
チェンジマネジメントとは、従業員が新たな環境や業務に慣れるようにサポートしながら、組織が目指す姿を実現するための体系的な変革手法のことです。
変化が激しく、先行きが不透明であるVUCA時代の現代において、チェンジマネジメントは重要な考え方です。
この記事では、チェンジマネジメントの定義や必要な理由、代表的なフレームワークについて解説します。導入ステップや課題と対策についてもまとめているため、ぜひご参考にしてください。
| この記事でわかる事 |
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目次
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1-1 チェンジマネジメントの定義と目的
1-2 従来のマネジメント手法との違い -
2-1 VUCA時代における変化スピードの加速
2-2 DX推進における「人の壁」の克服 -
3-1 コッターの8段階の変革プロセス
3-2 レヴィンの3段階モデル
3-3 ADKARモデルによる個人の変革プロセス -
4-1 ステップ1:変革の必要性を可視化し共有する
4-2 ステップ2:推進チームを結成しリーダーシップを確立する
4-3 ステップ3:具体的なアクションプランを策定する
4-4 ステップ4:継続的なコミュニケーション方法を構築する
4-5 ステップ5:成果を評価し定着のための改善を行う -
5-1 現場社員からの強い抵抗(チェンジモンスター)
5-2 タイプ別チェンジモンスターへの対策
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1.チェンジマネジメントとは? |
チェンジマネジメントの起源は、1990年初頭のアメリカで普及した「BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)」という、業務を抜本的に変革する手法です。BPRの成功をカバーする手法として、チェンジマネジメントの考え方が広まりました。
チェンジマネジメントとはどういうものか、定義と目的、従来のマネジメント手法との違いについて解説します。
(1)チェンジマネジメントの定義と目的
チェンジマネジメントとは、変化に対する混乱や抵抗を最小限に抑えながら、組織が目指す姿へ移行するための体系的な変革手法のことです。具体的には、変化への「抵抗」などの人の感情や新たに必要なスキルを管理し、新たな環境や業務に適応するようにサポートします。
チェンジマネジメントは、システムやルールなどのハード面と、従業員の心情や社風などのソフト面の両方が変化に順応し、変革を成功させるためにも重要な考え方です。
(2)従来のマネジメント手法との違い
チェンジマネジメントと従来のマネジメント手法との違いは、マネジメントの対象です。従来のマネジメント手法は、組織の日常的な業務遂行や目標達成などが対象となっており、ある特定のタイミングで発揮されるものではありません。
一方のチェンジマネジメントは、新事業の策定や組織改革など、大きな変化・変革の際の目標達成やスムーズな移行を対象としています。組織の形態や従業員の心情といった面をサポートし、新たな組織の在り方を定着させるのが、チェンジマネジメントの役割です。
2.なぜ今、チェンジマネジメントが必要なのか |

チェンジマネジメントは、現代において必要性が高まっています。
なぜ今、チェンジマネジメントが求められているのか、理由を2つ解説します。
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(1)VUCA時代における変化スピードの加速
現代は、変化が激しく、先行きもわかりづらい「VUCA(ブーカ)時代」といわれています。昨日まで順調だった事業が、ビジネス環境やニーズの変化によって急に通用しなくなることもありえるでしょう。
持続的に組織を運営していくには、時代の変化の波に合わせて組織も変革していくことが求められます。そのため、スムーズな変革につながるチェンジマネジメントの考え方が組織にとって必要です。
(2)DX推進における「人の壁」の克服
経済産業省の「DX支援ガイダンス」によると、「DXに取り組むに当たっての課題」として、「DXに取組もうとする企業文化・風土がない」「経営者の意識・理解が足りない」という「人」に関する意見があります。
人間は、変化のメリットを理解していても、失敗やリスクを恐れて変化を避けようとする心理(現状維持バイアス)が働きやすいです。いくらデジタルツールを導入しても、従業員に使ってもらわなければ意味がありません。
チェンジマネジメントは、従業員の意識も変化に順応するようにサポートするため、変化への恐れを払拭し、DX推進を成功させられる可能性があります。
3.チェンジマネジメントの代表的な3つのフレームワーク |

チェンジマネジメントの効果を高めるには、次の代表的なフレームワークの活用がオススメです。
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それぞれどのように活用するのか、ご紹介します。
(1)コッターの8段階の変革プロセス
ハーバード・ビジネススクール松下幸之助記念講座名誉教授のジョン・P・コッターが提唱した変革プロセスは、下記の8段階で構成されています。
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ひとつひとつの段階を踏みながら、順に進めていくのが成果を上げるポイントです。
(2)レヴィンの3段階モデル
ドイツ出身の心理学者、クルト・レヴィンが提唱した組織変革の3段階モデルは、下記のとおりです。
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レヴィンの3段階モデルを細分化したものが、コッターの8段階の変革プロセスになります。
(3)ADKARモデルによる個人の変革プロセス
ADKAR(アドカー)モデルは、個人の変化を推進するプロセスで、次の5つの要素で構成されています。
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上記ステップを順番に進めることで、従業員は「変革の必要性」がわかり、「変革をしたい」という思いにもなるため、ポジティブな気持ちで変化を受け入れられます。
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4.失敗しないための導入手順5ステップ |

