バックグラウンドチェックは、候補者の経歴などを調査し、採用の失敗を防ぐための取り組みのことです。
調査項目は多岐にわたり、さまざまな情報を得られますが、手順やアクションを誤ると違法になる恐れもあるため正しく理解しておくことが重要です。
この記事では、バックグラウンドチェックの意味や調査項目、実施手順と注意点をまとめています。バックグラウンドチェックを適切に行えるように、ぜひご参考にしてください。
| この記事でわかる事 |
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1.バックグラウンドチェックとは |
バックグラウンドチェックと、混同しやすいリファレンスチェックとの違い、企業が実施する理由について解説します。
(1)バックグラウンドチェックの意味
バックグラウンドチェックとは、候補者の経歴に虚偽がないか、過去に不祥事を起こしていないかなどのネガティブな情報を採用選考中に調査することです。「採用調査」「雇用調査」とも呼ばれるバックグラウンドチェックは、企業の依頼によって専門の調査会社が実施します。
混同されやすい調査に、リファレンスチェックがあります。リファレンスチェックは採用ミスマッチの防止を目的としており、採用担当者が候補者のネガティブ・ポジティブ両面を調査するため、目的や内容が異なります。
| 💡リファレンスチェックについて詳しくまとめた記事はこちら |
(2)企業がバックグラウンドチェックを行う理由
企業がバックグラウンドチェックを行う理由は、雇用リスクのある候補者の採用を回避するためです。バックグラウンドチェックは、アメリカ等海外の企業では頻繁に実施されており、日本でも外資系や金融系の企業などで行われる傾向があります。
転職が一般化し、多様な候補者と出会う機会が増えた企業にとって、自社にマイナスな影響を与えるかもしれない人材を事前に見極め、雇用を防ぐことは重要です。
2.バックグラウンドチェックの調査項目 |

バックグラウンドチェックで調査するのは、主に下記の6項目です。
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各項目の具体的な内容を解説します。
(1)学歴・職歴
履歴書などに記されている学歴・職歴について、入学・卒業年月、専攻、入退社年月、雇用形態、職務内容等に虚偽がないかを調査します。
調査方法は、学校の卒業証書や資格証明書、源泉徴収票などの提出を求める、過去の勤務先に電話をして確認するなどがあります。
(2)反社会的勢力との関係
候補者が反社会的勢力の関係者ではないかを、反社チェックツールなどを活用して調査します。
反社チェックツールとは、暴力団や暴力団と関わりのある企業を企業名や個人名などを入力・検索することで確認できるツールです。
(3)金融情報・破産歴
候補者に金銭トラブルがないか、家賃や税金を滞納していないかなどの金融情報を調査し、金銭面でのリスクを確認します。
破産歴は、「官報」で確認を行います。官報とは、国の法令や公示事項を掲載した国の広報誌のことです。破産法という法律によって、自己破産者の名前と住所などが官報に掲載されます。
(4)訴訟・トラブル歴の有無
訴訟・トラブル歴の有無は、調査会社の独自のデータベースや公開されている裁判所の判決記録、新聞、ニュースなどで調査します。
(5)インターネット・SNS上での情報調査
インターネットやSNSで候補者の名前を検索し、ネガティブな情報や不適切な言動がないかをチェックします。例えば、トラブルや逮捕歴、不穏な交友関係の有無や、投稿内容から人間性を確認することでリスクを調査します。
(6)勤務態度や人柄
候補者の勤務態度や人柄について、過去の勤務先の上司や同僚に電話やオンラインアンケートなどで調査を行います。候補者がヒアリング対象者を指定できるケースもあるのが特徴です。
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3.バックグラウンドチェックの実施手順 |

