生理休暇は無給でもOK?診断書は必要?取得要件や運用ポイントを解説!

 
キービジュアル(生理休暇制度とは?企業の取り組み事例や導入ポイントを解説)02-220929

女性が働く上でコントロールが難しいものが「生理」です。生理は、症状や痛みの度合いが個々人で異なり、生理による体調不良が業務に支障をきたす方もいます。

生理休暇は労働者の権利のため、企業様は女性社員が生理休暇を取得しやすくなるように制度を整え、自社での働きやすさを向上させるとが大切です。の記事では、生理休暇制度の概要や導入の仕方、メリットや活用事例をご紹介します。

 

この記事でわかる事
  • ・生理休暇の法的根拠や取得要件
  • ・アンケート調査による生理休暇の取得状況
  • ・生理休暇導入時の注意点とポイント
    ・生理休暇のQ&Aと企業の取り組み事例

 

 CONTENTS

  1. 生理休暇とは?労働基準法における規定と概要

    1-1 生理休暇は労働基準法で定められている
    1-2 生理休暇と特別休暇の違い
  2. 生理休暇を導入するメリット

    2-1 社員の定着率が高まる
    2-2 人材を確保しやすくなる
  3. 生理休暇は有給?無給?企業が守るべき7つの運用ルール

    3-1 就業規則への記載と周知の義務
    3-2 取得単位は「半日・時間単位」も認められる
    3-3 日数制限は法律上「なし」
    3-4 【重要】有給・無給は企業が決められる
    3-5 診断書の要求は原則NG
    3-6 非正規社員にも認められる
    3-7 不正取得は懲戒事由も可能
  4. 生理休暇を導入する際の注意点

    4-1 不正取得の対策は慎重に行う
    4-2 理解不足によるハラスメントの発生
  5. 【自社調査】生理休暇の取得状況からみる「使いづらい」背景

    5-1 生理休暇を利用したことがある女性はわずか7.0%
    5-2 【女性の本音】なぜ「制度」があっても使われないのか?
    5-3 生理やPMSで仕事への影響を感じたことがある人は82.2%
  6. 生理休暇を取得しやすい環境づくりのポイント

    6-1 PMS(月経前症候群)でも取得可能にする
    6-2 上司以外にも請求できるようにする
    6-3 生理休暇取得の権利を全社的に周知する
  7. 【事例】生理休暇の取得向上に関する企業の取り組み

  8. 採用力・定着率を高める!生理休暇の戦略的活用

    8-1 「産休・育休」の先を行く、現代の女性採用ブランディング
    8-2 女性の健康課題解決が企業利益に直結する
  9. 生理休暇に関するよくあるQ&A

  10. まとめ

 

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1|生理休暇とは?労働基準法における規定と概要

生理休暇とは-01-241206生理休暇は、法律で定められている休暇です。生理休暇が定められている法律や特別休暇との違い、概要について解説します。

 

 

 

 

1-1.生理休暇は労働基準法で定められている

生理休暇は、生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置であり、労働基準法第68条に定められています。

(生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置)
第六十八条 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

引用:e-Gov 法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

 

「生理日の就業が著しく困難」とは、生理日に下腹痛、腰痛、頭痛等によって就業が困難な場合をいいます。「生理日を理由に休める」わけではない点に注意が必要です。なお、生理休暇は従事する業務や雇用形態に関わらず取得できます。

また、生理休暇は法律で定められているため、対象者から請求があった場合には認めなければいけません。社員からの生理休暇の請求を拒否した場合、労働基準法第120条1号により、30万円以下の罰金に処せられる恐れがあります。

参考:厚生労働省「労働基準法のあらまし(生理休暇)
参考:e-Gov 法令検索 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)

 

 

 

 

1-2.生理休暇と特別休暇の違い

生理休暇は、労働基準法第68条に定められている法定休暇です。法定休暇とは、法律で定められている休暇のことで、社員から請求があった場合 、就業規則に定めがなくても原則として取得を拒否できません。

一方で特別休暇とは、企業様が独自で社員に与える休暇を指します。法律で定められている休暇ではないため、取得日数や休暇の取り扱いなどを就業規則に定めておくことが必要です。

 

