マタニティハラスメント(マタハラ)の防止対策は、企業に義務付けられています。マタハラが生じると、従業員の心身が傷つくだけでなく、企業に損失が出る恐れもあるため、適切な措置を講じることが重要です。
この記事では、マタハラの概要と具体的な言動、企業のリスク、3つの防止策と発生時の対応手順をまとめています。
従業員と自社を守る対策について、ぜひご参考にしてください。
この記事でわかる事 |
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1|マタニティハラスメントとは?企業が知るべき基本と法的リスク |
マタニティハラスメントの「マタニティ(maternity)」は「母性」「妊娠中の」、「ハラスメント(harassment)」は「悩ます(悩まされる)こと」「嫌がらせ」を意味します。
なお、法令等において「マタニティハラスメント(マタハラ)」という言葉は使われておらず、「職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント」のひとつとして扱われています。
厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査 結果概要」によると、令和5年度において過去5年間に妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを受けた女性の割合は26.1%で、約4人に1人がハラスメントを受けている状況です。
マタニティハラスメント(以下マタハラ)の概要と、マタハラが企業に与える法的リスクを解説します。
参考:厚生労働省「職場における妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント対策やセクシュアルハラスメント対策は事業主の義務です!!」
1-1.マタハラとは?2つの類型と具体的な言動 |
マタハラとは、妊娠・出産・育児に関わる女性従業員が、妊娠等で活用できる制度を利用した際や、妊娠等の状態に対し、上司・同僚から不利益な取り扱いや嫌がらせを受け、就業環境が害されることを指します。
不利益な取り扱いとは、解雇、契約更新の拒否、降格、減給、不利益な評価などです。
マタハラには次の2つの類型があります。具体的な言動とともに内容を確認しましょう。
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(1)制度等の利用への嫌がらせ型
「制度等の利用への嫌がらせ型」は、産前休業や育児休業など、妊娠・出産・育児に関する制度を利用する女性従業員に対して、制度利用の妨害や不適切な発言をするケースが該当します。
具体的な言動は下記のとおりです。
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(2)状態への嫌がらせ型
「状態への嫌がらせ型」は、妊娠・出産した従業員や、妊娠等に関して労務提供が困難または労働能率が下がった従業員に対する、就業環境を害する言動や不利益な取り扱いが該当します。
例えば、次のような言動です。
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なお、いずれの類型の場合も、業務進行上、客観的に必要な言動に関してはマタハラに該当しません。
【マタハラに該当しない言動例】
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1-2.マタハラが企業に与えるリスク |
マタハラによる不利益取り扱いは、もともと男女雇用機会均等法と育児・介護休業法で禁止されていましたが、2017年(平成29年)の法改正によって、マタハラの防止措置を講じることが企業に義務付けられました。
社内でマタハラが発生した場合、企業には次のリスクがあります。
【マタハラが生じるリスク】
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例えば、妊娠を理由に解雇した場合、不当解雇にあたるため無効となり、未払い賃金や慰謝料などの支払いが生じるかもしれません。従業員のマタハラを放置した場合も、安全配慮義務違反として債務不履行責任などを問われる恐れがあります。
また、厚生労働大臣による勧告に従わない場合は、事業主名が公表されます。事業主名の公表や、企業に対するレビューなどによって自社のマタハラが世間に広まると、社会からの信用・信頼が失墜し、売上低下や人材流出などの望ましくない事態を招くでしょう。
参考:厚生労働省「男女雇用機会均等法第 30 条に基づく公表について」
2|マタハラを未然に防ぐ!取り組むべき3つの防止策 |
マタハラを未然に防ぐために、企業が取り組むべき3つの防止策があります。
