近年、インターネットやSNSの発達により、中途採用市場でもさまざまなサービスが次々とリリースされています。伴って求職者の方が転職活動を行う際の情報収集方法も多様化しており、このような状況下で現在注目を集めているのが「オウンドメディアリクルーティング」です。
今回の記事では、そもそもオウンドメディアリクルーティングとは何なのか、そして導入のメリットやデメリット、実際に始めるにはどうしたら良いのかについてご紹介していきます。
1.オウンドメディアリクルーティング(OMR)とは |
オウンドメディアリクルーティングの定義や求人サイトとの違いについて解説します。
(1)オウンドメディアリクルーティングとは
オウンドメディアリクルーティングとは、「自社のメディア」を意味するオウンドメディア(Owned Media)と、「採用活動」を意味するリクルーティング(Recruiting)を合わせた言葉です。英語の頭文字をとり、「OMR」とも呼ばれています。
自社のメディアとは、自社サイトやブログ、TwitterやFacebookなどのSNSなど、企業様が運用するさまざまなメディアのことを指します。
(2)オウンドメディアリクルーティングの定義
オウンドメディアリクルーティングは、自社メディアを通じて企業情報や自社の魅力などを発信し、広範囲の人材へ自社をアピールする採用活動です。
さまざまな人材へ情報を届けられるだけでなく、求職者の方の企業理解が深まるため、採用時にミスマッチが生じづらくなるでしょう。
自社メディアを活用し、時期を問わず継続的に情報発信を行うことで、自社に共感してもらったりスキルマッチしている人材からの応募を促せる可能性が高いため、意欲的に行うと効果的な採用活動といえます。
(3)求人サイトとの違い
オウンドメディアリクルーティングと求人サイトの違いは、役割と情報の中身です。
オウンドメディアリクルーティングの役割は企業認知を高めることで、自社が届けたい情報を自由に発信できるため、多角的な面から自社をアピールできます。自社運用のため、発信した情報は蓄積され、掲載期限はありません。
一方で、求人サイトの役割は応募の窓口で、掲載する情報の要点は求職者の方が知りたい情報に絞られているため、ピンポイントに求職者の方へ届けられます。しかし、求人情報の掲載期間が定まっている場合が多いです。
異なる役割と利点をもつオウンドメディアリクルーティングと求人サイトは、併用することでより積極的な採用活動が行えます。
2.オウンドメディアリクルーティングが注目されている理由 |
オウンドメディアリクルーティングが注目されている理由には、現在の日本の状況や、人々の価値観の変化などがあります。
以下よりオウンドメディアリクルーティングが注目されている理由を解説します。
(1)優秀人材の獲得が難しい市況
現在の日本は、少子高齢化が進行しており、20歳から64歳の働く世代が減少傾向にあります。厚生労働省によると、2040年には全人口の50%にまで落ち込む推定です。
参考:我が国の人口について
少子高齢化により優秀な人材の獲得が難しくなるため、オウンドメディアリクルーティングを活用し自社の採用活動の間口を広げ、より多くの求職者の方に自社を認知してもらう必要があります。
オウンドメディアリクルーティングを幅広く行うことにより、Twitterを利用している方にはTwitterで、検索エンジンを活用して求職活動をしている方には自社ブログで、自社をアピールできるでしょう。
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(2)仕事に対する価値観の多様化
ワークライフバランスを意識した働き方改革が進行し、求職者の仕事に対する価値観が多様化しています。残業の有無や福利厚生の充実度、リモートワークやフレックスタイム制などの働き方の自由度以外にも、仕事に対し「やりがい」や「社会貢献度」などを求める求職者の方も増えてきているでしょう。
「やりたい仕事」「働きたい環境」が明確な求職者の方も多いため、自由に情報発信ができるオウンドメディアを活用して、自社を多角的な面からアピールすることが求められるでしょう。
(3)仕事選びに関する情報収集リテラシーの向上
