●帰属意識を求めない会社であるかどうか(帰社日、勉強会) |
仕事 |
●アクティブに動いている案件の数、種別、フェーズ、場所 ●参画体制、アサインの明確さ・納得性、営業担当との距離 ●チーム/ 単独の割合、顧客・SIer との関係性 ●スペシャリストが活躍できるキャリアパスや評価制度 |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●ワークライフバランスの充実度(残業、フレックス、有休消化率) ●プロフェッショナル向けのキャリアが確立されているかどうか ●資格取得支援制度などのスキルアップ支援 |
・上流案件はあるか、またその規模の大きさを重視する傾向にあります。希望のキャリアを歩めるか、キャリアコントロールができるかを気にする方が多いです。
・PM やPL といったマネージャー、プレイングマネージャー、その先のコンサルタントはもちろん、技術のスペシャリスト、運用保守のスペシャリストなど、キャリアステップが多彩かを気にする傾向にあります。
・会社としてエンジニアの目指したいキャリアをどのように支援しているのか。教育する文化・制度が整っているのか。これらはキャリア志向のエンジニアにとって重要な要素の1つです。技術スキル・ヒューマンスキルを伸ばせる会社・環境を好む傾向にあります。
会社 |
●教育文化やサポートなどのバックアップ体制 ●商流が浅いか、プロジェクトの種類 ●20 代でもマネジメントに関われるか |
仕事 |
●統括ポジションや影響度の高い役割が担えるか ●下流フェーズではなく上流に取り組めるチャンスが多いか ●キャリアパスの具体事例、スピーディなキャリアアップが可能か |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●明確な評価制度・360 度評価 ●資格取得支援制度や研修制度 |
・長期案件・有名・大規模・トレンド・最先端技術…。SES だからこそ、ほかにはないユニークな業種・システム・課題に取り組める点がポイント。社会貢献度・知名度の高い案件に「サービス運営者」「経営者」の視点を持って取り組めるかどうかを気にする傾向にあります。
・顧客折衝のチャンスはあるのかを重視。課題解決に対する意識も高いため、開発だけではなく顧客折衝から参画したいという意欲があります。そのため、開発経験しかないエンジニアだとしても上流にチャレンジできる風土があるか、またその実績があるかを気にする方が多いです。
・サブ機能開発ではなく事業の根本に触れられるのかを重視。部分ではなく全体。表面ではなく顧客サービスの根幹に取り組む開発の仕事を好みます。多様な課題に触れることで、基本設計~開発のフェーズに加えてよりよいサービスの醸成につながる技術を学びたいと考えている方が多い傾向にあります。
会社 |
●獲得する案件の質( 商流やフェーズなど) にこだわりがあるか ●受託案件の獲得にも積極的に取り組んでいるか ●サービス運営企業(エンドユーザー)視点が学べる案件はあるか |
仕事 |
●顧客と関わる接点をできるだけ取れるか ●途中で抜けるのではなく、リリース・運用まで携われるか ●品質向上に関する取り組みを行っているか |
待遇 |
●実績を正当に評価する給与、手当、昇給、インセンティブ ●資格取得支援制度や研修制度 ●アイデアを発信できるフラットな職場環境 |
・ワークライフバランスは充実できるかを気にする傾向にあります。安定・不変を望み、仕事よりもプライベートのほうが優先度は高い方もいます。
・現場で苦しむエンジニアの気持ちに寄り添ってくれる会社かどうかを重視。案件ありきのアサインではなく、人ありきのアサイン。エンジニアの働きやすさを作り出してくれる「エンジニアにやさしい」組織であることを求めます。
・今保有している技術がこれからも活きるのかを気にします。案件が豊富で、自身が安定的に働けることをサポートしてくれる会社に対して魅力に思う傾向にあります。
会社 |
●エンジニアの就労環境の向上に取り組んでいるか ●「安定稼働」するエンジニアを評価するかどうか ●エンジニアファーストを標榜し、従業員満足度を追求するか ●顧客企業のハンドリングができているかどうか |
仕事 |
●スキルアップ・キャリアアップをエンジニアに強要しすぎない社風か ●顧客折衝や上流工程と開発フェーズの割合 ※安定志向においては開発に専念したいエンジニアも多い傾向にあります ●営業担当や技術職上長の懇切丁寧なサポートがある |
待遇 |
●労働量に対して収入が多いか。手厚い待遇・手当を設けているか ●休みが多いか ●資格取得支援や研修があるか(緩やかな成長ができるか) ●プロフェッショナル(非ゼネラリスト)を重宝する制度があるか |
6|フリー業界(主にエージェント経由) |
・案件が途切れることはないかを重視する傾向にあります。フリーランスのエンジニアにとって、プロジェクトの質・量は生命線。登録するエージェントを複数持ち、より潤沢な案件を確保する必要があります。
・単価からの還元率を重視します。プロジェクト単価に対する売上(収入)がいくらになっているか。スキル・実績に対する正当な評価を表す最大にして唯一の指標は報酬であるためです。
・Web 系、業務系などのシステムの種別、Java、PHP などの言語種別など、どの種別の案件が多いか注目する方が多いです。現在人気の案件か、あるいは今後伸びが見込まれる案件かを注目する傾向にあります。
会社 |
●獲得する案件の質と量、契約種別(請負契約、準委任契約) ●営業スタイル(取引先との関係重視、待機回避、長期案件優先、売上重視等)、および営業担当のIT リテラシーの高さ ●直契約の比率、顧客とのコミュニケーション量 ●トラブル時の対応の質・納得感 |
仕事 |
●自分のスキルセット・期待収入とマッチするかどうか ●業務範囲、責任の所在(CL 側/契約者側/エンジニア側) ●顧客との接点数(多い/少ない) ●契約更新率、利用者満足度 |
待遇 |
●報酬還元率 ●報酬支払のタイミング、登録規約などの規定 ●交流会、イベントごとの有無 ●ヘルスケアなどの健康保障 |
7|まとめ |
エンジニア転職者の志向性は、「技術志向」「キャリア志向」「サービス志向」「安定志向」の4つに分けられます。
「技術志向」の方は「人を動かすよりも手を動かしたい職人気質」、「キャリア志向」の方は「上の役職やポジションにキャリアアップしたい実力主義者」、「サービス志向」の方は「スキルバランスがいい顧客視点のチームプレイヤー」、「安定志向」の方は「ワークライフバランス重視の汎用的技術者」というタイプです。
エンジニアの志向タイプ別に各業界での転職で求めることや求人原稿での訴求ポイントは異なるため、エンジニアの採用成功を目指し、ご紹介した内容をぜひお役立てください。
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ブログ編集部
「エンジニア採用情報お届けブログ」「女性採用情報お届けブログ」「中途採用情報お届けブログ」は、株式会社キャリアデザインセンター メディア情報事業部「type」「女の転職type」が運営する採用担当者様向けのブログです。構成メンバーは、長年「type」「女の転職type」を通して様々な業界の企業様の中途採用をご支援してきたメンバーになります。本ブログを通して、多くの企業様の中途採用にお役立てできるよう情報発信してまいります。
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