スカウト型採用とは、企業が求職者へ直接アプローチする採用手法です。
スカウト型採用を効果的に活用できると、人材獲得競争が激化している採用市場でも優秀な人材を確保できる可能性があります。
中途採用にも活かせるスカウト型採用のメリット・デメリット、向いている企業の特徴、成功事例をご紹介します。
目次
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2-1 人手不足による人材獲得競争の激化
2-2 働き方の多様化による雇用の流動化 -
3-1 優秀な人材に直接アプローチできる
3-2 採用活動の効率化を図れる
3-3 採用コストを抑えられる -
4-1 採用担当者のスキルや経験に結果が左右されやすい
4-2 大人数の採用には不向き
4-3 運用に工数がかかる -
5-1 優秀な人材や専門性の高い人材を採用したい
5-2 自社のペースで採用したい
5-3 スカウトを送る人的コストを割くことができる -
6-1 採用要件・採用ペルソナを明確にする
6-2 スカウトメールの件名と内容を工夫する -
7-1 サービス登録者の属性が自社に適しているか
7-2 母集団の大きさ・自社のターゲットがどのくらいいるか
7-3 費用相場が妥当か -
8-1 ワントゥーワンのスカウトメールで魅力を訴求!経験者含む20代6名の採用に成功
8-2 スカウトメールを何パターンかに分けて設定!ベテラン層40代2名の採用に成功
8-3 スカウトメールでやりたい技術を用意できる旨をアピールし、20代の開発経験者2名を採用
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1.スカウト型採用とは |
スカウト型採用とは、企業が求職者へスカウトメールを送り、直接アプローチする採用手法です。
スカウト型採用は、求人サイトに求人を掲載して求職者からの応募を待つしかない従来の採用手法と異なり、企業が積極的に求職者へアプローチし、応募を促すことができるため、「攻めの採用手法」とも呼ばれています。
企業からのスカウトメールを受け取った求職者が応募意思を示した場合、選考に進みます。
2.スカウト型採用が注目される背景 |
新卒・中途採用問わず活用できるスカウト型採用は、現在注目を集めています。
スカウト型採用が注目される背景を解説します。
(1)人手不足による人材獲得競争の激化
日本は現在、少子化が進行しており、労働人口が減少の一途をたどっています。多くの企業が、数が限られる労働人口を確保しようとしている状況で、従来のように求職者からの応募を待つ採用手法をとっていると、人材獲得競争に負けてしまう恐れが高いです。
そのため、自社が求める優秀な人材に直接アプローチでき、自社への応募を促したり認知を広げたりできるスカウト型採用が注目されています。
(2)働き方の多様化による雇用の流動化
働き方の多様化によって転職へのハードルが低くなっており、雇用が流動化しています。多くの優秀な人材がより自分に合った企業に転職しようと市場にいる可能性がありますが、知名度の高い企業に応募が一定数集まりやすく、知名度の低い企業は苦戦するかもしれません。
スカウト型採用で直接アプローチすると、自社の知名度が低くても興味を持ってもらえれば応募につなげられるため、スカウト型採用に注目が集まっています。
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3.スカウト型採用のメリット |
スカウト型採用には3つのメリットがあります。
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スカウト型採用のメリットを詳しく解説します。
(1)優秀な人材に直接アプローチできる
スカウト型採用は、優秀な人材に直接アプローチできるメリットがあります。求人を掲載して応募を待っていても、必ずしも応募が来るとは限りません。ターゲット外の人材から応募が来ることもあるでしょう。
スカウト型採用を活用すれば、企業から積極的に求職者へアプローチできるため、自社が求める人材からの応募を集められる可能性があります。
受け身の姿勢から攻めの姿勢になることで、優秀な人材を逃したり競合他社に人材獲得競争で負けたりするリスクを避けられます。
(2)採用活動の効率化を図れる
従来の採用手法では、ターゲット外を含むさまざまな人材から応募が集まり、スクリーニングや候補者対応に手間や時間がかかりました。
一方のスカウト型採用は、企業が求職者情報を確認し、欲しいと判断した人材に声をかけるため、選考を効率的に行えるメリットがあります。
すでに企業が求める人材であることは確認できているため、選考の一部を省略すると、採用までの期間短縮にもつながります。
(3)採用コストを抑えられる
スカウト型採用の料金体系は、「利用料金+採用者の年収〇%」の成功報酬型か、月額や年額で料金が固定されている定額型です。
具体的な費用はサービスによって異なりますが、スカウト型採用でかかる費用はほかの採用手法と比較すると安い傾向があるため、効果的に運用できれば採用コストを抑えられる可能性があります。
4.スカウト型採用のデメリット |
スカウト型採用にはデメリットもあります。
スカウト型採用を検討する企業は、デメリットも十分に把握しておきましょう。
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(1)採用担当者のスキルや経験に結果が左右されやすい
スカウトする人材を抽出したり、求職者に送るメールの文面を考えたりすることが求められるスカウト型採用は、採用担当者のスキルや経験によって成功が左右されやすいです。
