今話題のボーナスの給与化とは?メリット・デメリットや向いている企業を解説

今話題のボーナスの給与化とは?メリット・デメリットや向いている企業を解説-03-202507

ボーナスの給与化とは、給与とは別に支給していたボーナスを給与に組み込むことです。大手企業を中心に、現在ボーナスの給与化に取り組む企業が増えてきています。

リットがある一方で、マイナスな影響を及ぼす恐れもあるため、検討する際には自社が適しているかを見極めることが重要です。

ボーナスの給与化について、意味や増えている背景、メリット・デメリット、向いている企業をご紹介します。

 

この記事でわかる事
  • ・ボーナスの給与化の意味
  • ・ボーナスの給与化が進む背景
  • ・ボーナスの給与化のメリット・デメリット
  • ・ボーナスの給与化に向いている企業

 

 

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   1.ボーナスの給与化とは

ボーナス(賞与)と給与の違いと、ボーナスの給与化の意味について解説します。

 

 

 

(1)ボーナス(賞与)と給与の違い

ボーナス(賞与)とは、給与とは別に従業員へ支給する臨時の報酬のことです。

給与は、労働基準法で支払いが義務化されており、売上の多寡に関わらず必ず発生する固定費ですが、ボーナスは企業の業績などによって支払いの有無や金額、時期、回数などを自由に設定できる変動費です。

ボーナスには、従業員の日頃の働きを評価し、モチベーションを向上させる効果のほか、人件費をコントロールできるという特徴もあります。

 

 

 

(2)ボーナスの給与化とは

ボーナスの給与化とは、給与とは別に支給していたボーナスを給与に組み込むことです。

例えば、次のようなケースが挙げられます。

  •    ボーナスの給与化例

  • 【給与+ボーナス】
    ・月給20万円
    ・ボーナス年3か月分(20万円 × 3か月 = 60万円) 

  • 【ボーナスの給与化】
    1.5か月分のボーナスを給与化
    ・月給22.5万円
    (月給にボーナス分を加算 ※30万円 ÷ 12か月 = 2.5万円)
    ・ボーナス年1.5か月分(20万円 × 1.5か月分 = 30万円)

 

ボーナスの給与化は、従業員と企業それぞれにメリット・デメリットがあるため、あらかじめ把握しておくことが大切です。

ボーナスの給与化のメリット・デメリットについては後述します。

 

 

 

   2.ボーナスの給与化が進む背景

ボーナスの給与化は進んでおり、大企業で取り組みが増えています。

ボーナスの給与化の実状と取り組む大企業が増えている背景について解説します。

 

 

 

(1)ボーナスの給与化の実情

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査の概況」によると、賞与制度がある企業割合は87.9%、賞与を支給した割合は92.8%、支給しなかった割合は6.5%です。

ボーナスを取り入れている企業が多いなか、近年では大企業を中心にボーナスの給与化への取り組みが増えています。例えば、ある企業は1万円の賃上げを行い、年2回だったボーナスを1回に減らしました。別の企業は、ボーナスの給与化によって大卒の初任給が約30%、全社員の給与が平均27%引き上げられています。

 

 

 

(2)ボーナスの給与化に取り組む大企業が増えている背景

ボーナスの給与化に取り組む大企業が増えている背景には、人口減少に伴う採用難易度の上昇があります。

日本は少子高齢化が進んでおり、人材の獲得競争が激化している状況です。人材に自社を選んでもらうには、自社を魅力に感じてもらうことが求められ、有効なアピールポイントのひとつとして給与の高さが挙げられます。

そのため、優秀な人材を他社よりも優位に獲得する術として、ボーナスの給与化が行われています。

 

 

 

   3.ボーナスの給与化のメリット

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ボーナスの給与化には、次のようなメリットがあります。

  • ・従業員の収入が安定する
    ・コストを抑えて初任給水準を引き上げられる
    ・採用競争力を高められる

メリットを具体的にご紹介します。

 

 

 

