ITエンジニア採用のための最新動向情報をお伝えする本記事ですが、今回は2021年2月時点で以下のデータを元にご案内します!
・IT業界の企業様に実施した中途採用状況のアンケート調査結果報告(2021.01)
・厚生労働省のデータを元にしたITエンジニアの新規有効求人倍率の推移(2020.12)
・総合転職サイト5社の求人数推移とtype転職サイト内のエンジニア転職者の応募数推移や応募者の属性について(2021.01)
新型コロナウイルス感染症の影響によって、これまでより先々の市場の予測がつきにくくなりましたが、小まめにご情報をお伝えすることで少しでも今後の採用活動のご参考になれば幸いです。
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【IT業界版】コロナ禍での中途採用状況に関するアンケート 調査結果報告レポート(2021年1月) 「中途採用活動状況」に関するアンケート調査結果より、IT業界の回答を抜粋しておまとめしています。 【全業界版】コロナ禍での中途採用状況に関するアンケート 調査結果報告レポート(2021年1月) 「中途採用活動状況」に関するアンケート調査結果をおまとめしています。 |
1|IT業界における各企業の中途採用状況 |
2020年12月に企業様へ実施したアンケートの結果報告より、IT業界の回答を一部抜粋して各企業の採用状況についてご紹介します。
「現在採用している職種やポジション」に関する質問をはじめ、「リモートワークの実施状況」や「オンライン面接導入による選考の変化」などコロナ禍に関する項目も調査いたしました。
1-1.|調査概要 |
有効回答数
52社(IT・通信 / インターネット・広告・メディア 業界)
調査方法
採用ご担当者様を対象にWeb上、メール配信により調査
直近、2021年1月1日~1月31日間にtypeサイト内で転職者に検索されたキーワードのランキングでもリモートワークに纏わる関連キーワードは上位に複数ランクインしており、働く環境に対して転職者の関心は非常に高いです。
そのため、実際に求人を出す際などは面接時にオンライン面接が可能なのかどうかをはじめ、研修・実務をどのような環境下で行うのか、実際に働いている人はどのくらいの割合でリモートワークを実施しているのかなど細かく記載しておくことをオススメします。
転職者の安心感に繋がるためです。
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1-2.|現在「採用している」と回答した企業の結果 |
▼現在採用している職種を教えてください(複数回答)
採用職種においては、90.2%の企業が[エンジニア経験者]と回答しました。
次点が[営業経験者]26.8%、その次が[エンジニア未経験者]が24.4%と、上位の中でもエンジニア経験者とは大きく差の開く結果となっており、業界内で求める層がエンジニア経験者に集中していることが分かります。
ポジションにおいても、職種での回答で[エンジニア経験者]がほとんどを占めた結果と比例して、[メンバークラス(中堅)]の回答が90.2%と最も高い結果となりました。
次いで[メンバークラス(若手)]が約60%と過半数を超えており、ポジションにおいては若手~中堅層を求める企業が多いことがわかります。
以前はIT業界内で未経験者を採用し育成していく動きが広がっていましたが、コロナの影響によりリモート下での育成環境が整えられなかったり、そもそも育成に割く人員や時間が無くなった、また、アサインする案件が未経験~微経験では少なくなってしまったなどの理由が要因していると予測されます。
採用手法については複数回答した企業が94%と、ほとんどの企業において複数の採用手法を併用して採用活動を行っている結果が得られました。
▼回答割合
最も活用している採用手法は、「求人サイト(掲載型)」で約70%、次が「自社HP」と「人材紹介」で約60%を占めています。
▼採用手法(複数回答)
回答の多かった求人サイト(掲載型)と併用している手法としては「自社HP」が約60%、「リファラル(知人紹介)」が約46%、「人材紹介」と「求人サイト(成果報酬型)」が約41%でした。
▼求人サイト(掲載型)と併用している採用手法(複数回答)
採用課題に関する回答では[ターゲット人材からの応募獲得]に苦戦している企業が65.9%と最も高い結果でした。
「エンジニア経験者 × 中堅層・若手」の一定層に企業の募集が集中し、取り合いが激しくなっていることが要因しているかもしれません。
▼課題に感じていること・困っていること(複数回答)
2番目に多い回答も[応募獲得に苦戦している]で41.5%と、そもそもの「応募」に課題を感じている企業が大半を占めています。
