キャリア採用は、いまや多くの企業が行なっている採用活動ですが、「中途採用」との違いや意味を明確に把握している方は多くないかもしれません。
現在、注目されているキャリア採用は、さまざまなメリットを企業にもたらすため、まだ取り入れていない企業は活用を検討するといいでしょう。
キャリア採用の意味やメリット、デメリット、キャリア採用を成功させるポイントを解説します。
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1.キャリア採用とは |
キャリア採用とは、募集している業界や職種の経験者を採用することで、即戦力人材の確保につながります。「キャリア採用」は、「経験者採用」と同じ意味と考えるといいでしょう。
キャリア採用をすると、採用した人材に即戦力として活動してもらえるため、教育コストがかからなかったり、すぐに成果を出せたりする可能性があります。
【キャリア採用の特徴】 ・業界や職種の経験者を採用する |
2.キャリア採用と中途採用の違い |
キャリア採用と混同しやすい言葉に、「中途採用」があります。キャリア採用と中途採用の違いを解説します。
中途採用とキャリア採用は、募集している業界や職種の経験の有無に違いがあります。中途採用は、業界や職種の経験の有無を問わず、就業経験がある人材を採用するため、業界や職種の未経験者や第二新卒も対象です。
一方で、キャリア採用は、即戦力となりうる経験者を採用するため、キャリア採用と中途採用は募集対象者が異なります。
例えば、営業職を募集する際に、法人営業3年以上の経験者を求める場合はキャリア採用、未経験者を求める場合は中途採用となります。
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3.キャリア採用が注目されている背景 |
終身雇用制度の崩壊により、転職活動が活発化していることで、具体的に次の2つがキャリア採用が注目されている背景として挙げられます。
・即戦力人材の確保 |
(1)即戦力人材の確保
自分のスキルを活かせる企業に就職したり、さらなるスキルアップを図ったりする転職者の活発な動きにより、転職市場には経験のある、即戦力となりうる人材が多くいると考えられます。
終身雇用制度の崩壊だけでなく、少子化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、企業は即戦力となる人材を必要としています。特にITスキルや業界経験が求められ、キャリア採用の重要性が増しています。
そのため、即戦力人材を確保する機会として、現在キャリア採用が注目を集めています。
(2)組織構成のバランスを保つ
企業によっては、企業組織の人材の年代が若手に偏っていたり、中高年層が多かったりして、在籍する年齢層のバランスがとれていないかもしれません。
年齢層に偏りがあると、経験不足から失敗したり、新たな考えやシステムの導入に抵抗を示したり、さまざまな年代の意見から画期的なアイデアが出なかったりするため、企業の成長に支障をきたす恐れがあります。
自社に不足している年齢層の経験者をキャリア採用した場合、組織構成のバランスの保持や、即戦力としての活躍が期待できるため、キャリア採用が注目を集めているといえるでしょう。
4.キャリア採用が多い職種 |
キャリア採用が多い職種は、即戦力が求められる分野で特に見られます。例えば、以下のような職種があります。
キャリア採用が多い職種
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専門性の高い職種は、高度なスキルや知識がないと即戦力になりえないため、即戦力人材が欲しい企業は未経験人材を戦力になるまで育て上げるよりも、キャリア採用を選ぶ傾向があると考えられます。
5.キャリア採用のメリットとデメリット |
(1)キャリア採用のメリット
業界や職種の経験者で、即戦力として活躍が期待できるキャリア採用のメリットは、次の3つです。
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それぞれのメリットについて解説します。
・事業成長スピードの上昇が期待できる
キャリア採用を行うと、事業の成長スピードの上昇が期待できます。キャリア採用は、即戦力となりうる人材を採用できるため、入社後すぐに活躍し、事業の成長に貢献してくれる可能性があります。
事業の成長スピードを高められると、競合他社よりも優位になり、企業の発展にもつながるでしょう。
・自社にない新たな文化やノウハウを得られる
キャリア採用した人材が、自分の知識や経験、価値観を自社にもたらしてくれるため、自社に新たな文化やノウハウを取り込むことができます。
現代は、ITの発展など、さまざまな変化に対応しながら事業を行なっていくことが求められています。変化に対応せず、新たなやり方や考え方を受け入れない場合、企業の成長が鈍化し、衰退していくことになりかねません。
そのため、他社で活躍していた人材をキャリア採用することは、自社の社風やノウハウをアップデートするきっかけになるといえます。
・教育コストの削減
キャリア採用のメリットの1つは、教育コストの削減です。業界や職種の経験者を採用することで、社内教育の負担が減り、即戦力として活躍してもらえる可能性が高まります。
一方で、業界や職種経験があるキャリア採用は、新しい職場に慣れてもらうためのフォローは求められるものの、知識や経験を活かして即戦力として活躍してもらえるため、教育コストや社員の負担が少ないと考えられます。
(2)キャリア採用のデメリット
キャリア採用には、メリットがある一方で、次のようなデメリットもあるため注意が必要です。
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キャリア採用のデメリットについて解説します。
・採用までのコストと時間がかかりやすい