 【法定休暇と特別休暇の違い】 

  法定休暇 特別休暇
休暇の規定 法律で規定

企業が独自で規定

請求時の対応 原則、拒否できない

あらかじめ就業規則に定めておいた内容に則って対応

休暇の例 ・生理休暇
・有給休暇
・育児休暇
・産前産後休暇
・介護休暇 など

・夏季休暇
・慶弔休暇
・誕生日休暇
・リフレッシュ休暇
・ボランティア休暇 など

 

 

 

2|生理休暇を導入するメリット

生理休暇を導入すると、次のメリットを得られる可能性があります。

  • ・社員の定着率が高まる
    ・人材を確保しやすくなる

 

 

 

 

2-1.社員の定着率が高まる

生理の症状は個人差があり、自力でのコントロールも難しいです。心身に負担がかかる生理について企業が理解を示し、労わる制度を整備することは、社員の働きやすさと満足度を向上させ、離職リスクを下げるでしょう。

また、優秀な女性社員が離職しない環境を整えることは、ダイバーシティの推進にもつながります。生理休暇の導入によって、「生理で辛いときには休む」という健康的な働き方ができるため、本来のパフォーマンスを発揮しながら無理なく活躍し続けられます。

 

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2-2.人材を確保しやすくなる

生理休暇を導入している企業は、社会から「女性の体調や働き方に理解がある」「社員の働きやすさ向上に取り組んでいる」などのポジティブなイメージを持たれる可能性が高いです。自社の評価が高まれば、働きやすい職場を求める多くの女性や求職者から、転職先として選ばれやすくなるでしょう。

現在は少子高齢化の影響で人手不足が深刻化しているため、生理休暇に関する情報を求人情報などに載せれば他社と差別化でき、採用市場で優位になります。 

 

 

 

3|生理休暇は有給?無給?企業が守るべき7つの運用ルール

生理休暇取得の注意ポイント-01-241206

法律により、女性社員の権利として取得を認める必要がある生理休暇には、7つの運用ルールがあります。

  • ・就業規則への記載と周知の義務
    ・取得単位は「半日・時間単位」も認められる
    ・日数制限は法律上「なし」
    ・【重要】有給・無給は企業が決められる
    ・診断書の要求は原則NG
    ・非正規社員にも認められる
    ・不正取得は懲戒事由も可能

法律に違反しないためにも、生理休暇の正しい知識を得ておきましょう。

 

 

 

 

3-1.就業規則への記載と周知の義務

生理休暇は、就業規則に必ず記載しなければならない「絶対的必要記載事項」に該当します。そのため、生理休暇の概要、賃金の有無、有給とする場合の回数や支給金額などの就業規則への明記が必要です。併せて、イントラネットやメール、研修などで社員への周知も行い、理解を促進します。

取得を妨げることを目的としたルールは原則不可です。例えば、生理休暇を取得すると評価が下がるというルールの場合、「昇進しづらくなるから休むのをやめよう」と取得を妨害してしまいます。

また、当初のルールから「賞与の日数算定の際に生理休暇取得日数を欠勤扱いに変更する」「有給を無給に変更する」などの場合も、労働条件の不利益変更としてトラブルを招くかもしれません。

社員が生理休暇を取得しづらくなるようなルール作りやルール変更がないように注意しましょう。

 

【就業規則への記載例】

ケース 記載例
「有給」扱い  (生理休暇)
第〇条
1. 生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があった場合は、1日、半日または請求があった時間の休暇を与える。
2. 休暇時の賃金は有給とし、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う。 
「無給」扱い   (生理休暇)
第〇条
1. 生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があった場合は、1日、半日または請求があった時間の休暇を与える。
2. 休暇時の賃金は無給とする。 
「有給の日数」を制限  (生理休暇)
第〇条
1. 生理日の就業が著しく困難な女性従業員から請求があった場合は、1日、半日または請求があった時間の休暇を与える。
2. 休暇時の賃金は有給とし、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う。ただし、毎月2回目以降の休暇は無給とする。 

 

 

 

 

3-2.取得単位は「半日・時間単位」も認められる

生理休暇は、1日単位、半日単位のほか、時間単位での取得も認められています。例えば、「朝起きたら生理痛が重くて出社できない。数時間で落ち着くから、痛みが治まったら出社する」などの使い方も認められるため、社員から時間単位での請求があった際に拒否してはいけません。

なお、生理休暇は、特別な対応が不要で時間単位取得ができる唯一の法定休暇です。年次有給休暇も時間単位取得が可能ですが、労使協定の締結が必要である点に違いがあります。

参考:厚生労働省「時間単位の年次有給休暇制度を導入しましょう!