(1)従業員の収入が安定する

ボーナスが給与化することで、従業員の月々の収入が増加し、安定につながります。

ボーナスは必ず支払われるわけではなく、減額される恐れもあるため、給与化によって毎月必ず受け取れるものになると、生活設計がしやすくなり安心感も芽生えるでしょう。また、自社への満足度が向上し、定着率が高まる可能性もあります。

 

 

 

(2)コストを抑えて初任給水準を引き上げられる

通常、従業員の給与アップは、業績を向上させ、安定的に維持できる状況を作らないと難しいです。将来への不安から、安定への確証がないと踏み切れないでしょう。

ボーナスの給与化は、もともとの賃金の内訳を変えるだけのため、人事の管理コストや経営層の心理的負荷を抑えて初任給水準や基本給テーブルを引き上げられます。

 

 

 

(3)採用競争力を高められる

前述のように、現在は採用が難しい市場のため、ボーナスの給与化によって従業員の基本給を上げると採用競争力を高められるメリットがあります。

高い基本給は求職者にとって目を引き、応募を検討する材料となるでしょう。求人票へ明確に載せると、他社との差別化要素となり応募を集められる可能性があります。

 

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   4.ボーナスの給与化のデメリット

ボーナスの給与化2-03-202507

ボーナスの給与化には、従業員の収入の安定化やコストを抑えた基本給引き上げなどのメリットがありますが、デメリットもある点に注意が必要です。

ボーナスの給与化を検討している企業は、デメリットも十分把握しておきましょう。

  • ・従業員のモチベーション低下リスク
    ・人件費のコントロールがしづらくなる
    ・残業代や社会保険料増によるコストアップ
    ・従業員がネガティブな感情を抱く

 

 

 

(1)従業員のモチベーションが低下する

従業員の頑張りを評価し、高評価の場合に大きな金額を受け取れるケースもあるボーナスは、従業員のモチベーションを向上させます。ボーナスのために頑張るという従業員もいるでしょう。

ボーナスを給与化すると、年に数回受け取っていた「自分への評価」が目に見えなくなってしまうため、従業員のモチベーションが低下する恐れがあります。

 

 

 

(2)人件費のコントロールがしづらくなる

変動費であるボーナスは、人件費のコントロールを柔軟に行える点が給与と異なります。給与は業績によって増減させることが難しいため、ボーナスを給与化すると人件費のコントロールがしづらくなるデメリットがあります。

業績の低下時などに人件費を操作することを主な目的として賞与を設定している企業は、基本給に組み込むボーナスの割合を適切に検討することが大切です。

 

 

 

(3)残業代や社会保険料増によるコストアップ

ボーナスの給与化を行うと基本給が高くなるため、残業代や社会保険料が増加し、人件費が上がります。

  •    残業代の

  • 【基本給が月20万円の場合の残業代(一人当たり)】
    20万円 ÷ 160時間(1か月の所定労働時間) × 1.25(割増率) × 10時間(月の残業時間)= 15,625円

  • 【基本給が月22万円の場合の残業代(一人当たり)】
    22万円 ÷ 160時間(1か月の所定労働時間) × 1.25(割増率) × 10時間(月の残業時間)= 17,187.5円

  • 月2万円上がると約1,500円残業代が上がる
    →月に30人残業した場合約4.5万円(年間だと約54万円のコストアップ)

  •    社会保険料の

 社会保険料は労使合計で約30%(企業負担15%)

【基本給が月20万円】
社会保険料額:3万円

【基本給が月22万円】
社会保険料額:3.3万円 

 

ボーナスの給与化に取り組む場合は、人件費の増加額をあらかじめ計算しておくと、給与化するボーナスの割合の検討やコストを抑える対策考案などにつながるでしょう。

 

 

 

(4)従業員がネガティブな感情を抱く

ベースアップによる賃上げを行う企業も多いなかで、賃金の内訳を変更して基本給を引き上げる自社に対し、ネガティブな感情を抱く従業員がいるかもしれません。

従業員が不満を抱かないように、賃上げが目的ではないことを周知し、ボーナスの給与化がもたらすメリットの理解を促しましょう。

 

