優秀なエンジニアを採用しても、すぐに離職してしまい悩んでいる企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。
中には、優秀なエンジニアがやめることを仕方なく感じている企業様もいらっしゃると思いますが、現代はエンジニアの需要が増加しており、今後ますます採用が難しくなってくる恐れがあります。そのため、エンジニアの離職理由を把握し、離職防止に努めることが重要です。
この記事では、エンジニアの離職率や離職理由を解説し、離職防止の対応策をご紹介します。
目次 |
1│ IT業界の離職率は? |
厚生労働省が調査した令和3年上半期の雇用動向によると、IT業界が分類されている情報通信業の離職率は5.0%でした。一方で、宿泊業、飲食サービス業は離職率が15.6%と最も高く、次ぐ教育、学習支援業は12.4%でした。
参考:令和3年上半期雇用動向調査結果の概況 - 厚生労働省資料
情報通信業の離職率は全16産業のなかで13番目に位置しているため、IT業界の離職率は低いほうといえるでしょう。
しかし、メンタルヘルスに関する厚生労働省の調査では、「過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた」割合が、情報通信業は29.6%で全17産業のなかで2番目に高い結果となりました。
参考:令和3年労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況 -厚生労働省資料
現代はDX推進やIT技術の発達などにより、優秀なエンジニアが多く求められているため、今後ますますエンジニアの採用が難しくなると想定されます。
優秀なエンジニアを自社に定着させるためにも、メンタルヘルス不調や離職の原因となる事柄を把握し、対策を講じていく必要があるでしょう。
2│ エンジニアの退職理由 |
エンジニアの退職理由はさまざまですが、主に給与面、環境面、キャリア面、待遇面に不満がある傾向です。
弊社が運営している転職サイト「type」のリクルーティングプランナーに寄せられるエンジニアの声によると、エンジニアは転職の際に「自分がやりたい仕事ができるか」や「中長期で働いたあとの自分の将来像がイメージできるか」を重視している傾向です。
エンジニアが求めているものを具体的に把握するため、エンジニアの退職理由を弊社に寄せられたエンジニアの実際の声とともに確認しましょう。
2-1 給与が低い |
エンジニアの退職理由のひとつとして、給与の低さや年収アップの見込みが低いことが挙げられます。SESで働き、大手企業の下請けとして仕事を受けるエンジニアの場合、SES上部の社員と同等の仕事をしていても給与が低いことがあります。
また、年功序列や勤続年数で給与が上がる企業様に中途採用のエンジニアが入社した場合は、スキルがあっても給与に反映されず、給与が低いと感じ不満が募ることもあります。
2-2 社員間の連携がとれていない |
社員間の連携がとれていない場合、ミスが生じやすくなったり、スムーズに仕事ができないことによってストレスが生じることがあります。
また、そもそも職場の人間関係が悪かったり、暗い雰囲気であった場合は、コミュニケーションをとりたくてもとりづらいと感じることもあります。息苦しさや仕事のしづらさを感じる職場では、転職の意思が芽生えやすいでしょう。
2-3 職場の雰囲気が合わない |
職場にあるさまざまな文化や慣習が合わない場合、エンジニアは退職を考えやすいでしょう。たとえば、エンジニアが働くフロアが営業と同じフロアで賑やかですと、静かに集中したい方にとってはストレスとなるかもしれません。他にも、業務外で電話の取次ぎ対応が必要な場合なども不満につながることがあります。
2-4 評価基準が曖昧 |
評価制度が能力重視でなかったり、俗人的で曖昧な評価制度だった場合も適正な評価が得られないことで不満や働きづらさを感じ、エンジニアに不信感を与え離職に繋がりやすくなります。
2-5 スキルアップできない、やりがいが感じられない |
成長意欲の高い社員は、スキルアップができない職場に不満ややりがいの無さを感じ、退職意思が高まる可能性があります。たとえば、同じ仕事の繰り返しであったり、育成環境が整っていなかったりする場合、スキルアップややりがいを求めて別の企業様に転職しようと考えやすいでしょう。