また、辞退やドタキャンに悩む企業も一定数いることから、「応募があった候補者に対して選考を通していかに動機づけしていくか」の課題も浮かび上がります。
その他の回答としては、「女性技術者の不足」や「テレワーク導入における受け入れ態勢」などの回答がありました。
コロナ前後での中途採用の変化についての質問では、66%と過半数を超える企業が[変化を感じていない]と回答しました。
▼中途採用活動の変化(単一回答)
内、22%を占める[採用が難しいと感じている]と回答した企業の記述では母集団形成に苦戦を強いられている回答や、社内の内的要因が影響している回答が見られました。
・「コロナの影響において募集を控えていた企業が再開したことにより母集団形成に苦慮」
・「IT経験者の採用が難しくなった」
・「未経験者や年齢が高い人の応募が多い」
・「案件が少なくなりすぐすぐの採用がしづらくなった」
・「社内の採用条件が高くなり転職市場と相場が合わなくなった(母集団の不足・ターゲットの年収高)」
12%を占める[採用がしやすくなった]と回答した企業の記述では応募に関するポジティブな記述が多く挙がりました。
・「ターゲット層の母集団形成がしやすくなった」
・「応募比率が2倍に上がった」
・「会社説明会などオンライン開催が主流になり、エントリー数が増加した」
・「優秀な人材からのエントリーが増えた」
オンライン面接を導入している企業に「選考期間に変化があったか」という質問では、[変化なし]と回答した企業が72%と大半を占める中、「短くなった」と回答した企業が20%存在しオンライン面接の導入が選考期間の短縮に繋がった企業が一定数見られました。
▼選考期間の変化
「辞退やドタキャンに変化があったか」という質問に対しても[変化なし]と回答した企業が83%でした。
[多くなった]、[少なくなった]と回答した企業もそれぞれ6%と5%とあまり差は見られない結果となりました。
▼辞退やドタキャンの変化
応募から内定出しまでの平均期間については、1か月以内に完結している企業が100%を占めました。
その内、最も多いのは2週間以内の企業で全体の41%です。
3週間以内までで見ても全体で74%を占めていることから、スピード感をもって選考を行っている企業が多いことがわかります。
内定を早く出した分その時間を候補者フォローなどの動機づけに当てると内定辞退率も下がる傾向にあります。
選考期間が長い場合のデメリットとして、転職者の方が先に内定が出た会社に承諾をし選考を辞退する可能性が高くなる場合がございます。
そのため、もし本ブログを読まれている企業様の中で現在内定出しまで4週間以上かかっている企業様がいらっしゃる場合は、選考フローの見直しを行うなどして選考期間の短縮化を図ることをオススメします。
1-3.|2021年の採用計画について |
2021年の中途採用計画に対しては採用拡大が43.9%と、人員を増やしていく企業の回答結果が最も多い割合を占めました。
現状維持も36.6%と、合わせて約80%の企業が引き続き採用活動を行っていく見通しです。
採用予定職種においても、現在採用中の職種割合と同様の傾向がみられ、エンジニア経験者採用が90%でした。
引き続きエンジニアの経験者採用を行う企業は、企業間同士のバッティングが厳しい状況にあることが予測される状況です。
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【IT業界版】コロナ禍での中途採用状況に関するアンケート 調査結果報告レポート(2021年1月) 「中途採用活動状況」に関するアンケート調査結果より、IT業界の回答を抜粋しておまとめしています。 【全業界版】コロナ禍での中途採用状況に関するアンケート 調査結果報告レポート(2021年1月) 「中途採用活動状況」に関するアンケート調査結果をおまとめしています。 |
2|ITエンジニア採用市場のトレンド |
次に厚生労働省のデータを元に、エンジニア市場の新規有効求人倍率がどのように推移しているかについてご紹介し、実際に転職サイト内では求人数や応募効果がどのように変化しているかをデータを元に見ていきます。
2-1.|2020年12月の新規有効求人倍率推移(厚生労働省のデータより) |
※季節調整値とは…時系列データから季節的な要因(土日、祝日による稼働日数の違いやうるう年の影響等のカレンダー要因など)による変動を取り除くこと
※除パートとは…パートタイム希望者を除いたデータ(派遣労働者や契約社員を希望する者は含まれるため厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる)
