営業求人の書き方のコツとは？応募が集まるポイントを例文付きで解説！

2024年10月現在、営業職の有効求人倍率はほかの職種と比較して高い傾向にあり、人材獲得に苦労している企業も多いでしょう。

営業職の求人を作成する際には、「仕事内容」や「給与」など、求職者が必ず見る項目で記載すべき情報を明確に示すことがポイントです。

営業職の現在の採用市況と求人の作成ポイント、職種別営業求人の書き方のコツをご紹介します。

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厚生労働省の発表によると、令和6年7月における全体の有効求人倍率は1.24倍でした。

参考： 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和6年7月分)について」

求職者数を求人数が上回っている状態は平成26年度から続いており、多くの企業が人手の確保に苦戦していることが読み取れます。

全体の採用市況を踏まえたうえで、営業職に注目して採用市況を見てみましょう。

（１）営業職の有効求人倍率

厚生労働省が発表した職種別の有効求人倍率によると、令和6年7月における営業職の有効求人倍率は2.29倍でした。

ほかのいくつかの職種とともに、有効求人倍率が高い順で下表にまとめてみました。営業職は比較的、有効求人倍率が高いことがわかります。

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（２）役割の細分化による営業職の多様化

営業職と聞くと、顧客の新規開拓・営業活動・契約・アフターフォローまで一貫して担当するというイメージがあり、実際に、従来の営業職はすべてひとりで対応していました。

しかし、現在は少子高齢化の影響で労働力不足に悩まされている企業が多く、引き続き安定的な経営や発展をしていくには、生産性を上げることが求められています。そのため、営業職の役割を細分化し、効率化を図ることが重要という考えの普及によって、現在では多様な営業職が生まれています。

例えば、見込み顧客への営業はインサイドセールスが担当し、受注のための商談はフィールドセールスが担当し、契約した顧客へのアフターフォローはカスタマーサクセスが担当するというように、段階に応じて別の人材が対応します。

役割によって必要なスキルや働きがいなどが異なるため、募集する営業職の役割に応じた魅力を発信すると、応募を集められるかもしれません。

営業求人の作成ポイントは、次の5項目をどのように書くかです。

効果的な書き方を解説します。

（１）仕事内容

求職者が仕事のイメージを抱きやすいように、営業スタイルについて具体的に記しましょう。

営業職と一口にいっても、営業する相手や営業するモノ、営業手段などは多岐にわたります。そのため、「どのようなお客様に」「どのようなモノを」「どのように営業するのか」を明確に示すことが、求職者の応募意欲を高めたりミスマッチを防止したりするのに重要です。

営業手段については、「週に3回新規訪問」など、営業頻度も記載するとわかりやすいです。また、一日の仕事のスケジュールも詳細に載せれば、求職者の不安払拭につながり、応募を集めやすくなる可能性があります。

併せて、ノルマの有無やサポート体制についても記載しましょう。営業職に興味はあっても、ノルマを達成できるかが心配で踏ん切りがつかない求職者もいると考えられるため、ノルマがなければ「ノルマなし」の旨を示すと、応募に踏み切ってもらえるかもしれません。

ノルマがある場合も、ノルマ達成のためにどのようなサポート体制があるかなどを示せば、挑戦意欲が湧く求職者もいるでしょう。

（２）給与

営業職の給与は、基本給にプラスしてインセンティブや歩合給が支給されるケースが多いです。成果報酬がある営業職は、収入アップを目指す求職者にとって魅力であるため、インセンティブ制度などの有無や具体的な給与例を示して「どのくらいの収入を得られるか」をアピールしましょう。

また、平均年収の実績も併せて載せると、求職者のイメージが実態に即したものになり、給与に関するミスマッチ防止につながります。

（３）扱う商材

営業職は、保険や住宅などのなにかしらの商材を扱っており、商材に魅力があるほど顧客ニーズが高く、売りやすくなります。営業の成功率が高い商材のほうが、求職者にとっても「インセンティブで収入を増やせる」「営業するのが楽しそう」と思われやすいため、求人票では扱う商材の特徴や魅力を伝えることが大切です。

商材の強みを求職者により理解してもらえるように、需要がどの程度あるのか、業界全体の動向についてなども併せて明記しましょう。

営業未経験者は、商材をどのように営業するのかわからず、不安を感じている可能性が高いため、商談のロールプレイングや商材に関する座学などの教育体制が整っていることも伝えると、安心感につながります。

（４）評価制度

営業職は、インセンティブ制度や歩合制などによって給与アップが期待できる職種です。しかし、インセンティブなどの制度について具体的な記載がないと、評価方法や給与の見込みがわからず、求職者は応募にいたらない恐れがあります。

