女性社員の定着率を高める6つの方法とは?具体的なステップも解説!

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女性社員の定着率は、男性社員と比較して低い傾向があり、女性社員が定着しない現状に悩まれている企業も少なくないでしょう。女性社員の定着率を上げるには、ロールモデルの設定や企業文化の浸透など、さまざまな施策の実施が求められます。

この記事では、女性社員の定着率の現状と低い背景、上げるメリット、向上させる方法・ステップをご紹介しています。女性社員の定着率を高められるように、ぜひご参考にしてください。

 

この記事でわかる事

・女性社員の定着率に関する現状

・女性社員の定着率が低い背景

・女性社員の定着率を上げるメリット

・女性社員の定着率を高める方法とステップ

 

 CONTENTS

  1. 女性社員の定着率に関する現状

    1-1 定着率とは
    1-2 男女別の定着率(離職率)
  2. 女性社員の定着率が低い背景

    2-1 ワークライフバランスをとりづらい職場環境
    2-2 根強い性別役割分担意識
    2-3 非正規雇用労働者の割合が多い
  3. 女性社員の定着率を上げるメリット

    3-1 採用・教育コストの削減
    3-2 社員のモチベーションとエンゲージメントの向上
    3-3 ノウハウの蓄積による組織力の強化
    3-4 企業ブランドの向上
  4. 女性社員の定着率を高める6つの方法

    4-1 採用ミスマッチの防止
    4-2 キャリアパスの明確化とロールモデルの設定
    4-3 多様な働き方と福利厚生の充実化
    4-4 公正な人事評価制度
    4-5 ハラスメント対策等による心理的安全性の確保
    4-6 企業文化の見直しと浸透
  5. 女性社員の定着率を向上させる4つのステップ

    5-1 定着率の現状把握
    5-2 離職理由の分析
    5-3 改善策の優先順位づけと実行
    5-4 効果検証と継続的なモニタリング
  6. まとめ

 

 

 

1|女性社員の定着率に関する現状

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女性社員の定着率について、定着率の意味や離職率との違い、男女別の定着率(離職率)をまとめました。

 

 

 

 

1-1.定着率とは

定着率とは、入社後、一定期間働き続けている社員の割合を示します。定着率が高いほど、社員が長年自社で働いていることを意味するため、職場環境のよさがうかがえます。

一方で、定着率が低い場合、自社で長年勤めている社員が少ないことを指し、労働環境や制度などに難があることが考えられます。

 

(1)定着率の計算方法

定着率の計算方法は以下のとおりです。

【定着率の計算式】
一定期間後に働き続けている社員数 ÷ 一定期間の開始時の社員数 × 100

【計算例】
新入社員30人、1年後の在籍人数が20人の場合
20人 ÷ 30人 × 100=66.6%(1年目の定着率)

3年後の在籍人数が15人の場合
15人 ÷ 30人 × 100=50%(3年目の定着率)

 

定着率の算出の際に用いられる「一定期間」は明確に定められておらず、企業によって異なります。
定着率の計算時には、一定期間途中で入社した社員を含めないように注意が必要です。

 

(2)離職率との違い

離職率とは、一定期間中に離職した社員の割合を指します。定着率が、自社で継続勤務している社員の割合を示すのに対し、離職率は離職者の割合を示す点に違いがあります。

離職率が高い場合は、社員が定着していないことを指すため、定着率が低い状況です。離職率は、「100-定着率」の計算で求められます。

 

 

 

 

1-2.男女別の定着率(離職率)

厚生労働省の「-令和5年雇用動向調査結果の概況-」によると、令和5年における男性の定着率は86.2%(離職率13.8%)、女性は82.7%(離職率17.3%)でした。

平成21年からの推移を見ると、女性の離職率は毎年男性を上回っており、女性の定着率が低いことがわかります。

 

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2|女性社員の定着率が低い背景

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女性社員の定着率が低い背景には、次の3つが挙げられます。

・ワークライフバランスをとりづらい職場環境
・根強い性別役割分担意識
・非正規雇用労働者の割合が多い

 

 

 

 

2-1.ワークライフバランスをとりづらい職場環境

女性は妊娠・出産という特有のライフイベントのほか、家事・育児や介護などを主に担うケースも多いです。職場環境が育休や有休をとりづらい、働く時間が固定されていて子供の送迎が難しいなどの場合、プライベートと仕事の両立ができず、心身への負担から離職を選択する可能性が高いでしょう。

働きやすい制度が整っていたとしても、上司や同僚の理解不足や認知の低さによって、制度が利用されないこともあります。

 

 

 

 

2-2.根強い性別役割分担意識

日本は古くからの慣習によって、現代においても性別役割分担意識が根付いている場合があります。例えば「男性のほうが管理職に向いている」「女性は簡単な仕事をしていればいい」などの性別役割分担意識によって、女性にはリーダーや管理職になる研修を実施しない、重要な仕事を任せないというケースも見受けられるでしょう。

