女性リーダーを増やしたいと思っても、どのように育成すればいいかがわからず、取り組めていない企業も多いかもしれません。世界的に見てまだまだ少ない日本の女性リーダーを育成するには、さまざまな方法や押さえておきたいポイントがあります。
この記事では、日本の女性リーダーの現状や育成する企業のメリット、育成方法とポイントをまとめているため、ぜひご参考にしてください。
この記事でわかる事 |
・女性リーダーの育成が求められる背景 ・女性リーダーを育成する企業のメリット ・女性リーダーの育成方法とポイント |
CONTENTS |
1|女性リーダーの育成が求められる背景 |
女性リーダーの育成が求められる背景には、日本の女性リーダーが男性と比較して少なく、また、世界各国と比べても割合に大きく差があることが挙げられます。
日本の女性リーダーの現状と、日本企業に女性リーダーが少ない理由を解説します。
1-1.日本の女性リーダーの現状 |
厚生労働省の「「令和5年度雇用均等基本調査」の結果概要」によると、令和5年度における管理職に占める女性の割合は、「係長相当職」19.5%、「課長相当職」12.0%、「部長相当職」7.9%、「役員」20.9%でした。
また、労働政策研究・研修機構の「就業者及び管理職に占める女性の割合」で、世界各国の管理職に占める女性の割合を見てみると、30%ほどか40%を超える国が多いのに対し、日本は12.9%と著しく低いことがわかります。
日本の女性リーダーは、現状、まだまだ少ないといえるでしょう。
1-2.女性リーダーが少ない理由 |
女性リーダーが少ない理由として、下記が挙げられます。
・性別役割分担意識や慣習の影響 |
なぜ日本に女性リーダーが少ないのか、理由を確認すると、女性リーダーの育成において大切なポイントが見えてくるでしょう。
(1)性別役割分担意識や慣習の影響
日本は「男性は仕事、女性は家庭」などの性別役割分担意識が根強く、いままでの社会や慣習の影響から、無意識的に立場や役割などを性別で線引きしてしまう傾向があります。
内閣府男⼥共同参画局の「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」によると、「職場」における男女それぞれの性別役割意識の上位に「組織のリーダーは男性の方が向いている」や「受付、接客・応対(お茶だしなど)は⼥性の仕事だ」が入っています。
無意識に性別役割を固定してしまうことで、リーダーを希望する女性や、女性リーダーを育成しようとする管理職が少数になるため、女性リーダーが育成されません。
(2)女性リーダーのロールモデルがいない
女性は妊娠・出産という特有のライフイベントがあり、その後の育児のことも考えると、責任が重くなったり残業が増えたりするリーダー職との両立に不安を抱える方が多いです。
育児と仕事を両立し、女性リーダーとして活躍しているロールモデルがいない場合、女性社員は「やはり両立は難しい」と感じてしまい、女性リーダーが生まれないままとなってしまいます。
(3)ワークライフバランスが取りづらい
働き方改革が進んでいるとはいえ、柔軟に働ける体制をすべての企業が整備できているわけではありません。
また、社会的にジェンダー平等の意識が高まりつつありますが、内閣府男女共同参画局の「令和5年版男女共同参画白書」で家事・育児にかける時間を見ると、男性よりも女性のほうが長く、女性に負担が偏っている傾向です。
柔軟に働ける制度が整っていない、リーダーになることで労働時間が長くなるという場合、ワークライフバランスが取りづらく家事・育児に支障が出ることから、女性はリーダーポジションを避けてしまうでしょう。
2|女性リーダーを育成する企業のメリット |
女性リーダーを育成すると、企業には次のようなメリットがあります。
・企業イメージの向上 |
メリットがわかると女性リーダーの育成にも力が入るため、内容を確認しましょう。
2-1.企業イメージの向上 |
女性リーダーを育成すると、企業イメージが向上するメリットがあります。女性リーダーを育成するには、柔軟に働ける環境を整えるなど、従業員が働きやすい職場をつくることが求められます。
女性に限らず、誰もが働きやすい職場にすると、従業員を大切にする企業として社会から評価され、売上アップやファンの獲得、求職者の応募数増加といった効果も得られるでしょう。
2-2.ロールモデルができる |
女性リーダーの育成によって、女性社員が「目標にしたい」と思えるロールモデルができます。
弊社が運営する転職サイト「女の転職type」会員に対して行なったアンケートによると、「尊敬できる女性管理職の有無は、管理職になりたい気持ちに影響する」と答えた割合が56.5%で過半数を超えました。