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各対策を確認し、自社に取り入れていきましょう。
2-1.就業規則の整備と社内ルールの明確化 |
マタハラはあってはならない行為として、ルールの整備や社内への周知徹底を行います。具体的には、マタハラの加害者に対して厳正に対処する旨の方針や対処内容を就業規則に定めます。産育休などの制度利用についても促進しつつ、妨害する行為は許されないことを明確に従業員へ伝えましょう。
正社員以外にも契約社員、パート、アルバイトへの行為も対象となることなど、マタハラの範囲や具体例についても示すと、従業員の理解が深まります。経営層や管理職から「マタハラは許されない」ということを発信すれば、より効果的です。
2-2.管理職向け研修の実施と理解促進 |
マタハラを防止する立場である管理職には、女性従業員へのサポート方法やマタハラ発生時の対応方法についての研修を実施しましょう。例えば、妊婦の従業員に対する「業務が大変そうだから簡単な部署に配置転換させたよ」などの悪意のない配慮も、強要するものであれば違反となるため、管理職の理解を深めておくことが求められます。
また、マタハラは、妊娠中の体調不良や休業により、ほかの従業員へ負担がかかることが発生原因のひとつです。そのため、妊婦等の女性従業員へ、自分の体調に応じて適切に業務を遂行していくことの啓発や、ほかの従業員も含めた業務分担の見直しを行う必要性も伝え、理解を促進しましょう。
2-3.相談窓口の設置と利用しやすい環境づくり |
相談窓口を設置し、被害者等が利用しやすい環境をつくることが大切です。マタハラの発生時だけでなく、発生が懸念される場合やマタハラといえるかわからない状態でも広く相談を受けることで、未然防止につながります。
誰もが相談しやすいように、相談者や事実確認に協力した従業員へ不利益が生じす、プライバシーも保護されるような措置を講じ、周知しましょう。
マタハラは、セクハラやパワハラなどのハラスメントと複合的に生じるケースもあるため、「マタハラの相談窓口」ではなく「ハラスメント全般の相談窓口」とすると、相談へのハードルが下がると考えられます。
3|マタハラが発生した場合の適切な対応手順 |
マタハラが発生した場合、被害の拡大や事態の悪化を防ぐため、適切に対応することが重要です。
次の3つのステップで対応していきましょう。
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3-1.相談・報告の受付と初動対応 |
マタハラに関する相談・報告を受けたら、まずは相談者の話を真摯に聴き、状況や意向を確認します。あらかじめ対応マニュアルの作成や研修の実施などを行なっておくと、相談担当者は適切に対応できるでしょう。
また、人事部と協力体制を敷いておくことで、相談内容や状況に応じてスムーズに連携できるため、対応の遅延や誤りによる、従業員からの信頼の低下を防げます。
3-2.事実関係の調査とヒアリングの実施 |
マタハラの相談があったら、被害者と加害者の双方に迅速にヒアリングし、事実確認を調査します。マタハラに関する言動の記録(音声データ、メモ、メールの履歴など)があると、客観的証拠になります。
また、職場の同僚の証言もマタハラの証拠になるため、被害者と加害者の主張が相違している場合には、第三者にもヒアリングすることが大切です。
なお、マタハラの被害者と加害者間でトラブルが生じないように、部署異動や自宅待機によって隔離するなどの配慮が求められます。
3-3.厳正な措置と再発防止策の策定 |
マタハラの事実が認められた場合、就業規則などの規定に基づき、加害者に対して懲戒処分等の厳正な措置を行います。ただ措置を行うのではなく、加害者のどの言動がマタハラに該当したのか、どうして問題なのかを理解させることが重要です。
また、再発防止策に取り組むことも大切です。マタハラの事案を調査報告書にまとめておくと、今後マタハラが発生した際に加害者への処分の根拠や、再発防止策の検討材料になります。
マタハラが禁止行為であること、厳正に対処することなどを社内報や研修等で改めて周知するのも効果的でしょう。就業規則や業務体制・内容にマタハラにつながる要因があれば、改善や見直しも求められます。
4|まとめ |
マタハラが自社で発生すると、損害賠償請求の発生や社会的信用の失墜などのリスクがあり、安定した企業経営に支障を来す恐れがあります。
従業員の心身と自社を守るためにも、マタハラ防止策に取り組み未然に防ぐことと、発生時には迅速かつ真摯に対応することが重要です。
マタハラ対策について不安がある場合は、都道府県労働局が相談を受け付けているため、必要に応じて相談してみるといいでしょう。
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