 

 

   5.ボーナスの給与化に向いている企業

ボーナスの給与化3-03-202507

ボーナスの給与化は大企業が取り組むケースが多いですが、中小企業でも有効な場合があります。

以下のような企業は向いている可能性があるため、検討すると人材採用で優位に立てるかもしれません。

  • ・売上や利益が年間を通じて安定している
    ・ボーナスがすでに固定費化している
    ・残業時間が短く今後も抑制方針
    ・給与が理由で採用競争力が低い
    ・キャッシュフローに余力がある
  • ・ジョブ型の人事制度を導入している

どのような企業がボーナスの給与化に向いているのか、ひとつずつ解説します。

 

 

 

(1)売上や利益が年間を通じて安定している

売上や利益が年間を通じて安定している企業は、ボーナスの給与化に取り組むと従業員の収入が安定し、自社への満足度やモチベーション向上につながる可能性があります。

例えば、公共インフラ事業やSaaS事業を営む企業は安定した収益を得やすいため、支給する給与額が高くなっても経営を圧迫するリスクが低く、懸念事項となりにくいでしょう。

 

 

 

(2)ボーナスがすでに固定費化している

ボーナスを毎年ほぼ固定額支給しており、実質固定費化している企業は、ボーナスの給与化のデメリットで挙げた「人件費のコントロール」についてマイナスな影響を受けにくいため、向いていると考えられます。

変化が激しい現代において、物価高などで日々の生活に大変さを感じている方は多いです。常に同額支給していたボーナスを給与化することは、従業員だけでなく求職者にとっても魅力となる可能性があります。

 

 

 

(3)残業時間が短く今後も抑制方針

残業が多い企業の場合、ボーナスの給与化に取り組むとコストが上がり、大きな負担となるかもしれません。一方、残業時間が短くて今後も抑制方針の企業は、コストアップのリスクが低く、デメリットとなりにくいでしょう。

採用活動においては、与の低から代を生活の足しにしていという求職者もいるかもしれないため、自社の業をしなくても高い与を受け取れる」という求人は、より多くの応募獲得につながると考えられます。

 

 

 

(4)給与が理由で採用競争力が低い

他社と比べて魅力的な給与といえず、採用競争力が低い企業は、人材獲得に苦戦するでしょう。改善策としては賃上げが挙げられますが、経営を切り詰めての賃上げは本末転倒です。

ボーナスの給与化は、新たに資金を確保しなくても限られた原資で給与水準を上げられるため、無理なく採用力を強化できます。給与が低いことに悩んでいる企業は、ボーナスの給与化を検討するといいでしょう。

 

 

 

(5)キャッシュフローに余力がある

キャッシュフローに余力がないと、増額した給与の支払いに対応できず銀行から借り入れることになり、返済の負担が生じたり経営が不安定になったりする恐れがあります。

一方、キャッシュフローに余力があればボーナスの給与化をしても安定した支給が可能です。キャッシュフローに余力がある企業は、採用の優位性確保のために取り組むことをオススメします。

 

 

 

(6)ジョブ型の人事制度を導入している

ボーナスには人件費のコントロール材料としての側面がありますが、ジョブ型の人事制度を導入している企業は、不要なポジションをなくすことで人件費を調整できます。

また、そもそも賞与を抑えて固定給を厚くしているため、ボーナスに依存しない社内体制がボーナスの給与化に適しているでしょう。

 

💡ジョブ型雇用のメリットと導入企業事例についてまとめた記事はこちら

ジョブ型雇用とは?定義やメンバーシップ型との違い、メリット・デメリットを解説!

 

 

 

   6.まとめ

ボーナスの給与化を行うと、従業員の収入が安定して自社に対する満足度が高まるメリットがあります。採用活動においても求職者にとって魅力に映る給与を提示でき、採用競争力を高められるでしょう。

一方、人件費のコントロールがしづらくなる、残業が多いとコストが上がるなどのデメリットもあるため、もし取り組みを検討する場合は自社がボーナスの給与化に向いているかを的確に見極めることが重要です。

 

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