 

 

 

 

3-3.日数制限は法律上「なし」

生理休暇の取得日数に上限を設けてはいけません。生理期間や痛みの程度、就業難度は個々人によって異なります。また、体調不良も当人にしかわからず、場合によっては休暇頻度が高くなる可能性があるため、法律に則り、就業規則にも上限を定めることがないようにしましょう。

ただし、生理休暇を有給とした場合、有給となる日数に上限を設けることは可能です。例えば、月に1日までの生理休暇は有給とし、2日目以降は無給とするなどが挙げられます。

 

 

 

 

3-4.【重要】有給・無給は企業が決められる

生理休暇は給料の有無の決まりがないため、企業様の判断で有給・無給を決定できます。有給とする場合、日数の上限や「全額支給」「半額支給」などの賃金額も企業様が決められます。

厚生労働省の「事業所調査結果概要」によると、令和2年度に生理休暇を「有給」にした事業所の割合は29.0%、「無給」にした事業所の割合は67.3%でした。なお、有給した事業所のうち、65.6%が「全期間100%支給」としています。

 

【生理休暇の給料の有無:事業所割合】

  有給 無給
平成19年度 42.8% 54.8%
平成27年度 25.5% 74.3%
令和2年度 29.0% 67.3%

 

なお、不正取得防止の観点から、生理休暇を欠勤扱いにしても問題ありません。ただし、出勤率は年次有給休暇の付与に関係する点に注意が必要です。

労働基準法第39条第1項によると、年次有給休暇の付与は「雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者」が対象です。生理休暇の取得が多い社員の場合、出勤率が8割に達せず年次有給休暇が付与されない恐れがあります。

生理休暇を欠勤扱いとした場合でも、出勤率を算定する際に「出勤」とみなすことは可能なため、検討することも求められます。

参考:厚生労働省「第5章 休暇等

 

 

 

 

3-5.診断書の要求は原則NG

生理休暇の請求の際に、診断書を求めてはいけません。「就業が著しく困難」な状態である社員を病院へ行かせ、診断書を取得させることは社員への負担が大きいと考えられます。

また、生理日は予測が難しく、生理になった当日に体調不良となる可能性も高いです。そのため、生理休暇は事前請求ではなく、当日に口頭やメールでの請求が可能とされています。

 

 

 

 

3-6.非正規社員にも認められる

生理休暇は正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなどの非正規社員にも認められています。

生理日の就業が著しく困難な女性のために設けられた生理休暇は、雇用形態で取得対象者が限定されているわけではないため、「正社員ではない」ことを理由に生理休暇を認めないことは許されません。

 

 

 

 

3-7.不正取得は懲戒事由も可能

診断書で事実を証明する必要がなく、客観的な判断が難しい生理休暇は、無給や欠勤扱いとするほか、不正取得を懲戒事由として就業規則に明記・周知し、不正取得に備えることができます。

もし不正取得が疑われる場合は、当該社員の上司や同僚などにヒアリングをして、客観的な証拠や供述などから事実確認を行い、不正取得であれば適切な処分を下しましょう。ただし、不正内容に照らして重すぎる処分は、社員が無効だとして裁判を起こした際に敗訴する恐れがあるため注意が必要です。

なお、生理休暇の不正取得に関する判例はいくつかあります。例えば、生理休暇中に深夜遠隔地へ旅行し、翌日の民謡大会に出席した社員の行動が、生理休暇の不正取得と認められました。

参考:公益社団法人全国労働基準関係団体連合会「岩手県交通事件

 

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4|生理休暇を導入する際の注意点

生理休暇には企業が守らなければならない複数のルールがあります。

しかし、ただルールを定めるだけでは適切に運用できない恐れがあるため、下記の注意点を踏まえた取り組みが必要です。

  • ・不正取得の対策は慎重に行う
    ・理解不足によるハラスメントの発生

 

 

 

 