インターネットやSNSが発達し続けている現代において、求職者の方はさまざまな情報を自ら探し、自分にとって有益な情報、無益な情報を取捨選択できるようになりました。能動的な情報収集によって情報収集リテラシーが向上したことにより、求職者の方は各企業の情報も自ら収集し、企業と自身のマッチ度を見極めるでしょう。
そのため、求職者の方に自社を認知してもらうだけでなく、「自分の価値観とマッチしているか」を見定めてもらえるように、さまざまなオウンドメディアで自社の理解を深めてもらうことが大切です。
(4)採用後のミスマッチを防ぐ
求職者の方の採用後にミスマッチが生じた場合、採用者の方の早期離職につながる恐れがあり、万が一退職に繋がった場合は、もう一度新たな求人をかける必要が発生するなど、大幅な採用コストがかかるかもしれません。採用者の方の教育コストも、費用対効果がなくなる可能性があるでしょう。
求職者の方に自社を深く理解してもらうことがミスマッチ防止につながるため、自社の理念や職場の雰囲気、従業員の声などを自由に求職者の方に届けられるオウンドメディアリクルーティングが注目されています。
3.オウンドメディアリクルーティングのメリット・デメリット |
オウンドメディアリクルーティングは、社会情勢や働く方の価値観の多様化から、現在注目されています。
採用活動でぜひ取り入れたいオウンドメディアリクルーティングですが、メリットのみでなくデメリットもあるため、注意が必要です。
オウンドメディアリクルーティングのメリットとデメリットを解説します。
(1)メリット
オウンドメディアリクルーティングのメリットは4つあります。
① 自社の魅力を最大限アピールできる
求人サイトの場合は、掲載できる情報のコンテンツや文字数、写真の枚数が決まっているケースが多いです。一方で、オウンドメディアで自社サイトを運用している場合は、情報のコンテンツを自由に設定したり、自社の雰囲気が伝わる写真を多く掲載できたりするでしょう。
自社のイベント開催時には、写真とともにイベント内容を発信することで、自社行事を求職者の方に理解してもらうことにもつながります。レイアウトも自社で工夫ができるため、求人サイトでは伝えきれない自社の魅力を、企業様の個性を出しながら最大限アピールできます。
② 転職潜在層に長期的なアプローチができる
オウンドメディアリクルーティングは、転職活動に意欲的ではない求職者の方や、現在転職活動中ではない方の目にも入りやすくなるため、潜在意識に働きかけることも可能でしょう。
たとえば、現在は転職活動を行っていない方でも、のちに転職活動を始めた際に「そういえばあの会社があったな」と思い出してくれる可能性があります。
転職顕在層が多い求人サイトとは異なるオウンドメディアリクルーティングの実施により、転職潜在層にも長期的なアプローチができることは、将来的な採用活動の補助にもつながるでしょう。
③ 採用後のミスマッチを減らせる
求職者の方は多様な価値観をもち、企業様に求める働き方も十人十色なため、求職者の方に自社について多角的に理解してもらうことが大切といえます。
自社の情報を自由に発信できるオウンドメディアであれば、業務や福利厚生の内容といった一般的な求人情報以外にも、自社イベント、社員同士の飲み会、ちょっとした日常の出来事なども発信可能です。
求職者の方に「自社で働くイメージ」を鮮明に抱いてもらうことで、採用後のギャップを最小限に抑えられ、ミスマッチを減らせる可能性が高まるでしょう。
④ 作成したコンテンツが資産として蓄積される
一方で、オウンドメディアリクルーティングで作成したコンテンツは、自社が削除しない限り蓄積され続けられる為、自社の資産としてさまざまな媒体で活用できるでしょう。
コンテンツが検索エンジンなどで多くヒットした場合、求職者の方や転職潜在層の目に留まりやすくなるため、蓄積された資産は自社の認知への入り口にもなりえます。
(2)デメリット
オウンドメディアリクルーティングは活用するメリットが多くありますが、デメリットもあるため把握しておく必要があります。
オウンドメディアリクルーティングのデメリットを3つ解説します。
① 初期コストがかかる場合がある
自社サイトを一から作成する場合、初期コストがかかる可能性が高いです。継続的にかかるサーバー代やドメイン代以外に、サイトのデザインや機能を自社独自にしたい場合、自社内で対応が難しければ外部に依頼するコストも発生するでしょう。
作成したい自社サイトに対し、必然的にかかるコストと自社内で対応して抑えられるコストを、事前に想定しておく必要があります。