採用担当者が人材を適切に見極められない場合、ターゲット外の人材にメールを送ってしまい、スカウト型採用のメリットを得られないでしょう。また、求職者が応募したいと思えるような文面でないと、応募してもらえず採用目標を達成できない恐れがあります。
採用担当者によって採用活動の質にムラが生じないように、採用ノウハウを蓄積したり、文面の雛形を作っておいたりしましょう。
(2)大人数の採用には不向き
スカウト型採用は、大人数の採用には不向きです。スカウト型採用は、求職者の情報を読み込み、一人ひとりに合わせたメッセージを送るため、大人数の採用に活用しようとすると多大な労力がかかってしまいます。
大人数を採用したい場合は、採用担当者を増やして多くの人材に対応できる体制を整えるか、転職に意欲的な人材が多い求人サイトに求人を掲載し、応募を待つ手法も併用するなどの工夫が求められます。
(3)運用に工数がかかる
スカウト型採用は、運用に工数がかかるというデメリットがあります。人材にスカウトメールを送るにあたり、ターゲット人材を抽出する作業、スカウトメールの文面を考えて送る作業、スカウトメールへの返信対応などの工数が発生します。
採用担当者のリソースが不足している場合、各作業を効果的に行えない恐れがあるため、必要に応じて現場にも協力をお願いしたり、外部サービスを利用したりすることも検討しましょう。
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5.スカウト型採用に向いている企業の特徴 |
スカウト型採用に向いている企業には、3つの特徴があります。
自社がスカウト型採用に向いているかわからない企業は、下記に当てはまるか確認してみましょう。
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スカウト型採用に向いている企業の特徴をご紹介します。
(1)優秀な人材や専門性の高い人材を採用したい
優秀な人材や専門性の高い人材を採用したい企業は、スカウト型採用の活用をオススメします。高レベルなスキルを持つ人材は、在籍企業も手放したくないため、転職市場にいることが少ないです。
転職市場にいたとしても、知名度の高い企業ばかりが注目され、知名度の低い企業が応募を獲得することは難しいでしょう。
スカウト型採用を活用すれば、自社の存在や魅力を直接求職者に伝えられるため、高レベルなスキルを持つ人材を採用できるチャンスがあります。
(2)自社のペースで採用したい
スカウト型採用は、人材を採用したくなったらスカウトするなど、自社で採用のペースをコントロールできます。
求職者からの応募を待つ採用手法では、応募を待ったり、応募が来たタイミングで対応したりする必要があり、ペース調整がしにくいです。
一方で、スカウト型採用は、必要なタイミングで必要な数のスカウトメールを送れるほか、応募期限も自由に設定できるため、利用しやすいでしょう。
繁忙期が一定ではない企業などは、スカウト型採用を活用すると手間やコストをかけずに採用活動を行える可能性があります。
(3)スカウトを送る人的コストを割くことができる
運用の工数がかかるスカウト型採用は、スカウトを送る人的コストを割くことができる企業に向いています。人的コストを割けないのにスカウト型採用を導入すると、ほかの業務を圧迫したり、スカウトに注力できなかったりする恐れがあります。
採用担当者の負担ばかり増えて、採用活動の質は高められないという事態になりかねないため、スカウトを送る専任担当者を設けられるなど、リソースがある企業はスカウト型採用のメリットを大いに得られるでしょう。
6.スカウト型採用のポイント |
スカウト型採用を成功させるポイントは、次の2つです。
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スカウト型採用のポイントについて詳しく解説します。
(1)採用要件・採用ペルソナを明確にする
自社が求める人材に適切にアプローチできるように、採用要件と採用ペルソナを明確にすることがポイントです。求職者が難易度の高い資格を持っているから、募集職種を経験済みだから、などの理由で安易にスカウトすると、ミスマッチが生じて採用コストや教育コストを無駄にしかねません。
スキルや能力だけでなく、志向や仕事に対する価値観なども考慮してスカウトすることが大切なため、採用要件とペルソナを設定し、担当者間で共有したうえでスカウト型採用を行なっていきましょう。
💡採用ペルソナの作り方や活用方法についてまとめた記事はこちら |
(2)スカウトメールの件名と内容を工夫する
スカウト型採用は、求職者に送るスカウトメールの件名と内容を工夫することが求められます。自社情報や求人情報を知ってもらうには、まずはメールを開封してもらう必要があるため、求職者にとって魅力的な件名になるように工夫しましょう。
また、求職者の応募意欲を高めるために、メールの内容に自社の魅力を入れ込んだり、「あなただからスカウトした」という特別感を出したりすることも大切です。
💡スカウトメールの書き方やコツについてまとめた記事はこちら |
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7.スカウト型採用の注意点 |
スカウト型採用のサービスは複数あるため、導入する際には下記の注意点を意識して選びましょう。
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スカウト型採用の注意点をご紹介します。
(1)サービス登録者の属性が自社に適しているか