4-1.不正取得の対策は慎重に行う

生理休暇は、診断書が不要の自己申告制のため、不正取得のリスクがあります。しかし、不正取得の対策として、社員本人に生理痛の重さや症状を詳細に聞くことはセクハラに該当する恐れがあるため、注意が必要です。

診断書に代わる事実確認をする場合は、対象社員の同僚へのヒアリングや、産業医との面談の設定などをしましょう。もし産業医との面談を拒否されても、生理休暇の取得を否認してはいけません。

また、常に「不正取得を疑う」空気を出していると、利用しづらさから「生理休暇ではなく有給休暇を使う」ようになってしまい、制度を導入した意味がなくなってしまいます。不正取得への備えはしつつも、女性社員が気兼ねなく生理休暇を取得できるような配慮が大切です。

 

 

 

 

4-2.理解不足によるハラスメントの発生

生理休暇は女性だけが取得できる制度のため、「女性ばかり優遇されている」と感じる男性社員もいるかもしれません。女性でも、生理の症状の違いを理解していないと「生理くらいで休むのか」と不満を抱く恐れがあります。

生理や生理休暇に対する理解不足によって、「生理の症状を聞く」「生理休暇の取得者に暴言を吐く」などのハラスメントが発生するリスクがあるため、性別や立場に関係なく研修などを実施し、全社的に理解を促すことが重要です。

特に、生理休暇の申請を受ける管理職の理解を深めると、女性社員の申請時の心理的ハードルを下げられます。

  •  【セクハラの例】
     ・「仕事の調整をしやすいように、生理周期を教えてほしい」
     ・「どんな生理の症状が出ているか詳しく教えてほしい」
     ・「君の年齢でまだ生理があるの?」
     ・「君の生理周期的に、今日生理が来るのは変じゃない?」

  •  【パワハラの例】
     ・「生理なんかで休むな、仕事を第一に考えろ!」
     ・「来月は生理休暇なんて取るなよ」
     ・「生理休暇を取ってると、昇進できないよ」
     ・あからさまに嫌そうな顔をする

 

 

 

5|【自社調査】生理休暇の取得状況からみる「使いづらい」背景

生理休暇取得アンケート01-241206

弊社「女の転職type」では、ユーザー818名に「生理休暇とったことある?生理の仕事への影響について聞きました。」というアンケートを実施しました。

就業規則への生理休暇の有無や利用経験、利用していない理由、仕事への影響から、生理休暇の取得状況を見ていきましょう。

 

 

 

 

5-1.生理休暇を利用したことがある女性はわずか7.0%

就業規則への生理休暇の有無と、実際の取得状況をまとめています。

 

(1)就業規則への生理休暇の有無

 就業規則に生理休暇がある割合 

勤め先の就業規則に「生理休暇」があるか聞いたところ、「ある」が36.5%、「ない」が48.4%でした。

「ある」の回答の中では、無給が15.5%、有給が13.9%と無給の生理休暇制度があると答えた方のほうがやや多い結果となりました。 

 

(2)生理休暇の取得状況

生理休暇の取得状況 

 

実際に生理休暇を利用したことがあるか聞いたところ、利用したことがある方は全体の7.0%という結果でした。また、「就業規則に生理休暇がある」方でも、実際に制度を利用したことがある方は12.7%と少ない結果となりました。

生理休暇制度があったとしても、実際に利用している方はかなり少ないことがわかります。

 

 

 

 

5-2.【女性の本音】なぜ「制度」があっても使われないのか?

 生理休暇を利用しない理由 

「生理休暇を利用したことがない方」に利用していない理由を聞いたところ、1位は「会社の就業規則(制度)にないため」45.2%、2位は「使っている人が少ないため」29.8%という結果でした。

また、「その他」の回答としては、以下のものがありました。特に「無給になるため利用しない」という回答が多かったです。 

  • 【その他の回答(一部)】
  • ・無給になるので普通の有給休暇で休む
    ・上司(女性)が生理が辛くても仕事に来てた!と言う人だから
    ・生理休暇だと他人に知られたくない

アンケート結果から、生理休暇が法定休暇であり、就業規則になくても利用できることを知らない方が多いことがわかります。また、無給であること、生理だと伝えることに抵抗感がある方も多く、個人差が大きい生理の症状に対する理解不足も「使いづらさ」につながっているといえるでしょう。