② 定期的・継続的なコンテンツ発信が重要
オウンドメディアリクルーティングを行う際には、定期的・継続的なコンテンツ発信が重要です。オウンドメディアリクルーティングは即効性のある採用活動ではないため、自社情報を継続的に発信することでコンテンツが蓄積され、求職者の方に自社を認知してもらう窓口の数を増やすことにつながります。
また、掲載しているコンテンツの見直しも随時行うようにしましょう。たとえば、すでにない制度を福利厚生の情報として載せていた場合、応募してくれた求職者の方とのミスマッチを誘発する恐れがあります。
継続的なコンテンツ発信や見直しは労力がいるため、担当者を複数名にするなど、業務体制を整える必要があるでしょう。
③ 運用ノウハウが必要
オウンドメディアリクルーティングを開始して自社情報を発信するだけでは、自社が求める人材の応募が来ない可能性があります。求める人材からの応募を促すためにも、運用ノウハウをオウンドメディアリクルーティングに取り入れていく必要があるでしょう。
自社内でマーケティングやサイト運用のノウハウを保持していない場合は、専門の人材の採用や外部への依頼、もしくは人材育成を検討したほうがいいかもしれません。
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4.オウンドメディアリクルーティングの始め方 |
オウンドメディアリクルーティングは、「ペルソナ設計」「オウンドメディア選定」「コンテンツ作成」の3ステップで始めていきます。
以下より詳しくオウンドメディアリクルーティングの始め方をご紹介します。
(1)ペルソナ設計を行い採用ターゲットを明確化する
ペルソナとは、採用ターゲットである人材の年齢や住所、家族構成、趣味などを細かく想定し、まるで実在する人物のように作り上げた「人物像」のことを指します。
ペルソナ設計の方法は、次の6ステップです。
① 募集ポジションに必要な資質や適性を考える
募集するポジションに、どのような資質や適性をもった人材が必要なのかを考えましょう。資質や適性が異なる人材を採用した場合、業務が滞ったり、ミスマッチが発生したりする恐れがあります。
たとえば、事務担当者を採用したい場合には、経理事務、営業事務など、ポジションによって必要な資質や適性が異なるでしょう。顧客からの受電対応を行う場合には、接客経験があったほうがいいかもしれません。
募集ポジションだけでなく、必要な資質や適性も併せて考えることが大切といえます。
② 自社で働くメリット・デメリットを整理する
自社の職場環境について、メリットとデメリットを整理します。たとえば、夏季休暇や年末年始休暇が比較的長いというメリットと、人手が少ないため、一人に割り振られる業務が多岐に亘るというデメリットがあったとします。
長期休暇が欲しいと思っている求職者の方でも、ひとつの業務に従事したいと考えている場合には、複数業務を担う職場環境はマッチしづらいかもしれません。一方で、複数業務に従事できることを、自己成長につながるとしてメリットと感じる求職者の方もいる可能性があります。
自社のメリットだけでなく、デメリットも含めて職場環境を整理することで、自社によりマッチする人材を設定できるでしょう。
③ 求める採用要件を洗い出す
採用要件を洗い出す際には、採用したい人材をイメージするのではなく、自社で実際に募集内容と同ポジションで働いている社員のスキルや性格を言語化しましょう。
自社で活躍している社員のスキルなどを言語化することで、募集ポジションに就ける人材の要件が明確になります。
④ 必須の条件か不要な条件か整理する
明確になった人材の採用要件を、「MUST条件(必須条件)」「WANT条件(あると望ましいが、なくても可)」「NEGATIVE条件(不要条件)」の3項目に整理します。採用要件に優先順位をつけることにより、求める人材がオーバースペックになることを防止できるでしょう。
条件の整理は、採用担当者だけでなく配属予定の現場担当者や責任者とともに行うことをオススメします。条件の整理を現場担当者などとともに行うことでペルソナを共有できるため、選考基準が統一できたり、入社後のミスマッチを防止できたりするでしょう。
また、採用担当者のみで整理した場合に、現場では必須条件であったのに不要条件にしてしまうなどの、整理に誤りが生じる恐れも回避できると考えられます。