また、新たな業務にチャレンジできない場合、キャリアパスに不安を覚えるエンジニアもいます。エンジニアが自分の将来像をイメージできないことで、IT業界からほかの業種に転職することもあるでしょう。
【弊社に寄せられるエンジニアの声】 ・スキルの幅を広げたい(上流にチャレンジしたい、新しい言語を学びたい) ・PM/PLを目指したい ・アーキテクトになりたい ・裁量をもって働きたい |
2-6 仕事内容が合わない |
仕事内容が合わないことで退職するエンジニアもいます。自分の希望する業務に携われなかったり、経験が活かせなかったりする仕事内容では、エンジニアのモチベーションが下がる可能性が高いです。
また、希望業務をヒアリングされない、ヒアリングされても聞き入れてもらえない職場は、エンジニアの不満が溜まる恐れがあるでしょう。
【弊社に寄せられるエンジニアの声】 ・上流工程に携わり、ユーザーの声を直接聞きたい |
2-7 残業や休日出勤が多い |
残業や休日出勤が多い職場は、身体的、精神的にもエンジニアの負担となるでしょう。顧客から継続的に仕事をもらうために難しい納期や急な仕様変更にも対応している企業様の場合、エンジニアの残業や休日出勤が増加し、休息時間やプライベートの時間を確保できない恐れがあります。
業務で時間が圧迫された場合、エンジニアはワークライフバランスがとれないことに不満を感じ、退職を決意する可能性が高いです。また、メンタルヘルス不調による退職、休職も考えられるでしょう。
【弊社に寄せられるエンジニアの声】 ・自分の時間を確保して、勉強する時間が欲しい |
2-8 そもそも需要が高い業界 |
エンジニアがいるIT業界は、採用市場において需要が高い業界です。現代はIT技術が発達し、さまざまな商品やサービスが生み出されています。DXも推進されているため、優秀なエンジニアを求める企業様は多いでしょう。
引く手数多のエンジニアは、より好条件の職場やスキルアップできる職場に転職しやすい状況といえます。また、独立して自分のスキルや裁量で仕事をするために退職を選ぶエンジニアもいるでしょう。
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3│ 離職を防ぐ7つの方法 |
エンジニアの退職理由は、スキルアップできないことや職場環境への不満、長時間労働などがありますが、対策することで離職を防げる可能性があります。
優秀なエンジニアを確保しておくためにも、離職を防ぐ方法を実践しましょう。
エンジニアの離職を防ぐ7つの方法をご紹介します。
3-1 ミスマッチ採用を防止する |
エンジニアの離職を防ぐために、ミスマッチ採用を防ぐことが大切です。採用時にミスマッチを見極められれば、企業様に合わない人材の採用や、入社後のミスマッチによる早期離職の防止につながるでしょう。
エンジニアが使用できるプログラミング言語などのスキルや経験を細かくヒアリングすることで、自社の業務へのマッチング率を把握できるでしょう。ミスマッチ防止のためには、エンジニアの能力のみでなく、自社の社風や社員と合うかも見極める必要があります。
3-2 スキルレベルに沿った評価・昇給制度を整える |
エンジニアのスキルレベルに沿った評価や昇給制度を整えることで、優秀な若手エンジニアや中途入社エンジニアは年齢や勤続年数に関わらず評価されるため、仕事に対するモチベーションを得られるでしょう。
適正な評価でインセンティブの発生や昇給があった場合、給与の低さなどの不満も解消される可能性があります。さらなる業務意欲向上のためにも、評価や昇給制度を見直しましょう。
3-3 定期的な面談で不安や不満をキャッチアップする |
エンジニアと定期的な面談を行い、不安や不満をキャッチアップして改善や解消に努めましょう。エンジニアのなかには、携わっている業務に不満を抱いていたり、キャリアパスに不安を感じていたりする方もいます。
そのため、定期的な面談を実施し不安や不満を聞き取ることで、エンジニアに安心感を与えられるでしょう。また、不安などの解消ができた場合は信頼関係の構築にもつながり、エンジニアの業務に対するモチベーションや職場への定着化を高められる可能性があります。