 

 

 

 

5-3.生理やPMSで仕事への影響を感じたことがある人は82.2%

生理で仕事に影響があったか

 生理やPMSが理由で仕事に影響が出たと感じたことがあるかを聞いたところ、「感じたことがある」派が82.2%と、「感じたことがない」派17.9%を大きく上回る結果となりました。 

 生理で仕事に影響があった内容 

また、具体的にどんな仕事に影響があったかを聞いたところ、「仕事の進みが遅くなった」68.8%が1位でした。「体調不良で休んだ」31.0%や「体調不良で遅刻、早退した」21.0%など、勤怠に影響が出た人も一定数いることがわかります。

「その他」の回答では、「いつもよりイライラし、ストレスが増す」「集中力が落ちる」などのコメントが多く見られました。

 

生理による仕事への影響を受けている方が多い一方で、生理休暇の利用率は低いという状況は、女性の健康的な働き方や業務の能率などの観点から、望ましくありません。

女性社員が生理休暇を気兼ねなく使えるようにするには、請求しやすい環境づくりが大切です。

次の 「6.生理休暇を取得しやすい環境づくりのポイント」で方法を紹介します。ぜひご参考にしてください。

 

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6|生理休暇を取得しやすい環境づくりのポイント

生理休暇導入ポイント01-241206生理休暇を取得しやすい環境づくりのポイントをご紹介します。

積極的に自社に取り入れて、女性社員の取得率と満足度を向上させましょう。

  • ・PMS(月経前症候群)でも生理休暇を取得可能にする
    ・上司以外にも請求できるようにする
    ・生理休暇取得の権利を全社的に周知する

 

 

 

 

6-1.PMS(月経前症候群)でも取得可能にする

PMS(月経前症候群)とは、生理前に3~10日間ほど、集中力の低下などの精神的症状や、腹痛や頭痛などの身体的症状が出る病気のことです。PMSの症状は人によってさまざまで、生理日になると症状が軽快または消失します。

公益社団法人日本産科婦人科学会によると、日本人女性の約70%から80%が月経前に何らかの症状があり、5%の女性は生活が困難となるほどのPMSを発症しているそうです。

生理休暇は「生理日の就業が著しく困難な場合」とされているため、生理前の症状であるPMSは対象外です。しかし、PMSでも生理休暇を取得できるようにすることで、企業様に対する社員の満足度が上がる可能性があります。

 

 

 

 

6-2.上司以外にも請求できるようにする

上司が男性である場合、女性社員は生理休暇を請求しづらいと考えられます。また、女性上司の場合でも、生理痛の重さは個々人で違うため、「生理による就業困難」を理解してもらえないかもしれません。

そのため、上司以外にも請求できる環境が作られていれば、対象社員は理解してもらいやすい社員や話しやすい社員などに請求でき、精神的負担を軽減できるでしょう。生理休暇に関してなど、女性が相談しにくい事柄を相談できる窓口の設置も有効な手段です。

 

 

 

 

6-3.生理休暇取得の権利を全社的に周知する

生理休暇は雇用形態に関係なく、すべての女性社員が取得できる権利であることを、イントラネットや社内広報などで全社的に周知しましょう。新入社員研修などの研修時や会議時などに周知するのも効果的です。

女性でも、生理休暇についての理解が不十分な方もいます。男性であれば、なおさら理解が低いかもしれません。生理休暇は、職場の理解がないと取得することが難しい休暇のため、女性社員だけでなく、男性社員にも生理休暇について理解してもらえるように取り組むことが重要です。

 

 

 

7|【事例】生理休暇の取得向上に関する企業の取り組み

生理休暇の取得しやすさの向上や理解促進に向けて、多くの企業がさまざまな取り組みをしています。

各事例をぜひ参考にして、自社でできそうなものから取り入れていきましょう。

参考:厚生労働省「特集 働く女性と生理休暇

 

 

7-1.社員の理解促進と生理休暇の「無期限有給」への改定

 

企業規模 従業員数50名以下(男女比は約半々)
業種 情報通信業 

男性社長は、自身の妻との会話のなかで生理が話題にあがったことをきっかけに、自社の生理休暇についてあまり認識していなかったことに気付き、生理に関する研修を受講しました。