⑤ 市況を鑑みて「採用できる人物か」を考える
整理した採用要件から、募集したい人材の採用市況を鑑みて、自社が採用できる人物かを考えましょう。
採用できる人物かを見極めることは、ペルソナ設計のステップのなかでも重要な工程です。「採用要件にマッチした人材を採用したい」という気持ちが先行してしまい、競合他社の訴求ポイントや求職者の方の希望をチェックできていない場合は、応募がこない恐れがあります。
自社が採用できる人物かを見極める視点は、「転職者の視点」「競合他社の訴求ポイント」「自社の訴求ポイント」の3点です。
採用できる人物かを見極める視点
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転職者の視点と競合他社の訴求ポイントを事業内容や給与待遇などの項目ごとに表などでまとめ、内容を比較しながら、自社の訴求ポイントを見極めてまとめていきましょう。
中途採用における「競合他社」の定義は、「会社規模(従業員数)」「給与」「勤務地」「応募資格」が類似していることです。
確認する「競合他社」の定義が異なってしまうと、採用できる人物かを正確に見極められなくなってしまう恐れがあるため、注意しましょう。
⑥ キャラクター部分を深堀りする
「採用できる人物か」の見極めが完了したあとは、ペルソナのキャラクター部分を深掘りします。ペルソナは「一人の人物」を設定するため、転職を望む人物のストーリーや志向性を考えましょう。
たとえば、「やりがいのある仕事に就きたいが、子供や家族との時間も大切にしたいと考えている人」と設定している場合、「現職はやりがいがあっても残業や休日出勤が多く、家族との時間がとれず不満が溜まっている」などのストーリーが考えられます。
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(2)オウンドメディアを選定する
採用ターゲットを見極めたあとは、オウンドメディアを選定します。
① 採用サイト
自社で採用サイトを立ち上げる場合、自社内でサイトを作成する方法と、外部に依頼する方法が考えられます。自社内にサイト作成のできるエンジニアがいる場合は、自社内でサイトを作成したほうがコストを抑えられるでしょう。
一方で、外部に依頼する場合は作成コストがかかります。また、自社のサイトイメージと相違しないために、サイトのコンセプトや掲載したいコンテンツ、ペルソナ設計などを漏れなく共有することが重要となるでしょう。
② ブログ
ブログは、自社サイト内にブログページを作成したり、既存のブログ作成サイトを利用したりして活用できます。現在はnoteを利用する企業様も多い傾向にあります。ブログの内容はさまざまで、企業様の得意分野や専門分野についてまとめられていたり、社員インタビューで職場環境を伝えたりしています。
情報を自由に発信できることで、求職者の方に企業理解を深めてもらうことにつながるでしょう。また、キーワード選定などのSEO対策を実施してブログ記事にした場合、検索エンジンで上位表示される可能性が高まるため、転職潜在層にもアピールできる可能性があります。
③ SNS
FacebookやTwitter、Instagram、TikTok、YoutubeなどのSNSは、アカウント開設や運用が無料でできるため、コストを抑えられるでしょう。また、検索エンジンの利用者だけでなくアプリの利用者にも認知されるため、企業認知を広められる可能性があります。
SNSは文字数制限があったり、発信する情報に制限がかかったりする場合もありますが、他者との共有機能があるため、情報を共有してもらえた場合は、企業の認知スピードが速まるかもしれません。
(3)設計したペルソナに向けて発信するコンテンツを作成する
ペルソナを設計し、情報発信するオウンドメディアを選定したあとは、コンテンツ作成を行いましょう。
① 自社の魅力と他社との差別化ポイントを整理する
自社と他社との差別化ポイントを整理するためにオススメの方法が、ブレインストーミング(ブレスト)です。ブレストとは、意見や考えを自由に発言し、アイデアをまとめていく「集団発想法」です。
オウンドメディアリクルーティングに携わる担当者や経営者が、自社の「働きやすさ」と「スキル面」の強みと弱みをそれぞれ付箋に書き出し、ホワイトボードなどに貼り付けていきます。