不安や不満の聞き取りは、退職の意思が読み取れる可能性も高いため、離職防止策を講じることもできるでしょう。
3-4 技術を学び続けられる環境を整える |
成長意欲の高いエンジニアの場合、職務を通してスキルアップしたい意向を持っている方も多いため、技術を学び続けられる職場環境を整えることが大切といえます。
エンジニアがスキルアップできるような案件の獲得や、希望する業務を行える部署への配置転換を行うことで、エンジニアはスキルアップの機会を得られてモチベーションが向上するでしょう。
新規案件の獲得などが難しい場合は、定期的に勉強会を行うこともオススメです。成長意欲の高いエンジニアは自主的に参加すると考えられるため、技術がさらに向上したり、社員間で技術の共有ができたりするでしょう。
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3-5 労働環境を見直し改善する |
エンジニアの労働環境を見直し、改善することは、エンジニアの働きづらさ解消につながります。たとえば、エンジニアの退職理由のひとつである残業や休日出勤の多さの原因は、人手不足や不適切な仕事量の分配、難しい納期などが考えられるでしょう。
そのため、新たな人材を採用したり、仕事量や納期を見直したりすることが求められます。
また、コミュニケーションをとる機会を増やして職場の風通しをよくする、パソコンのスペックを向上させて業務をスムーズに行えるようにするなどの対策も、エンジニアの働きやすさ向上につながる可能性があります。
労働環境を適切に改善するためには、エンジニアから不満を聞き取ることが大切でしょう。
3-6 働き方を多様化する |
エンジニアのなかには、業務効率化を意識し、通勤時間を無駄と感じる方もいるかもしれません。エンジニアのモチベーションを下げず、ハイパフォーマンスで仕事をしてもらうためにも、テレワークやフレックスタイム制などを導入して働き方を多様化するといいでしょう。
多様な働き方を導入した場合、それぞれのエンジニアに合った働き方を選択してもらえるため、働きやすさを感じてもらえる可能性が高いです。
一方で、テレワークの場合はセキュリティ対策が必要になったり、フレックスタイム制の場合はミーティング時間が設定しづらかったりするデメリットもある点に注意が必要です。
3-7 社員がやりたいことを取り入れる |
エンジニアが企画やアイディアを提案しやすい環境を構築し、業務に取り入れていくとやりがいを感じてもらいやすいでしょう。エンジニアは、自分が発案した企画やアイディアを受け入れてもらえることでやりたいことに携われるため、業務に対するモチベーションが向上する可能性が高いです。
また、ほかのエンジニアからも企画やアイディアが出やすくなると考えられるため、事業のさらなる成長につながる可能性もあります。
エンジニアの企画が受け入れられなかった場合でも、傾聴し、検討することで、エンジニアの自社に対する信頼感が増し、離職しづらくなると考えられます。
4│まとめ |
エンジニアの退職理由は、給与の低さや社員間の連携の悪さ、曖昧な評価基準などが挙げられます。そもそもエンジニアは、DX推進などもあり多くの企業から求められる職種のため、より好条件の職場などに転職しやすい状況といえるでしょう。
優秀なエンジニアの離職を防ぐには、エンジニアが不満に感じている部分を対策することが重要です。評価制度や労働環境の整備などを行なって、不満の解消をはかりましょう。
また、採用の時点でミスマッチがなければ、早期離職を防ぐことにつながります。在籍しているエンジニアの離職を防ぐことも大切ですが、今後入社するエンジニアの離職防止も意識して、採用活動を工夫することも求められます。
いかがでしたでしょうか。少しでも参考になれば幸いです。
また、エンジニア採用でお困りなことがあればお気軽にtypeへお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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