そのため、インセンティブが支払われる要件や昇進・昇給のタイミングなどを記載できる範囲で記載して、自社の評価制度を伝えることをオススメします。非公開情報などで求人票に記載できない場合は、「面接の場でお伝えします」のように記すと、求職者にとってネガティブな印象にならず、応募の獲得にもつながるかもしれません。

社員インタビューで「若手でも適正に評価してもらえて昇進した」などの実例を載せると、より信憑性が増すでしょう。

（５）休日・勤務時間

働き方改革が進み、ワークライフバランスを重視して仕事を選ぶ求職者も多いため、求人票には自社の休日数や勤務時間について具体的に明記し、求職者に訴求したりミスマッチ防止を図ったりしましょう。

休暇の取得率や平均残業時間を数値で示すと、より具体性が増し、求職者は入社後のイメージがしやすくなります。

現在、残業が多い場合でも、残業時間削減のための取り組みをしている場合は、「ITツールの導入で業務効率化を図り、残業削減を目指しています」のようにポジティブな姿勢を見せると、求職者によい印象を与えられるでしょう。

前述のように、営業職は多様化していたり、扱っている商品が幅広かったりするため、自社が求める「営業職」向けの求人を作成することが重要です。

次の5つの職種向けに、書き方のコツを例文付きでご紹介します。

（１）インサイドセールス

インサイドセールスは誰向けに、なにを営業するのかなどを求人票の職種名や仕事内容欄に記載します。「インサイドセールス」の仕事自体がわからないという求職者もいるため、インサイドセールスは「内勤営業」のことである旨など、求職者に寄り添いわかりやすく書くことも大切です。

また、インサイドセールスの特徴を訴求し、求職者の応募意欲をかき立てましょう。例えば、室内で業務を行えるという特徴から、リモートワークが可能である点は、育児や介護で働きに出るのが難しい方にとって応募のハードルが低いと考えられます。営業未経験者の場合も、インサイドセールスは電話などでアポを獲得し、フィールドセールスにつなげる仕事のため、初めて営業の世界に入るには挑戦しやすいでしょう。

【求人作成例】

（２）カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、企業によってど呼び方が異なるケースがあるため、職種名や仕事内容は求職者がイメージしやすいように工夫しましょう。

カスタマーサクセスの特徴として、営業相手が既存顧客であることや、顧客と伴走して顧客に成功体験をもたらすこと、サブスクリプションの普及によってニーズが高まっていることが挙げられます。

求職者にカスタマーサクセスの仕事をわかりやすく伝えながら、特徴によるメリットをアピールすると、応募獲得増加につながる可能性があります。

【求人作成例】

（３）保険営業

保険営業は、人の生命に関わる終身・養老・年金・医療のほか、自動車や建物（地震・火災・家財）など、扱う種類がさまざまです。また、自社の保険を売る場合と、保険代理店として他社の保険を売る場合もあり、アウトバウンドセールス、インバウンドセールスといった営業方法も異なります。

そのため、仕事の内容や営業方法を具体的に記載し、求職者を困惑させないようにしましょう。併せて、保険は人の人生に関わる商品であること、家族構成や病歴、資産などの深い部分にも触れることなどを踏まえて、顧客のためになるプランを提案するやりがいなどを訴求します。

【求人作成例】

（４）IT営業

システムやソフトウェアの導入、Webマーケティングなど、ITビジネスに関する営業活動を行うIT営業は、企業によって仕事内容がさまざまです。

顧客折衝から契約後のアフターフォローまで一貫して担当するケースも多いため、商材や仕事の範囲を明確に記載すると、ミスマッチ防止につながるでしょう。

IT営業は専門的な知識が必要な職種であることから、元々技術職である求職者は特に、スキルを活かせたりやりがいを感じられたりすると考えられます。

【求人作成例】

（５）不動産営業

不動産営業は、家などの不動産の販売や賃貸契約をするのが仕事ですが、来客に対して営業するのか、顧客宅へ訪問するのかなど、仕事内容は異なります。

基本的に、不動産販売営業では担当者一人ひとりに売上目標が設定されており、インセンティブも高い傾向にあるため、実績が給与に反映されやすい点をアピールすると収入アップを目指す求職者に刺さるかもしれません。

また、家やマンションといった不動産は、顧客の人生を左右する大きな買い物であることから、顧客の人生設計をサポートするやりがいもあります。扱う商材が大きく、人の人生に密接に関わる仕事をしたいという求職者に、「不動産」を扱う楽しさを訴求しましょう。

【求人作成例】

営業の求人の書き方として、顧客や商材、営業手段を具体的に記すと、求職者は営業のイメージがつきやすくなり、応募へのハードルが下がると考えられます。

また、ワークライフバランスを重視して仕事探しをする求職者が多いため、休日日数や勤務時間、残業の有無についても詳細に示すことがポイントです。

ご紹介した職種別の営業求人の書き方をご参考にして、自社の営業職の魅力を求職者へ訴求していきましょう。

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