スカウト型採用のサービス登録者の属性が、自社に適しているかを調査しましょう。せっかく登録しても、自社に適した求職者がいない場合はスカウトメールを送れないため、コストだけがかかることになりかねません。
登録者の属性は、各サービスの利用者獲得方法を調べると把握できる可能性があります。例えば、有名大学から利用者を獲得しているサービスの場合、有名大学の登録者が多いでしょう。若手人材をターゲットとして利用者を獲得しているサービスは、若手人材の採用に効果的かもしれません。
(2)母集団の大きさ・自社のターゲットがどのくらいいるか
各サービスの母集団の大きさを調査し、併せて自社のターゲットがどのくらいいるかも確認することが大切です。母集団や自社のターゲットが少ないサービスを利用すると、登録してすぐにスカウトメールを送る対象がいなくなる恐れがあります。
そのため、各サービスの登録者数を一覧で出して、比較検討しましょう。また、登録者が自分のスキルや経験などの情報を豊富に登録できたり、企業側の検索機能が充実していたりするサービスは、自社のターゲット数の把握につながります。
登録者の情報をさまざまな条件で絞り込んで検索できた場合、登録しているターゲット数がわかるほか、スカウトメールを送る際にも効率的にターゲット人材を探せるでしょう。
(3)費用相場が妥当か
スカウト型採用の各サービスによって、費用が異なります。企業は、採用目標人数や予算を決めて採用活動を行うため、自社の予算内で収まるか、目標人数を達成できるかを、各サービスの費用を確認して見極めることが必要です。
複数名採用の場合は、定額型の料金体系のサービスを利用すると一人当たりの採用単価を抑えられ、採用コストの削減につながります。
💡採用コストと採用単価の違い、相場についてまとめた記事はこちら |
8.スカウト型採用の成功事例 |
弊社が運営している転職サービス「type」で、スカウト型採用を活用し、採用成功した企業の事例をご紹介します。
(1)ワントゥーワンのスカウトメールで魅力を訴求!経験者含む20代6名の採用に成功
採用課題
IT・通信業界の企業様は、元々他社の求人サイトを利用しており、採用もできていましたが、目標数まで獲得できなかったり、採用要件を満たしていなかったりして、採用に苦戦していました。
運用における工夫点
送信方法と件名、本文を工夫して、スカウトメールを積極的に活用されました。求職者に思いが伝わるように、一斉送信を避けてワントゥーワンで送るように意識。件名も思わず目に留まるような内容にして、開封率を高められました。
本文は、一斉送信ではないことが伝わるように、求職者の経歴書を読み込み、経験や技術を自社でどのように活かし、活躍できるかを伝えるように工夫されました。
採用結果
計3回の掲載で経験者を含む20代男女6名の採用に成功。
━ 採用事例の詳細はこちら ━ |
(2)スカウトメールを何パターンかに分けて設定!ベテラン層40代2名の採用に成功
採用課題
法人向けの営業職を募集していた企業様は、他社のサービスを利用していましたが、ベテラン層を厚くするためにキャリア志向の登録者が多いtypeでの掲載を決められました。
前回typeを利用された際に、他社のサービスと比較してスカウトの反応率がよかったことや、マッチした人材を採用できたことも決め手として挙げられました。
運用における工夫点
typeのスカウトメールは送信条件を細かく絞れるため、スカウトメールを何パターンかに分けて設定し、条件ごとに文面を作成して送信されました。例えば、「経験職種が営業で希望職種も営業の方」、「現住所が地方で、希望勤務地が東京な方」など。
スカウトメールを受け取った求職者が、自分に向けたメッセージだと思ってもらえるように、文面を工夫されました。
採用結果
経験豊富なベテラン層40代2名の採用に成功。
━ 採用事例の詳細はこちら ━ |
(3)スカウトメールでやりたい技術を用意できる旨をアピールし、20代の開発経験者2名を採用
採用課題
SES事業を展開している企業様は、業務量の増加に伴い経験者採用をするべく、応募者の質を担保しながらの母集団形成を必要とされていました。
運用における工夫点
スカウトメールで送信対象を絞り込んだあと、対象の求職者の経歴に合わせた文面に変更されました。スカウトメールで、求めているポジションや給与面の条件、やりたい技術などを用意できる旨をアピールし、求職者に魅力に映るように工夫されました。
文面を変更しなかったスカウトメールよりも、文面を変更したスカウトメールのほうが求職者の反応がよく、文面だけで伝わらないことは面接時に伝えられました。
採用結果
20代の開発経験者2名の採用に成功。
━ 採用事例の詳細はこちら ━ |
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9.まとめ |
求職者へ直接アプローチできるスカウト型採用は、採用活動の効率化が図れるメリットがある一方で、運用に工数がかかるデメリットもあるため、人的コストを割くことができる企業に向いている採用手法です。
スカウト型採用の効果を高めるには、スカウトメールの件名と内容を工夫し、求職者にとって魅力的に映るようにする、自社のターゲットが多く登録しているサービスを利用することなどが求められます。
ご紹介したスカウト型採用の成功事例をご参考にして、自社の採用活動にスカウト型採用を活かしていきましょう。
いかがでしたか。もし中途採用について悩まれている、自社にとって適切な手法が分からないといった場合は、ぜひ弊社キャリアデザインセンターにご相談ください。エンジニア採用・女性採用に特に強みを持ち、あらゆる中途採用ニーズに対応できるサービスを運営しております。
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