やりたい仕事ができない、能力を正当に評価してもらえないなどの状況からモチベーションが低下し、離職する女性社員が増えて定着率が下がってしまいます。

 

 

 

 

2-3.非正規雇用労働者の割合が多い

女性は、男性と比べて非正規雇用労働者の割合が多いです。厚生労働省の「男性労働者及び女性労働者のそれぞれの職業生活の動向」によると、非正規雇用労働者に占める割合は男性31.8%、女性68.2%で、女性は男性の2倍以上の数値を示しています。

非正規雇用労働者は、一時的な人材不足などを補う目的で募集され、勤務期間も短いケースがあるため、女性社員の定着率が低くなりがちです。

 

 

 

3|女性社員の定着率を上げるメリット

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女性社員の定着率を上げるメリットとして、下記が挙げられます。

・採用・教育コストの削減
・社員のモチベーションとエンゲージメントの向上
・ノウハウの蓄積による組織力の強化
・企業ブランドの向上

女性社員の定着率向上によってどのようなメリットがあるのか、確認しましょう。

 

 

 

 

3-1.採用・教育コストの削減

女性社員の定着率が向上し、多くの人材が長く勤めるようになれば、人材不足を補うための採用コストや新たな人材を育てる教育コストがかからないため、経費を抑えられます。

採用担当者や新人教育の担当者もほかの業務に注力でき、生産性を高めることにもつながるでしょう。

 

 

 

 

3-2.社員のモチベーションとエンゲージメントの向上

女性社員の定着率を高めるには、職場環境や働きやすい制度の整備が必要です。性別問わず、すべての社員にとってプラスとなる取り組みのため、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上が期待できます。

社員の業務に対する意欲が高まれば、職場の雰囲気が明るくポジティブなものになったり、課題解決や業務改善に積極的になれたりなど、自社にとってよい影響があります。

 

 

 

 

3-3.ノウハウの蓄積による組織力の強化

業務に対する知識や技術、スキルは、長年勤めたほうが身につく可能性が高いです。女性社員の定着率が上がった場合、長期にわたって習得した知識やスキルを継続的に仕事に活かすことができるため、ノウハウの蓄積と向上が可能です。

自社で活躍する優秀な人材が増えるほど組織力が強化され、安定的な事業経営や突発的なトラブルへの迅速かつ適切な対応ができるようになります。

 

 

 

 

3-4.企業ブランドの向上

社員の定着率が高いということは、社員にとって働きやすい環境であると推測できます。なかでも、ライフイベントに左右されやすい女性社員の定着率の高さは、ワークライフバランスを重視する女性求職者にとって魅力的なため、企業ブランドを向上させる効果があります。

社員を大切にする企業として求職者のみならず社会的に評価され、売上や出資支援者が増加する可能性もあります。



 

4|女性社員の定着率を高める6つの方法

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女性社員の定着率を高めるには、採用ミスマッチの防止やロールモデルの設定などの取り組みが必要です。

・採用ミスマッチの防止
・キャリアパスの明確化とロールモデルの設定
・多様な働き方と福利厚生の充実化
・公正な人事評価制度
・ハラスメント対策等による心理的安全性の確保
・企業文化の見直しと浸透

女性社員の定着率を高める方法について、具体的にご紹介します。

 

 

 

 

4-1.採用ミスマッチの防止

採用ミスマッチが生じると、時間や費用をかけて採用した女性社員が働きにくさや居心地の悪さを感じ、早期離職する恐れがあります。

採用ミスマッチは離職率を高め、定着率を下げてしまうため、採用段階で自社に合う人材を適切に募集・見極められるように、社風や業務内容を明確に伝えたり、面接で本音をヒアリングしたりすることが大切です。

 

💡採用ミスマッチの原因と防止策について詳しくまとめた記事はこちら

採用ミスマッチが起きる5つの原因とは?デメリットと防止策をご紹介

 

 

 

 

4-2.キャリアパスの明確化とロールモデルの設定

女性社員は、妊娠や出産、育児などのライフイベントによって、キャリアの継続が難しいケースがあります。希望のキャリアを実現できない状況は離職を招きやすいため、企業は女性社員のキャリアパスを明確にするサポートを行い、キャリアの実現に向けてスキルアップの機会などを積極的に提供することが望ましいです。

家庭とキャリアを両立し、活躍している女性社員のロールモデルがいる場合は、女性社員にとってキャリアを継続するイメージが湧きやすくなるため、ロールモデルの設定も効果的です。

 

 

 

 

4-3.多様な働き方と福利厚生の充実化

多様な働き方の導入や、充実した福利厚生は女性社員の定着率向上に欠かせない取り組みです。例えば短時間勤務やフレックスタイム、リモートワークなどの柔軟な働き方ができる制度が整備されていると、育児・介護と仕事を両立しやすくなります。