研修を受け、全社的に受講する必要性を感じたため、抵抗なく受けられるようにオンライン研修を社員に受講させ、男女の生理に対する理解を促進。制度面では「生理休暇」という名称を変更し、無給から無期限の有給への改定や、フォームからの申請へと申請方法も変更。PMSも対象としました。

社内アンケートを実施して、要望が多かった生理用品と痛み止め薬の常備も実施。体調が悪いときには横になれるソファも設置するなど、制度面・環境面ともに取り組んだ結果、生理休暇の取得人数が0人から11人に増加しました。

 

 

7-2.生理休暇制度の刷新で取得実績4件から96件へ増加

 

企業規模 従業員数300名以下(男女比はだいたい4:6)
業種 建設業

親会社で生理休暇の名称が変更されるなど、制度の刷新がありました。自社の生理休暇の取得状況を確認したところ、取得実績がほぼなく、「生理休暇」という名称での申請にためらいがあると社員から聞いていたこともあり、親会社と同様に刷新された生理休暇を導入。

新たな生理休暇は、PMSや子宮筋腫など、女性特有の症状で就業困難な場合や通院が必要なケースも対象です。妊活や不妊治療に付随する通院の場合は、男女問わず対象となっています。勤怠管理システムから申請できるようにし、取得理由も原則聞かないため、制度の利用しやすさも向上。

制度を周知させるために、管理職や社員に対してメール送付や説明会なども実施した結果、生理休暇の取得実績が1年で4件から96件に増加しました。

 

 

7-3.「生理休暇」の名称変更と対象範囲の拡大

 

企業規模 従業員数3000名以下(男女比はだいたい6:4)
業種 金融業

不妊治療の休暇制度を導入する際に生理休暇の取得状況を調べたところ、1000人近くの女性がいるなかで年間5人以下しか取得していないことがわかりました。「生理休暇」という名称が使いづらいのではという考えから、名称を変更。併せて、男女ともに利用できるように、不妊治療の検査・通院や健康診断・人間ドックの再検査受診の際にも利用可能としました。

名称が変更されたことで、現場の管理職からは「制度の一環として話題にしやすくなった」という声があがっています。また、周知する機会も増え、イントラネットや支店長会議、研修時などで理解を促進しました。

生理休暇の改定によって、年5名以下の取得が数か月で10数名取得という取得率の大幅アップにつながっています。

 

 

 

8|採用力・定着率を高める!生理休暇の戦略的活用

生理休暇のメリットとして、人材の定着率向上につながることや人材確保がしやすくなることは前述しました。

採用力や定着率を高める観点から、生理休暇を戦略的に活用することはとても重要です。

生理休暇の活用方法について、具体的にご紹介します。

 

 

 

 

8-1.「産休・育休」の先を行く、現代の女性採用ブランディング

女性採用の強化や定着率向上に向けて、産休・育休制度の整備をしている企業は多いです。しかし、産休・育休の制度が整っていること、気兼ねなく取得できることは、女性活躍が推進されている近年において「通常」であり、求人媒体でアピールしても他社との差別化が難しく、採用効果を高められないかもしれません。

現代において必要なのは、「健康経営」の視点です。内閣府の「令和6年版男女共同参画白書」によると、女性は男性と比較し、生涯を通してさまざまな病気のリスクがあり、健康課題が多いことがわかります。

女性と男性に特有の疾患の患者総数

 

社員に自社で健康的に、長く活躍し続けてもらうには、社員の健康管理を経営の視点で捉え、戦略的に取り組んでいく健康経営が求められます。

なお、一般社団法人日本経済団体連合会「「女性と健康」に関する意識調査」の「女性の健康に関する休暇取得・費用負担補助の導入状況」を見ると、生理休暇のほかに子宮頸がん等の検診の費用補助や不妊治療等の休暇の導入などもあり、企業の「女性の健康課題」に対する意識が高まっているといえるでしょう。

女性の健康のための休暇・費用補助の導入状況

 

女性求職者や女性社員から選ばれる企業になるために、生理休暇をただ導入するだけでなく、既存の法律や制度の先を行くサポートを取り入れることが大切です。

 

 

 

 