バックグラウンドチェックは次の4ステップで行います。
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スムーズに実施できるように、バックグラウンドチェックの手順を確認しておきましょう。
(1)実施前に候補者から同意を得る
バックグラウンドチェックを実施する前に、実施する理由を丁寧に説明し、候補者から同意を得ます。候補者のなかには「転職活動を現職場に知られたくない」と不安に思う方もいるため、現職場への調査はしないなど、柔軟に対応すると同意してもらいやすくなるでしょう。
一方で、候補者はバックグラウンドチェックを拒否できます。拒否された場合は理由を聞き、理由が合理的でないなど不審な様子があれば、採用を見送ったほうがリスクを回避できるかもしれません。
(2)調査会社に依頼をする
候補者からバックグラウンドチェック実施の同意を得られたら、調査会社に依頼しましょう。
バックグラウンドチェックをするにあたり、不要な個人情報まで得てトラブルを招かないように、コンプライアンスを遵守している調査会社を選定することが望ましいです。
依頼した調査会社とは、調査する項目・方法・費用をすり合わせます。
(3)バックグラウンドチェックを行う
依頼した内容をもとに、調査会社がバックグラウンドチェックを行います。調査する内容は、前述のように学歴・職歴や訴訟・トラブルの有無などです。
(4)調査結果を確認する
調査会社がバックグラウンドチェックの調査結果をレポートにまとめてくれるため、企業の採用関係者は内容を確認し、採用可否を判断します。候補者には調査結果を伝えません。
4.バックグラウンドチェックの費用と期間 |
バックグラウンドチェックの費用と期間は、調査会社や内容によって異なるため、調査会社の選定の際に信用性と併せて確認することが大切です。
ここでは、一般的なバックグラウンドチェックの費用と期間をご紹介します。
(1)バックグラウンドチェックの費用相場
バックグラウンドチェックの費用相場は、一般的な調査項目の場合3~5万円、詳細な調査の場合10万円ほどかかります。
調査人数が増えるほどかかる費用も増えるため、ある程度人数が絞り込まれた最終面接前に実施するとコストを抑えられるでしょう。また、学歴調査など自社で調査できる項目は自社対応にすることも、コスト削減につながります。
(2)バックグラウンドチェックにかかる期間
バックグラウンドチェックにかかる期間は、1~2週間ほどが多いです。
調査内容や対象によって期間が左右されるため、例えば調査項目が少なければ3日ほどで調査結果をもらえることもありますが、対象が海外の場合は当該国の法規制などによって1か月以上かかるケースもあります。
5.バックグラウンドチェックが違法になるケース |

バックグラウンドチェックは、正しく行わないと違法になるため注意が必要です。
違法になるケースとして、次の3つを解説します。
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(1)候補者の同意なく実施する
バックグラウンドチェックを候補者の同意なく実施した場合、違法となります。
候補者の個人情報を同意なく調査・取得すると、個人情報保護法に抵触する恐れがあるため、書面など適正に実施したことを証明できる形で同意を得ましょう。
(2)採用選考と関係のない情報を調査する
採用選考と無関係な情報を調査しないように気を付けましょう。例えば、出生地、信条、人種、社会的身分、家族の職業、本人の資産など、社会的差別の原因となる恐れのある情報は、職業安定法で原則収集が認められていません。
また、病歴や犯罪歴を調査することは可能ですが、「要配慮個人情報」に含まれ、本人の同意なしに取得すると違法です。取得した場合は、非常にセンシティブな情報であることに配慮し、漏洩などさせないように慎重な取り扱いが求められます。
(3)調査結果をもとに内定を取り消す
バックグラウンドチェックの調査結果をもとにした内定取り消しは、違法となる可能性が高いです。内定取り消しは解雇と同様の扱いになるため、客観的に合理的な理由と社会通念上相当性が必要です。例えば、バックグラウンドチェックによって経歴詐称や反社会的勢力との関わりが判明した場合などは内定取り消しが認められます。
一方で、「自社に合わない」などの理由では内定取り消しが難しいです。内定を取り消すこと自体、候補者から訴訟を起こされるリスクがあるため、内定を出す前にバックグラウンドチェックを行なって人材を見極めましょう。
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6.まとめ |
バックグラウンドチェックは、企業がリスクのある人材の雇用を回避するために行う調査のことです。専門の調査会社に依頼することで、候補者の職歴や反社との関わりの有無、勤務態度などを確認し、採用判断に活用します。
失敗のない採用につながるバックグラウンドチェックですが、候補者の同意がない場合や不要な情報の収集は違法となるため注意が必要です。
信頼できる調査会社を選定し、細心の注意を払いながらバックグラウンドチェックを実施しましょう。
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