キャリア採用は、採用までのコストと時間がかかる傾向にあります。キャリア採用は、新卒採用と違い、募集をかける時期が決まっているわけではありません。そのため、キャリア採用を募集する時期に、自社が求める人材が転職活動をしているとは限らず、採用するまでのコストや時間がかかる恐れがあります。
また、人材が転職市場に出てきても、より好条件の競合他社にとられてしまったり、そもそも在籍企業で厚遇されていて、転職の意思がなかったりする可能性も考えられるでしょう。
・自社に馴染みづらい恐れがある
キャリア採用した人材は、前職などで培われた仕事への価値観や考え方があるため、自社の社風や業務の進め方に馴染みづらい恐れがあります。新卒入社や未経験入社の場合は、経験値がない状態でのスタートのため、自社の社風や業務に馴染みやすいと考えられます。
一方で、キャリア採用した人材は経験がある分、社風に馴染めなかったり、既存社員と意見が合わなかったりするかもしれません。職場や業務に関する不満や不安から、早期離職の恐れもあるでしょう。そのため入社後もしっかりとフォローを行うことが大切です。
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6.キャリア採用の注意点 |
キャリア採用する際には、人材の入社前と入社後の対応で、気を付けるべきことが2点あります。
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キャリア採用の注意点を解説します。
(1)受け入れ態勢を整える
キャリア採用をする際には、現場の受け入れ態勢を整えることが重要です。キャリア採用は、不定期に行うことが多いため、現場の受け入れ態勢が整っておらず、入社した人材に必要な備品や名刺などの用意が間に合わないことも考えられます。
入社日当日の準備不足により、キャリア採用した人材への対応が疎かになると、企業に対する不信感や業務への意欲低下につながりかねません。
そのため、スムーズな業務やコミュニケーションを実現できるように、事前準備をして受け入れ態勢を整えておいたり、同僚や先輩など、既存社員が積極的に声掛けをしたりして、安心感を与えるようにしましょう。
(2)現場配属後もバックアップを行う
採用担当者は、キャリア採用した人材が現場に配属されたあとも、バックアップするように意識することが大切です。採用担当者の仕事は、採用業務だけでなく、採用した人材が自社の戦力となったり、自社に打ち解けられたりするようにサポートすることともいえるでしょう。
そのため、人材が配属されたあとも声掛けや現状のヒアリングを行なったり、人材が配属された部署の上司との連携も深めたりして、人材の悩みなどを改善しながら、戦力化に向けてバックアップを行いましょう。
7.キャリア採用を成功させるポイント |
キャリア採用を成功させるポイントは、次の3つです。
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キャリア採用は、やみくもに行うと成功する可能性が低いです。キャリア採用を成功させるポイントを踏まえて、実践することをオススメします。
(1)採用したい人物像を明確に設定する
採用したい人物像の明確化は、キャリア採用に限らず、採用業務において重要な手順です。採用したい人物像を明確にしないままキャリア採用を行なった場合、ミスマッチ人材を採用し、即戦力にならなかったり、早期離職を招いてコストが無駄になったりする恐れがあります。
そのため、自社の現状を把握し、どのような課題の解決に向けて即戦力人材が必要なのかをよく検討したうえで、キャリア採用を行うことが大切です。
(2)適切な給与相場・待遇を把握する
キャリア採用を行う際には、適切な給与や待遇を把握し、設定することが求められます。即戦力となる人材は、多くの競合他社から声をかけられる可能性が高いため、自社を選んでもらうには競合他社よりも魅力的な条件を提示することが重要です。
適切な給与相場や待遇は、転職サイトなどを確認すると把握できるでしょう。一方で、既存社員の給与や待遇と大幅に乖離するような条件は、既存社員の不満を募らせてしまうため、自社の現状にも気を配ることが大切です。
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(3)自社のいい面だけでなく現状の課題も伝える
キャリア採用する人材に自社を魅力に感じてもらおうと、自社のいい面ばかりを伝えたくなるかもしれませんが、現状の課題や、自社に不足していることも隠さずに伝えましょう。
自社のいい面ばかりを伝えて、現状の課題などを伝えなかった場合、人材は入社後に想像と現実のギャップを感じ、働きづらさや居心地の悪さから、早期離職に至る恐れがあります。人材が早期に離職した場合、採用コストや入社準備にかけた時間が無駄になり、再度採用する場合は余計なコストもかかります。
そのため、キャリア採用する人材と自社の双方に負担がないように、自社の課題や不足している点なども伝え、理解を得ておきましょう。
面接については「中途採用の面接官必見!志望度を上げる面接テクニック&質問例」をご覧ください。 |
8.まとめ |
キャリア採用は、即戦力となる業界や職種の経験者を採用する手法で、企業の事業成長を加速させる可能性があります。特に教育コストの削減や新たなノウハウの導入が期待できるため、企業の競争力を高める重要な手段と言えるでしょう。しかし、採用にはコストや時間がかかるため、成功に向けた計画と準備が求められます。
また、キャリア採用には自社に適応する能力や社風への馴染みやすさが求められるため、入社後のフォローやサポートが重要です。採用プロセスで重要なポイントは、採用する人物像を明確にし、適切な給与相場を把握すること、そして自社の現状と課題を正直に伝えることです。
これらを意識することで、キャリア採用を成功に導き、企業の成長をサポートする即戦力を手に入れることができます。
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