付箋の量により自社の強み弱みが一目で分かるため、自社の魅力となり他者と差別化できるポイントを整理しやすくなるでしょう。また、複数人でブレストを行うことにより、知らなかった強みを発見できたり、弱みが強みになる考えが出てきたりする可能性があるため、新たな自社認識につながることも考えられます。
② シェアードバリューコンテンツで自社の存在意義や魅力を伝える
シェアードバリューコンテンツは、自社がどのように社会貢献しているか、何を目指して業務を行っているかなどの自社の存在意義や魅力を伝えるためのコンテンツです。シェアードバリューコンテンツは「パーパスコンテンツ」と「カルチャーコンテンツ」の2要素で構成されています。
求職者の方の共感を誘うことを目的としているため、情報を箇条書きなどで簡潔に伝えるより、「なぜ事業を起こしたのか」などを物語風にして具体的に示すほうが、求職者の方の目を引く可能性があるでしょう。
また、自社の情報を発信する際には、自社にメリットとなる情報だけでなく、デメリットとなる情報も発信することが大切といえます。求職者の方の情報収集リテラシーが高まっているため、企業に対する悪い情報が他者から発信されていた場合、良い面ばかりをアピールする企業は信頼を失う恐れがあります。
求職者の方から共感されるだけでなく、誠実な企業として認識されるためにも、自社にデメリットとなる情報も発信することが求められるでしょう。
③ パーパスコンテンツで自社が今後目指していく姿を伝える
パーパスコンテンツは、自社が目指す姿や企業方針などの「企業理念」や「ミッション」を伝えるためのコンテンツです。コンテンツ内容は、経営者や経営陣など、企業の経営に関わる人材のインタビューなどが該当します。
パーパスコンテンツで企業理念を発信することにより、企業の目指す姿を求職者の方に伝えられるため、企業理解が深まったり、共感してもらえたりする可能性が高まるでしょう。企業理解が深まった場合、ミスマッチ防止にもつながると考えられます。
パーパスコンテンツで経営者のインタビューを掲載する場合は、社員が経営者の言葉を要約したり、文字だけで掲載したりするのではなく、「経営者から求職者の方へのメッセージ」になるようにしましょう。
たとえば、経営者の話し方や言葉をそのまま載せたり、経営者の思いが伝わるような写真を使用したりすることで、経営者の事業に対する思いが、求職者の方の心により響くようになるでしょう。
また、企業理念に共感して入社した社員の入社までの経緯を物語風にして伝えることも、求職者の方が自分に置き換えてイメージしやすいため、志望動機を高められる可能性があります。
④ カルチャーコンテンツで自社で働くイメージを湧かせる
カルチャーコンテンツは、自社の文化や行事、部活動、職場環境、福利厚生、評価制度などを伝えるコンテンツです。求職者の方が企業理念に共感できた場合でも、自社文化や職場環境に不満があればミスマッチを感じ早期離職につながる恐れがあるため、社員の声などと併せて伝えることをオススメします。
実際に自社で働き、自社文化や福利厚生に触れている社員の声を求職者の方へ伝えることで、求職者の方の自社文化などの理解が深まるため、自社で働くイメージをもってもらいやすくなるでしょう。
また、年齢層や役職、担当業務が異なる社員の声をバランスよく掲載することで、年齢や経歴が異なる幅広い求職者の方へのアピールにつながります。
自社の文化や職場環境は、求職者の方へ文字のみで伝えた場合イメージしづらい可能性が高いため、写真や動画なども活用して、視覚的に分かりやすく伝えるとより鮮明に働くイメージが湧きやすいでしょう。
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5.オウンドメディアリクルーティングの運用方法 |
オウンドメディアリクルーティングを運用する際のポイントを解説します。
効果を定期チェックしながら分析改善していく
オウンドメディアは、コンテンツのPV数や検索順位、クリック率などのデータ分析が可能なため、定期的にチェック、改善することでより良いコンテンツに修正することができます。
たとえば、狙ったキーワードで流入がない場合は、タイトルの変更などの改善策が考えられるでしょう。離脱率が高い場合は、コンテンツ内容がユーザーニーズを満たせなかったり、コンテンツに魅力がなかったりすることが考えられるため、コンテンツ内容の見直しが必要かもしれません。