事業所内保育施設の設置やベビーシッター補助、企業独自の特別休暇などの福利厚生も充実すると、女性社員の満足度が上がり、定着率も高まるでしょう。

 

💡短時間勤務制度の概要と注意点について詳しくまとめた記事はこちら

時短勤務(短時間勤務)とは?内容や期間、メリット・デメリットを解説

 

 

 

 

4-4.公正な人事評価制度

社員の昇進・昇給やボーナスなどに関わる人事評価制度は、公正な評価がされることで社員のモチベーションアップにつながり、定着率の向上も期待できます。

労働時間の長さなど、能力や実績以外で評価する場合は、産育休などで職場を離れる期間が長くなりがちな女性社員の評価が上がりにくく、高スキルの人材ほど不満を抱き、離職する恐れがあります。

そのため、誰もが公正に評価される仕組みを構築し、社員の満足度とやる気を高めることが大切です。

 

 

 

 

4-5.ハラスメント対策等による心理的安全性の確保

心理的安全性とは、自分の意見や考え、気持ちを安心して伝えられる状態のことです。心理的安全性が高まると、職場内の風通しがよくなり、悩みなども相談しやすくなって社員の定着率が高まります。

心理的安全性を確保するには、ハラスメント対策の一環として相談窓口を設ける、1on1や雑談の時間を増やして信頼関係を深めるなどの取り組みが必要です。

女性社員が安心して働けるように、心理的安全性を確保する施策を講じることが重要です。

 

 

 

 

4-6.企業文化の見直しと浸透

企業文化を女性社員が理解していない場合、価値観に馴染めない、自社の方針がわからないなどで、モチベーションを維持することが難しいです。「出世は男性から」など、女性社員にとって不利な内容であれば、自社で働き続けることに疑念を抱き離職となる恐れもあるでしょう。

そのため、女性社員の定着率を高めるには、自社の企業文化を浸透させて理解を深めたり、必要であれば見直して誰もが活き活きと働ける環境を作ったりすることが大切です。

 

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5|女性社員の定着率を向上させる4つのステップ

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女性社員の定着率を向上させるには、次の4つのステップを試みましょう。

・定着率の現状把握
・離職理由の分析
・改善策の優先順位づけと実行
・効果検証と継続的なモニタリング

女性社員に限らず、社員の定着率を高めるために必要なステップです。各ステップについてご紹介します。

 

 

 

 

5-1.定着率の現状把握

まずは、自社の定着率の現状を把握しましょう。前述の計算方法を参考に、1年、3年などの期間を設定して、自社の全体、部署ごと、年代ごとなど、項目別に定着率を求めていきます。

細かい項目にわけて定着率を求めることで、定着率が低い部署や離職者が多い年代などを特定できます。

 

 

 

 

5-2.離職理由の分析

定着率の現状を把握できたら、離職理由を分析していきます。離職者との面談やアンケートによって離職理由を聞き取り、なぜ離職に至ったのか、自社の制度や施策、職場環境などの課題を特定しましょう。

「給与が低い」「育児との両立が難しい」など、ヒアリングした内容をそのままの意味で受け取るのではなく、「評価制度が不公正なのかもしれない」「働きやすい制度が未整備ではないか」「フォロー体制が整っていないのではないか」のように、課題の本質を見抜くことが大切です。

 

 

 

 

5-3.改善策の優先順位づけと実行

離職理由をヒアリングして課題の本質を見抜けたら、改善策を打ち出していきます。改善策は、優先順位をつけて実行していくことが望ましいです。複数の改善策を並行して行うと、リソース不足となって中途半端になる、どの改善策が効果的だったのかわからないという状況に陥る恐れがあります。

また、改善策には数値目標も定めましょう。例えば、一定期間後の福利厚生に対する社員の満足度90点以上、などと設定することで取り組みへの評価をしやすいです。

 

 

 

 

5-4.効果検証と継続的なモニタリング

最後に、実行した改善策に対する効果検証を行います。社員への満足度調査やヒアリングなどを実施して、どのくらいの効果があったのかを評価します。

効果をさらに高めるには、社員からのリアルな声を改善策に活かして、継続的にモニタリングしていくことが大切です。課題に応じて短期・中長期的に取り組み、定期的な振り返りとブラッシュアップを行なっていきましょう。

 

 

 

6|まとめ

女性社員の定着率が低い背景には、ワークライフバランスをとりづらい職場環境や根強い性別役割分担意識などが挙げられます。

女性社員の定着率が上がると、モチベーションや企業ブランドの向上など、社員と企業双方によい効果があるため、働きやすい環境の構築や採用ミスマッチの防止などに取り組んで、定着率を高めることが望ましいです。

まずは自社の定着率の現状把握と離職理由の分析に努めて、効果的な改善策を打ち出していきましょう。

 

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