産後パパ育休とは?育休との違いや給付金の要件・申請方法を解説!

産後パパ育休とは?育休との違いや給付金の要件・申請方法を解説!-03-202501

産後パパ育休とは、男性の育児休業取得促進のために、令和4年(2022年)10月1日の育児・介護休業法の改正によって新たに創設された制度です。

産後パパ育休を従業員が取得した場合、給付金を受けられるかもしれません。従業員に制度の内容を周知したり適切に給付金を受けられたりするように、育休との違いや要件等を把握しておきましょう。

産後パパ育休の内容や給付金受給の要件、男性の育休取得状況、育休との違いと法改正による公表対象企業の拡大について解説します。

 

この記事でわかる事

・産後パパ育休の制度内容

・男性の育休取得状況

・産後パパ育休取得による給付金の要件

・法改正によって新たに公表義務化された企業

 

 

 CONTENTS

  1. 産後パパ育休とは

  2. 男性の育休取得状況

    2-1 男性の育休取得率
    2-2 男性の育休取得期間
  3. 産後パパ育休の要件・給付金・申請方法

    3-1 産後パパ育休の要件
    3-2 産後パパ育休の給付金
    3-3 産後パパ育休の申請方法
  4. 産後パパ育休と育休、パパ・ママ育休プラスの違い

    4-1 産後パパ育休と育休の違い
    4-2 産後パパ育休とパパ・ママ育休プラスの違い
  5. 法改正に伴う男性の育児休業取得率等の公表

  6. まとめ

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1|産後パパ育休とは

産後パパ育休とは1-03-202501「産後パパ育休」とは、産後8週間以内に4週間(28日)を限度として、2回にわけて取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」のことです。産後パパ育休制度は、令和4年(2022年)10月1日の育児・介護休業法の改正によって、新たに創設されました。

産後パパ育休は、子の出生直後という取得ニーズが高い時期に、1歳までの育児休業とは別に取得できるため、従来よりも柔軟な休業取得の実現によって男性の育児休業取得促進を目指しています。

産後パパ育休の申出は、原則休業の2週間前までですが、事業主が改正内容を上回る取り組みを労使協定で定めている場合は1か月前までを期限とすることが可能です。

参考:厚生労働省「令和3(2021)年法改正のポイント

 

 

 

2|男性の育休取得状況

産後パパ育休とは2-03-202501

男性の育休取得状況を、取得率と取得期間にわけてまとめました。

 

 

 

 

2-1.男性の育休取得率

厚生労働省の資料によると、令和5年度における男性の育休取得率は30.1%でした。令和2年度から10%を上回るようになり、令和4年度の17.13%からは10%以上も大きく増加していることがわかります。

男性の育休取得率

注:平成 23 年度の[ ]内の割合は、岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果

 

一方で、女性の育休取得率を見ると、平成19年度から80%を超える状況が続いています。

女性の育休取得率

注:平成 23 年度の[ ]内の割合は、岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果

 

女性と男性の育休取得率を比較すると、男性の育休取得率はまだまだ低いといえるでしょう。

参考:厚生労働省「「令和5年度雇用均等基本調査」の結果概要

 

 

 

 

2-2.男性の育休取得期間

厚生労働省の同資料で、令和5年度における男女の育休取得期間のうち最も多いものを見ると、女性は「12か月~18か月未満」であるのに対し、男性は「1か月~3か月未満」です。

  男性 女性
5日未満 15.7 0.4
5日~2週間未満 22.0 0.2
2週間~1か月未満 20.4 0.6
1か月~3か月未満 28.0 1.8
3か月~6か月未満 7.5 4.4
6か月~8か月未満 2.9 4.6
8か月~10か月未満 0.8 11.4
10か月~12か月未満 1.1 30.9
12か月~18か月未満 1.4 32.7
18か月~24か月未満 0.2 9.3
24か月~36か月未満 0.0 3.0
36か月以上 - 0.5

(単位:%)

 

男性は5日~3か月未満、女性は10か月~18か月未満で育休を取得している傾向があり、男性の育休取得期間は女性と比較して短いことがわかります。

参考:厚生労働省「「令和5年度雇用均等基本調査」の結果概要

 

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3|産後パパ育休の要件・給付金・申請方法

産後パパ育休とは3-03-202501

産後パパ育休を従業員が取得すると、企業は出生時育児休業給付金の支給を受けられます。

支給の要件と給付金額、申請方法を解説します。

参考:厚生労働省「育児休業 、産後パパ育休や介護休業をする方を経済的に支援します

 

 

 

 

3-1.産後パパ育休の要件

産後パパ育休の取得で出生時育児休業給付金の支給を受けられる要件は、次のとおりです。

①休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数(※1)が11日以上ある完全月が12か月以上あること
(11日以上ない場合は就業している時間数が80時間以上の完全月が12か月以上あること)

②休業期間中の就業日数が最大10日以下であること(休業日数が28日間の場合)(※2)
(10日を超える場合は就業している時間数が80時間以下であること)

※1賃金支払基礎日数・・・原則、日給者は各月の出勤日数、月給者は各月の暦日数
※2休業日数が28日間より短い場合は、日数に比例して短くなる
例1:休業日数が14日 → 最大5日(5日を超える場合は40時間)
例2:休業日数が10日 → 最大4日(4日を超える場合は約28.57時間)

産後パパ育休期間中に就業した総時間の分単位の端数は切り捨てとなり、産後パパ育休を分割取得する場合は、各期間ごとに端数処理を行います。

 