チェンジマネジメントを失敗せずに導入するには、次の5つのステップを踏みましょう。
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各ステップの内容とポイントを解説します。
(1)ステップ1:変革の必要性を可視化し共有する
まずは、組織に変革が必要な理由を従業員に共有しましょう。従業員が「なぜ変革が必要なのか」を理解することで、変革に対する抵抗感が薄まります。
ポイントは、必要性を可視化し、具体的に示すことです。変革しないデメリットや懸念点、変革した場合のメリットと解決される課題などを明確化すると、従業員は自分事として捉えられるでしょう。また、社内報や会議などで経営層から変革の重要性を説くと、従業員はより深刻に受け止めると考えられます。
(2)ステップ2:推進チームを結成しリーダーシップを確立する
変革の推進チームを結成し、組織全体を引っ張っていくリーダーシップを確立します。
変革にあたり、影響を受ける部署や従業員にヒアリングやアンケートなどを行って、変革に対する意欲や不安、疑問点などを把握します。その後、意欲やポジション、影響力、スキルなどを鑑み、変革を推進しうる人材をリーダーとして選出しましょう。
推進チームを適切に結成できると、ほかの従業員の技術・心理的なフォローやシステムの円滑な定着など、組織全体によい影響をもたらします。
(3)ステップ3:具体的なアクションプランを策定する
組織の変革を目指し、具体的なアクションプランを策定します。変革後に組織がどうあるべきか、どのような価値が生まれるかなどを明確化し、目標達成のために必要なアクションを決めていきましょう。例えば、従業員のスキルレベルに合わせた研修や、座学以外に実際に手を動かして学べるトレーニングの実施が挙げられます。
策定したアクションプランは、従業員へ周知徹底します。シンプルかつ具体的で、誰もが理解できる内容にすると浸透しやすく、組織全体で方向性にズレが生じづらいです。
(4)ステップ4:継続的なコミュニケーション方法を構築する
アクションプランや新システムの導入時期、改善される業務など、変革に関する情報やメッセージは継続的に発信することが望ましいです。社内会議や説明会、社内報、イントラネット等のさまざまなチャネルで発信し続けると、従業員の理解が深まり変革へのポジティブな雰囲気の醸成につながります。
また、相談窓口の設置など、従業員が意見や不安を伝えやすい体制も構築しましょう。従業員に、「従業員のことも考えてくれている」という信頼感や安心感が芽生えて、変革へのより意欲的な取り組みが期待できます。
(5)ステップ5:成果を評価し定着のための改善を行う
変革による成果を評価します。例えばシステムを導入した場合は、「〇か月で利用率△%」という目標を立て、利用率やトラブル率、従業員の使用感など、定量・定性データを収集し、状況と進捗具合を分析しましょう。評価後は変革後の状態が定着するように、従業員の意見を反映させる、システム設定を変更するなどの改善をしていきます。
失敗があると、「やはり変化しないほうがよかったのでは」と思う従業員もいるため、成功体験があれば積極的に共有することも大切です。また、変革された業務やシステムで成果を上げた従業員を表彰するなど、評価制度と変革を連動させた取り組みは従業員のモチベーションアップにつながり、変革の定着と改善を加速させます。
5.チェンジマネジメントが失敗する共通の課題と対策 |
チェンジマネジメントの失敗要因として、従業員の「抵抗」があります。
従業員が抱く抵抗は「チェンジモンスター」と呼ばれ、変革がそもそも進まない、取り組んでも失敗に終わるなどのネガティブな状況を招きかねません。
チェンジマネジメントを成功させるためにも、チェンジモンスターへの対策を把握しておくことが大切です。
ここでは、チェンジモンスターの特徴とタイプ別の対策をご紹介します。
(1)現場社員からの強い抵抗(チェンジモンスター)
前述のように、人間は変化を避け、現状を維持しようとする心理傾向があるため、変革にあたり現場社員から強い抵抗が生じるケースがあります。
例えば、次のような心理が働き、変革に抵抗するでしょう。
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(2)タイプ別チェンジモンスターへの対策
現場社員の抵抗を無理やり抑えつけ変革を推し進めようとすると、モチベーションの低下や離職のリスクがあります。
組織の変革には現場社員の現状や心情への配慮が必要なため、チェンジモンスターが現れた場合も、タイプに応じた対策をすることが理解促進につながります。
チェンジモンスターのタイプ別の対策を下表にまとめたので、ぜひご参考にしてください。
| チェンジモンスターのタイプ | 対策 |
| ①過去の成功に固執する |
・業界や競合の動向など、外部環境の変化を示す |
| ②否定的な意見をいう |
・成功体験を積み重ねて自信や成功イメージを醸成する |
| ③変革に必要な行動をとらない |
・1on1などで対話をし、動機づけをする |
| ④興味があるのは自分の担当業務のみ |
・部署間の連携強化のために情報共有できるシステムや体制を構築する |
| ⑤変革を肯定する一方で、徒党を組み妨害しようとする |
・周囲への影響力のある人材を早めに「変革推進者」側へ引き込む |
6.まとめ |
チェンジマネジメントとは、組織改革などの大きな変化の際に、混乱や抵抗を最小限に抑えながらスムーズに移行するための体系的な手法のことです。
チェンジマネジメントを成功させるには、代表的なフレームワークの活用や、チェンジモンスターへの適切な対策が求められます。
変革には、従業員の抵抗や不安などのネガティブな感情がつきもののため、気持ちに寄り添い、理解を促進しながら取り組んでいきましょう。
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