オウンドメディアリクルーティングは、定期的にデータ分析することで課題を早期改善できる可能性が高まりますが、運用ノウハウがない場合、難しく感じることもあるでしょう。
オウンドメディアリクルーティングで採用広報を効果的に行うためにも、運用ノウハウがある人材へ依頼するなどの対応も検討するといいかもしれません。
6.オウンドメディアのコンテンツ事例 |
オウンドメディアのコンテンツ事例を、弊社の採用サイトを例に挙げてご紹介します。
(1)採用サイト
弊社の採用サイトでは、社員の声や転職者へのアンケート内容、社内制度などを写真やイラスト、データを用いて紹介しています。
弊社で紹介している社員の声などの項目について、実際に掲載している内容を例に挙げながらご説明します。
① 社員インタビュー
社員インタビューは、複数ある事業部からさまざまな経歴をもつ社員へのインタビューを実施し、同じような経歴をもっていたり、転職への思いに共感したりする求職者の方の関心を引くようにしましょう。
また、社員から職場環境や仕事のやりがいの本音を聞き出して掲載することにより、求職者の方に職場環境や社内制度の理解を深めてもらい、自社で働くイメージをもってもらいやすくします。
求職者の方に「自社で働いている人」のイメージも伝えるため、社員インタビューページには、インタビューした社員の写真やプロフィールも掲載するといいでしょう。
② 転職者アンケート
転職者アンケートページでは、「自社に転職したときの年齢」や「前職の職種」などの転職者自身に関するデータから、「自社はどのような会社か」「入社してから昇進するまでの期間」など、自社に関するデータまでを多角的な面から掲載しています。
転職者の情報を載せることで、実際に転職活動をしている方の共感を生んだり、自分に置き換えてイメージできたりするでしょう。また、自社に関するデータである「昇進するまでの時期」「残業時間」「人間関係」などのアンケート結果からは、自社の働き方や職場の雰囲気を求職者の方にイメージしてもらえる可能性が高いです。
アンケート結果は、項目と数値のみでなく、理由も載せるようにしましょう。たとえば、「自社が働きやすい環境だと思うか?」という項目のアンケート結果を載せる場合は、「なぜそう思うのか」の理由も載せることをオススメします。
なぜなら、理由は「社員の声」のため、理由を載せることにより、自社の環境をより具体的に求職者に伝えられるからです。理由を掲載する際には、企業様の透明性を出すために、自社の良い点のみでなく、マイナスと捉えられる恐れのある点も載せるようにしましょう。
③ 社内制度紹介
福利厚生や評価制度、研修制度などの社内制度を漏れなく紹介することにより、入社後のミスマッチ防止につながるでしょう。社内制度を紹介する際には、制度を文字にして羅列するのではなく、イラストや写真を用いたりスケジュールを表にしたりして視覚的に分かりやすくすると、求職者の方が理解しやすくなると考えられます。
また、求職者の方は「正当に評価されるのか」「仕事についていけるのか」などの不安を抱えている可能性があるため、評価制度や研修制度の内容を具体的に伝えることにより、不安の払拭ができるでしょう。
社内制度や企業文化を全面的に伝えることは大切ですが、設定したペルソナに訴求できるポイントがある場合は、より詳細に内容を掲載してアピールすると、求職者の方の志望動機を高められる可能性があります。
④ フォトギャラリー
求職者の方に自社のことをより深く理解してもらうために、文字だけでなく写真を活用すると効果的でしょう。働いている社員の姿や表情、職場の雰囲気や設備が写真から読み取れるため、求職者の方は自社で働くイメージをもちやすくなります。
求職者の方によっては、企業に求めるものの中に「職場環境の清潔感」が含まれる場合もあるため、自社の職場環境の様子を写真で伝えることにより、求職者の方の応募へのハードルを下げることにつながるでしょう。
また、仕事をしている社員の写真だけでなく、プライベートの社員の写真も載せることで、求職者の方に「一緒に働く社員」の雰囲気や人柄を伝えられるため、人間関係の不安払拭も可能でしょう。
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