 

 

 

3-2.産後パパ育休の給付金

産後パパ育休を従業員が取得した際に発生する給付金額は、次のとおりです。

休業開始時賃金日額(※1)× 支給日数 × 67%(※2)

※1休業開始時賃金日額・・・原則、育児休業開始前6か月間の賃金を180で除した額
※2支給された日数は、育児休業給付金の支給率67%の上限日数である180日に通算される

産後パパ育休期間中に従業員が就業し、事業主が賃金を支払った場合は、賃金額に応じて支給額が調整されます。

 

 

 

 

3-3.産後パパ育休の申請方法

産後パパ育休取得に関する給付金には、申請期限があるためご注意ください。

申請期間:出生日(※1)から起算して8週間後の翌日から、当該日から起算して2か月後の月末まで

※例:出生日が2023年10月15日 → 申請期限は2024年2月末日まで
※1出産予定日前に子が出生した場合は、当該出産予定日

産後パパ育休は、2回まで分割取得ができますが、1回にまとめての申請になります。

また、事業主は、支給申請を行う日までに事業所の所在地を管轄するハローワークへ「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」を提出する必要があります。「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は複写様式でダウンロードができないため、ハローワークで受け取るか郵送で送ってもらいましょう。

 

 

 

4|産後パパ育休と育休、パパ・ママ育休プラスの違い

産後パパ育休とは4-03-202501産後パパ育休と混同されやすい制度に、育休(育児休業)とパパ・ママ育休プラスがあります。

従業員に正しく周知したり利用促進できたりするように、それぞれの違いについて把握しておきましょう。

 

 

 

 

4-1.産後パパ育休と育休の違い

育休(育児休業)とは、原則1歳未満の子を養育するために取得する休業のことで、産後パパ育休と同様に育児・介護休業法に定められています。

産後パパ育休と育休の違いは、取得期間や休業中の就業可否などです。

産後パパ育休と育児休業を併用することで、育児の負担の偏りを防げたり、配偶者の職場復帰をサポートできたりします。

  産後パパ育休 育休(育児休業)
取得期間

産後8週間以内に4週間(28日)

子が1歳になるまで(最長2歳)
取得方法

2回まで分割取得が可能
(初めにまとめて申し出る)

2回まで分割取得が可能
(取得の際にそれぞれ申し出る)
休業中の就業可否

労使協定を締結しており、労働者が合意した範囲内で可能

原則不可
申出期限

原則休業の2週間前まで

原則休業の1か月前まで

参考:両立支援のひろば「「産後パパ育休(出生時育児休業)」とは?

 

 

 

 

4-2.産後パパ育休とパパ・ママ育休プラスの違い

パパ・ママ育休プラスとは、子が1歳2か月になるまで育児休業を延長できる制度のことです。通常、育児休業は、「保育所に入れなかった」等の事情がないと延長できませんが、両親がともに育児休業をする場合に、期間の延長が可能となります。

制度利用の要件は下記のとおりです。

①配偶者が、子が1歳になるまでに育児休業を取得していること
②本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
③配偶者の育児休業の初日以降に、本人が育児休業開始予定であること

パパ・ママ育休プラスを利用しても、一人当たりの育休取得可能最大日数(産後休業含め1年間)は変わらない点に注意が必要です。

産後パパ育休は子の出生後8週間以内の取得、パパ・ママ育休プラスは育児休業の延長ができるという点が、各制度の違いとして挙げられます。

参考:厚生労働省「両親で育児休業を取得しましょう!

 

 

 

5|法改正に伴う男性の育児休業取得率等の公表

産後パパ育休とは5-03-202501現行の育児・介護休業法では、従業員が1000人を超える企業に対し、男性労働者の育児休業等の取得状況を年に1回、公表することが義務づけられています。

しかし法改正によって、令和7年(2025年)4月1日から、従業員300人超の企業にも男性労働者の育児休業取得率等の公表が義務化されるようになります。

公表の対象企業

常時雇用する労働者が300人を超える企業

公表内容

下記の①または②
①育児休業等の取得割合
育児休業等をした男性労働者の数 ÷ 配偶者が出産した男性労働者の数

②育児休業等と育児目的休暇の取得割合
(育児休業等をした男性労働者の数 + 小学校就学前の子の育児を目的とした休暇制度を利用した男性労働者の数) ÷ 配偶者が出産した男性労働者の数

公表方法

一般の方が閲覧できる方法(厚生労働省の運営サイト「両立支援のひろば」への掲載など)

参考:厚生労働省「2025年4月から、男性労働者の育児休業取得率等の公表が従業員が300人超1,000人以下の企業にも義務化されます新規CTA

 

 

 

6|まとめ

産後パパ育休とは、令和4年(2022年)10月1日の育児・介護休業法の改正によって新たに創設された、産後8週間以内に4週間(28日)を限度として取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」のことです。

男性と女性の育休取得率や育休取得期間を比べると、依然として大きな差が見られます。産後パパ育休を活用することで男性の育児休業取得が促進され、育児の負担が軽減されるとともに、女性がキャリアを継続しやすくなることが期待できます。

産後パパ育休を従業員が取得した場合には給付金を受けられるケースもあります。制度や申請方法、法改正の内容を適切に把握して、企業の義務を果たしつつ男性従業員の育休取得率を向上させましょう。

 

#産後パパ育休

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