ロールモデルができることで、女性社員は「リーダーになってもワークライフバランスを保てる」と思えるため、女性リーダーの増加促進につながります。
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3|女性リーダーの育成方法 |
女性リーダーを育成するには、次の3つの方法があります。
・企業内研修 |
各方法の特徴を把握し、自社に合った取り組みをしていきましょう。
3-1.企業内研修 |
企業内研修とは、社内や社外の講師による自社内での研修のことです。
メリットは、自社内の人材の交流が活発化し、良好な人間関係を構築できる点や、社内の育成方針を反映しやすい点です。また、一度に複数の人材を参加させられるため、育成コストを抑えられます。
デメリットは、プログラムをそれぞれの人材の課題に合わせることが難しい点です。社内の人材しか参加しないため、外部人材が持つ新たな視点や価値観に触れられないことも挙げられます。
3-2.セミナー |
セミナーは、外部の組織が開催するオフラインやオンライン型の講義のことです。
それぞれの人材に合ったプログラムへの参加が可能だったり、外部の新たな視点を得られたりするメリットがあります。オンライン開催の場合、会場への移動などが発生しないため、参加しやすいというよさもあるでしょう。
一方で、人材の課題が明確でない場合、適切なプログラムに参加できず、効果を得にくい恐れがあります。また、オンライン型では集中力が低下する、通信機器の不調で受講に支障が出るというケースも考えられます。
3-3.育成プログラムへの通学 |
育成プログラムへの通学は、外部のスクールへ通学し、他社の人材とともに学ぶ方法です。
人材の課題に応じたスクールへ通わせられるため、育成効果が高かったり、他社の人材との交流によって視野を広げられたりするメリットがあります。
ただし、開催時期や講師などが決められているため、自社の希望通りにいくとは限りません。また、受講者の属性や人数が事前にわからないことで、参加する人材によっては居心地の悪さを覚える恐れもあります。
4|女性リーダーの育成ポイント |
女性リーダーを育成するポイントは、次の3つです。
・女性が働き続けやすい環境の整備 |
各ポイントを解説します。
4-1.女性が働き続けやすい環境の整備 |
女性リーダーを育成する際には、女性が働き続けやすい環境の整備が必要です。
産育休や時短勤務制度の整備、リモートワーク、フレックスタイム制度の導入など、妊娠や育児をする女性がワークライフバランスをとりながら長く働ける環境を整備すると、リーダーを目指そうと思える女性も増えるでしょう。
制度の整備や導入だけでなく、育休取得について社内理解を深める、制度活用を促進するなど、社内全体の意識改革や制度を利用しやすい雰囲気づくりも大切です。
4-2.女性リーダー同士のコミュニケーション促進 |
女性リーダーは人数が少なく、男性リーダーばかりのなかで孤立しやすいため、女性リーダー同士のコミュニケーションを促進し、横のつながりを強化しましょう。
女性リーダー同士のつながりが強くなれば、男性には相談しづらいことも話しやすくなり、不安や負担の軽減をはかれます。周りに頼れる人がいるという環境は、女性リーダーのモチベーション向上につながるでしょう。
4-3.女性リーダー育成研修の実施 |
女性リーダーの育成研修を実施して、女性リーダーに必要なスキルや能力を身につけさせましょう。
研修でリーダーとしてのスキル習得や意識の醸成ができれば、女性リーダーになる意欲が向上したり、自信がついたりします。
また、社外の女性とも関わりがある研修の場合、女性リーダーのネットワークを社外にまで広げられるため、社内にほかに女性リーダーがいない、社内の人には相談しづらいという場合でも、悩みを解決できる可能性が高まります。
5|まとめ |
日本において、女性リーダーが少ない理由としては、性別役割分担意識があることや女性リーダーのロールモデルの不在、ワークライフバランスがとれる制度が整っていないことが挙げられます。
女性リーダーを育成すると、企業イメージが向上したり女性リーダーを目指そうとする人材が増えたりするメリットがあるため、ご紹介したポイントを押さえた取り組みをしていくことをオススメします。
女性リーダーを育成して、女性ならではの視点や能力を活用し、企業のさらなる発展を目指していきましょう。
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