8-2.女性の健康課題解決が企業利益に直結する

女性の健康課題の解決は、企業の利益に直結する重要な取り組みです。経済産業省によると、健康課題による経済損失は「女性特有」で年間約3.1兆円、「社会全体」では年間約3.4兆円のため、女性の健康課題による損失が約9割を占めることがわかります。

  女性特有 男女双方 男性特有
月経随伴症 更年期症状 婦人科がん 不妊治療 前立腺がん 更年期症状
経済損失計(A+B)
年間3.4兆円
約0.6兆 1.9兆 0.6兆 0.3兆 0.06兆 1.2兆
Aうち労働生産性損失総額 約5,700億円 約17,200億円 約5,900億円 約2,600億円 約530億円 約10,900億円
ー欠勤 約1,200億円 約1,600億円 約1,100億円 約400億円 約110億円 約1,100億円
ーパフォーマンス低下 約4,500億円 約5,600億円 約150億円 約50億円 約10億円 約4,000億円
ー離職 - 約10,000億円 約1,600億円 約2,200億円 約100億円 約5,800億円
ー休職 - - 約3,000億円 - 約300億円 -
Bうち追加費用活動にかかる費用 - 約1,500億円 約500億円 約340億円 約50億円  約1,100億円

参考:経済産業省「⼥性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」 

 

健康経営と同様に重要視されているのが、 「人的資本経営」 です。人材の育成や働きやすさを向上させる取り組みを「コスト」ではなく「投資」と捉え、人材を「資本」として価値を最大限に引き出していくことで、企業価値の向上を目指します。

生理休暇の導入などによって女性の健康課題を解決することは、人材の生産性や定着率の向上による利益増加、余計なコスト削減につながります。働きやすい企業として、採用ブランディング、企業ブランディング効果もあり、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。

そのため、生理休暇を「女性への配慮」と捉えるのではなく、「自社の持続的な成長」もかなえられる制度として導入することが求められます。

 

 

 

9|生理休暇に関するよくあるQ&A

生理休暇に関するよくある質問をまとめました。

生理休暇について正しく理解し、女性社員の取得を妨げないようにしましょう。

 

 

9-1.生理休暇の取得時に診断書を求めてもいいですか?

生理休暇取得の申請があった際に、診断書を求めてはいけません。

生理休暇は、「生理日の就業が著しく困難」なときに取得する休暇のため、取得の手続きを複雑で負担がかかるものにすると、誰も生理休暇を使わなくなります。もし事実確認が必要な場合は、同僚の証言などを得ましょう。

 

 

9-2.生理休暇は半日・時間単位でも認められますか?

生理休暇は、半日単位や時間単位でも認められます。

生理日は予測が難しく、仕事中に突然来ることもあります。例えば終業時刻まで残り2時間というタイミングで「急な生理で体調が悪くなり、仕事を続けられないから早退したい」と社員から申し出があった場合でも、時間単位での取得が認められるため、生理休暇として対応可能です。

 

 

9-3.生理休暇は無給でも問題ありませんか?

生理休暇は無給でも問題ありません。生理休暇を有給・無給とするかは企業様が決められます。

一方で、生理休暇が無給の場合、女性社員は使いづらさを感じて有給休暇を取得する傾向があります。

生理休暇の利用を促進するには、有給扱いとするのが望ましいですが、のちに「有給から無給」へ変更すると不利益変更としてトラブルが生じかねないため、慎重に検討しましょう。

 

 

 

10|まとめ

生理休暇は、法律で定められている休暇であり、雇用形態を問わず取得できる一方で、「就業規則にない」「無給になる」ことなどを理由に利用割合が低いです。

社員が生理休暇を取得しやすくなるように、年次有給休暇とは別の有給休暇として設定する、名称を変更するなどの取り組みが効果的です。また、女性社員だけでなく、男性社員の理解も深めるために、生理や生理休暇に関する周知を行いましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

   監修者プロフィール

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小林 佳代子

新卒で(株)キャリアデザインセンター入社。転職情報誌及び転職サイト『type』『女の転職type』で、1000社以上の求人広告制作に携わる。働く20代向けオウンドメディアの立ち上げ、女性向けwebマガジン『woman type』の編集長を経て2018年『女の転職type』編集長に就任。

 

 

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