情報処理技術者の新規有効求人倍率は新型コロナウイルス感染拡大長期化の影響を受け、2019年12月の4.7倍をピークに緊急事態宣言が出された2020年4月には2.4倍まで下がりました。
そこから、微増減を繰り返しながら2020年12月時点では3.1倍を記録しています。
2021年1月に東京都において緊急事態宣がだされたことからまた求人倍率がやや下がる可能性はありますが、2020年4月時と比較して、各社コロナ禍での採用活動に対してオンラインでの面接対応や中途入社者の受け入れ態勢が整ってきていることや、本記事の目次1項目のアンケート結果より、2021年以降も採用活動を行っていく企業が多いことから、今後は少しずつ新規求人倍率が上がっていくことが予測されます。
2-2.|総合求人サイト5媒体におけるITエンジニア求人の求人数推移と職種別で占める割合 |
では、実際に各媒体社での募集状況はどのような変化をたどっているのか総合求人媒体の求人数データを元に、求人数の推移と2021年2月時点での職種別でエンジニア求人が占める割合を見ていきましょう。
緊急事態宣言が出された翌月の2020年5月時点を1として8月時点・11月時点・2021年2月時点の求人数推移を比較してみました。
傾向として全求人サイトで右肩上がりに増加していることが見て取れます。
東京都において2021年1月に緊急事態宣言が出されましたが、前回ほど求人数にそこまで大きな影響は出ていないことが分かります。
職種別で2021年2月時点の求人数割合を見てみても、IT・通信・Webエンジニアの求人数は土木設計、建築・設備設計系の求人に次いで2番目に多く、採用活動を行っている企業が多い傾向にあります。
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【type】最新版|中途採用マーケット動向データ
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2-3.|typeサイト内ITエンジニア求人への応募者属性 |
次に、typeサイト内におけるITエンジニア求人への応募者属性から、転職者の動きを見ていきます。
冒頭の人事担当者様に行ったアンケートで、圧倒的に採用している割合の高かった「エンジニア経験者」かつ、若手~中堅層の応募データを昨年と今年で比較してみました。
応募数の推移を見ると、2020年1月を1とした場合に2021年1月時点では応募数が前年比1.9倍で増えています。
例年、年末年始は応募効果が鈍化する傾向にありますが、現状ITエンジニアの経験者が以前よりも活発に転職活動を行っていることが分かります。
求人数においては2020年1月を1とした場合に2020年6月にかけて右肩下がりで低下しましたがそこから徐々に求人数が増加し、昨年比1.2倍まで増加しました。
上記より、求人数よりも応募数の増加割合がたかいことから、1求人当たりの応募数も増加していることがわかります。
2-4.|type会員属性から見る転職者動向 |
最後に、実際に転職活動を行っているエンジニアの方の中でも、具体的にどのような層の方が動いているのか、直近半年間に新規登録した会員データを元に見ていきましょう。
▼調査概要
登録期間:2020年8月1日~2021年1月31日間の新規会員登録者
経験職種:IT・通信・Webエンジニア
短大卒業以上:65%
20代~30代:80%
就業中の方:68%
偏り無く幅広い経験者層
20代~30代の登録者が80%と、若手の経験者層が中心に転職活動を行っていることがわかります。
また就業中の方も約7割いらっしゃることがわかりました。
20~30代の経験者はアンケート結果からも分かる通りどの企業も採用したい層として挙げているため、他社とのバッティングが多くなります。
かつ、就業中の方は平均10社応募される傾向にありますので、その中でいかに自社に興味を持ってもらい応募してもらうか、また選考を通して入社意欲を高められるかが非常に重要です。
エンジニアの方は主に4つの志向性(技術思考・キャリア志向・サービス思考・安定志向)に分かれると言われており、志向性ごとに転職で求めることも異なってきますので、求める転職者の志向性と自社の強みを分析してアプローチできると良いでしょう。
これまでのブログで、母集団形成の参考ブログや、面接の動機づけ方法のブログなど、採用課題別の記事や無料e-bookもご用意していますので、もしよければご参考ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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